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特別寄与料の請求方法は?|算出方法や注意点を解説

2019年に施行された特別寄与料制度は、被相続人に貢献してきた相続人に当たらない人が財産をもらえる制度として注目されています。

この記事では、特別寄与料の請求方法や、請求する際の注意点について解説します。

特別寄与料の請求方法は?

特別寄与料を請求するには、以下2パターンの方法があります。

相続人に直接請求する

特別寄与料は相続人に直接請求できます。

相続人が複数人いる場合は、相続人の一人または数人に対し、特別寄与料の請求ができます。

ただし、各相続人に請求できる金額は、特別寄与料に各相続人の法定相続分または指定相続分を乗じた額が限度です。

自身が被相続人に対してどのような貢献をしたか、具体的な資料を提示して話し合いを進めます。話し合いが合意に至れば合意書を作成しましょう。

家庭裁判所に調停・審判を申し立てる

相続人との話し合いがまとまらない場合は、家庭裁判所に特別の寄与に関する処分調停を申し立てます。

調停では調停委員が相続人との間に入って協議を行います。当事者同士では話し合いが進まなかった場合でも、第三者が間に入ることで解決する可能性があります。

調停でも話し合いがまとまらない場合は、審判に移行し裁判所に判断を委ねます。

特別寄与料の算出方法は?

家庭裁判所では、以下の事項を考慮して、特別寄与料の額を算出します。具体的な算出方法は、寄与分の算出方法を参考・目安とすることが一般的です。

決まった金額はなく相続人と協議し算出する

特別寄与料に決まった金額はなく、相続人と協議をして算出します。

協議をする際に目安となる算定方法がないと不都合が生じるため、実務では、次に挙げる計算式を用いるのが一般的です。計算式で算出した金額はあくまでも協議の目安として用いるもので、当事者同士が納得し合意しているなら計算式で算出した金額でなくても問題はありません。

ただし、被相続人が相続開始時に有していた財産の価額から、遺贈の価額を控除した残額は超えられません。

療養看護型における実務上の計算式

被相続人の看護に従事した場合は、以下の計算式を用いて特別寄与料を算出します。

特別寄与者が療養介護を行った日当額×療養介護の日数×裁量割合

第三者が療養介護を行った日当額は介護保険制度を参考にして、介護度に応じて決められますが、通常5000円から8000円に設定されます。

療養介護の日数は、被相続人が入院したり介護サービスを受けたりした日数は含まれません。

裁量割合は、親族にはもともと扶養義務がある点と介護の専門家ではない点を鑑み、費用を控えめに計算するために用います。0.5から0.9が乗じられ一般的に0.7を適用するケースが多いです。

家業従事型における実務上の計算式

被相続人の事業に従事した場合は、以下の計算式を用いて特別寄与料を算出します。

特別寄与者が本来得られたはずの年収×(1―生活費控除割合)×寄与年数

本来得られたはずの年収は、政府の調査結果に基づいて公表されている賃金センサスをもとに、家業と同じ業種と規模の事業に従事する同年齢層の賃金を参考にします。

生活費控除割合は、生活費相当額の割合を指します。家業に従事している場合、給料をもらわない代わりに家業費から生活費を負担しているケースがあるため、その分を控除します。

特別寄与料の請求で注意すべき点は?

特別寄与料を請求するにあたり、注意すべき点は以下に挙げる3つです。

特別寄与料は請求期限がある

特別寄与料は、相続の開始及び相続人を知った時から6か月を経過した時、または相続開始の時から1年を経過した時から請求できなくなります。

短い期間となっているので、請求を考えているなら、相続が開始したらすぐに準備を始めましょう。

被相続人の療養介護等に貢献したことを証明する証拠が必要となる

特別寄与料は請求にあたって、被相続人の療養介護等に貢献したことを証明する証拠が必要です。

特別寄与料は相続人に対して請求し、請求された相続人は自身の相続分から特別寄与料を支払います。相続人が特別寄与料の支払いに納得するためには、どれだけ被相続人に対して無償で貢献したか、資料をもとに明確な根拠を示さなければいけません。

相続人との交渉がスムーズにいかない場合がある

特別寄与料は、相続人が自らの相続分から特別寄与料の支払いをするため自身の相続分が減るデメリットがあり、特別寄与料を請求しても交渉がスムーズに進まない可能性があります。

話し合いで合意できなければ調停・審判の方法を選択できますが、その場合、裁判所に申し立てるための書類作成等に時間や労力がかかります。

特別寄与料の請求を考えたら弁護士に相談を

特別寄与料の請求を考えたら、なるべく早く弁護士に相談をしましょう。

これまでに述べたとおり、特別寄与料の請求はスムーズに話が進むとは限りません。支払いをしてもらうためには、被相続人の療養介護等に貢献したことを証明する根拠(証拠)を示さなければいけないので、弁護士のような専門家に頼んだほうがよいでしょう。

日頃から親しくやり取りをしている相続人ならまだしも、交流のない相続人に対して特別寄与料の請求をするのは、気が進まない人もいると思います。弁護士に依頼をすれば、そうした精神的負担も軽減できます。

万が一相続人との間で話し合いがまとまらず調停・審判になった場合、弁護士であれば代理人として対応ができます。調停になってから弁護士に依頼するよりも交渉の段階で依頼したほうがそれまでの経過が分かりスムーズに手続きが進められる可能性があります。

特別寄与料は請求期限がありますので、相続が開始したらすぐに行動を起こしましょう。

まとめ

特別寄与料制度は、これまで相続人でないために被相続人への貢献度を目に見える形で評価されなかった親族にとってありがたい制度です。しかし、請求期限が短いことや相続人に対して請求するため話し合いがスムーズにいかないこと、何よりも相続人に請求する心理的なハードルが高いことなどの問題点があります。

被相続人の介護を行ったり事業を手伝ったりした人にとっては、それに見合う報酬を得るのは当然のことです。特別寄与料制度の利用を考えたら、早めに弁護士に相談をしましょう。

ネクスパート法律事務所には、相続に関するさまざまな案件を手掛けてきた弁護士が在籍しています。初回は30分無料で相談を受け付けていますので、ぜひご連絡ください。

 

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この記事を監修した弁護士

寺垣 俊介(第二東京弁護士会)

はじめまして、ネクスパート法律事務所の代表弁護士の寺垣俊介と申します。お客様から信頼していただく大前提として、弁護士が、適切な見通しや、ベストな戦略・方法をお示しすることが大切であると考えています。間違いのない見通しを持ち、間違いのないように進めていけば、かならず良い解決ができると信じています。お困りのことがございましたら、当事務所の弁護士に、見通しを戦略・方法を聞いてみてください。お役に立つことができましたら幸甚です。

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