
交通事故によって、むちうち症になる方は多くいます。
数週間~数か月で良くなることもあれば、長期間に渡って症状が残り、日常生活にも支障をきたすこともあるでしょう。
しかし、単に症状が長引いたり、痛みが続いたりするだけでは、十分な補償を受けられません。
むちうちの後遺障害で賠償金を得るためには、後遺障害等級認定を受ける必要があります。
この記事では、むちうちで後遺障害が認められやすいケースと認められにくいケースをご紹介しています。
さらに、後遺障害が認められるための4つのポイントも解説しています。
ぜひ参考にしてください。
目次
- 1 むちうちの後遺症とむちうちの後遺障害は異なるもの
- 2 むちうちの後遺障害等級は誰が認定するの?
- 3 むちうちで後遺障害を認定されやすいのは12級・14級
- 4 むちうちで後遺障害が認定されたらもらえる賠償金は2種類
- 5 むちうちで後遺障害が認められやすいケース
- 6 むちうちで後遺障害が認められにくいケース
- 7 むちうちで後遺障害が認められるための4つのポイント
- 8 むちうちの後遺障害等級認定の申請方法
- 9 むちうちの後遺障害等級認定に必要な書類一覧
- 10 むちうちの後遺障害等級認定にかかる期間
- 11 むちうちの後遺障害等級の認定率
- 12 むちうちの後遺障害等級認定結果に納得がいかない場合
- 13 さいごに|むちうちの後遺症でお悩みの方は弁護士にご相談を
むちうちの後遺症とむちうちの後遺障害は異なるもの
むちうちの「後遺症」と「後遺障害」は、同じ症状を指す場合でも“意味や扱われ方が異なる”ものです。
後遺症は治療後も症状が残っているという医学的な状態を指し、
後遺障害はその後遺症の中から、自賠責保険の基準で認定されたものだけをいいます。

医師から、「後遺症が残るかもしれません。」と言われても、必ずしも後遺障害に該当するわけではありません。
以下、それぞれの違いについて解説します。
むちうちの後遺症とは
むちうちの後遺症とは、治療をしても完治せず、将来的に身体にむちうちの症状が残ることです。
むちうちの後遺症には、次のような症状が挙げられます。
- 首や肩の痛み
- 腰痛
- 頭痛
- 関節痛
- 手足のしびれ
- 慢性的な耳鳴りやめまい
- 強い倦怠感や集中力の低下 など
症状が、2~3か月程度で良くなることもあれば、数か月から長い人では数年残る方もいます。
むちうちの後遺障害とは
むちうちの後遺障害とは、治療を行い、医師がこれ以上の改善が見込めないと判断し(症状固定)、それが労働能力の喪失を伴うものです。
具体的には、自動車損害賠償保障法施行令別表第一又は第二に該当するものです。
つまり、後遺症が残ったというだけでは足りず、一定の要件に当てはまる場合に、後遺障害が認められます。
後遺症が残っても後遺障害が認定されなければ賠償金はもらえない
事故により後遺症が残っても、後遺障害が認定されなければ、それを理由とする賠償金はもらえません。
もちろん、事故によるケガの治療費や通院交通費、入通院慰謝料などの賠償金は、後遺障害が認定されなくてももらえます。
しかし、後遺障害慰謝料や後遺障害逸失利益は、後遺障害等級の認定が条件となることから、これらを請求するためには、後遺障害等級認定を受ける必要があります。
むちうちの後遺障害等級は誰が認定するの?
むちうちの後遺障害等級の認定は、損害保険料率算出機構(自賠責調査事務所)が行います。
審査対象となる後遺障害診断書などの資料は、損害保険料率算出機構(自賠責調査事務所)に送られ、公正かつ中立な立場で審査されます。
むちうちで後遺障害を認定されやすいのは12級・14級
後遺障害の等級は、1級から14級まであり、等級に応じて慰謝料などが算出されます。
等級数が小さいほど障害が重く、慰謝料などの金額も高くなります。
むちうちで後遺障害を認定されやすいのは、12級または14級です。
| 障害等級 | 障害の内容 |
|---|---|
| 12級13号 | 局部に頑固な神経症状を残すもの |
| 14級9号 | 局部に神経症状を残すもの |
12級13号には【頑固な】との文言が加えられているとおり、12級13号の方が、14級9号よりも重い症状の場合に認定されます。
12級13号
12級13号の認定基準は、局部に頑固な神経症状を残すものです。
局部に神経症状を残すものとは、身体の一部分に、痛みやしびれなどが残っていることです。
12級が認められるためには、レントゲンやMRI検査、CT検査などの画像や神経学的検査結果から症状の原因が他覚的所見により証明できることが必要です。
次の要件に当てはまる場合には、12級に該当する可能性があります。
- 圧迫されている神経の支配領域に神経学的異常所見がある
- ヘルニアなどの病変が事故による外傷で生じた
- 画像上で神経根や脊髄の圧迫が確認できる
14級9号
14級9号の認定基準は、局部に神経症状を残すものです。
12級の認定要件とは異なり、14級の場合は、レントゲンやMRIなどの検査結果から症状の原因となる異常が見当たらない場合でも、自覚症状を中心に、症状の経過や治療状況をみて判断されます。
次の要件に当てはまる場合には、12級に該当する可能性があります。
- 首の痛みやしびれが残っている
- 受傷から症状固定まで自覚症状に連続性・一貫性・常時性がある
- 画像検査では異常が見られないが、自覚症状と検査結果に整合性がある
むちうちで後遺障害が認定されたらもらえる賠償金は2種類
むちうちで後遺障害が認定された場合は、治療費や通院交通費、入通院慰謝料などのほかに、後遺障害を理由とした次の2種類の賠償金がもらえます。
- 後遺障害慰謝料
- 後遺障害逸失利益
それぞれの内容や、具体的な金額を解説します。
後遺障害慰謝料
後遺障害慰謝料とは、事故により後遺障害が残ったことによる精神的苦痛に対する慰謝料です。
慰謝料の算定基準には、次の3つの基準(自賠責基準・任意保険基準・弁護士基準(裁判所基準))があります。どの基準を用いるかによって、もらえる賠償金が異なります。
| 自賠責基準 | 自動車を運転する人が必ず加入する強制加入保険が算定する際の基準 被害者救済を目的とした最低限の補償 |
|---|---|
| 任意基準 | 加害者の任意保険会社が算定する際の基準 保険会社により算定基準が異なるため非公開 |
| 弁護士基準(裁判所基準) | 過去の裁判例に基づき設定された基準 裁判や弁護士による示談交渉において慰謝料を算定する際に用いられる |
このうち、弁護士基準(裁判所基準)により算定した賠償金が一番高くなります。

自賠責基準と弁護士基準でもらえる後遺障害慰謝料の差は、次のとおりです。
【12級13号】

※自賠責基準については、交通事故の発生が2020年3月31日以前なら93万円です。
【14級9号】

算定基準が異なるだけで、これだけの差が生じます。
保険会社から提示される金額は、任意保険基準(各保険会社独自の基準)により算定されており、その基準は非公開です。
一般的に、自賠責基準より少し高く、弁護士基準よりは低い傾向にあります。
弁護士に依頼することで、弁護士基準をベースに交渉ができるため、慰謝料の増額が見込めます。できるだけ多い慰謝料を獲得するには、弁護士に交渉に介入してもらい、弁護士基準で請求しましょう。
後遺障害逸失利益
後遺障害逸失利益とは、事故により後遺障害が残らなければ将来得られたであろう利益です。
後遺障害が残ることで、事故前と同じように働けず、将来の収入が減少する場合があります。
例えば、営業職の人が足に後遺障害が残ったことで、外回りの営業ができず、事故前よりも収入が減るケース等が挙げられます。
後遺障害逸失利益の計算方法は、次のとおりです。
| 基礎収入×労働能力喪失率×労働能力喪失期間に対応するライプニッツ係数 |
|---|
例えば、むちうちで14級9号に認定されたケースです。

なお、労働能力喪失期間は、むちうちの場合に実務上使われる5年で計算しています。
むちうちで後遺障害が認められやすいケース
むちうちで後遺障害が認められやすいケースは、次の6つの要件が揃っている場合です。
- 事故態様が当該症状を発生する程度に大きい
- 自覚症状に加えて症状を医学的に証明できる
- 症状の一貫・連続性・常時性がある
- 適切な頻度で通院を継続している
- 事故当初から通院を継続している
- 後遺障害診断書が適切に作成されている
以下、詳しく解説します。
事故態様が当該症状を発生する程度に大きい
事故態様が当該症状を発生する程度に大きいことです。
むちうちで後遺障害が認められるためには、事故との因果関係が必要です。
事故状況を示す資料や車両の損傷具合から、当該症状の発生が妥当かどうかが考慮されます。
ある程度大きい事故だった場合には、症状との関連性が認められやすく、後遺障害も認められやすいでしょう。
自覚症状に加えて症状を医学的に証明できる
自覚症状に加えて症状を医学的に証明できることです。
自覚症状だけでは、誰でも主張が可能です。
後遺障害が認定されるためには、客観的な証拠が必要です。
MRI画像などの画像所見により症状の客観的証明ができる場合は、後遺障害が認められやすいでしょう。
症状の一貫性・連続性・常時性がある
症状の一貫性・連続性・常時性があることです。
| ・症状の一貫性:とは、症状の部位や内容が、事故直後から大きく変わらないことです。 ・症状の連続性:とは、事故直後から症状固定まで、症状が途切れることなく続くことです。 ・症状の常時性:とは、症状が常に、またはある程度頻繁に生じることです。 |
|---|
事故直後から一貫して、同じ症状を訴えており、その訴えに矛盾がない場合、かつその症状がいつもある場合には、後遺障害が認められやすいでしょう。
適切な頻度で通院を継続している
適切な頻度で通院を継続していることです。
一般的に、むちうちの場合は、週に2、3回程度、6か月以上の通院が望ましいでしょう。
これは、あくまで一般的な目安ですので、医師の指示に従いましょう。症状固定まで、適切な頻度・適切な期間通院すれば、後遺障害が認められやすいでしょう。
事故当初から通院を継続している
事故当初から通院を継続していることです。
事故後数日以内に通院を開始していることが望ましいでしょう。
事故後すぐに病院を受診することで、事故との因果関係が認められやすく、後遺障害も認められやすいでしょう。
後遺障害診断書が適切に作成されている
後遺障害診断書が適切に作成されていることです。
後遺障害等級認定の申請手続には、後遺障害診断書が必須です。
後遺障害等級認定は、基本的に、書類審査のみで行われるため、後遺障害診断書の記載内容が重要です。
後遺障害診断書には、自覚症状を記載する欄があります。
自覚症状は、被害者本人にしかわからず、その症状を具体的かつ正確に伝えることは、なかなか難しいです。通院時から医師とのコミュニケーションを取り、適切な症状が記載されることが重要です。
後遺障害診断書が適切に作成されていると、後遺障害も認められやすいでしょう。
むちうちで後遺障害が認められにくいケース
むちうちで後遺障害が認められにくいケースは、次の6つのいずれか1つに当てはまる場合です。
- 事故態様が軽微
- 自覚症状はあるが症状を医学的に証明できない
- 症状の連続性・一貫性・常時性がない
- 通院期間・通院日数が少ない
- 事故からしばらく経ってから通院を開始した
- 症状が医師に十分伝わらず後遺障害診断書の記載が不十分である
以下、詳しく解説します。
事故態様が軽微
事故態様が軽微なことです。
例えば、低速度での追突や車両の損傷が小さい場合などが挙げられます。
事故態様が軽微だと、事故との因果関係が否定されやすいことから、後遺障害が認められない可能性があります。
自覚症状はあるが症状を医学的に証明できない
自覚症状はあるが、症状を医学的に証明できないことです。
ご自身の自覚症状しかない場合は、後遺障害は認められにくいでしょう。
むちうちの後遺症は、レントゲンやMRIなどの検査結果から損傷などの異常が見当たらないことが多く、症状を客観的に証明しづらいのが特徴です。
特に、12級は、画像などによる他覚的所見が必要なため、症状を医学的に証明できないと後遺障害が認められない可能性があります。
症状の連続性・一貫性・常時性がない
症状の連続性・一貫性・常時性がないことです。
例えば、診察の度に、異なる症状を述べたり、異なる部位の痛みを訴えたりした場合は、症状の連続性・一貫性が否定されやすくなります。
ある動きをした時だけ痛みが出る(通常時は問題ない)場合や、雨の日に限って痛みが出るなどの場合は、常時性が否定されやすくなります。
症状の連続性・一貫性・常時性がないと、後遺障害が認められない可能性があります。
通院期間・通院日数が少ない
通院期間・通院日数が少ないことです。
例えば、事故直後から数週間に1度の通院だったり、1か月以上治療を中断したりした場合などが挙げられます。
通院期間・通院日数が少ないと、治療の必要性そのものが疑われる場合もあり、後遺障害が認められない可能性があります。
さらに、整骨院の通院が主で、整形外科(病院)への通院が少ない場合も、後遺障害が認められない可能性があります。
事故後しばらく経ってから通院を開始した
事故後しばらく経ってから通院を開始したことです。
通院の必要性そのものが否定されたり、事故との因果関係が否定されたりする可能性が高く、後遺障害が認められない可能性があります。
症状が医師に十分伝わらず後遺障害診断書の記載が不十分である
症状が医師に十分伝わらず、後遺障害診断書の記載が不十分であることです。
後遺障害診断書の悪い記載例として、次のようなものが挙げられます。
- 自覚症状があるにもかかわらず、自覚症状欄に記載がない
- 自覚症状の程度の記載がない
- 自覚症状を裏付ける検査結果の記載がない
- 症状の見通しについて、緩解の見込み・今後軽快していくと思われる・予後不明などの記載がある
後遺障害診断書の記載が不十分だと、後遺障害が認められない可能性があります。
むちうちで後遺障害が認められるための4つのポイント
「むちうちで後遺障害が認められるのは、難しいのでは?」と思われた方もいるかもしれません。
もちろん、むちうちで後遺障害が認められるのは、簡単ではありませんが、いくつかのポイントを抑えれば、知らないうちに「非該当になる行為をしていた!」などのミスは避けられます。
むちうちで後遺障害が認められるためのポイントは、次の4つです。
- 症状固定まで医師の指示に従い通院する
- 症状は遠慮せず医師にきちんと伝える
- MRI検査を行う
- 適切な後遺障害診断書を作成してもらう
- 交通事故に精通している弁護士に相談する
以下、詳しく解説します。
症状固定まで医師の指示に従い通院する
症状固定まで医師の指示に従い通院しましょう。
適切な通院頻度は、ケガの程度や症状により異なります。
医師の指示に従って通院していれば、適切な認定を受けられる可能性が高いでしょう。
適切な通院は、適切な補償のためだけではなく、症状悪化を防ぐためにも大切です。
通院日数が少なかったり、逆に、通院期間が長すぎたりすると、加害者の任意保険会社から、治療の打ち切りを打診されることがあります。
しかし、治療の必要性は、保険会社の判断ではなく、主治医の判断が尊重されます。
主治医が治療を必要と判断する限り、治療を継続し、その旨を保険会社に説明して延長の交渉をしましょう。
それでも治療費が打ち切られた場合には、治療をやめるのではなく、健康保険等を利用して治療を継続し、示談交渉の際に立て替えた治療費の請求をしましょう。
症状は遠慮せず医師にきちんと伝える
症状は、遠慮せず医師にきちんと伝えましょう。
自覚症状は、被害者自身にしかわからず、医師も全てを把握するのは難しいです。
カルテなどに記載がないと、その症状はないものとして扱われます。
自覚症状がある場合には、遠慮せず、具体的な内容をきちんと医師に伝えましょう。
MRI、CT、レントゲン検査や神経学的検査を行う
MRI、CT、レントゲン検査や神経学的検査を行いましょう。
12級が認められるには、MRIなどの画像による他覚的所見が必要です。
14級の認定の際にも、神経学的検査結果により症状との整合性が証明できれば、認定がされやすくなります。
MRI、CT、レントゲン検査や神経学的検査などの必要な検査を行いましょう。
適切な後遺障害診断書を作成してもらう
適切な後遺障害診断書を作成してもらいましょう。
遺障害診断書は、原則として、通院していた医療機関の担当医が作成します。
通院時から医師とのコミュニケーションを取り、適切な診断書を作成してもらいましょう。
交通事故に精通している弁護士に相談する
交通事故に精通している弁護士に相談しましょう。
むちうちの後遺障害認定では、医学的知識のほか法的知識も必要です。
治療段階から、法的視点も踏まえて、適切な治療を進めることが大切です。
弁護士に依頼すれば、治療段階から、通院頻度は適切か、治療に適した検査がされているかなどを相談でき、さらに、後遺障害認定の申請手続きのサポートも受けられます。
したがって、むちうちの後遺症がある方は、早めの段階で、一度弁護士に相談することをおすすめします。
むちうちの後遺障害等級認定の申請方法
むちうちの後遺障害等級認定の申請方法には、次の2種類があります。
- 事前認定
- 被害者請求
より適切な認定結果を得たい場合は、被害者請求がおすすめです。
それぞれの特徴や、メリット・デメリットについて解説します。
事前認定
事前認定とは、加害者の加入する任意保険会社が申請する方法です。
| メリット | デメリット |
|---|---|
| ・保険会社が提出書類の準備や申請手続きなど全て行ってくれる | ・保険会社は、事務的に必要最低限の書類のみ提出するため、被害者側に有利な資料が提出されているかわからない ・認定結果後、すぐに賠償金の支払いを受けられず、示談交渉成立後一括での支払いになる |
手間がかからない一方で、申請内容が不透明な特徴があります。
被害者請求|【おすすめ!】
被害者請求とは、被害者自身が直接申請する方法です。
| メリット | デメリット |
|---|---|
| ・自分で資料の準備をするため、有利な資料を集めるなど主張立証の工夫ができ、納得した結果が得られやすい ・認定結果後、自賠責保険の限度額分までは先払いを受けられる |
・提出書類の準備と申請手続きに時間と手間がかかる |
時間と手間がかかる分、納得のいく認定結果を得やすいのが特徴です。
むちうちで後遺障害の認定を目指すなら、被害者請求がおすすめでしょう。
むちうちの後遺障害等級認定に必要な書類一覧
むちうちの後遺障害等級認定に必要な書類一覧は、下表のとおりです。
| 【事前認定】 | 【被害者請求】 |
|---|---|
| ・後遺障害診断書のみ | ・後遺障害診断書 ・交通事故証明書 ・事故発生状況報告書 ・診断書 ・診療報酬明細書 ・レントゲンやMRIなどの画像資料 ・施術証明書および施術費明細書 ・通院交通費明細書 ・付添看護自認書 ・休業損害証明書 ・自動車損害賠償責任保険 保険金支払請求書兼支払指図書 ・請求者本人の印鑑証明書 ・(代理人による請求の場合は)委任状 |
むちうちの後遺障害等級認定にかかる期間
むちうちの後遺障害等級認定にかかる期間は、通常1~2か月程度です。
事前認定の場合は加害者の任意保険会社から、被害者請求の場合は自賠責保険会社から被害者に結果が告知されます。
ただし、医療照会が実施される場合や自賠責調査事務所の受付業務が集中している場合などは、3か月以上かかることもあります。
むちうちの後遺障害等級の認定率
むちうちの後遺障害等級の認定率は、14級9号が2.1%、12級13号が0.6%程度です。
なお、これらは、2022年度に自賠責損害調査事務所で受け付けた自賠責保険の請求事案をもとにしています。
数値で見ると、むちうちの後遺障害等級が認定されるのは、簡単ではないことがわかるでしょう。
参照:2023年度_自動車保険の概況
むちうちの後遺障害等級認定結果に納得がいかない場合
むちうちの後遺障害等級認定結果に納得がいかない場合は、次の3つの方法により、認定結果に対して不服申し立てができます。
| 申立先 | 審査費用 | 審査期間 | 回数の制限 | |
|---|---|---|---|---|
| 異議申立て | 自賠責保険 | 不要 | 2~3ヶ月 | なし |
| 紛争処理制度 | 自賠責保険・共済紛争処理機構 | 不要 | 3か月以上 | 1回のみ |
| 民事裁判 | 裁判所 | 申立て手数料など | 半年~数年 | 1回のみ(控訴は可能) |
それぞれの特徴や、メリット・デメリットについて解説します。
異議申立て
異議申立てとは、後遺障害等級認定が非該当になったり、希望していた等級より低かったりした場合に、損害保険料率算出機構に対して、再審査を求める不服申し立ての方法です。
異議申し立てによる再審査によって、既に認定された等級が下がることはありません。
異議申立ては何度でもできますが、書面の不足や必要な検査がなかった場合などには、必要な準備を整えてから臨むことが大切です。
紛争処理制度
紛争処理制度とは、認定機関とは別の第三者機関に再審査を求める手続きです。公正中立で専門的な知見を有する第三者である弁護士、医師および学識経験者で構成される紛争処理委員が、審査を行います。
異議申し立ての結果にも納得がいかない場合に、利用が検討されます。
同機構への申請は、自賠責保険会社への異議申立てと異なり、1度のみです。
民事訴訟
裁判所へ交通事故の損害賠償請求の訴訟を提起する方法もあります。
民事訴訟では、裁判官が後遺障害等級認定やそのほかの損害について判断します。
訴訟で納得の結果を得るためには、法的な知識や説得力のある証拠の提出が必要です。
したがって、弁護士に相談することをおすすめします。
さいごに|むちうちの後遺症でお悩みの方は弁護士にご相談を
むちうちで後遺障害を認めてもらうのは、簡単ではありません。
したがって、適切な後遺障害等級を獲得するためには、治療段階から、医師と弁護士の両方のサポートを受けながら、適切な治療・適切な通院を行うことがおすすめです。
むちうちの後遺症でお悩みの方は、ぜひ一度弁護士にご相談ください。
弁護士に依頼することで、次のメリットがあるでしょう。
- 後遺障害等級が認められやすい通院日数や受けるべき検査などのアドバイスをもらえる
- 被害者請求による後遺障害等級認定の申請手続きのサポートを受けられる
- 認定された後遺障害等級が適切であるか判断できる
- 弁護士基準での請求で賠償額の増額が見込める
- あなたが治療に専念できるよう相手方との交渉を代理してもらえる
ネクスパート法律事務所では、交通事故事案の解決実績を豊富にもつ弁護士が多数在籍しています。ぜひ一度ご相談ください。