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遺産分割でもめるパターン7つ|円満解決に向けてするべきことを解説

遺産分割協議では、長年の親族間の問題が蒸し返されたり、相続人同士で感情や意見が対立したりして、話し合いがこじれることも珍しくありません。

遺産分割が長引くと、二次相続が発生して手続きが煩雑になり、税務上のリスクを負うこともあります。

遺産分割でもめないためには、もめるパターンや理由を把握し、それを未然に防ぐために心がけるべきことがあります。

この記事では、遺産分割でもめるパターンや理由と未然防止策について、以下のとおり解説します。

  • 遺産分割でもめる7つのパターン
  • 遺産分割でもめる理由
  • 遺産分割でもめるのを未然に防ぐ方法
  • 遺産分割でもめないために相続人が留意すべきこと
  • 遺産分割でもめた場合はどうすればいい?

遺産分割でもめたくない方、既にもめている方は、ぜひご参考になさってください。

 

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遺産分割でもめる7つのパターン

ここでは、遺産分割でもめるパターンを紹介します。

遺産分割でもめるパターンには、次の7つのケースがあります。

  • 相続人同士が不仲・疎遠
  • 遺産に不動産や株式が含まれている
  • 前妻との子供や遺言で認知された子がいる
  • 一部の相続人が多額の生前贈与を受けている
  • 相続人の1人が被相続人を看護・介護していた
  • 相続人の1人が被相続人の財産を管理していた
  • 相続人以外の親族が口を出している

ひとつずつ説明します。

相続人同士が不仲・疎遠

相続人同士が不仲だったり、疎遠だったりすると話し合いがスムーズに進まず、遺産分割でもめる可能性があります。

仲が悪ければ、相手の事情を考慮したり、互いに譲歩したりできないばかりか、話し合いすら始められない可能性もあります。

疎遠な相続人がいる場合、相手の性格が分からなければどんな反応を見せるかが想像できず、話し合いの進め方に悩むこともあるでしょう。過去に縁を切って疎遠になった相続人がいると、遺産分割の話し合いで更に関係が悪化することもあります。

遺産に不動産や株式が含まれている

遺産に不動産や株式が含まれている場合も、分割方法や評価方法に意見の食い違いが生じてもめるケースが多いです。

不動産の分割方法・評価方法や株式を評価する基準時について、相続人間に争いがあると、遺産分割協議が長期化することがあります。

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前妻との子供や遺言で認知された子がいる

被相続人に前妻との子供や遺言で認知した子がいる場合、被相続人の配偶者や子などの相続人は、前妻の子や認知された子も含めて遺産分割の話し合いをしなければなりません。

お互いに対する感情や気まずさから、話し合いがスムーズに進まず、遺産分割でもめる可能性があります。

一部の相続人が多額の生前贈与を受けている

一部の相続人が多額の生前贈与を受けている場合も、遺産分割でもめる傾向があります。

特別受益を考慮せずに法定相続分どおりに遺産を分割すると公平を欠くため、生前贈与を受けていない相続人に不満が生じます。

特別受益の主張は、生前贈与を受けていない相続人が行う必要がありますが、相手が生前贈与を受けた事実を素直に認めないこともあります。当事者間の話し合いでは解決できず、調停や審判に発展することも少なくありません。

相続人の1人が被相続人を看護・介護していた

相続人の1人が被相続人に付き添って看護・介護していた場合も、遺産分割でもめる傾向にあります。

被相続人の看護・介護に尽くした相続人は、遺産分割に際して、その貢献に応じて、他の相続人よりも遺産を多く受け取れるケースがあります。寄与分を認めるかどうかや認める場合の寄与分の額は、相続人全員による協議で決めなければなりません。協議がまとまらなければ、調停や審判で解決する必要があります。

相続人の1人が被相続人の財産を管理していた

相続人の1人が被相続人の財産を管理していた場合も、遺産分割でもめる可能性があります。特に、相続人による財産の使い込みが疑われる場合や、管理者である相続人が財産を開示しない場合は、遺産分割協議が難航します。

弁護士などの専門家に相続財産調査を依頼しなければならないケースも少なくありません。

相続人以外の親族が口を出している

遺産分割協議に相続人以外の親族が関与すると、話し合いがこじれて協議が長期化するおそれがあります。

例えば、相続人の配偶者が少しでも遺産を多く貰って欲しいという思いから口を出して、遺産分割協議が混乱するケースです。

 

遺産分割でもめる理由

ここでは、遺産分割でもめる理由について解説します。

相続人同士で意見が対立するから

遺産分割協議では、遺産の分け方だけでなく、遺産の範囲や評価方法も決めなければなりません。各相続人の思いや希望が異なり、協議しなければならないことが多ければ多いほど、意見の対立が生じる傾向があります。

例えば、不動産の分割方法で意見が対立することがあります。生まれ育った家を残したいと思う相続人もいれば、家を売却してその代金を分けたいと思う相続人もいるため、両者が一歩も譲らなければ話し合いが決裂することになります。

相続人それぞれの被相続人への思いが異なるから

相続人同士の仲が良くても、各相続人が抱く被相続人の思いが、完全に一致するとは限りません。

遺言がある場合に、被相続人の最終意思を尊重したいと思う相続人もいれば、遺言が不公平だと感じて遺言と異なる遺産分割を求める相続人もいるでしょう。

分け隔てなく愛情を受けたと感じる相続人もいれば、他の相続人が受けた愛情より自己が受けた愛情が劣ると感じる相続人もいます。

被相続人への思いの違いが、他の相続人への妬みに繋がり、紛争に発展するケースもあります。

自分の利益ばかりに気を取られるから

少しでも多く遺産を貰いたい、自分に有利に遺産分割協議を進めたいという気持ちが強いと、他の相続人の事情を理解しようとする気持ちが薄れます。

各相続人の事情をお互いに理解し合い、互いにある程度の譲歩ができなければ、話し合いが長期化するのは避けられません。

 

遺産分割でもめるのを未然に防ぐ方法

ここでは、遺産分割でもめるのを未然に防ぐ方法について解説します。

生前贈与は公平に

生前贈与に偏りがあると、相続開始後に相続人間で争いに発展することが多いです。

生前贈与をする場合は、将来、相続人が互いに不公平感を抱かないよう配慮しましょう。

普段から家族に自分の気持ちを伝えておく

普段から連絡を取り合い、お互いの事情や希望などを意見交換する場を設けると良いでしょう。

日頃のコミュニケーションが不足していては、いざというときに、どのように接すれば良いか分からず、話し合いをスムーズに進められなくなります。

例えば、親と同居して介護している人が、「将来、遺産分割の際にその分を考慮してね。」と相続前に気持ちを伝えるのと、相続開始後に伝えるのとでは、前者の方が他の相続人が受け入れやすいこともあります。

相続人となる家族に財産の内容を知らせておく

生前に、遺産の内容を家族に知らせておくことも紛争の予防策として有効です。特に、相続人になる家族の1人に自己の財産を管理させている場合には、相続開始後、財産の使い込みや隠匿が問題になるケースが多いです。

推定相続人に財産の内容を知らせておけば、無用な紛争を回避できる可能性があります。

生前から遺産分割方法について話し合う

生前から家族で遺産分割方法について話し合い、それぞれの考えを共有しておけば、相続開始後に感情や意見の対立からトラブルに発展する確率を下げられます。

自分が亡くなった後の話をすることに抵抗感を覚える方も少なくないですが、将来の紛争を未然に防ぐために、可能な限り相続開始前から話し合いをすることをおすすめします。

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公平な内容の遺言書を残す

推定相続人が不仲で、将来トラブルが生じるおそれがある場合には、あらかじめ誰が何を相続するか遺言で指定しておくことも可能です。

法定相続人の遺留分を侵害せず、公平・有効な遺言を残していれば、原則として遺産分割協議を行う必要がなく、相続人同士でもめることはありません。

遺言執行者を指定すれば、相続人同士が不仲でも、相続手続きが滞りなく進められるので安心です。

 

遺産分割でもめないために相続人が留意すべきこと

ここでは、遺産分割でもめないために相続人が心がけるべき点を解説します。

各相続人の事情をお互いに理解し合うこと

民法906条は、以下のとおり遺産分割の指針を定めています。

遺産の分割は、遺産に属する物又は権利の種類及び性質、各相続人の年齢、職業、心身の状態及び生活の状況その他一切の事情を考慮してこれをする。

引用:民法 | e-Gov法令検索

遺産分割では、ケースごとに遺産の内容も相続人の事情も異なります。

相続人の事情には、以下のようなものがあります。

  • 被相続人と同居している相続人がいるか
  • 被相続人の身の回りの世話や介護をしている相続人がいるか
  • 心身の不調があり生活費の確保についてと特別の考慮が必要な相続人がいないか

被相続人と同居していた相続人がいれば、その居住建物は同居していた相続人に承継させる場合が多いでしょう。被相続人の介護に尽くした相続人がいれば、生活費や医療費の原資を残すことも必要です。生活費の確保について特別の考慮が必要な相続人がいれば、その人の生活を十分に勘案した遺産分割をするとよいでしょう。

遺産分割協議では、このように各相続人の事情をお互いに理解し合うことが大切です。

互いにある程度の譲歩をすること

相続人がそれぞれ自分の利益ばかりを追求すると、いつまでたっても話し合いがまとまりません。

遺産分割協議は、過去の問題を精算したり、感情的な話題を持ち出したりする場ではありません。

お互いに譲歩し合うことを心がければ、円満かつスムーズに遺産分割協議を進められます。

法律上認められる権利や相続分を正しく理解すること

公平な遺産分割を行うためには、各相続人に法律上認められる権利や相続分を正しく理解しなければなりません。

相続開始前から相続に関する知識を共有しておけば、相続トラブルに発展する確率を下げられます。

 

遺産分割でもめた場合はどうすればいい?

ここでは、遺産分割でもめた場合の対処法について解説します。

弁護士に相談する

遺産分割でもめた場合は、なるべく早く弁護士に相談することをおすすめします。

無理に当事者間での話し合いを続けると、相続人間の関係が悪化したり、紛争が長期化したりするおそれがあります。

当事者間では感情的になる場合でも、第三者として弁護士が間に入るだけで冷静に話し合えることも多くあります。不仲・疎遠な相続人がいる場合も、弁護士に依頼すれば交渉を代理してもらえるため、直接やり取りをする精神的負担を軽減できます。

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調停・審判手続きを利用する

当事者間で話し合いがまとまらないときは、家庭裁判所の調停・審判手続きを利用できます。

遺産分割調停では、家庭裁判所の調停委員が仲介役として、解決に導くための話し合いの場を提供してくれます。

調停で解決できない場合は、審判に移行します。審判では、家庭裁判所の裁判官が遺産の分割方法を決めてくれます。

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まとめ

遺産分割でもめないためには、各相続人の事情を理解し、お互いに譲歩することが大切です。

遺産分割でもめることが予想される場合は、強引に協議を進めずに、弁護士への依頼や調停・審判手続きの利用を検討しましょう。

遺産分割でもめる可能性がある方、既にもめてしまっている方は、ぜひ一度ネクスパート法律事務所にご相談ください。遺産分割でもめないための予防策やアドバイスはもちろん、もめてしまった場合も早期解決に向けて全力でサポートさせていただきます。

この記事を監修した弁護士

寺垣 俊介(第二東京弁護士会)

はじめまして、ネクスパート法律事務所の代表弁護士の寺垣俊介と申します。お客様から信頼していただく大前提として、弁護士が、適切な見通しや、ベストな戦略・方法をお示しすることが大切であると考えています。間違いのない見通しを持ち、間違いのないように進めていけば、かならず良い解決ができると信じています。お困りのことがございましたら、当事務所の弁護士に、見通しを戦略・方法を聞いてみてください。お役に立つことができましたら幸甚です。

相続問題は弁護士に依頼することでトラブルなくスピーディーに解決できます。

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