相続放棄に強い弁護士の選び方|依頼のタイミングも解説!

親族が亡くなった時、直面するのが相続問題です。
「相続は財産が多いお金持ちに関係すること。自分には関係ない」と思っている人がいるかもしれません。
しかし、相続財産は必ずしもプラスの財産ばかりではありません。
例えば親族が借金を残して亡くなってしまった場合も相続財産に該当します。「自分に関係のない借金は抱えたくない」と考えた時、取るべき方法が相続放棄です。
相続放棄は、家庭裁判所への申し立て手続きが必要となるため、一般の人が対応するにはハードルが高い案件です。相続放棄を考えた時、弁護士に依頼するとスムーズにことが運びます。
今回は相続放棄に強い弁護士について解説します。
目次
相続放棄に強い弁護士とは?|弁護士の選び方
ここでは、相続放棄に強い弁護士について解説します。
相続放棄を含めた相続案件の実績が豊富
相続放棄に強い弁護士の特徴の一つとして、相続放棄を含めた相続案件の実績が豊富という点が挙げられます。
相続というのは、すべての人に起こる事例ですが、事前に周到な準備をしている人は数少ないです。さらに言うと、人によって相続のパターンはさまざまで、置かれた状況によって対応の仕方が分かれます。
例えば、日頃から万が一の時のことを考え、話し合いを済ませており、民法に規定されている法定相続分にのっとって相続手続きをする人もいれば、亡くなった人が遺言書を残していたため、それをもとに相続手続きをする人もいます。
中には、相続の手続きがすべて終わったあとに「相続分に納得がいかない!」と遺留分減殺請求をする人もいます。
そして今回のメインテーマにもつながりますが「相続人が知らないところで借金をしていたから相続放棄をしたい」と考える人もいるでしょう。
つまり相続の手続きは100人いれば100通りのパターンがあると言ってもよく、弁護士を選ぶ際に「相続手続きを何件対応したことがあるか」「どんな内容の相続案件だったか」ということをしっかり確認しておく必要があります。
フットワークが軽い・迅速に対応してくれる
フットワークが軽く、迅速に対応してくれる弁護士を選びましょう。
相続は煩雑な手続きが必要となり、被相続人の戸籍謄本をそろえる作業をはじめとして、役所をはじめとしたさまざまな機関から書類を手に入れなければいけません。
例えば、相続放棄を希望する場合、注意しなければならないのは3か月以内に家庭裁判所に申し立てをしなければいけない点です。そのためには、相続人が何人いるのかといった基本的な情報から被相続人が残した財産や負債がどのぐらいあるかなど、素早く調査をしなければいけません。
そういう意味でフットワークが軽く、迅速に対応できる弁護士は、頼もしい存在です。
相続放棄の手続きをリスクも含めて分かりやすく説明してくれる
相続放棄の手続きについて、リスクも含めて分かりやすく説明してくれる弁護士を選びましょう。
「亡くなった父親の借金を肩代わりするのは嫌だ」「資産価値がない不動産を相続するのは面倒」という理由で、早々に相続放棄を考える人もいるかもしれません。
しかし、場合によっては、相続放棄をしないほうが良いこともあります。相続財産をすべて調べた結果、借金を返しても財産が残る場合もありますし、価値がない不動産だと思っていても、意外な価値が眠っていることもあります。
負債ばかりに目がいってしまい、資産とのバランスが判断できていないと、相続放棄後に後悔します。弁護士であれば、相続放棄のリスクを事前に分かりやすく説明が可能です。
司法書士より弁護士の方が相続放棄に強い?弁護士と司法書士の違いとは
ここでは、弁護士と司法書士の違いについて解説します。
相続放棄をすべきかどうか的確に判断してもらえる
弁護士に相談すれば、相続放棄をすべきか否かについてアドバイスが受けられます。
司法書士の主な業務は、土地や建物の売買時などに必要な不動産登記、会社設立時などにする商業登記を代理人として行うことで、そのほかにも供託の代理や役所や公証役場に提出する書類の作成などに携わります。
2002年の司法制度改革で、法務大臣の認定を受けた司法書士が認定司法書士として簡易裁判所が管轄する民事事件を弁護士と同じように代理できるようになりました。それにより「弁護士と司法書士の違いが分からない」という人もいるでしょう。
弁護士と司法書士の違いを相続に焦点を当てて考えてみると、弁護士は代理人として相続人と遺産分割協議の交渉ができる点が一番大きなポイントです。
遺産分割協議は、相続手続きをスムーズに運ぶために最も重要な要素です。いわゆる泥沼の相続争いになる可能性がある場合ほど、弁護士が代理人として遺産分割協議にあたることが多いです。つまりそれだけ弁護士は難しいパターンの相続問題を経験してきているということです。
こうした経験豊富な弁護士であれば、相続放棄をすべきか否か、的確な判断が可能となります。
手続きを一任できる
弁護士であれば、相続放棄の手続きを一任できます。
相続放棄をする場合、家庭裁判所に申し立てをすることになります。相続放棄申述書の作成が必要となり、被相続人が生まれてから亡くなるまでの戸籍謄本を一式そろえるなど、手続きが煩雑です。
司法書士でも相続放棄申述書の作成の代行はできますが、最終的に申立人の署名が必要となります。一方弁護士であれば、すべての手続きを代理人として行うことができます。つまり弁護士に依頼をすれば、相続放棄に関する手続きを丸投げできるのです。
相続放棄は、相続を知った日から3か月以内に手続きを済ませなければいけないため、スピード感が重要です。相続放棄に強い弁護士に依頼すれば、手続きを一任できるため安心です。
債権者対応も任せられる
弁護士に依頼すれば、債権者対応も任せられます。
被相続人が財産を上回る借金を残していた場合、相続放棄を選択する人が多いですが、その場合問題となるのが債権者への対応です。
相続放棄をした場合、その旨を債権者に連絡する必要がありますが、弁護士や司法書士に依頼した場合、債権者への通知を代行してもらえます。ただし、債権者からの取り立てに対する交渉や訴訟について、認定司法書士は1社あたりの元金が140万円以下の場合しか対応できません。
熟慮期限を過ぎても放棄できる可能性がある
弁護士に依頼すれば、熟慮期限を過ぎても相続放棄の申述が受理してもらえるよう尽力してくれます。
相続放棄は、相続の開始を知った時から3か月以内に申し立てをしなければなりませんが、3か月経過後でも相続放棄が認められる場合があります。
しかし、「この条件を満たしていれば認められる」という明確な定義がありません。一般的に相続放棄の原因となる財産・債務の存在を知らず、知らなかったことに相当の理由がある場合だといわれています。
こうしたことを証明するのは非常に困難ですし、慎重に進めていく必要があります。相続放棄に強い弁護士に依頼すれば、豊富な実務経験から解決の糸口を見つけられるでしょう。
費用はあまり変わらない
弁護士と司法書士に依頼した場合の費用は、実はあまり変わりません。
「弁護士に依頼すると、司法書士に依頼するよりもお金がかかるのでは?」というのが、一番気になるところだと思います。
一般的に弁護士に依頼すると5万円から10万円、司法書士に依頼した場合、3万円から5万円といわれています。
しかし、相談料などを別途請求される場合もあるので、一概にどちらが安い、高いと判断することはできず、内容をしっかり確認することが必要です。
相続放棄を弁護士に相談すべき状況・タイミング
ここでは相続放棄を弁護士に相談すべき状況やタイミングについて解説します。
相続開始後、被相続人に多額の借金があることが判明した
相続が開始してから、被相続人に多額の借金があることが判明したら、すぐに行動を起こすことが必要です。
相続放棄をするか否か、判断基準の一つとなるのはマイナス財産がプラス財産を上回ってしまうかという点です。借金が分かった時点で、財産についてきちんと調査することが必要です。
被相続人が残した価値のない不動産を放棄したい
被相続人が残した価値のない不動産を放棄した場合は、弁護士に相談しましょう。
「縁もゆかりもない土地にある不動産なんていらない」と、自身の価値観だけでマイナス財産だと判断すると、後悔することがあります。
不動産が持つ価値は、素人では判断できないところがあります。被相続人が不動産を残していたことを分かったら、早めにその不動産の価値を調査する必要があります。
相続債権者から「相続放棄は無効」と言われた
相続債権者から「相続放棄は無効」と言われたら、なるべく早く弁護士に相談しましょう。
家庭裁判所に相続放棄を申し立てしているのであれば、その人は最初から相続人ではないと扱われます。
相続放棄をした事実を証明するために、申立をしたらすぐに相続放棄申述受理通知書のコピーまたは相続放棄申述受理証明書を債権者に提出しましょう。
これらの書類を提出すれば、よほどのことがない限り債権者は取り立てを停止するでしょう。ただし、ごく稀に、債権者が相続放棄の無効を主張する裁判を起こすことがあります。
そのような場合は、なるべく早く弁護士に相談することをおすすめします。
相続放棄の期限3か月を過ぎてしまった
相続放棄の熟慮期間を過ぎてしまった場合も、諦めずに弁護士に相談してみてください。
相続放棄は、相続を知った時から3か月以内に申し立てをしなければならないことは先述しました。しかし、3か月を過ぎていても、相続人が被相続人の負債について知らなかった場合、また知らなかったことにきちんとした理由がある場合は、相続放棄が認められる場合があります。
相続放棄を認めるか否かは、すべて家庭裁判所の裁量にゆだねられますので、一般人が対応するのは難しい面があります。被相続人に負債があることが分かった場合、少しでも早く弁護士などの専門家に相談をしましょう。
相続人が相続の承認も放棄もしないまま死亡した
先順位の相続人が相続の承認も放棄もしないまま死亡した場合は、弁護士に相談しましょう。
「祖父が借金を残して亡くなったが、相続するかどうか決める前に相続人である父親が亡くなってしまった」といった、再転相続(さいてんそうぞく)という事態に直面する人もいるでしょう。この場合、2つの相続に対して対応が必要となるので、時間も手間もかかります。
再転相続が起きた時、相続放棄をするか否か考える期間は、2つ目の相続があることを知った時から3か月以内となります。例えば祖父が亡くなったのは3月1日で、父親が亡くなったのが5月1日であれば、父親の死亡から3か月以内に相続放棄をするかどうかを決める必要があります。
先に述べたように、再転相続は2つの相続に対してそれぞれ対応が必要となるため、その事実を知ったら早めに専門家に相談したほうがよいでしょう。
未成年者とその親権者が共同相続人となる
未成年者とその親権者が共同相続にとなる場合は、弁護士への相談をお勧めします。
例えば、Aさんが、妻のBさんと中学生の息子Cくんを残して他界した場合、相続人はBさんとCくんの2人になります。
しかし、AさんがBさんの知らないところで借金をしており、Bさんが相続放棄をする際は、次の点に注意しましょう。
もちろん未成年者でも相続放棄をすることは可能なので、Cくんも相続放棄はできますが、法律行為なので未成年者が単独で行うえません。多くの場合、法定代理人である親権者が手続きを行うことになりますから、本件の場合BさんがCくんの代理人となるわけです。
ここで問題になるのが利益相反です。利益相反とは、ある行為によって一方の利益になると同時に他方へは不利益になる行為のことです。
この場合、Bさん、Cくんともに相続を放棄すれば問題ないのですが、Bさんは遺産を相続し、Cくんが相続放棄をする場合は利益相反に該当します。ですので、BさんはCくんの代理人になることはできず、家庭裁判所で特別代理人を選任してもらう必要があります。
このように未成年者がからむと、手続きが複雑になる可能性がありますので、相続が分かった時点で早めに専門家に相談することをおすすめします。
相続放棄におけるネクスパート法律事務所の強み
ここでは相続放棄におけるネクスパート法律事務所の強みについて解説します。
リーズナブルな料金設定
当事務所は、リーズナブルかつ明瞭な料金システムをご用意しております。
詳しくは、「弁護士費用」のページをご参照ください。
相続放棄に強い弁護士が多数在籍
ネクスパート法律事務所には、複雑な相続手続きに対応してきた相続放棄に強い弁護士が多数在籍しています。
相続放棄を多く取り扱ってきた弁護士とスタッフがチーム体制で迅速に対応いたします。
豊富な拠点
ネクスパート法律事務所は、東京・横浜・立川・大宮・西船橋・高崎・仙台・那覇・名古屋・福岡に事務所があります。最寄りの支店にお問合せください。
相続放棄だけでなく相続に関する問題全般に精通している
相続放棄はもちろんのこと、あらゆるパターンの相続問題に精通している弁護士がそろっているのが、ネクスパート法律事務所の強みです。
ご自身では、相続放棄をするしかないと思われる場合でも、他の選択肢をとれる場合もあります。相続放棄をした結果、次順位相続人である親族との関係が悪化することもあります。
当事務所にご相談いただければ、将来生じうるリスクを回避しながらスムーズ解決できるよう、蓄積した知識・ノウハウをもとに最善の解決方法をご提案いたします。
まとめ
相続放棄をするには、時間も手間もかかります。「こんなはずではなかった」と後悔しないためにも、早めに相続放棄に強い弁護士に相談することをおすすめします。
この記事を監修した弁護士

寺垣 俊介(第二東京弁護士会)
はじめまして、ネクスパート法律事務所の代表弁護士の寺垣俊介と申します。お客様から信頼していただく大前提として、弁護士が、適切な見通しや、ベストな戦略・方法をお示しすることが大切であると考えています。間違いのない見通しを持ち、間違いのないように進めていけば、かならず良い解決ができると信じています。お困りのことがございましたら、当事務所の弁護士に、見通しを戦略・方法を聞いてみてください。お役に立つことができましたら幸甚です。