物損事故を保険会社に任せるメリット・デメリットを詳しく解説

物損事故を保険会社に任せる

物損事故の場合、「人的損害もないし、対応は保険会社に任せておけばいいだろう」と考えるかもしれません。しかし、保険会社に任せきりにすると、不利益を被るおそれがあることをご存知でしょうか。
この記事では、物損事故を保険会社に任せるメリット・デメリットを詳しく解説します。
ぜひご一読いただき、今後の対応を検討していただければと存じます。

物損事故の対応を保険会社に任せるメリット

物損事故の対応を保険会社に任せる主なメリットとして、以下の2つが挙げられます。

  • あなたにかかる負担が軽減される
  • 費用負担なく解決を図れる

以下で、詳しく紹介します。

あなたにかかる負担が軽減される

あなたにかかる負担が軽減されます
物損事故の示談交渉をするには、損害額の計算や必要書類の準備などの煩雑な手続きも行う必要があります。日常生活を送りながら不慣れな対応をするとなると、精神的にも時間的にも多大な負担がかかります。
加害者が任意保険に加入している場合は、事故対応に長けた保険会社と交渉しなければなりません。そのため、知識や交渉力の差から、思うように交渉できないことも考えられます。
物損事故の対応を保険会社に任せれば、あなたが直接対応せずに済みます。精神的なストレスが軽減されるだけでなく、仕事や家事、育児に費やすべき時間や労力を奪われることなく、手続きを進められるでしょう。

費用負担なく解決を図れる

費用負担なく解決を図れます
物損事故の対応を保険会社に任せても、原則として追加の費用負担は発生しません。
費用を心配することなく、事故対応を任せられます。 
もっとも、保険会社は営利企業ですので、迅速かつ円滑に解決できるよう動きます。そのため、必ずしも被害者の最大の利益を追求するとは限りません
物損事故の対応を保険会社に任せることには、メリットだけでなくデメリットも存在することを心得ておきましょう。
物損事故の対応を保険会社に任せるデメリットは、次章で詳しく解説します。

物損事故の対応を保険会社に任せるデメリット

物損事故の対応を保険会社に任せる主なデメリットとして、以下の3つが挙げられます。

  • 適正な賠償を受けられないおそれがある
  • 適切な過失割合で解決できないおそれがある
  • 評価損や代車費用などが認められないおそれがある

以下で、詳しく紹介します。

適正な賠償を受けられないおそれがある

適正な賠償を受けられないおそれがあります。
損害保険会社の多くは営利企業ですから、独自に定めた内部基準やマニュアルに基づき、損害賠償金をできる限り低く抑えようと動きます。そのため、被害者側が損害を主張しても、その主張に法的根拠や客観的な証拠がなければ、加害者側の保険会社が損害に見合う賠償金を提示しないケースもみられます。
「損害を認めるよう加害者側の保険会社と交渉してほしい」とあなたが加入している保険会社に相談しても、あなたが加入している保険会社はあなたの利益を最大にするために動くわけではないため、適切に対処してくれるとは限りません。
保険会社に任せきりにすると、適正な賠償を受けられないおそれがあることを念頭に置く必要があります。

適切な過失割合で解決できないおそれがある

適切な過失割合で解決できないおそれがあります。
過失割合は、損害賠償金額を左右する重要な要素です。被害者であるあなたにも過失がある場合、その割合に応じて受け取れる賠償額が減額されます。
例えば、損害額が100万円を超える場合、過失割合が10%変わるだけで受け取れる金額が10万円以上変動する可能性があります。
過失割合を決めるのは警察ではありません。過失割合は、事故状況や過去の判例をもとに当事者間で話し合って決めます。
物損事故の場合、警察による実況見分調書が作成されないことが一般的ですので、事故状況を客観的に証明する証拠が不足しがちです。そのため、ドライブレコーダーの映像や第三者の証言などの客観的な証拠をもとに法的な根拠を示して交渉する必要がありますが、保険会社がそこまでしてくれるとは限りません。
保険会社に任せきりにすると、適正な過失割合で解決できないおそれがあることも念頭に置いておきましょう。
なお、あなたの過失割合が0のもらい事故の場合は、保険会社に事故対応を任せられないため、ご自身で加害者側の保険会社と交渉する必要があります。
過失割合については、以下関連記事で詳しく解説しています。

交通事故の過失割合とは|決め方・納得できない場合の反論方法を紹介

評価損や代車費用が認められないおそれがある

評価損や代車費用が認められないおそれがあります。
物損事故では、車両の修理費以外にもさまざまな損害が発生することがあります。しかし、以下の損害を加害者側の保険会社が認めないケースは少なくありません。

  • 評価損
  • 評価損とは、事故前の車両価格と事故による損傷を修理した後の車両価格の差額です。
    事故による損傷を十分に修理しても、修理後の不具合や隠れた損傷への懸念等から、修理後の車両価格が事故前の車両価格を下回るケースは少なくありません。
    事故による損傷が原因で事故前に比べて車両価格が下がった場合、その差額を請求できる可能性があるものの、加害者側の保険会社が評価損を認めないケースが多いのが現状です。

評価損・格落ちとは

  • 代車費用
  • 代車費用とは、事故による損傷の修理期間に代車を利用した場合にかかる費用です。
    もっとも、代車費用が認められるのは、代車の利用に必要性・相当性がある場合に限定されるため、代車を利用したからといって加害者側の保険会社が当然に損害として認めるわけではありません

交通事故で代車を借りられる期間は? 法的根拠と注意点を弁護士が解説

物損事故の対応で悩んだら弁護士への依頼も検討を

物損事故の対応で悩んだら弁護士への依頼も検討してみてください。
物損事故の対応を安易に保険会社に任せると、受けられるはずの賠償を受けられないおそれがあります。
一度示談書にサインすると、原則として、示談の撤回や追加請求はできません。提示された示談内容に納得がいかないなら、サインを保留して弁護士へ相談してみてください。
弁護士への相談・依頼を勧める主な理由は以下の3つです。

  • 適正な損害賠償を受けられる可能性が高まる
  • 複雑な交渉や手続きをすべて任せられる
  • 弁護士特約を利用すれば実質無料で依頼できる

以下で、詳しく紹介します。

適正な損害賠償を受けられる可能性が高まる

適正な損害賠償を受けられる可能性が高まります
弁護士は、あなたの利益が最大となるよう行動します。
弁護士に依頼すれば、ドライブレコーダーの映像や第三者の証言などから、適正な過失割合を算出してもらえます。車両の修理費用はもちろん、評価損や代車費用についても請求できるかどうか検討し、請求できる場合は法的根拠を示して交渉してもらえます。
弁護士に依頼することで、見落とされていた損害項目や不当な減額がなされていないかを確認できるため、適正な損害賠償を受けられる可能性が高まります。

複雑な交渉や手続きをすべて任せられる

複雑な交渉や手続きをすべて任せられます
弁護士に依頼すれば弁護士が窓口となるため、あなたが保険会社と直接やり取りする必要がなくなります。
精神的なストレスや保険会社とやり取りする手間から解放されるため、生活のリズムを崩すことなく解決を図れるでしょう。

弁護士特約を利用すれば実質無料で依頼できる

弁護士特約を利用すれば実質無料で依頼できます
弁護士特約とは、損害賠償請求を弁護士に依頼する際の費用や法律相談費用等を補償する特約です。
弁護士特約は、一般的に、記名被保険者(自動車保険の対象となる車を主に運転する人)だけでなく、配偶者や同居の親族・別居の未婚の子も利用できます。
そのため、あなた自身は加入していなくても、家族が加入していれば利用できるかもしれません。
弁護士特約付き自動車保険に加入しているなら、弁護士への相談・依頼を積極的に検討してみてください。

交通事故における弁護士費用特約について詳しく解説

まとめ

物損事故の対応を保険会社に任せることにはメリットもありますが、デメリットも存在します。
適正な賠償を受けたいなら、弁護士への依頼も検討してみてください。
物損事故の対応を弁護士に依頼したいとお考えなら、ぜひネクスパート法律事務所にご相談ください。
ネクスパート法律事務所には、豊富な経験と解決ノウハウを有する弁護士が数多く在籍しています。納得のいく解決を図れるよう、全力でサポートいたします。
初回相談は30分無料です。リモートでのご相談にも対応しておりますので、ぜひお気軽にお問い合わせください。

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