むち打ちで後遺障害認定を受けられる条件|認定確率や注意点を解説

交通事故の被害でむち打ち症になった場合、後遺障害として認定されるには一定の条件が必要です。

今回は、むち打ちで後遺障害認定を受けられる条件や認定確率、被害者が注意すべきポイントについて、弁護士が詳しく解説します。

むち打ちでも後遺障害認定されることはある?

むち打ち症(頚椎捻挫)は、交通事故、特に追突事故の被害者が多く経験する傷病です。

軽度であれば数週間~数か月で回復することもありますが、中には長期間にわたって症状が残り、日常生活や仕事に支障をきたすケースもあります。

このように治療を継続しても症状が改善せず、症状固定(これ以上治療をしても良くならないと判断される状態)となった場合には、後遺障害の認定申請を行うことができます。

しかし、むち打ち症での後遺障害認定は容易ではなく、認定される確率も高いとはいえません。

そのため、どのようなケースで認定される可能性があるのか、あらかじめ理解することが重要です。

むち打ちで認定されやすい後遺障害等級とは?

むち打ちで後遺障害が認定される場合、以下の等級が対象となることが多いです。

14級9号(神経症状)

14級9号は、[局部に神経症状を残すもの]とされる等級です。

症状の客観的な証拠が少なくても、自覚症状に一貫性があり、治療の経過も適切であれば認定される可能性があります。

具体的には以下の場合に認定の可能性があります。

  • 首の痛みやしびれが残っている
  • 画像検査では異常が見られないが、日常生活に支障が出ている

12級13号(神経症状)

12級13号は[局部に頑固な神経症状を残すもの]とされる等級で、MRIなどの医学的な証拠で神経の圧迫や異常が確認されることが認定の前提となります。

具体的には以下のようなケースが挙げられます。

  • ヘルニア等による神経根の圧迫がMRIで確認された
  • 明確な画像所見と症状の一致が認められる

むち打ちで後遺障害認定される確率は?

実際にむち打ち症で後遺障害が認定される確率については、統計的な情報や実務経験を通じて次のような傾向が見られます。

14級9号の認定確率

およそ30~40%程度の確率で認められます。

認められるためには、継続的な通院と症状の一貫性が鍵となります。

12級13号の認定確率

およそ5~10%程度の確率で認められます。

医学的所見が明確でないと、認定されるのは極めて厳しいと言わざるを得ません。

小括

以上の数字はあくまで目安ですが、むち打ちで後遺障害等級が認定されるハードルが高めであることを示しています。

そのため、適切な医療対応・記録・法的サポートが不可欠です。

後遺障害認定を受けるために必要な要件とは?

では、後遺障害認定を受けるためにはどのような要件を満たすことが必要でしょうか。

一貫した症状の訴え

事故直後から継続的に、首の痛みしびれ・めまいなどの症状を訴えており、その訴えに矛盾がないことが大前提となります。

診察のたびに異なる症状を述べていると、信頼性が損なわれ、認定に不利になります。

継続的な治療

例えば、3か月以上通院しない、長期にわたって治療を中断していたなどの場合、治療の必要性そのものが疑われ、後遺障害として認められにくくなります。

理想は週2回以上の頻度で3か月以上継続して通院することです。

画像検査や神経学的所見

とくに12級を目指す場合は、MRIなどの画像所見で神経圧迫などの異常が示されていることが重要です。

腱反射の異常、知覚の左右差、筋力低下などの神経学的検査の結果も等級認定に大きく関わってきます。

後遺障害認定の流れと申請方法

後遺障害等級の申請には、保険会社が手続きを行う[事前認定]と自分または弁護士が申請する[被害者請求]という2つの方法があります。

以下、それぞれについて解説します。

事前認定

加害者側の任意保険会社が手続きを代行しますが、被害者が提出資料をコントロールできないため、内容に偏りが出るリスクがあります。

被害者請求

自分で医師に診断書を依頼し、必要書類を整えて損害保険料率算出機構に直接申請する方法です。

等級認定に必要な資料を自分の判断で準備できるため、有利な結果が出やすい傾向にあります。

手続きを弁護士に依頼することで、資料の精査や記載漏れの防止、適切な戦略立案が可能になります。

むち打ちで後遺障害認定を目指す際の注意点

以下では、むち打ちで後遺障害認定を目指す際に注意すべき点について解説します。

整骨院・接骨院のみの通院は不利

整骨院・接骨院は医師ではないため、診断書が作成できず、症状の医学的証明としては扱いが弱くなります。

必ず整形外科に定期的に通院することが重要です。

医師の協力が不可欠

後遺障害診断書の記載は、医師の判断に委ねられます。

事故の経緯や現在の症状を丁寧に伝え、誠実にコミュニケーションを取ることで、正確な診断書が得られやすくなります。

弁護士によるサポートが有効

むち打ちの後遺障害認定では、医学と法律の両面の知識が必要になります。

症状や治療経過の記録をどう活かすか、どう保険会社と交渉すべきか、個人で判断するのは難しい場面もあります。

交通事故案件に詳しい弁護士のサポートを受けることで、認定の確率を高められます。

まとめ

むち打ち症で後遺障害等級を認定されるには、明確な医学的証拠や一貫した治療経過が必要であり、認定確率は決して高くありません。

しかし、適切な対応と十分な準備をすれば、14級や12級の等級が認められる可能性はあります。

当事務所は交通事故の損害賠償請求に精通しており、むち打ち症の後遺障害認定にも積極的に取り組んでいます。

後遺障害の申請でお悩みの方は、一人で抱え込まず、ぜひ一度、当事務所にご相談ください。被害者の皆様のお立場を守り、適正な補償を受けられるよう、全力でサポートいたします。

お問い合わせ

 

 

ページの上部へ戻る