
交通事故に遭った場合、「弁護士に相談したいけれど、弁護士費用が心配…。」と悩んでいる方は少なくありません。
加入している保険に弁護士特約が付いている場合には、弁護士費用を保険から支払ってもらえるため、ご自身の負担なく弁護士の利用が可能です。
ご自身が加入している保険に弁護士特約が付いていない場合でも、ご家族のどなたかが弁護士特約に加入していれば、その特約を利用して弁護士に依頼できる場合があります。
この記事では、家族が弁護士特約に加入しているケースについて、皆さんが疑問に思うことについて解説します。
ぜひ参考にしてください。
目次
弁護士特約は家族も利用できる!
弁護士特約は、保険の契約者本人(被保険者)だけでなく、一定の範囲の家族も利用できます。
ご自身が加入している保険に弁護士特約が付いていない場合は、ご家族の加入する保険も確認しましょう。
自動車保険だけでなく、火災保険や傷害保険、さらにはクレジットカードの付帯サービスに特約が付いているケースもあります。
| 【補足|弁護士特約とは】 弁護士特約とは、弁護士に支払う費用を加入する保険会社が代わりに支払うサービスです。 弁護士費用は300万円の上限(法律相談料は10万円の上限)がありますが、多くのケースでは、弁護費用のほとんどをこの保険でまかなえます。 弁護士特約が利用できれば、費用を気にすることなく、弁護士に依頼が可能です。 |
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弁護士特約が使える家族の範囲は?
弁護士特約が利用できる家族の範囲は、保険契約によって細かな違いはありますが、以下のとおり定められていることが一般的です。
| 区分 | 適用範囲 | 補足 |
|---|---|---|
| 配偶者 | 同居・別居を問わず適用 | 単身赴任中でも利用可 |
| 同居の親族 | 6親等内の血族と3親等内の姻族 | 親、子、兄弟姉妹、祖父母、義理の両親、甥、姪、いとこなどが該当 |
| 別居の親族 | 未婚の子のみ | 婚姻歴がない子に限られ、離婚歴や死別歴がある子は対象外の可能性が高い |
例えば、実家を出て一人暮らしをする大学生のお子さんが交通事故に遭った場合でも、親の弁護士特約を利用できる可能性があります。
※利用可能な人の範囲は、保険契約の内容によって異なる場合がありますから、加入する保険会社に必ず確認しましょう。
弁護士特約は家族と違う車でも利用できる
「家族の弁護士特約だから、家族が所有する車(家族が契約する車)でなければ使えないのでは?」と考える方もいるかもしれません。
しかし、家族が所有する車と違う車、つまりあなたご自身の車で事故にあった場合にも、利用できる場合があります。
| 【例1|家族と違う車で事故に遭ったケース】 父親:A車を所有(A車で契約)・弁護士特約あり 子ども:B車を運転中に事故・弁護士特約なし →子どもは父親の弁護士特約を利用可 |
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これは、弁護士特約が被保険者およびその家族、つまり人に対して付帯しているためです。
したがって、弁護士特約は、当該保険契約の車以外に搭乗中に生じた事故にも利用できる場合があります。
弁護士特約は家族と違う保険会社でも利用できる
家族それぞれが違う保険会社の自動車保険に加入している場合でも、いずれかの保険に特約が付帯していれば、その特約を使って弁護士への依頼が可能です。
| 【例2|家族それぞれが違う保険会社に加入しているケース】 夫:C保険会社加入・弁護士特約あり 妻:D保険会社加入・弁護士特約なし →妻が事故に遭った場合、夫の弁護士特約を利用可 |
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したがって、家族で異なる保険会社に加入している場合にも、弁護士特約の利用ができます。
弁護士特約は自転車事故でも使える?
弁護士特約は、自動車同士の事故だけでなく、自動車が関わる自転車事故(自動車と自転車の事故)や歩行中の事故(自動車と歩行者の事故)でも利用できます。
ただし、自転車同士の事故や自転車と歩行者の事故の場合は、自動車保険の弁護士特約は使えない可能性が高いです。
※利用可能な事故の対象範囲は、保険契約の内容によって異なる場合がありますから、加入する保険会社に必ず確認しましょう。
弁護士特約が使えない例外的な6つのケース
多くの交通事故で利用できる弁護士特約ですが、例外的に使えないケースも存在します。
弁護士特約が使えないケースは、次の6つです。
- 親族間の事故
- 事業用車両の事故
- 飲酒運転や無免許運転の事故
- 自分に100%の過失がある事故
- 事故後に加入した特約
- 自然災害による事故
以下、詳しく解説します。
親族間の事故
親族間の事故のケースです。
事故の加害者が、同居の父母や配偶者、子など近しい親族の場合には、対象外になる可能性があります。
事業用車両の事故
事業用車両の事故のケースです。
仕事で運転していた車での事故は対象外となる場合があります。
飲酒運転や無免許運転の事故
飲酒運転や無免許運転の事故のケースです。
故意または重大な過失による事故は、補償の対象外です。
自分に100%の過失がある事故:
自分に100%の過失がある事故のケースです。
弁護士特約は、相手方への損害賠償請求にかかる費用を補償します。
自分に100%の過失がある事故では、相手方への損害賠償請求が発生しないため、補償の対象外です。
ただし、刑事事件対応のための弁護士費用は補償される可能性はあります。
事故後に加入した特約
事故後に加入した特約のケースです。
弁護士特約は、事故前に加入していることが利用の前提条件です。
事故後に加入した保険は、補償の対象外です。
自然災害による事故
自然災害による事故のケースです。
地震、津波、台風などが原因で起きた事故は補償の対象外です。
【ケース別】家族の弁護士特約活用事例3選
弁護士特約の適用範囲をより具体的にイメージできるよう、3つの活用事例をご紹介します。
事例1|同居の親が加入する特約を事故に遭った子が利用する
会社員Aさんは、実家で両親と同居しています。
Aさんが運転する車で追突事故に遭い、むち打ちの怪我を負いました。
Aさん自身は弁護士特約に加入していませんでしたが、両親が加入している自動車保険に特約が付帯していました。
→ この場合、Aさんは被保険者の同居の親族に該当するため、親の特約を利用できます。
事例2|単身赴任中の夫の特約を自宅で事故に遭った妻が利用する
夫Bさんは、単身赴任で遠方に住んでいます。
妻のCさんが自宅近くで車を運転中に、よそ見運転の車に追突されました。
夫Bさんの自動車保険には弁護士特約が付いていましたが、妻のCさんは特約に加入していませんでした。
→ この場合、Cさんは被保険者Bさんの配偶者のため、同居・別居を問わず特約を利用できます。
事例3|実家を離れて大学に通う子が親の特約を利用する
大学生Dさんは、実家を離れて一人暮らしをしています。
Dさんが自転車に乗っている際に、自動車と接触事故を起こし、怪我をしました。
Dさん自身は保険に入っていませんでしたが、両親が自動車保険に弁護士特約を付帯させていました。
→ この場合、Dさんは被保険者の別居の未婚の子に該当するため、親の特約を利用できます。
家族の弁護士特約を利用するデメリットは?
家族の弁護士特約を利用するデメリットはないでしょう。
「弁護士特約を使うと、翌年の保険料が上がるのでは?」と心配する声もよく聞かれますが、弁護士特約を利用しても翌年の保険料が上がる心配はありません。
弁護士特約そのもののデメリットとして、強いて挙げるとすれば、次の2つがあります。
- 補償額は最大300万円まで(相談料は10万円まで)の上限がある
- 弁護士特約の加入自体に保険料が発生する
以下、詳しく解説します。
補償額は最大300万円まで(相談料は10万円まで)の上限がある
弁護士費用の補償額は、最大300万円まで(相談料は10万円まで)の上限があります。
これを超えるケースはあまり多くはありませんが、損害額の大きい事故の場合には、上限を超える可能性もあるでしょう。
上限を超える部分については、自己負担となります。
弁護士特約の加入自体に保険料が発生する
弁護士特約の加入自体に保険料が発生します。
これは、既に弁護士特約に加入している場合に、弁護士特約の利用によってさらに費用がかかるとの意味ではありません。
これから弁護士特約に加入する場合には、当然プラスで保険料がかかりますから、その部分はデメリットと言えるでしょう。
家族の弁護士特約を利用する場合の手続きの流れ
「家族の特約を使いたいけれど、どう手続きを進めたらいいか分からない。」と不安に思う方もいるかもしれません。
手続きは難しくありませんのでご安心ください。
以下、手続きの流れを解説します。
①契約者本人から保険会社に連絡する
弁護士に相談する前に、保険の契約者本人から保険会社に連絡します。
家族が交通事故に遭ったため、弁護士特約を使いたい旨を伝えましょう。
保険会社によっては、事前の承認が必要となる場合があるため、このステップは重要です。
②弁護士を探す
保険会社への連絡が完了したら、弁護士を探します。
交通事故事件に強い弁護士の特徴は、次の3つです。
- 交通事故事件の解決実績が豊富
- 保険会社との示談交渉が得意
- 後遺障害等級認定のサポートが充実
法律事務所のホームページでは、交通事故事件の解決実績や解決事例などが掲載されていることが多いですから、それらを参考にするのもひとつの方法でしょう。
③弁護士に相談・依頼する
相談したい弁護士が見つかったら、弁護士の相談予約をします。
初回相談無料の事務所も多いですから、いくつか比較検討してもよいでしょう。
依頼したい弁護士が決まったら、弁護士費用特約を利用したい旨を伝え、委任契約を結びます。
契約が成立したら、その後の保険会社とのやり取りや示談交渉はすべて弁護士が代行します。
弁護士に相談するタイミングは、事故直後から示談が成立するまでの間であればいつでも可能です。
しかし、できるだけ早い段階で相談することで、ご自身の負担が軽減されます。
家族の弁護士特約を使ってでも弁護士に依頼すべき理由
弁護士特約を利用すれば、ほとんどのケースで弁護士費用を保険で賄えます。
これにより、弁護士費用が示談金よりも高くなる費用倒れのリスクを気にすることなく、弁護士に依頼できます。
さらに、弁護士特約を利用して弁護士に依頼することで、以下のメリットがあります。
慰謝料が増額される可能性がある
慰謝料が増額される可能性があります。

慰謝料の算定基準には、自賠責基準・任意保険基準・弁護士基準(裁判所基準)の3種類があります。
このうち、弁護士基準(裁判所基準)により算定した慰謝料が一番高くなります。
しかし、保険会社は、通常、任意保険基準や自賠責基準に基づく金額を提示するため、裁判で認められる金額よりも低いことがほとんどです。
弁護士が交渉を行うことで、弁護士基準での請求が可能となり、賠償額が増額する可能性が高いでしょう。
精神的・肉体的な負担が軽減される
精神的・肉体的な負担が軽減されます。
煩雑な書類手続きや、保険会社の担当者とのやり取りは、法的な知識のない方にとって負担を伴います。
弁護士に依頼することで、これらをすべて任せられるため、被害者は治療に専念し、事故前の生活へスムーズに戻ることに集中できます。
後遺障害認定を適切に取得できる
後遺障害認定を適切に取得できます。
治療を続けても症状が残る場合、後遺障害等級認定を受けることで、適切な賠償金を受け取れます。
しかし、後遺障害等級の認定手続きは専門性が高く、認定されるのは簡単ではありません。
弁護士は、適正な後遺障害等級の認定獲得のために、診断書の記載内容の確認から、治療内容・治療ペースなど、医師と連携してサポートをします。
弁護士に依頼することで、後遺障害等級が認定されやすくなるでしょう。
交通事故のお悩みはネクスパート法律事務所へ
交通事故でお悩みの方は、ぜひネクスパート法律事務所へご相談ください。
弊所は、交通事故の示談金交渉・後遺障害認定に強みを持つ事務所です。
保険会社が提示する低額な示談金に対し、豊富な経験とノウハウに基づいた交渉で、賠償金の増額を何度も実現してきました。
後遺障害認定は、その後の賠償額を左右する重要な手続きですが、専門知識がなければ適切な等級を得ることは困難です。
弊所は、認定が難しいとされる症状についても多くの認定経験があり、異議申立てによって判定を覆した実績も多数あります。
後遺障害診断書の記載方法のサポートや、提携医による画像診断まで、専門性の高いサポートを提供しています。
さらに、親身な対応で依頼者に寄り添う姿勢も強みです。
弁護士特約を利用すれば、費用を気にすることなく依頼が可能ですから、気軽にご相談ください。
まとめ
ご自身が弁護士特約に加入していない場合でも、家族の弁護士特約が使える場合があります。
ご家族が弁護士特約に加入している場合には、積極的に弁護士に依頼し、適切な賠償金の獲得を目指すことをおすすめします。
ネクスパート法律事務所では、交通事故事案の解決実績を豊富にもつ弁護士が多数在籍しています。
初回相談は30分無料です。ぜひ一度ご相談ください。
