交通事故の加害者が任意保険に加入している場合は、通常、保険会社と示談交渉を行います。
しかし、交渉開始当初からもしくは保険会社との示談交渉の途中で加害者側に弁護士が就くこともあります。
加害者に弁護士が就く理由にはどのような事情があるのでしょうか?
加害者に弁護士が就いたら、被害者も弁護士に示談交渉を依頼すべきなのでしょうか?
この記事では、交通事故の示談で弁護士が出てきた場合の対応と加害者が弁護士を立てる理由等について解説します。
目次
交通事故の示談交渉で加害者側の弁護士が出てきたらどうなる?
ここでは、交通事故の示談交渉で加害者側に弁護士が就いた場合の流れやメリット・デメリットを解説します。
弁護士が交渉の窓口となる
加害者側に弁護士が就いたら、被害者宛てに受任通知が届きます。
受任通知を受領したら、その後のやり取りは弁護士を通さなければならず、原則として加害者本人や保険会社には直接連絡できません。
加害者に弁護士が就くメリット
加害者側に弁護士が就くメリットとしては、専門知識のある第三者が介入することで、冷静に話し合えることです。
加害者が任意保険に加入していない場合は、通常、加害者本人との示談交渉を行います。当事者同士で話し合うと互いに感情的になり、合意形成が難しくなることもあります。
加害者に弁護士が就くことで交渉がスムーズに進み、早期解決に繋がる可能性もあります。
加害者に弁護士が就くデメリット
加害者側の弁護士は加害者の代理人なので、被害者に親切丁寧な対応をするとは限りません。
加害者側の弁護士は、法律や過去の裁判例など豊富な知識や経験を元に加害者に有利な条件で示談できるように交渉します。加害者が支払う賠償金をできるだけ低く抑えようと、被害者の過失割合を過大に主張したり、任意保険基準で損害額を算定したりすることもあり得ます。
被害者側に同等の知識や経験がないと適切な反論を行えず、被害者にとって不利な交渉となるおそれがあります。
交通事故の示談交渉で加害者側の弁護士が出てきた理由
ここでは、交通事故の示談交渉で加害者側に弁護士が就く理由を解説します。
加害者が任意保険に加入していない場合
加害者が任意保険に加入していない場合は、加害者本人が示談交渉を行わなければなりません。
しかし、被害者と同様に加害者に専門的知識や経験がなければ、自ら交渉を行うことが困難なこともあります。
示談交渉にかかる手間・時間や被害者と直接話し合いをする精神的負担を軽減するために、弁護士に示談交渉を依頼する加害者も少なくありません。
加害者が刑事処分の対象になっている場合
以下のような場合には、加害者が逮捕され刑事事件の被疑者になることがあります。
- 被害者に重篤な怪我を負わせたり死亡させたりした場合
- ひき逃げや飲酒運転をした場合
- スピード違反があった場合
- 事故後の救護義務や警察への報告義務に違反した場合
加害者と被害者との間に示談が成立しているかどうかは、検察官の起訴・不起訴の判断や裁判官の量刑の判断に影響します。
そのため、加害者が刑事責任の対応も含めて弁護士に依頼することがあります。
重大な事故で損害賠償額が高額になる場合
被害者が死亡した場合や被害者に重篤な後遺障害が残る事案では、損害額が高額になります。加害者側としては、賠償金の支払いをできるだけ低く抑えるため、過失割合や損害額の算定について自己に有利となるよう主張を展開します。
このような主張をより説得的に行うために弁護士に依頼することがあります。
交渉による解決が困難と思われる場合
示談交渉が長引いている場合や交渉による解決が困難な事案でも、加害者側に弁護士が就くことがあります。
具体的には、以下のようなケースです。
- 当事者双方の意見の対立により話し合いが膠着している
- 被害者が示談交渉に応じない
この場合は、早期解決のために訴訟等も視野に入れて弁護士に依頼した可能性もあります。
保険会社では対応困難と判断した場合
以下のような場合は、保険会社が対応困難と判断して早期に弁護士を立てることがあります。
- 被害者の言動が粗暴な場合
- 被害者が暴力団関係者など反社会的勢力であると思われる場合
交通事故で加害者側の弁護士が出てきたら被害者も弁護士に依頼すべき?
ここでは、加害者に弁護士が就いた場合、被害者も弁護士に依頼すべきかどうかについて解説します。
加害者に弁護士が就いたからといって、被害者も必ず弁護士に依頼しなければならないわけではありません。
しかし、弁護士との交渉は、法的な知識や経験などの差から優位に立たれてしまう可能性があります。被害者が自力で対応しても主張すべきことをうまく伝えられず、不利な立場に置かれることも少なくありません。
自力での交渉が難しいと感じたら、なるべく早く弁護士への相談をおすすめします。
弁護士に依頼すれば、加害者側の弁護士と対等な立場で交渉してもらえます。
なお、加害者が刑事処分の対象となっている場合は、刑事事件の弁護人から謝罪や示談を申し入れられることがあります。
死亡事故や重い傷害が残る重大な事故が、加害者の危険運転やひき逃げから引き起こされた場合には、加害者への処罰感情が生まれることもあるでしょう。
そのような場合には、示談しないという選択肢あります。
示談以外にはADRや調停・訴訟等複数の選択肢がありますが、弁護士に相談してその概要と利害得失を把握して、適切な解決手段を選択しましょう。
まとめ
交通事故の加害者側に弁護士が就いた場合、適正妥当な示談案を提示されることもあれば、被害者に不利な主張がなされることもあります。
加害者側の弁護士の提案が適正かどうか判断できない場合や自力での示談交渉に不安がある場合は、なるべく早く弁護士への相談をおすすめします。
弁護士に示談交渉を依頼すれば、ご自身で交渉するよりも有利な条件で解決できる可能性があります。
交通事故の加害者に弁護士が就いてお困りの方は、ぜひ一度ネクスパート法律事務所にご相談ください。