交通事故による高次脳機能障害とは?定義・症状・診断プロセスを解説

交通事故の高次機能障害定義と診断プロセス

交通事故の衝撃で脳に損傷を負うと、日常生活や社会活動に多大な影響を与える高次脳機能障害を引き起こすことがあります。交通事故に遭ってから急に怒りっぽくなった、これまで熱中していたことに興味を持たなくなったなど、行動や性格に変化がみられる場合は高次脳機能障害がその原因かもしれません。

高次脳機能障害は見逃されやすい障害であるものの、被害者本人の生活はもちろん、そのご家族の人生をも変える危険性を秘める深刻な後遺障害です。

この記事では、交通事故による高次脳機能障害とは何か、その定義・症状・診断プロセスなどを詳しく解説します。

高次脳機能障害を負った場合の後遺障害等級の認定基準や留意すべき損害賠償項目などについても解説しますので、交通事故後に違和感を覚えているならぜひご一読ください。

目次

交通事故による高次脳機能障害とは

交通事故によって頭部に衝撃を受けた場合、高次脳機能障害を引き起こすことがあります。

この章では、以下の2つの観点から高次脳機能障害について詳しく解説します。

  • 高次脳機能障害の定義と特徴
  • 交通事故による高次脳機能障害の発生メカニズム

高次脳機能障害の定義と特徴

高次脳機能障害とは、交通事故などによる脳損傷が原因で生じる記憶、注意、遂行機能、言語、感情などの脳の高度な機能に生じる障害の総称です。

本質的な認知機能や行動制御能力が低下することが多く、思考がまとまりにくくなったり、言葉が出にくくなったりするなどの症状が見られます。

高次脳機能障害は外見では分かりづらいため周囲に理解されにくいものの、障害を負った本人は日常の些細な場面でも困難を感じることが多くあるでしょう。障害を負う前と行動や性格が一変することもあるため、本人のみならず、家族など周囲の人の生活にも影響を及ぼしかねません。

特に交通事故では瞬間的に強い衝撃が頭部に加わるため、脳内部の微細な組織まで損傷を受けることが多くあります。損傷部位や範囲に応じて症状の現れ方や重症度が異なるため、症状の特定と適切なサポートが重要となります。

交通事故による高次脳機能障害の発生メカニズム

交通事故による高次脳機能障害は、外傷性脳損傷が原因で起こります。

外傷性脳損傷とは、頭部に外から強い力が加わったことで脳が物理的に損傷することです。

軽い脳損傷でも短時間の意識消失が起こることがあります。一方、重度の場合には昏睡や命に関わる危険性があることもあります。

交通事故では車が激しく衝突したり急停止したりすることで、頭部に強い衝撃が伝わるケースは多いです。頭部に強い衝撃が伝わると脳が頭蓋骨内部で揺さぶられるように動くため、脳内部の軸索が損傷を受けたり、一部の神経細胞が機能を失ったりすることがあります。CTやMRIなどの画像検査で明確に損傷が映るケースもありますが、微細な損傷が場合は発見が難しいことも少なくありません。

高次脳機能障害と認知症・遷延性意識障害との違い

高次脳機能障害は、認知症や遷延性意識障害と混同されがちですが、その病態は異なります。

障害の種類別に主な特徴と外見上の状態をまとめましたので、参考にしてください。

障害の種類 主な特徴 外見上の状態
高次脳機能障害 記憶、注意、遂行機能、言語、感情などの脳の高度な機能に生じる障害。 外見上は健常者と変わらないことが多い。
認知症 主に加齢によって発症し、記憶障害や判断力低下が進行する。 認知症特有の言動がみられることがある。
遷延性意識障害 意識がなく自分で動けない。 寝たきりの状態で、重篤な障害であることが分かる。

認知症は加齢や疾患による脳の変性が原因で徐々に進行しますが、高次脳機能障害は外傷後の脳損傷が引き金となって急に生じます。

遷延性意識障害は長期間にわたって意識レベルが極端に低下した状態を指しますが、高次脳機能障害は意識を保っているもの、注意力や判断力に偏りがみられることが多いです。

高次脳機能障害の主な症状

高次脳機能障害の主な症状として、以下の7つを紹介します。

  • 記憶障害
  • 注意障害
  • 遂行機能障害
  • 社会的行動障害
  • 言語障害
  • 失行
  • 失認

高次脳機能障害の症状は多岐にわたり、複数の症状が複合的に現れることもあります。

被害者の言動を注意深く観察し、どのような症状が出ているか記録を残すと良いでしょう。

記憶障害(物忘れなど)

記憶障害が現れることがあります。

記憶障害とは、新しくものを覚えることや記憶を思い出すことが難しい状態のことです。

具体的な症状として、以下のようなことが挙げられます。

  • 薬を飲んだことを忘れる
  • 何度も同じものを買ってくる
  • 約束や物の置き場所を忘れる
  • 直前に喋った内容を忘れる

過去の出来事を思い出すことも難しくなるため、家族や職場でのやり取りにトラブルが生じるかもしれません。物忘れが続けば本人もストレスを感じるでしょうから、精神的にも負担がかかるでしょう。

注意障害

注意障害が現れることもあります。

注意障害とは、物事に集中したり必要な情報に注意を向けたりすることが難しい状態のことです。

具体的な症状として、以下のようなことが挙げられます。

  • 作業中のミスが増える
  • ぼんやりしていて反応が鈍い
  • 周囲の刺激に気が散って落ち着きがない
  • 赤信号に気づかずに横断歩道を渡る

複数の作業を並行して進めることが難しくなったり、集中力を維持できなくなったりすることもあるため、仕事や学業に影響が出るかもしれません。運転や家事などの安全性が求められる場面では、重大な事故を招くおそれもあります。

遂行機能障害(計画・判断力の問題)

遂行機能障害が現れることもあります。

遂行機能障害とは、物事や行動を計画し、順序立てて行うことが難しい状態のことです。

具体的な症状として、以下のようなことが挙げられます。

  • 行動を計画して実行できない
  • 家事や仕事の段取りが立てられない
  • 料理や部屋の整頓ができなくなる
  • 指示されないと動けない

複数のタスクを順序立てて実行するのが難しくなるため、何をするにも時間や手間が余計にかかるかもしれません。自発的に行動を始められなくなることもあり、生活全般の質が低下するおそれもあります。

社会的行動障害

社会的行動障害が現れることもあります。

社会的行動障害とは、行動や言動、感情をその場の状況に合わせてコントロールすることが難しい状態のことです。

具体的な症状として、以下のようなことが挙げられます。

  • 感情のコントロールができない
  • 暴言を吐いたり暴力を振るったりする
  • 相手の気持ちを察せない
  • ひとつのことに固執する

些細なことでイライラしたり、場の空気が読めなくなったりすることがあるため、対人関係において問題が表面化しやすく、家庭内や職場での衝突を招くおそれがあります。子供っぽくなったり、すぐに周囲に頼ったりするようになるケースもみられます。

言語障害

言語障害が現れることもあります。

言語障害とは、言葉の理解や表現が難しい状態のことです。

正しく発音ができない構音障害と、話す・聞く・読む・書くなどの言語機能が損なわれる失語症の2種類に分けられます。

具体的な症状として、以下のようなことが挙げられます。

  • 会話や言葉を理解できない
  • 言葉は理解できるがうまく話せない
  • 正しく発音できない
  • 文字の読み書きができない

話し言葉によるコミュニケーションを円滑に進めるのが難しいこともあるため、周囲に誤解を与えることもあるかもしれません。

失行

失行が現れることもあります。

失行とは、手足は正常に動くのに目的の動作を正しく行えない状態のことです。

具体的な症状として、以下のようなことが挙げられます。

  • 着替えができない
  • 食事ができない
  • 道具を正しく使えない
  • 指示された動作ができない

歯ブラシや箸などの日常の物品の使用が困難になることが多いため、日常生活に支障をきたす可能性が高いです。

失認

失認が現れることもあります。

失認とは、感覚器に異常がないにもかかわらず、五感に関する認知能力が正常に機能しない状態のことです。

具体的な症状として、以下のようなことが挙げられます。

  • 物や人の顔を認識できない
  • 音を認識できない
  • 触った物の形や質感がわからず何を触っているか判断できない
  • 自分の体の部位を認識できない

初見のものだけでなく、普段使い慣れているものですら正しく認識できないこともあるため、日常動作に深刻な支障が出る可能性があります。

高次脳機能障害の診断プロセス

高次脳機能障害の診断は、以下のような方法により行われます。

  • 画像検査で器質的損傷の有無を確認する
  • 神経心理学検査で記憶・知能・実行機能を定量化する
  • 日常生活動作観察で生活への影響を評価する

以下で、詳しく紹介します。

画像検査で器質的損傷の有無を確認する

画像検査で器質的損傷の有無を確認します。

交通事故の場合、外力によるびまん性軸索損傷など、微細な損傷が原因で高次脳機能障害を引き起こすことも少なくありません。

CTやMRIによる画像検査をすることで、脳内の出血や損傷部位を可視化できることがあります。

なお、DAI(びまん性軸索損傷)による脳内の神経軸索の損傷はCT検査では確認が難しいため、MRI検査が用いられるのが一般的です。

神経心理学検査で記憶・知能・実行機能を定量化する

神経心理学検査で記憶・知能・実行機能を定量化します。

神経心理学的検査は、記憶力や注意力、遂行機能などを数値化することで日常生活への支障度を把握しやすくするために行うもので、具体的に以下のような検査をします。

  • WAIS(ウェクスラー成人知能検査)知能(IQ)を測定する
  • WMS(ウェクスラー記憶検査)記憶力を測定する
  • BADS(行動性遂行機能障害症候群の行動評価)遂行機能障害の程度を評価する

これらの検査結果は、後遺障害等級の根拠となる4つの能力(意思疎通能力、問題解決能力、作業負荷に対する持続力、社会行動能力)の喪失程度の裏付けに役立ちます。

日常生活動作観察で生活への影響を評価する

日常生活動作観察で生活への影響を評価します。

画像検査や神経心理学検査と並行して、ご家族や介護者による日常生活の客観的な観察記録も診断において重要です。

日常生活における行動や動作を観察することで、検査データだけでは把握しきれない問題点が見えることがあります。

計画性の欠如や突然の怒りや暴言、金銭管理能力の低下など、日常生活における具体的な支障や介護の必要性の実態をできるだけ詳しく記録するとよいでしょう。

高次脳機能障害の治療とリハビリの進め方

高次脳機能障害は、損傷した脳の神経回路の完全な修復が難しいため、完全な治癒は困難だといわれています。そのため、治療とリハビリテーションは、失われた機能の回復を目指すだけでなく、残された機能を最大限に活用し、障害を負った状態での社会適応と生活の質の向上に焦点を当てて進められる傾向にあります。

リハビリテーションとしては、障害者総合支援法に基づく自立訓練(機能訓練・生活訓練)などが行われるのが一般的です。リハビリテーションの専門職(作業療法士、言語聴覚士など)が、記憶訓練、注意力改善訓練などを個別または集団で行います。

社会復帰支援は、ハローワークの障害者専用窓口による就労支援サービスや、共同生活援助(グループホーム)などの障害福祉サービスを利用するとよいでしょう。

高次脳機能障害は複数の症状が同時に現れることが多いため、作業療法士や言語聴覚士など専門職による多角的なリハビリが望ましいです。症状ごとに適した訓練プログラムを継続することで、本人の負担を減らしながら、行動や認知機能の改善につなげやすくなります。

高次脳機能障害を負った場合の後遺障害等級の認定基準

後遺障害等級は、被害者の生涯の生活を支える逸失利益や後遺障害慰謝料の算定基準となるため、その認定は極めて重要です。

高次脳機能障害の後遺障害等級は、介護の必要性労働能力などで判断されます。

後遺障害等級は、脳の損傷度合いと社会生活へどの程度の支障が出るかを総合的に考慮して判断されます。重い後遺障害が認められれば介護を要する後遺障害の認定が下りる可能性もあるため、日常生活でのケア体制が整いやすくなるでしょう。

非要介護となった場合も、労働や日常活動に制約がある場合、別の等級が適用されるなど多様な基準が存在します。

この章では、以下の3つの観点から、後遺障害等級の認定基準について詳しく解説します。

  • 介護を要する後遺障害の認定基準
  • 介護を必要としない後遺障害の認定基準
  • 身体障害と併合評価されるケースも

介護を要する後遺障害の認定基準

寝たきりに近い状態や、常に第三者の介護が必要な状態の場合は、別表第1の介護を要する後遺障害に認定されることがあります。

介護を要する場合に認定され得る後遺障害の具体的な認定基準と要介護度を紹介します。

等級 認定基準 要介護度
1級1号 神経系統の機能又は精神に著しい障害を残し、常に介護を要するもの 常に介護
2級1号 神経系統の機能又は精神に著しい障害を残し、随時介護を要するもの 随時介護

例えば、日常生活における食事や着替えなどの基本的動作も一人で行えないレベルが該当します。

要介護等級では介助を受ける頻度が高いため、その分の介護費用負担が賠償でも重要視されます。

参考:後遺障害等級表|国土交通省

介護を必要としない後遺障害の認定基準

介護を必要としないものの労働能力に支障をきたす状態の場合は別表第2に分類され、労災保険の基準を準用した4能力の喪失程度を基準に判断されます。

介護を必要としない場合に認定され得る後遺障害の具体的な認定基準の目安と労務への影響を紹介します。

等級 認定基準の目安 労務への影響
3級3号 神経系等の機能又は精神に著しい障害を残し、終身労務に服することができないもの 労働能力を著しく喪失
5級2号 4能力のいずれか1つ以上が大部分失われているもの(高次脳機能障害整理表E×1以上) きわめて軽易な労務のほか服することができない
7級3号 4能力のいずれか1つ以上の能力の半分程度が失われているもの(高次脳機能障害整理表D×1以上) 軽易な労務にしか服することができない
12級12号 4能力のいずれか1つ以上の能力が多少失われているもの(高次脳機能障害整理表B×1以上) 通常の労務に服することはできるが多少の障害を残す

たとえ能力の明らかな喪失が確認されなくても、症状のために就労が困難な場合は、診断書や検査結果など客観的な資料をきちんと揃えておくことが重要です。

参考:神経系統の機能又は精神の障害に関する後遺障害等級認定基準について|厚生労働省

身体障害と併合評価されるケースも

身体障害と併合評価されるケースもあります。

交通事故では、頭部外傷の他に、手足の麻痺や骨折などの身体障害を併発することも少なくありません。例えば、脳の損傷に加え、肢体不自由や視覚障害などが併発した場合、複数の障害を総合的に併合評価します。

高次脳機能障害の等級と身体障害の等級はそれぞれ別に評価されます。双方の評価後に規定のルールに基づいて併合され、最終的な後遺障害等級が決定されます。

併合評価により等級が高くなることもありますので、身体障害もある場合は漏れなく主張することが大切です。

適切な後遺障害等級に認定されるために押さえるべきポイント

高次脳機能障害の等級認定は、医学的証拠の不足や症状固定のタイミングの誤りにより、本来よりも低い等級に認定されるケースも少なくありません。

適切な後遺障害等級に認定されるために押さえるべきポイントとして、以下の2つを紹介します。

  • 症状固定のタイミング
  • 専門医による診断と証拠の確保

ぜひ参考にしてください。

症状固定のタイミング

症状固定のタイミングが大切です。

後遺障害等級認定の申請は症状固定後に行いますが、高次脳機能障害の場合、脳の変化や集中的なリハビリテーションの効果を見極めるため、最低でも1〜2年間の経過観察が必要となるケースが多いです。

特に、被害者が年少者の場合は、5〜8年の長期間が必要となることもあります。

保険会社から早期に症状固定を促されることもありますが、焦って応じるべきではありません。治療の機会を失い、等級認定に必要な十分な経過観察期間を確保できなくなるリスクがあります。

症状固定のタイミングを判断するのは担当医師です。医師は症状固定と判断するまで、治療を継続しましょう。

専門医による診断と証拠の確保

専門医による診断と証拠の確保も重要な鍵を握ります。

後遺障害等級は、医師が作成する後遺障害診断書や検査結果などの資料により審査・決定されます。そのため、後遺障害診断書を作成する医師が、高次脳機能障害の専門的な知識を持っているかどうかは、認定の成否を分けるといっても過言ではないでしょう。

特に、記憶障害、遂行機能障害、社会的行動障害などは目に見えない症状であるため、日常生活や労務にどの程度の支障を与えているかを画像所見や神経心理学検査の結果、そしてご家族の日常生活動作観察によって裏付けることが重要です。

専門医に診断してもらうことで、適正な後遺障害等級が認定される可能性が高まるでしょう。

後遺障害等級認定の申請手続きについては、以下関連記事で詳しく解説しています。

【交通事故】後遺障害等級認定の申請手続きとは?|必要書類や所用期間も解説

交通事故で高次脳機能障害を負った場合に留意すべき損害賠償項目

交通事故の損害賠償にはさまざまな項目がありますが、高次脳機能障害が残った場合は、特に次の点にご注意ください。

  • 逸失利益
  • 後遺障害慰謝料
  • 将来介護費用

以下で、詳しく紹介します。

逸失利益

逸失利益に留意しましょう。

逸失利益とは、交通事故に遭わなければ将来得られたはずの収入のことです。

高次脳機能障害のため就労が困難または不能になった場合、将来得られたはずの収入が失われます。これを金額として算定するのが逸失利益で、一般的には本人の年収や就労年数に基づいて計算されます。

高次脳機能障害の場合、目に見えない症状が労務へ多大な影響を与えることも少なくありません。

遂行機能障害や社会的行動障害による労務への壊滅的な影響を立証することが大切です。

逸失利益については、以下関連記事で詳しく解説しています。

逸失利益とは?計算方法・後遺障害等級・保険会社が否定するケース

後遺障害慰謝料

後遺障害慰謝料にも留意しましょう。

後遺障害慰謝料とは、後遺障害が残ったことに対する身体的・精神的苦痛に対する補償として支払われる金銭で、後遺障害等級が高いほど高額になる傾向にあります。

高次脳機能障害は外見からはわかりにくいことが多く、適正な評価がなされないケースも少なくありません。

日常での困難を証明するための客観的資料を整理することで、適正な金額が認められる可能性が高まるでしょう。

交通事故慰謝料については、以下関連記事で詳しく解説しています。

交通事故慰謝料の計算方法を詳しく解説【入通院・障害・死亡別】

将来介護費用

将来介護費用にも留意しましょう。

重度の高次脳機能障害が残り長期にわたる介護が必要となった場合、将来介護費用も請求できます。

常時介護を要する場合の基準額は以下のとおりです。

  • 近親者介護の場合:1日あたり8,000〜9,000円
  • 職業付添人の場合:実費全額

なお、将来介護費用の終期は、平均余命まで認められるのが一般的です。

高次脳機能障害にまつわるよくあるお悩みQ&A

高次脳機能障害にまつわるよくあるお悩みにQ&A形式でお答えします。

ぜひ参考にしてください。

高次脳機能障害は時間とともに悪化する?

高次脳機能障害は、発症直後から徐々に症状が安定するケースが多いです。

もっとも、障害による生活上の困難やそれによって引き起こされる二次的な精神症状(うつなど)が顕在化することで、悪くなったと感じられることもあるかもしれません。

適切なリハビリと継続的なケアが重要です。

高次脳機能障害が完全に治る可能性はある?

外傷による脳の神経組織の損傷は不可逆的であることが多いため、完全な治癒は困難であるとされています。

もっとも、損傷を受けた脳機能は早期からのリハビリである程度回復する可能性はあります。

後遺障害等級に認定されない場合はどうすればいい?

後遺障害等級の認定が下りなかった場合でも、再度脳の画像検査や神経心理学的検査を行い、根拠となる資料を補完することで再評価につながることがあります。

弁護士からアドバイスを受け、異議申し立てに向けて入念な準備を行うことをお勧めします。

まとめ

高次脳機能障害は記憶・注意・言語なさまざまな要素に影響を及ぼすため、日常生活にも困難が生じる可能性が高いです。

被害者だけでなくそのご家族の将来の生活を守るためにも、事故直後または症状固定前の早い段階から、高次脳機能障害の事案に精通した弁護士のサポートを得ることをお勧めします。

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