交通事故の示談交渉で加害者側の弁護士が出てくる理由と対処法

交通事故示談交渉 加害者側弁護士への対処法

交通事故の被害に遭い、加害者側と示談に向けて交渉を進めていたところ、突然、弁護士が介入したことを知らせる通知を受けたら、動揺するのも無理もありません。
「なぜ交渉の途中で弁護士が出てくるの?」「これからどうなるの?」等と不安になっていませんか?
この記事では、交通事故の示談交渉で加害者側の弁護士が出てきた理由や今後の展望について詳しく解説します。
加害者側の弁護士が出てきたら留意すべきことも紹介しますので、今後の対応の参考にしていただければ幸いです。

交通事故の示談交渉で加害者側の弁護士が出てきたのはなぜ?

交通事故の示談交渉で加害者側の弁護士が出てきた理由として、主に以下の7つが考えられます。

  • 交渉が進まないから
  • 保険会社では対応が困難と判断したから
  • 裁判になる可能性が高いから
  • 相手方が支払う慰謝料が高額になりそうだから
  • 相手方が刑事処分の対象になっているから
  • 相手方が任意保険に加入していないから
  • 被害者側の請求に疑義が生じているから

以下で、詳しく解説します。

交渉が進まないから

交渉が進まないから、弁護士が出てきた可能性があります。
以下のようなケースでは、示談までに時間がかかることが予想されます。

  • 加害者側と被害者側の意見が対立し、交渉がこう着状態に陥っている
  • 被害者側が示談交渉に応じない

あなたが加害者側と対立している状況であれば、弁護士を介入させることでプレッシャーをかけ、交渉の意欲を削ぎ落そうとしているのかもしれません。あなたが示談交渉に応じていないのであれば、弁護士を通じて交渉の場に引きずり出そうとしていることも考えられます。
交渉を前に進めるために、弁護士対応に切り替えた可能性があります。

保険会社では対応が困難と判断したから

保険会社では対応が困難と判断したから、弁護士が出てきた可能性もあります。
例えば、以下のような事情がある場合です。

  • 被害者が高圧的な態度で過剰な要求をしている
  • 被害者の言動が粗暴である
  • 被害者が反社会的勢力であると思われる
  • 交渉を進めるにあたり法的な説明が必要となった

保険会社では対応できないケースだと判断した場合、早期に弁護士が介入するケースは珍しくありません。

裁判になる可能性が高いから

裁判になる可能性が高いから、弁護士が出てきた可能性もあります。
事故態様や過失割合を巡って争いがあり、裁判にもつれ込みそうなときも、加害者側が早い段階で弁護士を関与させることがあります。仮に裁判になると解決までにさらに時間や労力がかかります。敗訴すると、加害者側が訴訟費用を負担しなければならないため、裁判を避けるために弁護士を立てるケースも少なくありません。

被害者側が示談を拒否し、裁判も提起しない膠着状態が続く場合などは、加害者側が[被害者に支払うべき損害賠償は、〇〇円を超えて存在しない]という裁判(債務不存在確認訴訟)を提起するケースもあります。
いずれの場合も、早期に紛争を終わらせるために、弁護士が介入していると考えられます。

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加害者側が支払う損害賠償金が高額になりそうだから

加害者側が支払う損害賠償金が高額になりそうだから、弁護士が出てきた可能性があります。
以下のケースでは、損害賠償金が数千万円~数億単位と高額になることもあります。

  • 被害者が死亡した場合
  • 被害者に重篤な後遺障害が残った場合

このようなケースでは、当事者間で過失割合に関する主張が対立することがあります。
重大な後遺障害が残る事故や死亡事故では、過失割合が5%異なるだけで、加害者が支払う損害賠償金に数百万円~数千万円の差が生じることもあるからです。
損害賠償金が高額になると、過失割合をめぐる交渉はよりシビアになることも多く、早期に弁護士を立てて慎重に対応することも多いです。

加害者が刑事処分の対象になっているから

加害者が刑事処分の対象になっているから、弁護士が出てきた可能性もあります。
刑事処分とは、交通事故の加害者が、法令に基づいて刑事上の処分を受けることです。
以下のようなケースでは、加害者が刑事処分の対象となることがあります。

  • 被害者を死亡させたり、重篤な怪我を負わせたりした場合
  • ひき逃げや飲酒運転をした場合
  • スピード違反があった場合
  • 事故直後の救護義務や警察への報告義務に違反した場合

当事者間で示談が成立している場合、検察官が起訴・不起訴の判断を判断する際や、裁判官が量刑を判断する際に、加害者に有利な事情として考慮されることがあります。
起訴されることを避けたい、量刑を少しでも軽くしたいとの考えから、刑事処分の対応も含めて弁護士に依頼したのかもしれません。

加害者が任意保険に加入していないから

加害者が任意保険に加入していないから、弁護士が出てきた可能性もあります。
任意保険に加入していない場合、自身で交渉しなければなりません。自身で交渉するとなると時間的にも精神的にも負担がかかりますし、知識不足で悩むこともあるでしょう。
自身での交渉に限界を感じ、弁護士に対応をお願いしたのかもしれません。

被害者側の請求に疑義が生じているから

被害者側の請求に疑義が生じているから、弁護士が出てきた可能性もあります。
例えば、以下のような事情がある場合です。

  • 過去に何度も事故を繰り返している
  • わざと事故を起こした疑いがある
  • わざと治療を長引かせている疑いがある
  • 自覚症状が一貫していない等、虚偽申告をしている可能性がある

被害者側の請求に不審な点がある場合は、交渉を慎重に進めるために、早期から弁護士に関与するケースがあります。

交通事故の示談交渉に加害者側の弁護士が出てきたらどうなる?

交通事故の示談交渉に加害者側の弁護士が出てきたら、交渉窓口が弁護士になります。そのため、ご自身で対応すると交渉の主導権を握られる可能性があります。
以下で詳述します。

交渉窓口が弁護士になる

交渉窓口が弁護士になります
加害者側が弁護士を立てたら、弁護士から被害者に受任通知が送付されます。受任通知を受け取ったら、原則として、加害者本人や加害者側の保険会社への直接連絡はできません
加害者側の弁護士から受任通知を受け取ったら、今後の交渉はすべて弁護士と行います。

自分で対応すると交渉の主導権を握られる可能性がある

加害者側が弁護士を立てた後もご自身で対応すると、交渉の主導権を握られる可能性があります。
弁護士は豊富な法的知識や交渉ノウハウを有しているため、加害者側の弁護士が交渉で優位に立つ可能性が高いです。
あなたに言い分があっても、法的な根拠に基づいて適切に反論できなければ、示談内容に反映されないこともあります。知識や交渉力の差から不利な条件をのまざるを得ず、納得できないまま示談が成立するケースもあります。
ご自身で対応すると交渉の主導権を握られる可能性があることを踏まえて、今後の対応を検討しましょう。

交通事故の示談交渉で加害者側の弁護士が出てきたら留意すべきこと

交通事故の示談今日で加害者側の弁護士が出てきたら、不利益を被らないためにも、以下の2つのことに留意してください。

  • 安易に示談書にサインしない
  • 感情的にならない

以下で詳述します。

安易に示談書にサインしない

安易に示談書にサインしてはいけません
加害者側の弁護士は、あくまで加害者の利益を守る立場にあり、あなたが被った損害に見合わない損害賠償金額を提示している可能性があります。
「弁護士が提示しているから安心」と安易に判断すると、後悔する結果になりかねません。
示談書にサインする前に、内容を精査することが大切です。

感情的にならない

感情的になってはいけません
感情的になって不適切な対応をすると、あなたが不利な状況に立たされかねません。
加害者側の弁護士は、冷静かつ論理的に主張を展開してくるでしょう。それに対して感情的に反論すると、弁護士が「あなたとは交渉できない」と判断し、裁判へと駒を進める可能性があります。
冷静さを欠いた状態では適切な判断はできないでしょうから、あなたが不利になる発言をしたり、希望する内容ではないのに衝動的に示談に応じたりする可能性も否定できません。
感情的にならず、冷静な対応を心がけましょう

示談交渉に弁護士が出てきたらあなたも弁護士への依頼を勧める理由

示談交渉に弁護士が出てきたら、あなたも弁護士への依頼を検討しましょう。
特に、弁護士特約付きの自動車保険に加入している場合は、金銭負担なく依頼できる可能性が高いため、弁護士への依頼を積極的に検討することをお勧めします。
弁護士への依頼を勧める主な理由は、以下の3つです。

  • 対等な立場で交渉できる
  • 弁護士との直接交渉を避けられる
  • 適正な損害賠償金を獲得できる可能性が高まる

以下で、詳しく紹介します。

対等な立場で交渉できる

対等な立場で交渉できます
加害者側の弁護士とはご自身でも交渉できますが、交渉スキルや専門知識の差から、劣勢に立たされる可能性が高いです。
あなたも弁護士に依頼すれば、加害者側と同じ土俵に立って交渉を進められます。
加害者側の主張に対し、法的根拠に基づいて適切に反論できるため、示談交渉を有利に進めやすくなるでしょう。あなたの言い分が示談内容に反映される可能性も高まります。
あなたも弁護士に依頼すれば、被害者側と対等な立場で交渉できます。

弁護士との直接交渉を避けられる

弁護士との直接交渉を避けられます
弁護士と直接交渉するとなると、プレッシャーやストレスを感じることも多いでしょう。
あなたも弁護士に依頼すれば、今後は弁護士同士でやり取りするため、ご自身で対応する必要はありません。精神的に楽になりますし、対応に時間を割かれることもありません。
あなたも弁護士に依頼すれば、弁護士との直接交渉を避けられるため、精神的・時間的な負担を抑えられるでしょう。

適正な損害賠償金を獲得できる可能性が高まる

適正な損害賠償金を獲得できる可能性が高まります
加害者側の弁護士から損害賠償金が提示されても、その金額が適切であるとは限りません。しかし、損害賠償額は事故態様等のさまざまな事情を考慮して算定されるため、ご自身で適切かどうか判断するのは困難でしょう。
あなたも弁護士に依頼すれば、提示された損害賠償金が適切かどうか判断してもらえます。被った損害に対して低い金額を提示されていれば、適正な金額まで増額するよう法的根拠に基づいて主張してもらえるため、泣き寝入りせずに済むでしょう。
あなたも弁護士に依頼すれば、適正な損害賠償金を獲得できる可能性が高まるため、納得のいく結果を得やすくなります。

まとめ

交通事故の示談交渉に加害者側の弁護士が出てきたら、加害者側と対等な立場で交渉に挑めるよう、あなたも弁護士への依頼を積極的に検討することをお勧めします。
ネクスパート法律事務所では、無料相談を実施しております。
交通事故問題に精通した弁護士が、あなたの言い分を丁寧にお伺いし、納得のいく解決が図れるよう全力でサポートいたします。
「加害者側の弁護士とのやり取りが不安」「適正な損害賠償金を受け取りたい」等とお考えなら、ぜひお気軽にご相談ください。

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