
交通事故により、むちうちの症状が出るケースは多く、痛みや不調に悩まされる方も多いでしょう。
治療が長引くほど、「きちんと賠償金をもらえるのか?」と不安になるかもしれません。
適正な賠償金の獲得には、治療の内容や頻度も関係します。
治療段階から、適正な賠償金獲得を見据えた行動をとることが大切です。
この記事では、むちうちの治療に関するよくある疑問にお答えしながら、賠償金を最大限獲得するためのポイントについても合わせて解説します。
安心して治療に専念できるよう、ぜひこの記事を参考にしてください。
目次
交通事故によるむちうちの治療に関する疑問8選
交通事故に遭い、これからむちうちの治療をする方や現在むちうちの治療中の方が、疑問を抱きやすい8つの質問に回答します。
むちうちの主な症状は?
むちうちの症状には、以下のようなものが挙げられます。
| 【むちうちの代表的な症状】 首の痛み(首の凝りや重みを感じる、首が回らない) 頭の痛み 肩や背中の痛み めまいや目のかすみ、疲労感 不眠 吐き気や冷や汗、倦怠感 しびれ(足や手に力が入らない、握力低下) 耳鳴り など |
|---|
症状やその程度は、人によって様々ですが、これらの症状にひとつでも当てはまる場合には、早めに病院を受診しましょう。
事故から数日経ってむちうちの症状が出た場合はどうすればよい?
事故から数日経って、むちうちの症状が出た場合には、速やかに病院を受診しましょう。
事故直後は、「大丈夫だ。」と思っていても、後からむちうちの症状が現れることはよくあります。
特に、事故直後は興奮状態にあるため、痛みを感じにくい傾向にあります。
事故から一定期間経過した後に病院を受診した場合、症状と事故との因果関係が認められない可能性があります。
症状と事故との因果関係が認められないと、適正な賠償金を得られません。
したがって、少しでも痛みがある場合には、できるだけ早く病院を受診しましょう。
むちうちの診断にはどのような検査が行われる?
むちうちの診断では、大きく分けて、画像検査と神経学的検査の2つの検査が行われるのが一般的です。
| 画像検査 | 検査内容 |
|---|---|
| レントゲン検査(X線検査) | X線を照射し、骨全体の状態を観察する方法 |
| CT検査 | レントゲンと同様X線を照射し、観察する方法 360度全方位からX線を照射することで、レントゲンよりも細部まで観察が可能 |
| MRI検査 | X線は使用せず、強力な磁場によって観察する方法 骨だけでなく、その周辺の軟骨や靭帯、半月板など軟部組織の状態までも観察が可能 |
| 神経学的検査 | 検査内容 |
|---|---|
| スパーリングテスト | 神経根障害を調べる検査 神経根に障害がある場合は、神経根の支配領域に放散痛や痺れが生じる 検査所見は、放散痛や痺れを訴えた場合は「+」、そうでない場合は「-」と表示 同じ目的のテストに、ジャクソンテストやショルダーデプレッションテストがある |
| 握力検査 | 握力の左右差から神経障害の有無を調べる検査 右利きの人の右手の握力が左手の握力より弱い場合には、異常が疑われる ただし、患者の意思で簡単に操作できるため、参考程度の検査となる |
| 徒手筋力検査 | 筋力の低下具合を調べる検査 神経に障害があると、その神経の支配領域である筋の筋力が低下 検査結果は、0~5の6レベルで区別され、正常な場合が「5」と表示 必ず両側の検査を実施 |
| 筋萎縮検査 | 腕や脚の周径をメジャーで計測する検査 症状のある側の筋肉が、健常な側の筋肉と比較して、萎縮して周径が細くなっているかを検査 |
| 知覚検査 | 触覚等の知覚を調べる検査 筆などを用いて皮膚の感覚を検査するのが一般的 |
| 深部腱反射テスト | 筋肉に伸展刺激を与えた時に起こる筋萎縮の反応を調べる検査 深部腱反射とは、腱をゴムハンマーで叩き、筋に伸展刺激を与えたときに起こる筋萎縮のこと 脊髄に異常が認められるときは、反射は「亢進+++」または「軽度亢進++」で表示 抹消神経である神経根に異常が認められるときは、反射は「低下±」または「消失-」で表示 |
| ラゼークテスト | 坐骨神経の障害を調べるための伸展検査 神経根に異常がある場合に陽性反応が出る |
| SLRテスト | ラセーグテストと同じく坐骨神経の障害を調べるための検査 |
| FNSテスト | 腰椎神経L2・3・4の神経根障害を調べる検査 |
むちうちの治療にはどのようなものがある?
むちうちの治療は、大きく分けて、初期治療(急性期)と理学療法(受傷後4週間程度~)の2つに分けられます。
- 初期治療(急性期)
初期治療(急性期)では、安静が何よりも大切です。
そのほか、カラー(首の固定用装具)の装着、パップ剤による湿布措置、消炎鎮痛剤やビタミン剤の処方などが行われます。 - 理学療法開始(受傷後4週間~)
受傷後4週間程度から、理学療法が開始されます。
理学療法は、主に、物理療法と運動療法の2つに分けられます。
| 物理療法 | 内容 |
|---|---|
| 電気療法 | 電気で筋肉や神経に刺激を与える治療法 |
| 温熱療法 | ホットパックや赤外線などを用いて患部を温める治療法 |
| マッサージ | 筋肉の緊張をほぐす治療法 |
| 牽引(けんいん)療法 | 器具を用いて首を引っ張る治療法 |
| 運動療法 | 内容 |
|---|---|
| ストレッチ | 首、肩、背中などの筋肉を伸ばす運動 |
| 筋力トレーニング | 首、肩、背中などの筋肉を鍛える運動 |
| 可動域訓練 | 首、肩、背中などの可動域を正常に戻すための運動 |