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遺言書とは?|トラブルなく遺言書を作成するための完全ガイド

遺言書とは? トラブルなく遺言書作成する方法

遺言書の作成を検討される方の多くは、残されたご家族が、遺産を巡って争うトラブルを回避したいと考えていることでしょう。遺言書は、財産承継をスムーズに進めることを目的とした法的効力を持った意思表示です。
本記事では、遺言書作成にあたり、次のポイントを中心に解説します。

  • 遺言書の効力・種類
  • 遺言書が無効にならないための方法
  • おすすめの遺言書保管方法
  • 遺言書作成にあたっての注意点
  • 遺言書作成費用
  • 遺言書作成を弁護士に依頼するメリット
  • 遺言書に関するQ&A

遺言書とは?

遺言書とは、遺言者が自己の死後における財産関係や身分関係について行う最終の意思表示で、それを書面にしたものです。
遺言書は、遺言者の死後に効力を生じる単独行為であり、常に方式の厳格性が求められます。この方式の厳格性が理解されていないことが、トラブルや無効の原因となります。
遺言は、遺言者が自己の意思のみで作成できる行為ですが、法律で定められた全ての要件を満たしていなければ、たとえ遺言者の真の意思であったとしても、法的な効力は生じません。

遺言書の作成を検討すべき人は?

遺言書の作成は任意ですが、以下に該当する人は遺言書の作成をおすすめします。

  • 相続人同士の関係が良好ではない・疎遠である
  • 相続財産のほとんどが不動産や非上場株式など、分割が難しい財産で構成されている
  • 特定の相続人に多くの財産を譲りたい
  • 内縁の妻等相続人ではない人に財産を残したい

遺言書を作成すれば、ご自身の意思を明確にし、残されたご家族がスムーズに相続手続きを進められる可能性があります。

遺言書の効力は?

遺言書に記載して法律上の効力が認められるのは、民法で定められた法定遺言事項の14項目に限定されています。

  • 共同相続人の相続分の指定、または第三者への指定の委託
  • 遺産の分割方法の指定、または第三者への指定の委託、および遺産の分割禁止
  • 遺産分割における共同相続人間の担保責任の定め
  • 推定相続人の廃除、または廃除の取り消し
  • 特別受益の持ち戻しの免除
  • 遺留分侵害額請求の負担方法の定め
  • 遺贈
  • 生命保険の保険金受取人の変更
  • 財団法人を設立する意思の表示
  • 信託の設定
  • 子の認知
  • 未成年後見人、未成年後見監督人の指定
  • 遺言執行者の指定、又は第三者への指定の委託
  • 祭祀を主宰すべき者の指定

これら法定遺言事項以外の事項(葬儀の執行に関する指示や、家族への感謝の言葉、遺言の動機など)は、法律上の効果は生じませんが、付言事項として遺言書に記載できます。付言事項は、相続人の感情的な納得感を引き出し、紛争を和らげる上で非常に重要な役割を果たします。

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遺言書の種類は?

遺言書には、大きく分けて普通方式と特別方式があります。普通方式とは、自筆証書遺言
、公正証書遺言、秘密証書遺言です。特別方式は、危急時遺言(一般危急時遺言・難船期危急時遺言)や隔絶地遺言(伝染病隔離者遺言・在船者遺言)を指します。
一般的に作成されるのは普通方式の3種類ですので、ここではそれらについて解説します。

自筆証書遺言

自筆証書遺言は、遺言者が遺言書の全文、日付、氏名を自書し、押印して成立する方式です。特別な費用がかからないメリットがある一方で、法律の厳格な方式を満たさずに無効となるリスクや、作成後に紛失・隠匿・改ざんされるリスクが高いデメリットがあります。
自筆証書遺言(法務局保管制度を利用した場合を除く)は、相続開始後遅滞なく家庭裁判所に検認の請求をしなければなりません。封がされた自筆証書遺言書は、検認前に開封してはいけません。そのままの状態で検認期日に家庭裁判所に提出します。
検認期日当日は、出席した相続人の立ち会いのもと、裁判官が遺言書を開封して(封がされているものの場合)、遺言書の内容等を確認します。

公正証書遺言

公正証書遺言は、公証人が、遺言者と証人2名以上の立ち会いのもと、遺言の内容を聴き取って作成する方式です。法律の専門家である公証人が作成するため、遺言内容が明確で、形式不備による無効の可能性が極めて低いことが利点です。原本は公証役場で長期にわたって厳重に保管されるため、滅失・毀損・改ざんの心配がありません。相続発生後の家庭裁判所での検認手続きも不要なので、相続発生後の手続きが迅速に進みます。

秘密証書遺言

秘密証書遺言とは、遺言書の存在自体は公にできる一方で、その内容は秘密にしておける方式です。遺言書自体を自書する必要はなく、パソコン等で作成することもできますが、公証役場での手続き(公証人1人、証人2人以上の前で封書を提出し、署名押印する)が必要です。内容を秘密にする方式であるため、内容の明確性や遺言能力の有無が争われるリスクは残り、利用されるケースは比較的稀です。
なお、秘密証書遺言も相続発生後に家庭裁判所での検認手続きが必要です。

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遺言書が無効になるのを回避するための注意点

せっかく書いた遺言書が無効になるのは残念なことです。ここでは、遺言書が無効になるのを回避できる作成ルールを解説します。

自筆証書遺言作成で重要な3つの要件

自筆証書遺言を作成する際に絶対に守らなければならない要件は、以下の3点です。これらの要件を一つでも欠くと、その自筆証書遺言は無効となります。

  • 全文・氏名・日付を自書する
    遺言書の本文および氏名、日付は、必ず遺言者自身が手書きで書かなければなりません。パソコンやワープロで作成された場合は無効となります。ただし、2019年1月の民法改正により、遺言書に添付する財産目録のみはパソコンで作成したり、預金通帳のコピーや不動産登記事項証明書を添付したりすることが認められるようになりました。この場合、添付書類の全ページに署名・押印が必要です。
  • 作成年月日を特定できるように記載する
    遺言書がいつ作成されたかを特定できる日付を記載しなければいけません。〇年〇月吉日や還暦の記念日といった、作成年月日を特定できない日付の記載は無効です。
    遺言書が複数ある場合は、最新の日付のものが有効となります。
  • 遺言書に必ず押印する
    遺言書には必ず押印が必要です。使用する印鑑は、実印でなくても認印や指印でも有効と解されていますが、後の真偽を巡る争いを避けるためにも、実印を使用するのが望ましいでしょう。

公正証書遺言作成で重要な証人の適格要件

公正証書遺言は、公証人が作成するため形式不備のリスクはほぼありませんが、その作成過程において、法律で定められた手順(方式)を厳守する必要があります。特に注意しなければならないのが、証人の適格要件です。以下の者は、公正証書遺言の証人になることができません 。

  • 未成年者
  • 推定相続人(法定相続人となるべき人)
  • 受遺者(遺言で財産をもらう人)
  • 上記に該当する者の配偶者・直系血族(祖父母、両親、子、孫など)

証人として不適格な者が立ち会った場合、その公正証書遺言は無効となるため、証人選びには細心の注意を払いましょう。弁護士などの専門家に依頼すれば、利害関係のない第三者の専門家を証人として手配してもらえますし、無効になるリスクを回避できます。

秘密証書遺言の作成ルール

秘密証書遺言は、以下の要件全てを満たさないと無効ですが、自筆証書遺言の方式を充たしている場合は、自筆証書遺言としての効力を有します

  • 遺言者が、遺言者自身又は第三者の記載した遺言書に署名押印すること
  • 遺言者が、遺言書を封筒に入れ、遺言書に押印した印鑑で封印する
  • 遺言者が、公証人1人と証人2人以上の前で封筒を提出する
  • 封筒提出時に、自己の遺言であることと筆者の氏名住所を申述する
  • 公証人が遺言書提出の日付と遺言者の申述を封紙に記載する
  • 遺言者、証人、公証人が、封紙に署名押印する

遺言能力に関する予防策

形式的な要件が完璧に満たされていても、遺言を作成したときに遺言者に遺言能力が備わっていなかった場合、その遺言書は無効になります。遺言能力とは、ご自身の行う遺言の内容とその結果生じる法的効果を理解・判断できる能力を指します。遺言能力の有無が争われやすいのは、主に以下のケースです。

  • 重度の認知症を患っていた時期に作成された場合
  • 重篤な病状で意識が混濁していたり、大量の投薬を受けていたりした時期に作成された場合

公正証書遺言は、公証人が遺言者の意思能力を確認して作成しますが、それでも死後に相続人や受遺者の間で遺言能力が争われる可能性があります。裁判所は、遺言能力の判断に際して、遺言の内容が簡潔であったか、証人や公証人の証言、医師の診断や意見などを総合的に考慮して判断を下します。
遺言能力の疑義によって遺言が無効となるリスクを避けるには、公正証書遺言を選択し、作成前に専門医による遺言能力を有することを示す診断書を取得する方法があります。

遺言書の安全性を担保する|公正証書と法務局保管制度

遺言書を作成する目的がトラブル回避であるならば、作成した遺言書が確実に保存され、死後に円滑に利用できるための安全性を担保する仕組みを利用することが重要です。そのためにおすすめする2つの方法について解説します。

公正証書遺言|滅失・改ざんの防止と検認不要

公正証書遺言が最も安全な遺言の方式とされる理由は、保管方法にあります。公正証書遺言の原本は、公証役場で遺言書の死亡後50年間、証書作成後140年または遺言者の生後170年間保存する取扱いになっています。遺言書を自宅で紛失したり、火災や災害で滅失したり、あるいは特定の相続人によって隠匿・改ざんされたりするリスクを回避できます。
公正証書遺言は、家庭裁判所での検認手続きが不要な点もメリットです。検認手続きは、自筆証書遺言や秘密証書遺言の場合、相続発生後遅滞なく家庭裁判所に請求しなければなりません。検認では、全ての相続人の立ち会いが必要となるなど、煩雑な手続きです。公正証書遺言はこの手続きが免除されるため、相続開始後すぐに遺言執行者が財産の名義変更などの手続きに着手でき、相続手続きを迅速に行えます。

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自筆証書遺言書保管制度|手軽さと安全性の両立

自筆証書遺言書保管制度は、自筆証書遺言の手軽さというメリットを残しつつ、紛失や無効リスクというデメリットを解消するために、2020年に創設されました。自筆で作成した遺言書を、法務局(登記所)が安全に保管してくれる制度です。メリットとして以下の3つが挙げられます。

  • 安全性が確保できる
    自筆証書遺言書保管制度を利用すれば、遺言書の改ざんや紛失を防ぎ、安全性が確保できます。遺言書は法務局で原本が保管され、紛失や隠匿、改ざんを防げます。原本は遺言者死亡後50年間、画像データは150年間保管されます。
  • 遺言書の形式チェックが受けられる
    自筆証書遺言書保管制度を利用すれば、保管申請の際、法務局にて民法で定められた外形的な方式要件(自書、日付、署名、押印など)を満たしているかどうかのチェックを受けられます。これにより、形式不備による無効リスクを避けられる可能性があります。ただし、内容の有効性(遺留分侵害がないかなど)についてはチェックの対象外であるため、内容的なトラブルを避けるには別途専門家への相談が必要です。
  • 家庭裁判所の検認が免除される
    自筆証書遺言書保管制度を利用すれば、家庭裁判所の検認が免除されます。このため相続発生直後の手続きを円滑に進められます。
    従来の自筆証書遺言では、遺言書が封筒に封印されていた場合、検認期日前に勝手に開封すると過料の対象となるリスクがありました。この制度を利用すれば、相続開始直後の手続きに関する心理的・時間的な負担が軽減される可能性があります。

遺言書を作成する際の注意点は?

遺言書を作成しておくことは、相続手続きの円滑化や相続人間のトラブル予防に有効ですが、遺言書の内容によっては、逆に相続トラブルの種になることもあります。
ここでは、遺言書を作成する際の注意点について解説します。

遺留分に配慮する

遺言書を作成する上で、最も複雑で、かつトラブルの原因になりやすいのが遺留分(いりゅうぶん)の問題です。遺言者が自由に財産処分できるとはいえ、一定の相続人には最低限の取り分が保証されています。遺言書は遺留分に配慮して作成しなければいけません。
遺留分とは、兄弟姉妹以外の法定相続人(配偶者、子、直系尊属)に対して、法律上最低限保証されている相続財産の取り分です。遺言書で特定の相続人や相続人以外に財産を多く遺贈した場合でも、遺留分権利者はその侵害額について、金銭の支払いを請求することができます(遺留分侵害額請求)。遺留分の具体的な割合は、法定相続人の構成によって異なります。遺留分の割合は、法定相続分の半分(直系尊属の人のみが相続人の場合は3分の1)です
例えば、相続人が配偶者と子ども2人であれば、以下のとおりです。

  • 配偶者の法定相続分は2分の1なので遺留分は4分の1
  • 子の法定相続分は2分の1兄弟2人の場合は各4分の1)そのため遺留分は各8分の1

特定の相続人に多く財産を渡したいと考えても、遺留分に配慮した内容で行うことをおすすめします。

特別受益に配慮する

特別受益に配慮した遺言内容にしましょう。
特別受益とは、遺贈や生前贈与で被相続人から特別に受けた利益を指します。特別受益がある場合、遺贈や贈与によって受けた利益を度外視して遺産を分割すると、他の相続人との間に不公平が生じます。
民法は、相続人間の公平を図るために、特別受益を相続財産の前渡しと考えて、相続開始時の財産に特別受益の額を加えたものを遺産分割の対象としています。相続開始時の財産に特別受益の額を加算することを、特別受益の持ち戻しといいます。
生前贈与や遺贈により、特定の人に財産を譲っても、遺産分割で特別受益の持ち戻しがなされれば、各相続人の具体的相続分は平等となります。
これでは、特定の人により多くの財産を与えたいという遺言者の希望を実現できません。そのような場合は、被相続人の意思表示により、特別受益の持戻し免除ができます。
持ち戻しの免除の意思表示に特別の制限はありませんが、後日、特別受益の有無や程度が争われる場合に備えて、遺言書に以下の事項を記載することをおすすめします。

  • 特別受益に該当する具体的事実(贈与のなされた年月日・生前贈与の内容等)
  • 特別受益の持ち戻しを免除する旨

相続税を試算する

遺言書の作成前に、現状の財産に対する相続税の試算も重要です。
相続税がかかるのかどうか、かかる場合はいくらになるのかを把握し、遺産分割に伴うトラブルを回避したり、相続人の負担を軽減できたりします。
相続税評価額の合計が基礎控除額を下回ると、相続税は発生しません。基礎控除額の計算方法は、以下のとおりです。

相続税の基礎控除額=3,000万円+(600万円×法定相続人の数)

相続が発生すると10か月以内に相続税の申告・納税が必要となるため、事前に相続対策を講じておくと良いでしょう。基礎控除額を上回る場合も、特例の適用により、相続人の負担を軽減できる場合もあります。

遺言執行者の指定を検討する

遺言執行者の指定を検討しましょう。遺言書の内容がどれほど緻密に設計されていても、それを実現する実行者がいなければ、手続きは滞ってしまいます。遺言執行者の指定は、遺言書作成において、執行の確実性を担保するための要となります。遺言執行者は、遺言者の死後、遺言書に記された内容を忠実に実現するために、以下の重要な手続きを行う権限を持ちます。

  • 相続財産の管理・目録作成
  • 不動産の相続登記
  • 預貯金口座の解約、名義変更
  • 株式やその他の金融資産の名義変更
  • 遺贈の実行(相続人以外への財産譲渡)
  • 推定相続人廃除に関する手続き(遺言執行者が裁判所に請求)

遺言執行者が指定されていない場合、これらの手続きは相続人全員が協力して行う必要があります。相続人間で意見の不一致があったり、一部の相続人が非協力的であったりすると、手続きが滞り、遺言執行が迅速に行えないケースが発生します。
遺言執行者を指定すれば、手続きの円滑化と遺言の意思を確実にする2つのメリットがあります。

遺言書作成にかかる費用は?

ここでは、遺言書作成にかかる費用について解説します。

自筆証書遺言の作成費用

自筆証書遺言の作成には、費用がかかりません。ただし、弁護士などの専門家に作成支援を依頼する場合は、手数料として別途10~20万円程度の費用がかかります。

秘密証書遺言の作成費用

秘密証書遺言の作成には、公証役場に支払う手数料として1万1,000円が必要です。ただし、弁護士などの専門家に作成支援を依頼する場合は、手数料として別途10~20万円程度の費用がかかります。

公正証書遺言の作成費用

公正証書遺言の作成には、公証役場に支払う手数料として数千円~数万円程度がかかります。公正証書遺言の作成手数料は、遺言書に記載する財産の額によって以下のとおり異なります。事前の公証役場に問い合わせることをおすすめします。

目的の価格 手数料
100万円以下 5,000円
100万円を超え200万円以下 7,000円
200万円を超え500万円以下 11,000円
500万円を超え1,000万円以下 17,000円
1,000万円を超え3,000万円以下 23,000円
3,000万円を超え5,000万円以下 29,000円
5,000万円を超え1億円以下 43,000円
1億円を超え3億円以下 43,000円に超過額5,000万円までごとに13,000円を加算した額
3億円を超え10億円以下 95,000円に超過額5,000万円までごとに11,000円を加算した額
10億円を超える場合 249,000円に超過額5,000万円までごとに8,000円を加算した額

遺言公正証書原本については、その枚数が法務省令で定める枚数の計算方法により4枚(法務省令で定める横書きの公正証書にあっては、3枚)を超えるときは、超える1枚ごとに250円の手数料が加算されます。
正本及び謄本の交付については、1枚につき250円の割合の手数料が必要です。
弁護士などの専門家に作成支援を依頼する場合は、手数料として別途10~20万円程度の費用と日当(公証役場への同行・1日あたり3~5万円)がかかります。

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遺言書作成を弁護士に相談・依頼する3つのメリット

ここでは、遺言書作成を弁護士に相談・依頼する3つのメリットを紹介します。

形式不備で遺言書が無効になるおそれを回避できる

弁護士に依頼すれば、形式不備で遺言書が無効になるおそれを回避できます。弁護士は、民法上の厳格な方式要件を熟知しています。遺言書案の作成を依頼すれば、自筆証書遺言における形式不備による無効リスク、および公正証書遺言における証人欠格リスクを回避できます。

相続トラブルを未然に防げる

弁護士に依頼すれば、相続トラブルを未然に防げる可能性があります。トラブルの火種となる要素を事前に全て洗い出し、法的かつ感情的に納得感の高い遺言書を作成できます。特定の相続人に生前贈与を行っている場合や、遺言で相続人以外の人に遺贈しようと考えている場合は、相続開始後、相続人や受遺者間で争いが生じる可能性があります。
特定の相続人になるべく多くの遺産をあげたいと考えて遺言を残しても、相続税が膨らみ、逆に相続人に負担をかけてしまうこともあります。
こうしたことを避けるためにも弁護士のサポートを受けることをおすすめします。

確実な遺言執行を実現できる

弁護士を遺言執行者に指定すれば、相続開始後の手続きを迅速かつ確実に行えます。特に、弁護士は紛争性のある事案に対応できるため、遺言執行中に遺留分侵害額請求などが発生しても、相続人間の対立に巻き込まれることなく、円滑に問題解決にあたれます。

遺言書に関するQ&A

ここでは、よく寄せられる遺言書に関するQ&Aを紹介します。

遺言書は作成後に撤回・変更できますか?

はい、遺言書はいつでも撤回または変更が可能です。新しい遺言書を作成し、その中で古い遺言書の内容と抵触する部分を定めた場合、抵触する部分については新しい遺言書の内容が優先されます。
なお、新しい遺言書が古い遺言書と異なる方式(例:公正証書遺言の後に自筆証書遺言)で作成されていても有効ですが、古い遺言書を確実に撤回するためにも、新しい遺言書も公正証書遺言で作成することが望ましいとされています。

公正証書遺言があっても後から自筆証書遺言が出てきたらどうなりますか?

遺言書が複数存在し、その内容が互いに抵触する場合は、最も日付の新しい遺言書が有効となります。仮に公正証書遺言が先に作成されており、その後に自筆証書遺言が作成されていた場合、後から発見された自筆証書遺言の内容が優先されます。
ただし、自筆証書遺言は形式不備のリスクがあるため、もし自筆証書遺言の方式に不備があれば、その遺言は無効となり、古い公正証書遺言が引き続き有効となります。

遺言書が無効になった場合はどうなりますか?

遺言書が、形式不備や遺言能力の欠如など、何らかの理由で無効と判断された場合、その遺言書は最初から存在しなかったものとして扱われます。その結果、遺産分割は遺言書なしの状態に戻り、法定相続人全員による遺産分割協議が必要となります。
遺言書が無効になったことを巡って争いが続く場合、家庭裁判所に遺言無効確認調停を申し立てたり、地方裁判所に遺言無効確認訴訟を提起したりして、遺言の有効性を法的に確定させる手続きが必要です。

まとめ

法的に有効な遺言書を作成し、ご自身の希望を実現させるためには、遺言書作成上のルールを正しく理解しなければいけません。この記事を読んで、遺言書の作成に少しでも不安を感じる方は、弁護士に相談することをおすすめします。
ネクスパート法律事務所では、リーズナブルな料金設定で遺言書の作成をサポートしております。初回相談は30分無料ですので、遺言書の作成をご検討中の方は、お気軽に当事務所までご相談ください。

この記事を監修した弁護士

寺垣 俊介(第二東京弁護士会)

はじめまして、ネクスパート法律事務所の代表弁護士の寺垣俊介と申します。お客様から信頼していただく大前提として、弁護士が、適切な見通しや、ベストな戦略・方法をお示しすることが大切であると考えています。間違いのない見通しを持ち、間違いのないように進めていけば、かならず良い解決ができると信じています。お困りのことがございましたら、当事務所の弁護士に、見通しを戦略・方法を聞いてみてください。お役に立つことができましたら幸甚です。

相続問題は弁護士に依頼することでトラブルなくスピーディーに解決できます。

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