交通事故でむちうちの後遺障害が残った場合、保険会社に慰謝料などを請求します。その際に保険会社から「軽い追突事故だったのにむちうちって本当?」などと疑われてしまう場合があります。
むちうちの後遺症が残っているにもかかわらず、疑われてしまうのはつらい状況です。この記事では、むちうちが嘘だと疑われてしまう原因と疑われないための方法などについて解説します。
目次
交通事故でのむちうちが、保険会社から嘘だと疑われてしまう原因5つ
むちうちは大きな事故でなくても起こる症状です。そのため、衝撃が小さかった交通事故などの場合に、保険会社にむちうちであると申告しても疑われてしまうケースがあります。
ここでは、むちうちが嘘だと疑われてしまう主な原因5つについてご説明いたします。
- 事故直後に通院していない
- むちうちの症状を証明する客観的証拠がない
- 通院回数が極端に少ないまたは多い
- むちうちの賠償請求が過去に複数回ある
- 事故の状況と症状が一致していない
事故直後に通院していない
事故直後は気が動転していることもあり、痛みなどに気が付かない場合があります。たいしたことはないと病院へ行かず放置してしまうと、後日痛みがでてきた場合に事故との因果関係を証明するのが難しくなります。その結果、申告した交通事故でのむちうちかどうかを疑われてしまいます。
むちうちの症状を証明する客観的証拠がない
むちうちでも、症状が軽い場合はそれを証明する客観的証拠がない場合があります。レントゲンやMRIを撮っても異常を見つけられず、自覚症状だけのケースです。
主な自覚症状:頸部痛、頭痛、肩こり、上肢のしびれ、上肢痛、嘔気、めまい
自覚症状だけでも、ある程度は医師の診断で認められる場合もありますが、保険会社からは上記の自覚症状はむちうちの症状とは認められないと言われてしまう可能性があります。
レントゲンやMRIなどで症状が証明できなかった場合は、医師と相談して神経学的検査をしてもらうことを検討しましょう。
神経学的検査は、主に以下のものがあります。
- スパーリングテスト
- 筋委縮検査
- 深部腱反射
- 徒手筋力検査
- 知覚検査
通院回数が極端に少ないまたは多い
通院回数が極端に少ないと、そもそもむちうちの症状がないのではないかと疑われる可能性があります。
むちうちの症状はあるのに、仕事や家庭の都合により病院へ行かなかった場合、仮病なのではないかと疑われてしまう場合があります。また、最初は通院していたけれど、仕事の都合などによって途中で通院をやめてしまうと“治癒したから通院していない”と判断される場合もあります。
通院回数が極端に多い場合は、すでに症状は治っているのに嘘の症状を申告して回数を多く通院しているのではないかと疑われてしまう場合があります。
医師が症状固定や治癒したと判断しているのに、それを認めず通院治療を続けていると、過剰診察となり、その分の治療費は自己負担になるケースがあります。
後遺障害等級認定を受けるためには、医師の後遺障害診断書が必要になります。医師の指示のもと適切な治療を受けましょう。
むちうちの賠償請求が過去に複数回ある
過去にむちうちによる賠償請求の請求をしていた場合、前回の事故から日数が経過していなければ、前回の事故との因果関係が疑われますし、度重なる請求があると、本当はむちうちになっていないのに、むちうちだと申告して慰謝料を請求しようとしているのではないかと疑われる可能性があります。
事故の状況と症状が一致していない
実況見分の状況と申告した症状に矛盾があると、むちうちは嘘ではないかと疑われてしまう場合があります。
例えば、事故直後はお腹を打ったためにお腹が痛いと言っていたのに、後日首や肩が痛いと症状の申告が変わる場合などです。
事故としては軽いものだったのに、自覚症状の申告がつりあわない場合も疑われてしまう可能性があります。
交通事故でのむちうちが嘘だった場合のリスク
交通事故に遭い、痛みがある症状などを医師に伝え、むちうちと判断されたとします。その申告が嘘だった場合は、どのようなリスクがあるのでしょうか。
慰謝料の減額や返還を請求される可能性がある
嘘の申告で獲得した慰謝料は、本来かかった治療費以外の金額について、減額または返還請求される可能性があります。
むちうちの申告が嘘だと疑われている場合、他に怪我がなければ慰謝料請求そのものに応じてもらえない可能性もあります。
保険金詐欺になる可能性がある
治療期間が長くなると慰謝料もその分高額になるため、中にはすでに症状固定/治癒の状態であるのに、嘘の症状を申告し通院を続ける人がいます。
保険会社は多くのケースを扱っているため、嘘ではないかと疑っている場合は調査を行います。その結果、嘘がバレて悪質だと判断されると保険金詐欺として訴えられる可能性があります。
交通事故でのむちうちを嘘だといわれないためにすべきこと
保険会社との交渉で、むちうちが嘘だといわれないためにすべき主な3つについてご説明いたします。
- 事故直後に整形外科の診断を受ける
- 医師の診断による適切な検査・治療を受ける
- 医師に正確な症状を伝える
事故直後に整形外科の診断を受ける
むちうちは、事故から数日経って症状が現れる場合もあります。“大丈夫だろう”と軽く考え病院で診察を受けていないと、事故との因果関係を証明するのが難しくなります。
事故にあったら、自覚症状がでていなくても、すぐに整形外科などの診察を受けましょう。症状固定の判断や、後遺障害等級認定に必要な後遺障害診断書を作成できるのは医師だけですから、整骨院や接骨院ではなく病院の整形外科で医師の診断を受けましょう。
医師の診断による適切な検査・治療を受ける
むちうちの検査には、レントゲン撮影やMRI撮影などの画像診断が一般的ですが、それでは証明できないケースがあります。
画像診断ではわからなくても、痛みなどがあればその症状を医師に伝え、適切な検査を受け治療をしましょう。
医師に正確な症状を伝える
医師に、自覚している症状を正確に伝えるのは難しいかもしれません。特に痛みについては表現の方法が人それぞれで、その都度伝え方が変わる場合があります。
伝え方がその都度変わってしまうと、嘘を言っているのではないかと疑われてしまう原因にもなります。診察の際には、どのように症状を伝えたかメモをしておき、過去に伝えていた内容と大きく違わないようにしましょう。
治療を受け、日数が経過すると痛みの症状は変わります。処方された薬や治療でどのように改善されたかなども詳細に医師に伝えておけば、後遺障害診断書の作成時にも役立つでしょう。
交通事故でのむちうちが,病院からも嘘だと疑われた場合の対処法
セカンドオピニオンを検討する
受診した病院から“むちうちではない”などと言われてしまったり、医師との相性がよくないと感じたりした場合は、セカンドオピニオンを検討しましょう。
最近はセカンドオピニオンも当たり前になってきており、医師側から薦めてくれるケースもあります。セカンドオピニオンには紹介状が必要だったり、交通事故から日数が経過していれば、それまでに受けた検査資料などが必要になったりする場合もあります。セカンドオピニオンを受けてみたい旨を伝え、医師と相談しましょう。
転院を検討する
セカンドオピニオンの結果やその他の理由で病院を変えたいと思う場合は、転院を検討しましょう。
どこの病院が良いかどうかは、病院までの距離や治療方針など、何を重視するかによって異なります。いたずらに治療期間が長くなったり、その間に症状が変わったりする場合もあるので、慎重かつ速やかに判断する必要があります。
転院した場合は、保険会社などに忘れずに報告しましょう。
交通事故でのむちうちが認められたらすべきこと
交通事故の後遺症としてむちうちが認められたら、まずは以下の2つを行いましょう。
- 慰謝料などを請求する
- 弁護士に相談・依頼する
慰謝料などを請求する
入通院慰謝料
交通事故による怪我などで入通院した際の肉体的および精神的苦痛に対する慰謝料です。
保険会社からは実際に入院・通院した日数に対して支払われます。
後遺障害慰謝料
交通事故による怪我などで後遺症が残った場合の痛みや精神的苦痛に対する慰謝料です。
むちうちの症状固定後に、後遺障害等級が認定されたら請求できます。
休業補償
休業補償とは、交通事故による怪我の治療などのために休業し、実際に損失したと認められる収入額の補償です。
医師の診断により休業した日数が原則で、自身の判断で休んだ日数は認められない可能性があります。
補償額は、[収入日額×認定された休業日数]となり、基礎収入や休業の必要性などが争点になるため、弁護士への相談をお勧めします。
弁護士に相談・依頼する
交通事故にあった場合は、速やかに弁護士への相談をお勧めします。
弁護士に依頼すれば、保険会社や相手方との対応をすべて任せられ、法律の専門家として適切に対応してもらえます。
後遺障害等級認定の申請も、経験豊富な弁護士であればスムーズに行えます。
まとめ
交通事故でむちうちの症状が残ったにもかかわらず、保険会社に疑われてしまうのは納得がいかずどうしたら良いかと悩まれる方や、中には疑われるくらいなら…と慰謝料請求などをあきらめてしまう方もいらっしゃいます。
交通事故のむちうちについてお悩みのことがあれば、ネクスパート法律事務所にお問い合わせください。
ネクスパート法律事務所ではご相談を24時間受け付けておりますので、まずはお電話、メール、お問い合わせフォームよりご連絡ください。