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いとこは相続人になれるか?いとこをめぐる相続について解説

仲が良く、いろいろとお世話になったいとこがいて、自分が亡くなった際には財産を渡したいと考えた場合、どのような手続きをすればいいでしょうか?

この記事では、いとこは相続人になれるかどうか、そしていとこに財産を譲るための方法や法定相続人がいないいとこが亡くなった場合の相続手続きについて解説します。

いとこは相続人になれるか?

被相続人のいとこは、法定相続人になれません

民法上、法定相続人の範囲は以下のとおり定められているからです。

  • 配偶者(常に相続人になります)
  • 子どもや孫などの直系卑属(第1順位の相続人)
  • 父母や祖父母などの直系尊属(第2順位の相続人)
  • 兄弟姉妹またはその代襲者相続人(第3順位の相続人)

たとえ被相続人に法定相続人が誰もいなかったとしても、いとこが法定相続人になることはありません

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いとこに財産を譲るために生前にできる相続対策は?

いとこに自分の財産を譲りたいと考えた場合、生前にできることは以下の2つです。

  • 遺言書を作成する
  • 生前贈与をする

それぞれ解説します。

遺言書を作成する

遺言書を作成して、いとこに財産を遺贈する旨を記しておきましょう。

遺言書があれば、原則として遺言書の内容を優先して相続の手続きが進められます

法定相続人がいる場合は、遺留分に気を付けて遺言書を作成しましょう。法定相続人の遺留分を侵害すれば、相続人の間でトラブルが生じる可能性があるため、弁護士のアドバイスを受けながら遺言書を作成することをお勧めします。

遺言書の内容どおりに確実に相続手続きが進むようにしたいなら、遺言書を作成する際に遺言執行者を選任しておきましょう。遺言執行者がいれば、遺言執行者が単独で、あるいは遺言執行者と受遺者が共同して相続手続きが進められるので、相続人の協力が得られなくても問題ありません。

生前贈与をする

いとこに財産を渡したい場合、生前贈与を検討しましょう。生前贈与は誰にでもできますし、生きているうちに、直接いとこに財産を渡せるため安心です。

生前贈与をする際に気を付けなければいけないのは、贈与税です。一定額を越えて贈与された人は、贈与税の支払いをしなければいけません。贈与税は年間110万円の基礎控除額がありますので、これを越えないように計画的に贈与をする方法もあります。

相続人のないいとこが死亡したら財産は誰のものになるか?

相続人のいないいとこが死亡したら財産は誰のものになるのか、以下で解説します。

特別縁故者と認められた人に分与される

法定相続人がいない場合、家庭裁判所が相当と認めるときは、特別縁故者に財産の一部が分与されることがあります

法定相続人がいない場合、家庭裁判所が選任した相続財産清算人が財産の管理を行い、債権者への支払や特別縁故者への分与を行うことになります。

具体的な手続きの流れは以下のとおりです。

①相続財産清算人の選任を申立てる

相続財産清算人選任の申立ては、利害関係人でも行えるため、被相続人と特別の縁故のあった方からも請求できます。

②相続財産清算人が選任され法定相続人の捜索をする

家庭裁判所は、相続財産清算人を選任したときは、法定相続人がいないかどうか官報で公告をして捜索します。通常6か月以上の期間を設けて、相続財産清算人が選任されたことを世の中に発信し、相続人が名乗り出るのを待ちます。

法定相続人が現れた場合は、相続人に財産を引き継ぎます。期間満了までに相続人が現れなければ、相続人がいないことが確定します。

③相続財産の債権者・受遺者を確認するための公告をする

相続財産清算人選任の公告から2か月以内に相続人が現れなかった場合、相続財産清算人は、相続財産の債権者や受遺者を確認するために請求申出の公告を行います。

④特別縁故者への財産分与の申立てをする

①の公告期間が満了しても、法定相続人が現れなかった場合、被相続人と特別の縁故があった方は、家庭裁判所に特別縁故者に対する相続財産分与の申立てができます。この申立ては相続人等の不存在が確定してから3か月以内にする必要があります。

なお、特別縁故者については、民法9583項に規定があり、以下のとおり定められています。

  • 被相続人と生計を同じにしていた者
  • 被相続人の療養看護に務めた者
  • その他被相続人と特別の縁故があった者

条件を満たしているかどうかは、同居年数が分かる住民票や看護をしていたことが分かるメールやLINEのやり取りや書類などを参考に検討されます。

⑤分与の審判もしくは申立却下の審判

家庭裁判所は、縁故関係の内容や程度などの一切の事情を総合的に調査し、分与もしくは申立却下の審判をします。

⑥特別縁故者と認められたら財産を受け取る

家庭裁判所が、特別縁故者として相続財産を分与することが相当と判断した場合、特別縁故者に対して被相続人の財産が分与されます。

なお、特別縁故者は、必ずしも清算後に残った相続財産をすべて受け取れるわけでありません。分与の程度や内容は、家庭裁判所が被相続人と特別縁故者との関係性等を考慮して決定します。

最終的には国庫に帰属する

特別縁故者からの財産分与の申立てがないまま、①の公告期間満了時から3か月が経過したとき(または分与の申立てが却下されたとき)には、相続財産は国庫に帰属します。

相続債権者・受遺者への弁済や特別縁故者への財産分与、相続財産清算人への報酬付与等の手続きを経てもなお財産が残った場合は、相続財産清算人は国庫に帰属させる手続きを行います。

いとこの財産を取得する場合は相続税に注意

被相続人のいとこが財産を取得した場合で、遺産の総額が基礎控除額を超えるときは、相続税の申告が必要です。基礎控除額は以下の式で求めますが、特別縁故者は相続人ではないため、基礎控除額は3,000万円です。

3,000万円+600万円×法定相続人の数)=基礎控除額

相続税の申告が必要な場合、いとこの財産を取得したら相続税が2割増しになるので注意しましょう。

まとめ

親族の中で、いとこと特別良い関係を築いている人は少なくないと思います。特に年齢が近かったりすると、兄弟姉妹よりも仲良くしているケースもあるのではないでしょうか。

そんな身近な存在のいとこですが、法定相続人にならないと知って驚いた人もいらっしゃると思います。いとこに自分の財産を残したいと考えた場合、弁護士などの専門家に相談しながら対策を練りましょう。

ネクスパート法律事務所には、相続案件を多数手がけている弁護士が在籍しています。

いとこに財産を渡したいけれど、どのように遺言書を作成すればいいか分からないなどお困りの方には、遺言書案の作成および手続きの説明、公正証書遺言の作成をご依頼いただけるプランをご用意しております。

ぜひお気軽にお問合せください。

 

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この記事を監修した弁護士

寺垣 俊介(第二東京弁護士会)

はじめまして、ネクスパート法律事務所の代表弁護士の寺垣俊介と申します。お客様から信頼していただく大前提として、弁護士が、適切な見通しや、ベストな戦略・方法をお示しすることが大切であると考えています。間違いのない見通しを持ち、間違いのないように進めていけば、かならず良い解決ができると信じています。お困りのことがございましたら、当事務所の弁護士に、見通しを戦略・方法を聞いてみてください。お役に立つことができましたら幸甚です。

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