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相続放棄の相談は家庭裁判所でできる?手続きの流れと注意点を弁護士が徹底解説

相続放棄、家裁で相談できる? 手続きと注意点

はじめに――相続放棄の相談はどこへ持ち込むべきか

家族が亡くなったとき、その人が残した財産を受け継ぐのが相続です。しかし、遺産の中には預貯金や不動産のようなプラスの財産だけでなく、借金や滞納金などのマイナスの財産が含まれていることもあります。もし負債の方が多い場合や、そもそも債務の存在が不明で不安がある場合、多くの人が検討するのが「相続放棄」という制度です。
相続放棄は、簡単にいえば「プラスもマイナスも含め、相続に関する一切の権利義務を引き継がない」という選択をすることです。手続きは家庭裁判所で行いますが、どこまで家庭裁判所に相談することができるのか、また弁護士に相談したほうがよいのかと迷うことも少なくありません。
そこで本コラムでは、家庭裁判所でできること・できないこと、相続放棄の手続きの流れ、そして注意すべきポイントについて説明していきます。

家庭裁判所でできる相談とできない相談

相続放棄の申述は、被相続人の最後の住所地を管轄する家庭裁判所に対して行います。そのため、家庭裁判所に問い合わせれば何でも相談に乗ってくれると思われがちですが、実際には家庭裁判所でしてもらえることには限界があります。
家庭裁判所では、相続放棄に必要な書式の案内や提出先、手続きの一般的な流れについては教えてくれます。申述書の記入例や、必要となる戸籍関係書類の一覧を示してくれることもあり、初めて手続きを行う人にとって参考になる部分が多いといえます。
しかし、家庭裁判所では、個別の事案に関する法律相談や判断はできません。たとえば、相続人の範囲がどこまで及ぶのか、被相続人の借金が本当に存在するかどうか、期限を過ぎても相続放棄が認められるのかといった具体的な質問には回答ができません。
家庭裁判所が対応できるのはあくまで「手続きの一般的な説明」までであり、複雑な事情がある場合や法律的な評価や個別事情の検討が必要な場合は、弁護士に相談する必要が生じます。

相続放棄の手続きの流れについて

相続放棄は、被相続人が亡くなった後に、家庭裁判所で申述を行うことで成立します。以下では、実際の流れについて順番に解説します。

熟慮期間の開始

まず、相続が開始したことを知った時点で、相続放棄をするかどうかを検討する期間が始まります。この期間は「熟慮期間」と呼ばれ、原則として3か月とされています。この3か月の間に、相続財産の調査や借金の有無を確認し、相続するのか放棄するのかを決める必要があります。

資料収集

次に、必要書類の収集を行います。相続放棄には、被相続人の出生から死亡までの戸籍・除籍・改製原戸籍が必要となり、場合によっては相続人全員の戸籍も求められます。さらに、財産の有無を確認するために、預金通帳や金融機関の照会資料、保険会社の通知書など、状況に応じた資料の収集も必要です。

相続放棄申述書の作成

書類が揃ったら、家庭裁判所所定の申述書を作成します。申述書には、相続放棄をする理由や、死亡を知った時期、財産の把握状況などを記入します。この記入内容に不備があると、追加資料の提出を求められたり、不利に扱われたりすることもあるため注意が必要です。

家庭裁判所による照会と受理

家庭裁判所が書類を受理すると「照会書」という質問票が届きます。これは、相続放棄の意思が本当にあるのか、財産の状況をどこまで認識しているかなどを確認するものです。これに回答すると、後日「相続放棄申述受理通知書」が届き、正式に相続放棄が成立します。
ただし、受理された後も安心してよいわけではありません。債権者から連絡が来るケースがあるため、その際は家庭裁判所の通知書を示し、相続放棄が認められたことを伝える必要があります。

3か月の期限と例外的な救済

相続放棄で最も注意しなければならないのは、3か月という熟慮期間です。多くの方が「死亡日から3か月」と誤解していますが、正しくは「自己のために相続の開始があったことを知った時から3か月」です。たとえば、遠方の親族が亡くなって後日知った場合は、これを知った日からカウントします。

3か月以内に申述が間に合わない場合の救済

しかし、実際には財産や借金の調査が間に合わないこともあります。そのような場合には、家庭裁判所に「熟慮期間伸長申立て」を行い、期間の延長を求めることができます。正当な理由があれば延長が認められる可能性があります。

熟慮期間経過後の申述の救済

また、熟慮期間を過ぎても、「相当な理由」がある場合には相続放棄が認められる可能性があります。典型的には、被相続人の負債の存在を知らなかった、または知ることが著しく困難だった事情があるケースです。
実際に、最高裁昭和59年4月27日判決では、相続人が「財産は全くない」と信じたことに合理的理由がある場合、熟慮期間の起算点を「財産の存在を認識した時」にずらすべきとして救済しました。

相続放棄をするときに絶対に避けるべきこと

相続放棄は「相続財産を一切受け取らない」という前提の制度です。そのため、もし財産の一部でも処分してしまうと、相続を「単純承認」したものとみなされて、その後相続放棄ができなくなる危険性があります。
代表的な例として、被相続人名義の預金を引き出すことが挙げられます。特に注意が必要なのは、葬儀費用のために預金を引き出す場合です。この場合、原則的には相続放棄が認められますが、過大な支出をした場合には家庭裁判所からは財産の処分と判断されて相続放棄が認められなくなるリスクがあります。また、遺品を勝手に売却したり、生命保険の解約返戻金を受け取ったりすることも同様に問題となり得ます。
相続放棄を少しでも考えている場合は、被相続人の財産には手をつけないことが重要です。

家庭裁判所と弁護士の使い分け

相続放棄は、書式さえ揃えば自分でできる手続きのひとつです。そのため、財産関係が単純で、親族関係にも問題がない場合には、家庭裁判所の案内を参考にして自分で進めることも可能です。
一方で、借金があるかどうか分からない場合や親族関係が複雑な場合、熟慮期間の期限が迫っている場合などは、専門家である弁護士に相談した方が確実です。弁護士であれば財産調査、申述書の作成、書類の提出までを一貫して代行し、期間管理も行うため、手続きのミスや不備を避けることができます。
特に、相続開始を知ったときから3か月を過ぎた後の相続放棄は、法的な主張が必要となるため、弁護士に相談することが不可欠です。

まとめ――迷ったら早めに専門家へ相談を

相続放棄は、一度認められると撤回ができない制度です。家庭裁判所は手続きの案内はしてくれますが、個別事情に応じたアドバイスはしてくれません。相続財産や債務が不明な場合や、期限が迫っている場合、親族関係が複雑な場合は、早めに弁護士に相談することが、結果的に最も安全で確実な方法です。
相続放棄は「やり直しができない手続き」であるからこそ、不安があるときは専門家の力を借りることが必要です。
弁護士法人ネクスパート法律事務所は、相続放棄の実績が豊富で、様々な問題を含む相続放棄に対応することが可能です。相続放棄をお考えの方は、ぜひ一度ご相談ください。

この記事を監修した弁護士

寺垣 俊介(第二東京弁護士会)

はじめまして、ネクスパート法律事務所の代表弁護士の寺垣俊介と申します。お客様から信頼していただく大前提として、弁護士が、適切な見通しや、ベストな戦略・方法をお示しすることが大切であると考えています。間違いのない見通しを持ち、間違いのないように進めていけば、かならず良い解決ができると信じています。お困りのことがございましたら、当事務所の弁護士に、見通しを戦略・方法を聞いてみてください。お役に立つことができましたら幸甚です。

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