後遺障害等級の認定に納得できない!異議申し立ての方法を解説

交通事故で負った怪我が治らず、後遺障害として残る場合があります。そのようなときに後遺障害等級認定の申請ができますが、非該当になったり希望していた等級を取得できなかったりする例があります。この等級認定に不服がある場合には、異議を申し立てられます。

認定に納得できないと思ったら、後遺障害異議申し立てを検討してみましょう。

今回の記事では、どのような場合に異議申し立てができるのか、そしてその方法について解説します。

後遺障害の異議申し立てとは?

後遺障害の異議申し立てとは、後遺障害等級認定が非該当になったり、希望していた等級より低かったりした場合に審査機関に再審査を求める不服申し立ての方法です。

ここでは、異議申し立てを検討すべきケースと方法について解説します。

異議申し立てを検討すべきケースは?

異議申し立てを検討すべきケースは、主に下記のような場合です。

  • 後遺障害診断書に不備があった
  • 必要な検査が漏れていた
  • 医学的知見を補足する書面を提出していなかった
  • 専門医の診断を受けていなかった
  • 一度目の後遺障害等級認定を事前認定で申請した

後遺障害診断書に不備があった

後遺障害等級認定は、主に医師が作成する診断書や後述の検査資料等をもとに判断されます。

しかし、後遺障害等級認定の審査に詳しい医師が多いわけではないので、診断書に不備があるのも珍しいことではありません。そのため、後遺障害診断書の[各部位の後遺障害の内容]を精査し、記載が不十分であれば、認定基準を満たすかどうかを医師に確認し、記載漏れであれば記載してもらう必要があります。

診断書の不備を補い、異議申し立てをすることは意味のあることです。

後遺障害診断書について|書き方と等級認定について解説

必要な検査が漏れていた          

症状に適した後遺障害等級認定を得るためには、必要な治療・検査を受け、後遺障害の状況を明らかにした検査資料をすべて提出しなければいけません。後遺障害等級認定には、医師の診断書だけではなくそれを裏付ける検査資料が重要なポイントとなります。そのため必要な検査が漏れていたら異議申し立てを検討しましょう。

怪我の状態によっては、レントゲン検査、CT、MRIなどの検査を受けなければ正確な診断ができませんし、撮影方法が間違っていることから適切な診断がなされないこともあります。これらの画像所見のほか、神経学的所見の検査が適切に実施されていないと、身体的異常を確認できないこともあります。

きちんと検査ができているか、再度確認しましょう。

交通事故の後遺障害等級認定とは|認定を受けるための5つのポイント

医学的知見を補足する書面を提出していなかった

いくら自覚症状があっても他覚所見が全くなければ、後遺障害等級が認定されません(非該当)。しかし、稀に医学的に説明がつく症状が残っているにも関わらず非該当と判断されることがあります。

自覚症状が画像所見や神経学的所見で説明できなくても、医学的に説明可能と言えるのに、それを説明する医師の意見書を提出していない場合などです。

この場合、仕事などを理由に必要な治療を受けず十分な通院ができていないと、主治医が、受傷時・治療中・症状固定時を通して連続・一貫した症状があると証明しづらくなるため、異議申し立てをしても認められないことが多いです。

主治医の治療方針に従って必要な期間に適切な頻度で治療をし、他覚的に神経系統の障害が証明されるには至らないものの、医学的に説明可能な症状が残る場合などには、主治医に意見書作成の協力を依頼してみると良いでしょう。

認定基準を満たしているはずなのに非該当とされた場合には、後遺障害認定に詳しい弁護士や主治医の意見を聴いた上で異議申し立てを検討しましょう。

専門医の診断を受けていなかった

傷病によっては、専門医でなければ診断できないものもあります。

例えば、むちうち症(むちうち損傷)は、頚椎捻挫、頸部挫傷、外傷性頸部症候群(TCS)など様々な傷病名で呼ばれ、いくつかの分類がなされています。同じ傷病名でも、その症状によっては、整形外科、脊椎外来、神経内科、ペインクリニックなど治療先が異なります。

交通事故の被害者の多くは、自宅や勤務先に近い医療機関を治療先として選択しますが、その治療先が専門医でなければ、診断されるべき傷病を適正に診断してもらえないこともあります。

思っていた等級よりも低い等級で認定されてしまい納得できない場合は、専門医の診察を受けることも検討しましょう。

一度目の後遺障害等級認定を事前認定で申請した

事前認定では、自賠責損害調査事務所に提出する資料の選定を加害者側の任意保険会社が行います。認定基準や要件を満たすための資料が不足していると等級非該当となったり、想定よりも低い等級で認定されたりするおそれもあります。

加えて、加害者側の任意保険会社が意見書を提出することもあります。この意見書が、後遺障害等級の認定に不利に働くことがあります。

事前認定の回答に不服がある場合は、被害者請求への切り替えを検討してみても良いでしょう。

異議申し立てを検討する際には、このように一度目の審査結果に至った理由を分析し、それに応じた対策を立てることが大切です。

異議申し立ての方法は?

後遺障害異議申し立ての方法には、事前認定被害者請求の2種類があります。

最初の後遺障害認定申請の際に事前認定を選択していたら、異議申し立ては事前認定と被害者請求、いずれかを選択できます。最初に被害者請求を選択していたら、異議申し立ては被害者請求でしなければいけません。

事前認定

事前認定は、加害者側の任意保険会社を介して異議申し立てをする方法です。

自賠責損害調査事務所は、加害者側の任意保険会社から提出された資料をもとに、後遺障害の有無や等級の認定を判断します。

被害者請求

被害者請求は、被害者が自ら資料を集めて、加害者側の自賠責保険会社に直接異議申し立てをする方法です。自賠責保険会社から自賠責損害調査事務所に申請書類が送られ、損害調査が行われます。

 

【交通事故】後遺障害等級認定の申請手続きとは?|必要書類や所用期間も解説

後遺障害の異議申し立ての流れは?

ここでは、後遺障害の異議申し立ての流れについて解説します。事前認定と被害者請求では、審査機関に書類を提出する主体や結果の通知先が異なる点に注意しましょう。

事前認定の場合

事前認定を選択した場合は、下記の流れで手続きが行われます。

①異議申立書や診断書などの必要書類を加害者側の任意保険会社に送ります。

②加害者側の任意保険会社は、送られてきた書類と自社で収集した必要書類を自賠責損害調査事務所(審査機関)に送付します。

③自賠責損害調査事務所で調査が行われ、結果が加害者側の任意保険会社を通じて送られてきます。

被害者請求の場合

①異議申立書や診断書などの必要書類を加害者側の自賠責保険会社に送ります。

②加害者側の自賠責保険会社は、送られてきた書類を自賠責損害調査事務所(審査機関)に送付します。

③自賠責損害調査事務所で調査が行われ、結果が加害者側の自賠責保険会社を通じて送られてきます。

後遺障害の異議申し立てをする際の注意点は?

ここでは、後遺障害の異義申し立てをする際の注意点について解説します。

診断書等の発行に手数料がかかる

後遺障害の異議申し立ては、手数料がかからず無料でできます。しかし、異議申し立てをするには医師の診断書をはじめとして、新たに提出する書類が必要です。そのための発行手数料がかかるので念頭においておきましょう。

損害賠償請求権の消滅時効に注意

後遺障害の異議申し立てに期間や回数の制限はありません。ただし、結果が出るまで2か月から3か月、場合によっては6か月以上かかることがあります。そのため加害者側への損害賠償請求権の消滅時効がいつなのかを考えて申し立てのスケジューリングをしなければいけません。
仮に異議申し立てによって等級が上がったとしても、損害賠償請求権が消滅時効にかかってしまったら元も子もないからです。

消滅時効が迫っているけれど、どうしても異議申し立てをしたいと考えるならば、交通事故案件を多数手がけている弁護士に相談をしてアドバイスを受けながら進めていきましょう。

交通事故による損害賠償請求の時効は何年?請求の種類別に解説

後遺障害の異議申し立てを弁護士に依頼するメリットは?

ここでは、後遺障害の異議申し立てを弁護士に依頼するメリットについて解説します。

説得力のある異議申立書を作成できる

損害保険料率算出機構が公表している自動車保険の概況によると、後遺障害の異議申し立ての成功率は約13%です。このことから、異議申し立てをして納得のいく等級が得られる人は少ないことが分かります。

参考:自動車保険の概況|損害保険料率算出機構

しかし、交通事故の案件を多数手がけてきた弁護士であれば、説得力のある異議申立書の作成ができます。さらになぜ納得のいく結果が得られなかったのかを検証し、どのような書類を追加すれば有効なのか、判断が可能です。

医療照会に関してアドバイスができる

後遺障害の異議申し立ては、審査機関が被害者の担当医に対して後遺症について質問書面が送られることがあります。これを医療照会といいます。

弁護士に依頼することで医療照会に対してどのように回答をするのが望ましいか、医師と綿密な打ち合わせができます。

医師は医療においては専門家ですが、後遺障害の認定に関して熟知している人は少ないです。異議申し立てが認められるような回答ができるように弁護士がサポートできます。

まとめ

交通事故の被害者になり後遺障害で苦しんでいるにも関わらず、非該当だったり思っていたよりも低い等級で認定されたりするとがっかりしてしまいます。どうしても納得できないなら、泣き寝入りせずに後遺障害異議申し立てを検討してみましょう。

ただし、自分一人で後遺障害異議申し立てをするのはとても難しいです。後遺障害異議申し立てには、医学的な知見と交通事故の案件を多数手がけてきた実績が必要です。

ネクスパート法律事務所には豊富な実績のある弁護士が在籍しているので、ぜひご相談ください。

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