
交通事故の被害に遭った場合、加害者側の保険会社から被害者であるあなたに対して、事故後1〜2営業日以内に連絡がくるのが一般的です。
加害者側の保険会社から一向に連絡がない場合、「このまま待っていていいのだろうか」「損害賠償金を支払ってもらえるのだろうか」と不安に思うことでしょう。
この記事では、加害者側の保険会社から連絡がない理由と、連絡がない場合の対処法を詳しく解説します。
ご一読いただき、今後の対応をご検討いただければ幸いです。
目次
事故相手の保険会社から連絡がない理由|状況別に解説
加害者側の保険会社から連絡がない原因は、あなたではなく、加害者や加害者側の保険会社にあるケースが多いです。
加害者側の保険会社から連絡がない理由を、以下の2つの状況別に解説します。
- 加害者に原因があるケース
- 加害者側の保険会社に原因があるケース
加害者に原因があるケース
加害者本人の行動や状況が原因で、保険会社から連絡がないケースがあります。
具体的に、以下のような行動や状況が挙げられます。
- 加害者が保険会社に事故報告をしていない
加害者が保険会社に事故報告をしていない場合、保険会社は事故があったことを知らないため、被害者に対して連絡できません。
加害者が保険会社に事故報告をしないのは、以下のようなことが理由かもしれません。
- 保険会社への連絡が必要なことを忘れている
- 保険料の上昇を懸念している
- 自身に過失がないと判断している
- 加害者が任意保険に加入していない
加害者が自動車保険に加入していない場合、保険会社からの連絡はありません。
この場合、加害者本人と直接示談交渉を行う必要があります。
保険会社側に原因があるケース
加害者が事故報告をしていても、保険会社側の事情で連絡が遅れるケースもあります。
具体的に、以下のような事情や状況が考えられます。
- 担当者が多忙で事務手続きが進んでいない
交通事故の件数が多い時期や、担当者が多忙で事務手続きが後回しになっていて、連絡が遅れている可能性があります。 - 損害賠償義務がないと判断している
損害賠償義務がないと判断している可能性もあります。
加害者側の保険会社は、契約者である加害者の言い分を聴取します。この際、加害者が「自分には過失がない」と強く主張すると、保険会社は損害賠償義務が発生しないと判断し、被害者への連絡を保留することがあります。
事故相手の保険会社から連絡がこないまま放置するとどうなる?
加害者側の保険会社から連絡がこないまま放置すると、損害賠償金を支払ってもらえない可能性があります。
損害賠償請求権が時効により消滅するおそれがあるためです。
交通事故に基づく損害賠償請求権の消滅時効は、以下のとおりです。
- 物損事故の場合:事故発生日の翌日から3年
- 人身事故の場合:被害者が損害および加害者を知った日の翌日から5年
このまま放置すれば、示談交渉が停滞し、治療費や休業損害、慰謝料などの損害賠償金の確定が遅れたり、慰謝料請求権が消滅したりして、正当な損害賠償金を受け取れないかもしれません。
このような事態を避けるには、ただ連絡を待つだけでなく、あなた自身が積極的に行動を起こす必要があります。
事故相手の保険会社から連絡がない場合の対処法
加害者側の保険会社から連絡がない場合の対処法として、以下の4つを紹介します。
- 加害者本人に連絡する
- 自身が加入している保険会社に相談する
- 加害者側の連絡先や保険会社が不明なら交通事故証明書を取得する
- 弁護士に相談する
加害者本人に連絡する
加害者本人に連絡してみましょう。
加害者が保険会社への連絡を忘れている、意図的に連絡していない可能性があります。
加害者と連絡が取れたら、加入している保険会社に事故報告をするよう伝えましょう。
加害者側の連絡先や保険会社が不明なら交通事故証明書を取得する
加害者側の連絡先や保険会社が不明な場合は、交通事故証明書を取得しましょう。
交通事故証明書とは、交通事故の事実を確認したことを証明するもので、自動車安全運転センターで取得できます。
交通事故証明書には、事故当事者の氏名・住所・生年月日や自賠責保険の情報が記載されているので、通常、そこから加害者の連絡先や任意保険会社を確認できます。
ただし、交通事故証明書が発行されるのは、警察に届け出た事故のみです。
自身が加入している保険会社に相談する
自身が加入している保険会社に相談するのも方法の一つです。
自身の保険会社の担当者に状況を相談すれば、今後の対応についてアドバイスをもらえるかもしれません。
ただし、保険会社が示談交渉できるのは、保険金を支払う義務がある場合のみです。
被害者側の過失がゼロであるもらい事故の場合は、被害者側に保険金の支払い義務が生じないため、被害者側の保険会社は加害者との示談交渉はできません。
弁護士に相談する
弁護士への相談も検討しましょう。
自力で解決しようと連絡を試みても、加害者と連絡が取れなかったり、保険会社がまともに取り合ってくれなかったりするケースは少なくありません。
弁護士に依頼すれば、加害者本人や保険会社とのやり取りをすべて任せられます。
弁護士が介入することで状況が好転するケースは多いため、ご自身での対応は難しいと感じたら、弁護士への相談を積極的に検討することをお勧めします。
事故相手の保険会社から連絡がない場合に弁護士への依頼を勧める理由
加害者側の保険会社から連絡がない場合、弁護士への依頼を積極的に検討することをお勧めします。
弁護士への依頼を勧める主な理由は、以下の4つです。
- 保険会社との示談交渉を任せられる
- 適正な損害賠償額を算定できる
- 連絡無視や無保険の加害者でも対応できる
- 精神的な負担を軽減できる
以下で、詳しく紹介します。
保険会社との示談交渉を任せられる
保険会社との示談交渉を任せられます。
事故対応はご自身でもできますが、保険会社は示談交渉のプロです。交渉力に長けているだけでなく、専門用語を使われたり、事務的で高圧的な態度を取られたりすることもあるため、対等な立場で交渉するのは難しいです。
弁護士に依頼すれば、保険会社との示談交渉を任せられるため、後悔のない結果を得やすくなります。交渉のストレスからも解放されるため、治療にも専念しやすいでしょう。
適正な損害賠償額を算定できる
適正な損害賠償額を算定できます。
交通事故の損害賠償額の算定に用いられる基準には、以下の3つがあります。
- 自賠責保険基準:自賠責保険から支払われる最低限の基準
- 任意保険基準:各保険会社が独自に定める基準で、自賠責基準よりは高いものの、弁護士基準よりは低い額となることが多い
- 弁護士基準(裁判基準):過去の裁判例に基づいて算出された基準で、3つの中で最も高額な基準
弁護士に依頼すれば、弁護士基準を用いて損害賠償額を算定し示談交渉を進められるため、保険会社が提示する金額よりも高額な損害賠償金を獲得できる可能性が高まります。
あなたが受けた損害に見合う損害賠償金を請求できるため、納得のいく解決を図りやすくなるでしょう。
連絡無視や無保険の加害者でも対応できる
連絡無視や無保険の加害者でも対応できます。
弁護士が介入すれば加害者に事態の深刻さを認識させやすくなるため、加害者が交渉に応じる可能性が高まります。弁護士が交渉に応じるよう促しても解決に至らない場合は、損害賠償請求訴訟を提起し、最終的に強制執行により回収する手続きも検討できます。
弁護士に依頼すれば、訴訟も視野に入れて解決方法を模索できます。
精神的な負担を軽減できる
精神的な負担を軽減できます。
交通事故の被害に遭ったら、不安や疑問を抱えやすいため、精神的に余裕がなくなる人は多いです。
弁護士に依頼すれば、示談交渉を任せられるだけでなく、今後の見通しや手続きに関する不安や疑問もいつでも相談できるため、安心感を得られます。
あなたの精神的な負担を最小限に抑えて解決を図れるでしょう。
弁護士費用特約を利用すれば費用を気にせず依頼できる
弁護士費用特約を利用すれば費用を気にせず依頼できます。
弁護士費用特約とは、交通事故に関する弁護士への法律相談費用や、弁護士に依頼した際の着手金、報酬金などを保険会社が補償してくれる制度です。
補償される費用には上限があり、法律相談費用は10万円、弁護士費用は300万円を上限とする保険会社が多いです。死亡事故などの損害賠償金が高額になる場合を除き、弁護士費用が上限額を超えるケースはほとんどありません。
弁護士費用特約は、契約者本人だけでなく、その配偶者、同居中の親族、別居している未婚の子どもも利用できるケースが多いです。あなた自身が弁護士費用特約付きの自動車保険に加入していなくても、家族が加入していれば利用できる可能性があります。
弁護士費用特約を利用できる場合は、迷わず弁護士に相談・依頼することをお勧めします。
まとめ
加害者側の保険会社から連絡がないまま放置すると、示談交渉が遅れるだけでなく、損害賠償金を受け取れないおそれもあるため、早急に適切な対応を取る必要があります。
不安な状況を一日も早く解決するためにも、弁護士への相談を積極的に検討してみてください。
事故対応を弁護士に依頼したいとお考えなら、ぜひネクスパート法律事務所にご相談ください。
ネクスパート法律事務所には、豊富な知識と経験を有する弁護士が多数在籍しています。あなたが納得のいく解決が図れるよう、全力でサポートいたします。
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