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代襲相続はトラブルになりやすい?トラブルの原因と対処法を解説

本来相続人となる人が、被相続人より先に死亡している場合は、亡くなった相続人に代わってその子が相続権を引き継ぎます。これが代襲相続(だいしゅうそうぞく)です。

代襲相続が発生すると、世代の異なる人たちが共同相続人となるため、相続トラブルに発展しやすくなります。

この記事では、代襲相続でトラブルが発生する原因とトラブルを回避する方法について解説します。

 

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トラブルになりやすい代襲相続とは?

ここでは、代襲相続制度の概要について解説します。

代襲相続とは

代襲相続とは、次のいずれかの理由で本来の相続人が相続権を失っている場合に、相続人に代わってその子が相続の権利を引き継ぐことです。

  • 相続開始前の死亡
  • 相続欠格
  • 相続廃除

代襲相続人とは

代襲される者(被代襲者)は、被相続人の子及び兄弟姉妹に限られます。

代襲相続人となるのは、被代襲者の直系卑属です。つまり、以下の者が代襲相続人となります。

  • 被相続人の子の子
  • 被相続人の兄弟姉妹の子

被相続人の子の子が代襲相続人となるためには、その子が被相続人の直系卑属でなければなりません。そのため、被代襲者(被相続人の子)が養子の場合に、養子の子が代襲相続人となるのは養子縁組後に生まれた場合に限られます。

代襲相続人の相続割合

代襲相続人は、被代襲者の相続分を引き継ぎます。

代襲相続人が複数いる場合は、引き継いだ相続分を代襲相続人の頭数で割った数値が、各代襲相続人の相続割合となります。

例えば、被代襲者の相続分が4分の1で、代襲相続人が3人いる場合は、代襲相続人1人あたりの相続分は12分の1です。

代襲相続でトラブルを引き起こす4つの原因

ここでは、代襲相続でトラブルを引き起こす4つの原因について解説します。

代襲相続制度を知らない

他の共同相続人が代襲相続制度を知らないと、孫や甥・姪の代襲相続権に気付かないまま、遺産分割協議を進めることがあります。

しかし、遺産分割協議には共同相続人全員が参加する必要があるため、相続人が1人でも欠けた状態で行った遺産分割協議は無効となります。

相続人が1人でも欠けた遺産分割協書では、不動産の名義変更や預貯金の解約等の相続手続きを進められません。

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親族間の関係性が希薄

他の共同相続人に代襲相続制度の知識があっても、親族間の関係性が希薄だと、代襲相続人の存在に気付けないこともあります。被相続人よりも先に亡くなった兄弟姉妹と音信不通だったため、子がいるとは知らなかったケースなどです。

代襲相続人の存在に気付いていても、その関係性からあえて代襲相続人を無視するケースもあります。

例えば、被代襲者に前妻(または前夫)との子や隠し子(認知した非嫡出子)がいる場合、以下のようなトラブルが発生することがあります。

  • 他の共同相続人らが代襲相続人に遺産の全容を明らかにしない
  • 他の共同相続人らが話し合った結果を代襲相続人に押し付ける
  • 他の共同相続人らが代襲相続人に相続放棄を要求する

共同相続人の増加

代襲相続の発生により共同相続人が増加すると、遺産分割協議がスムーズに進まないことがあります。共同相続人の数が増えると収集する戸籍の数も増え、協議のための日程調整も困難さを増します。

代襲相続人は、通常、他の共同相続人らと世代が異なることから、親族間の事情を理解していないことも多いです。代襲相続人が他の共同相続人の寄与分や特別受益の主張を認めず、

頑なに法定相続分どおりの分割を主張すると、遺産分割協議がさらにもつれます。

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被相続人の借金の存在

被相続人に多額の借金があった場合、その借金を相続しないために、相続人が相続放棄をすることがあります。先順位の相続人が相続放棄すると、その借金の返済義務は次順位の相続人に引き継がれます。

被相続人の子(またはその代襲者)や直系尊属(父母・祖父母)が全員相続放棄をすると、兄弟姉妹に相続権が移ります。兄弟姉妹に代襲相続が発生していれば、代襲相続人に相続権が移ります。

先順位の相続人が相続放棄をしても、家庭裁判所から次順位の相続人に通知されません。先順位の相続人から相続放棄の連絡が無ければ、債権者からの督促状で相続を知ることになります。

そのため、「相続放棄したことをなぜ教えてくれなかったのか」とトラブルになる可能性があります。

代襲相続のトラブルを避けるための対処法

ここでは、代襲相続のトラブルを避けるための対処法を解説します。

代襲相続人を外して遺産分割協議はできないことを理解する

遺産分割協議は、共同相続人が全員参加しなれば有効に成立しません。代襲相続人を除いて他の共同相続人らで遺産分割協議を行っても、その遺産分割協議は無効となります。

代襲相続人を遺産分割協議に参加させても、以下のような行為があった場合には、後日裁判でその遺産分割協議が無効とされるおそれがあります。

  • 代襲相続人に遺産の全容を知らせない(一部の財産を隠す)
  • 他の共同相続人らだけで協議した結果を押し付けて同意を強要する

無効となれば、共同相続人全員で遺産分割協議のやり直しが必要です。

代襲相続人にも相続権があることを理解し、対等の立場で話し合うよう心がけましょう。

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遺産の内容や各相続人の事情を互いに理解し合う

民法906条は、以下のとおり遺産分割の指針を定めています。

第九百六条 遺産の分割は、遺産に属する物又は権利の種類及び性質、各相続人の年齢、職業、心身の状態及び生活の状況その他一切の事情を考慮してこれをする。

引用:民法 | e-Gov法令検索

遺産分割では、それぞれのケースごとに遺産の内容も相続人の事情も異なります。

遺産の内容については、不動産か流動性の高い預貯金や有価証券か、不動産が居住用なのか事業用なのかなどの相違があります。

相続人の事情としては、以下のようなことが挙げられます。

  • 被相続人と共に被相続人の自宅に同居していた相続人がいないか
  • 生活費の確保について特別の考慮が必要な相続人はいないか

例えば、父が亡くなり、残された母と同居して世話をする相続人には自宅を承継させることもあるでしょう。生活費や医療費の原資を残すべき相続人(未成年者・障害者等)がいればその人の生活を十分に考慮した分割がなされるべきです。

各相続人の事情をお互いに理解し合い、互いにある程度の譲歩をして遺産分割協議を進めるよう心がけましょう。

相続人調査や遺産分割交渉を弁護士に依頼する

代襲相続により共同相続人の数が増えると、収集すべき戸籍も増えます。戸籍の見方がわからなければ代襲相続人を見落とすこともあるでしょう。

遺産分割協議の参加人数が増えると協議のための日程調整が難しく、話し合いもまとまりにくくなります。

相続人調査や遺産分割交渉を弁護士に依頼すれば、代襲相続人の見落としを防止でき、疎遠な相続人との交渉も任せられます。

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相続放棄の事実を次順位の相続人に伝える

相続放棄は、自己のために相続が発生したことを知ったときから3か月以内にしなければいけません。自己のために相続が発生したことを知ったときとは、相続人が被相続人の死亡を知り、かつ自分が相続人になったことを知ったときです。

被相続人と生前の交流がなく親族とも疎遠だと、被相続人の死亡を債権者からの督促状が届いて初めて知ることがあります。この場合は、被相続人の死亡日から3か月を経過していても、自分が相続人になったことを知ったときから3か月以内であれば、家庭裁判所に事情を説明することで相続放棄は受理されます。

しかし、相続財産が把握できなければ相続を承認するか放棄するかの判断もできません。先順位の相続人から何も知らされずサポートもなければ、相続調査や家庭裁判所への熟慮期間の伸長申立て等の手間がかかります。

相続放棄をした人に法的な通知義務はありませんが、通知しないことで後にトラブルが発生する可能性もあります。無用なトラブルを避けるためにも、次順位の相続人に相続放棄をした旨を通知することをおすすめします。

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代襲相続のトラブルは弁護士に相談を

ここでは、代襲相続を含む相続問題を弁護士に依頼するメリットを解説します。

迅速かつ正確に相続人を調査してもらえる

相続人調査は、相続人ご自身でも行えます。しかし、被相続人が転籍を繰り返していたり、収集した戸籍に手書きで書かれた古い戸籍が含まれたりすると、収集や判読が難しく見落としや漏れが生じることがあります。

代襲相続が発生すると、被相続人だけでなく被代襲者の出生から死亡までの戸籍謄本等を遡らなければなりません。

弁護士に依頼すれば、手間のかかる戸籍の収集を代行してもらえるので、自分でするよりもスピーディーに調査が完了します。

弁護士であれば戸籍を正確に判読できるので、代襲相続が発生している場合も相続人を漏れなく特定してもらえます。

疎遠な相続人とのやり取りを任せられる

代襲相続が発生すると、場合によっては一度も会ったことがない人が共同相続人となるケースもあります。

被代襲者の前妻(または前夫)との子や隠し子(認知した非嫡出子)が代襲相続人となる場合、その関係性から顔を合わせたくないと思うこともあるでしょう。

弁護士に依頼すれば交渉を代理してもらえるので、直接やり取りをする精神的負担を軽減できます。

公平な遺産分割方法を提案してもらえる

法定相続分どおりに遺産を分割するのが公平と考える方もいらっしゃるでしょう。

代襲相続が発生した場合、親族の事情を知らない代襲相続人が頑なに法定相続分どおりの分割を主張することもあります。

しかし、法律は、遺産の内容や各相続人の事情を考慮して遺産分割を行うことを求めています。

弁護士に依頼すれば、法的な観点から相続人全員の納得を得やすい公平な分割案を検討できます。弁護士が第三者として間に入ることで、冷静な話し合いも期待できます。

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まとめ

代襲相続が発生すると、一般的な相続よりもトラブルが起こりやすくなります。

相続人間に感情的なもつれや意見の対立があると、遺産分割の話し合いがスムーズに進まず、紛争がより深刻化することがあります。

相続人間で話し合いができない場合や、どのように話し合いを進めればよいか分からない場合は、なるべく早い段階で弁護士に相談することをおすすめします。

代襲相続を含む相続問題にお困りの方は、ぜひ一度ネクスパート法律事務所にご相談ください。

この記事を監修した弁護士

寺垣 俊介(第二東京弁護士会)

はじめまして、ネクスパート法律事務所の代表弁護士の寺垣俊介と申します。お客様から信頼していただく大前提として、弁護士が、適切な見通しや、ベストな戦略・方法をお示しすることが大切であると考えています。間違いのない見通しを持ち、間違いのないように進めていけば、かならず良い解決ができると信じています。お困りのことがございましたら、当事務所の弁護士に、見通しを戦略・方法を聞いてみてください。お役に立つことができましたら幸甚です。

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