沖縄でのレンタカー運転中の事故・事故相手がレンタカーだった場合の対応方法

観光地として人気の高い沖縄では、近年、レンタカーによる交通事故が問題視されています。

沖縄県警の発表では、令和4年に発生したレンタカー関連の事故発生件数は184件で、地域によっては、全事故の発生件数に対するレンタカー関連事故の割合が、3割から4割に及んでいる市区町村もあります。

画像引用元:沖縄県警察 (pref.okinawa.jp)

インバウンド需要がコロナ前の水準をほぼ取り戻しつつある現在、訪日外国人が運転するレンタカーの事故も急増することも予想されています。

沖縄でレンタカー運転中に事故に遭った場合や、観光客が運転するレンタカーの事故に巻き込まれた場合、どのように対応すればよいのでしょうか?

この記事では、レンタカー運転中の事故や、事故の相手がレンタカーだった場合の対応方法や注意点について解説します。

 

沖縄でレンタカー運転中に事故を起こしたら|あなたがすべき事故対応

レンタカー運転中に事故を起こしたら、初動対応として以下の措置をとらなければなりません。

  • レンタカーの運転停止
  • 負傷者の救護活動
  • 危険防止の措置
  • 警察への届出
  • レンタカー会社への報告

上記①~④は、レンタカーに限らず、交通事故が発生した際に、車両等の運転者その他の乗務員が直ちに行わなければならないものです。これらは道路交通法第72条1項で義務付けられています。

レンタカー運転中に交通事故が発生した場合の特有の初動対応としては、⑤のレンタカー会社への報告です。

レンタカーで事故を起こした場合、基本的にはレンタカー会社が加入している保険の補償を受けることになります。しかし、事故発生場所からレンタカー会社に事故の報告をしていないと、保険の適用を受けられないことがあります。

補償を確実に受けるためにも、レンタカー運転中に交通事故を起こしたら必ずレンタカー会社へ連絡を入れて、状況を説明しましょう。連絡先電話番号は、貸与契約書に記載されています。

なお、レンタカーの運転中に事故が発生した時点で、貸与契約は終了となることが一般的です。レンタカー会社への事故報告に際しては、事故車両をどうすればよいか事故現場からどのような手段で移動すればよいかなどについても、レンタカー会社の指示を促して、それに従いましょう。

 

沖縄でレンタカー事故に起こした場合の事故相手への損害賠償はどうなる?

レンタカー運転中に事故を起こした場合、事故相手への損害賠償は、原則としてレンタカー会社が加入する保険が適用されます。ご自身が加入されている自動車保険が利用できる場合もあります。

原則としてレンタカー会社が加入する保険が適用される

レンタカーで事故を起こした場合、事故相手への損害賠償は、原則としてレンタカー会社が加入する保険が適用されます。

レンタカーには通常、任意保険が付帯されており、あなたに過失がある限り、レンタカーにかけている保険による補償が受けられるからです。レンタカーの自動車保険は、レンタカー会社に対する車両賠償のほか、事故の相手に対する対人賠償・対物賠償を補償の対象としていることがほとんどです。

したがって、レンタカー運転中に事故を起こした場合、事故相手との損害賠償に関する交渉は、レンタカー会社が加入している任意保険会社に対応を任せられるでしょう。

ただし、レンタカー料金に含まれる保険・補償の範囲は、マイカーの自動車保険よりも補償範囲が狭いことが多いです。補償範囲や補償上限額を超えた部分は、レンタカーを借りた人が負担しなければならないことや、保険の適用を受けられない事故もあります。

レンタカーの保険の補償範囲や自己負担額等については、本コラムの4章をご参照ください。

ご自身が加入する自動車保険を適用できることもある

ご自身が加入する自動車保険に、他車運転特約が附帯されていれば、レンタカー運転中の事故についてもマイカーにかけている保険を適用できることがあります。

自動車保険は、原則として車両ごとに加入することになっており、車両にかけられた保険は、その車両の運転中に発生した交通事故のみを補償の対象としています。

他車運転特約は、自動車保険をかけている車両だけではなく、他の車両の運転中に交通事故に遭った場合にも契約内容に応じて保険金を受け取れる特約です。

あなたがマイカーにかけている自動車保険の契約・特約の内容によっては、レンタカー運転中の事故についても、対人賠償や対物賠償、人身傷害、車両等の保険金を受け取れることがあります。

レンタカー運転中に生じた事故の場合、基本的にはレンタカーにかけられた自動車保険が優先されますが、レンタカーの保険では事故相手への賠償額を賄いきれない場合などには、特約の利用を検討すると良いでしょう。

なお、他車運転特約を使うと、翌年度以降の等級が下がることがあり、それによって保険料が高くなってしまう可能性があります。

 

沖縄でレンタカー運転中に事故に巻き込まれた場合の損害賠償の請求先は?

レンタカー運転中に交通事故に巻き込まれ、怪我や車両の損傷の被害を受けたときは、加害者本人だけでなく、加害者が加入する保険会社に損害賠償を請求できます。

加害者が勤務中に交通事故を起こした場合には、加害者の勤務先に損害賠償を請求できることがあります。

加害者が加入する任意保険会社

加害者が任意保険に加入している場合は、通常、加害者側の任意保険会社と損害賠償に関する交渉を行います。

加害者が任意保険会社に事故を報告すると、事故から数日以内に保険会社の担当者から連絡があるのが一般的です。

レンタカー運転中に交通事故被害に遭った場合、あなたにも過失があれば、加害者側の任意保険会社とのやりとりを、レンタカー会社が加入する任意保険会社に対応してもらうこともできます。

あなたに過失がない場合は、レンタカー会社が加入する任意保険会社に対応を委ねられません。あなたに過失がないケースでは、レンタカーの保険は適用されないからです。

ご自身で加害者側の任意保険会社とやりとりをする場合は、弁護士に示談交渉を依頼することをおすすめします。

交通事故の過失割合とは|決め方・納得できない場合の反論方法を紹介

加害者が加入する自賠責保険会社

加害者が任意保険に加入しておらず、かつ、人身事故の場合には、加害者が加入している自賠責保険会社に、直接損害賠償の支払いを請求できます。

加害者が任意保険に加入している場合でも、示談交渉に先立ち、自賠責保険に被害者請求を行うことも可能です。この場合は、自賠責保険金を受領した後に、損害賠償金の残額を加害者側の任意保険会社に請求します。

なお、自賠責保険から支払われる保険金は、以下のとおり限度額が定められています。

  • 傷害(治療関係費、入通院慰謝料、休業損害等):120万円
  • 後遺障害(後遺障害慰謝料、逸失利益):75万円~4,000万円(等級により異なる)
  • 死亡(葬祭関係費、死亡慰謝料、逸失利):3,000万円

交通事故慰謝料が自賠責の限度額を超えたらどうなる?

加害者本人

加害者が任意保険に未加入の場合や、任意保険に加入していても示談代行がなされていない場合には、通常、加害者本人と損害賠償に関する交渉をすることになります。

加害者の資力によっては、支払いが期待できないことがあります。

そのような場合には、以下に掲げる法律上の賠償責任者への請求も検討します。

  • 運行供用者
  • (仕事中または通勤途中に事故を起こした場合)使用者やその代理監督者
  • (運転者が未成年者の場合は)両親等の監督義務者

政府保障事業(加害者不明等の場合)

加害者が自賠責保険にも加入していない場合や、ひき逃げ等により加害者が明らかでない場合には、政府保障事業に、損害のてん補を請求できます。

参考:政府の保障事業とは|損害保険料率算出機構 (giroj.or.jp)

 

レンタカーの自動車保険ならではの注意点

レンタカー料金の中には、自動車保険の保険料が含まれており事故をしたときに最低限の補償を受けられるのが一般的です。

ただし、レンタカーにかけられた保険の基本補償に含まれる補償は、あなたがかけているマイカーの自動車保険よりも補償が手薄な場合があり、事故発生に際して、十分に補償を受けられないこともあります。

マイカーの自動車保険ほど補償内容が手厚くない

レンタカーの利用料金に含まれている保険の補償内容は、マイカーの自動車保険ほど補償内容が手厚くない傾向にあります。

レンタカーの利用料金に含まれている保険の補償内容は、基本的に以下の4種類で、補償内容に限度額が設定されていることが一般的です。

補償内容

詳細

限度額

対人補償

事故相手の傷害・後遺障害・死亡により生じた損害賠償を補償するもの

1名につき無制限

対物補償

事故相手の車両や車両積載物などを壊して損害賠償責任を負ったときの補償するもの

1事故につき無制限(免責金額5万円)

車両補償

交通事故によって故障・損傷したレンタカーの修理費や買替費用に対する補償もの

1事故につき時価額まで(免責金額5万円もしくは10万円)

人身傷害補償

レンタカーの運転者や同乗者の事故による傷害・後遺障害・死亡に対する補償するもの

1名につき3,000万円もしくは5,000万円まで

対物補償、車両補償については、多くの場合5~ 10万円の免責金額レンタカーの利用者が負担する金額)が設定されています。

レンタカーの保険の補償が受けられないケースがある

次の場合には、レンタカーにかけられた保険の補償が受けられないことがあります。

  • レンタカー会社に事故の報告をしなかった場合
  • 警察に事故の届出をしなかった場合(事故証明がない場合)
  • 事故直後にその場で示談に応じた場合
  • 出発時に申し出をした人以外が運転していた場合
  • 無免許運転をした場合
  • 酒気帯び運転をした場合
  • 借受期間を無断で延滞してレンタカーを利用した場合
  • その他保険・貸渡約款に掲げる事項に違反があった場合(故意による事故、パンクやタイヤの損傷、鍵の紛失、無施錠での盗難など)

補償適用の条件等については、レンタカーを契約する際に説明があるのが一般的です。規約を確認したうえでレンタカー会社に問い合わせましょう。

免責補償制度や休業補償免除制度をつけていないと自己負担額が膨らむ

レンタカー会社の多くは、基本料金に、自動車保険や自賠責保険などの基本的な保険が含まれており、事故相手に対する賠償額は、レンタカー会社が加入する保険会社から支払われます。

ただし、その賠償額のうち、レンタカー利用者が自己負担しなくてはならない金額があります。

その金額のことを免責金額といい、対物賠償と車両補償には、5万円ほどの免責金額が設定されているケースがほとんどです。借りた車のクラスや種類によっては、車両補償の免責金額が10万円になることもあります。

レンタカー会社によっては、追加料金(オプション料金)を支払うことで免責額を0円できる制度免責補償制度(CDW))が用意されていることもあります。

レンタカー利用中に事故を起こした場合、上記とは別でレンタカーの修理や清掃を要する期間の営業保証料(レンタカー会社の休業補償)をレンタカー会社に支払わなければならないことがあります。

この営業保証料を支払うことをノンオペレーションチャージ(NOC)といい、レンタカー会社によっては、このNOCの支払いを免除できる補償制度NOC補償免除制度)があります。

これらの免除制度をつけていない場合には、自己負担額が膨らむこともあります。

 

沖縄で観光客が運転するレンタカーと事故に遭ったら|沖縄在住の方向け

あなたが事故の被害者で、加害者がレンタカーを運転した場合には、事故発生時の初動対応におけるポイントを押さえておきましょう。

事故相手がレンタカーを利用していた場合、基本的にはレンタカー会社が加入している保険会社と損害賠償に関する交渉を行いますが、レンタカーにかけられた保険の内容によっては、レンタカーを運転していた加害者との直接交渉が必要な場合もあります。

レンタカー事故における初動対応の特有のポイント

事故の相手がレンタカーを運転していた場合は、運転者だけでなくレンタカー会社にも損害賠償を請求できます。

ただし、警察を呼んで交通事故として処理されていない場合や、レンタカーの運転者が事故現場からレンタカー会社に事故の報告をしていなかった場合には、レンタカーの保険が適用されず、損害賠償を受けられないことがあります。

加害者がレンタカー会社に連絡をしていなければ、その場であなたがレンタカー会社に連絡をし、保険の有無等を確認することも重要です。

事故の相手がレンタカーの保険を受けられない場合に備え、事故発生後、道路交通法第72条1項で義務付けられた初動対応を取ったら、事故の相手から、以下の情報を得ておきましょう。

  • 事故の相手の氏名・連絡先・勤務先
  • レンタカー会社の名称・支店・連絡先
  • 事故の相手が加入している任意保険会社の名称・連絡先

レンタカー事故の損害賠償の請求先

事故の相手がレンタカーを運転していた場合、事故によってあなたに生じた損害の賠償を請求できる相手は、以下のとおりです。

レンタカー会社が加入している保険会社

レンタカーの基本料金には、自動車保険や自賠責保険などの基本的な保険が含まれているため、交通事故の損害賠償金は、レンタカー会社が加入している保険会社から支払われることが一般的です。

ただし、レンタカーにかけられた保険の補償内容には限度額が設けられていることが多く、あなたに生じた損害によっては、満足な補償を受けられないこともあります。

レンタカーの運転者が、道路交通法に違反した場合や、保険・貸渡約款に掲げる事項に違反があった場合には、レンタカー会社が加入する保険の補償を受けられません。

このような場合には、レンタカーの運転者本人運転者が加入する任意保険会社への損害賠償の請求を検討します。

レンタカー運転者が加入している保険会社

レンタカーの運転者が加入する自動車保険に、他車運転特約が付されていれば、その任意保険会社に対して、損害賠償を請求できます。

レンタカー会社が加入する保険から補償を受けられない場合には、交通事故証明書を確認の上、レンタカー運転者が加入する任意保険会社に、他社運転特約の有無を確認すると良いでしょう。

レンタカー運転者

次のような場合には、レンタカー運転者本人に損害賠償を請求することになります。

  • レンタカー会社が加入する保険の適用を受けられない場合
  • あなたに生じた損害がレンタカー会社の加入する保険の補償限度額を超える場合
  • レンタカー運転者が加入している保険に他社運転特約が付されていない場合

ただし、運転者本人に資力がない場合は、損害賠償金の支払いに消極的になったり、連絡を無視したりするケースも多いです。

示談交渉がスムーズに進まない場合には、弁護士に交渉代理を依頼することをおすすめします。

レンタカー運転者の勤務先(運転者が勤務中だった場合)

レンタカー運転者が勤務中(ないし出張中)だった場合は、運転者の勤務先に損害賠償を請求できることがあります。

従業員が業務執行にあたってレンタカーを利用していた以上、会社もその従業員が第三者に加えた損害に対して使用者責任に基づく賠償債務を負うからです(民法715条)。

したがって、事故の相手が、業務執行にあたってレンタカーを利用していた場合には、その運転者の勤務先への損害賠償請求を検討することも可能です。

なお、次のような場合には、レンタカー運転者の勤務先への損害賠償請求は認められないか、認められるとしてもその範囲は僅少になると考えられます。

  • 勤務先がレンタカーの利用を明確に禁止していたにもかかわらず、事故相手がその命令に反し、かつ、必要もなくレンタカーを利用していた場合
  • 事故相手が飲酒運転や危険運転をした場合
  • 事故相手が故意に事故を起こした場合 など

 

沖縄でのレンタカー関連事故は弁護士に相談!

レンタカー運転中に事故に遭ったときも、事故の相手がレンタカー利用者だったときも、事故後の対応で不安なことがあれば、弁護士に相談しましょう。

弁護士に相談・依頼するメリットは、以下のとおりです。

交渉のストレスから解放される

レンタカーで事故を起こしてしまったときも、事故の相手がレンタカー利用者だったときも、弁護士に依頼すれば、レンタカー会社や保険会社、相手との交渉において、弁護士が窓口になってくれます。

被害者・加害者のいずれの立場でも、レンタカー会社から、「保険が適用できない」と言われた場合には、ご自身で示談交渉を行うケースもあり得るでしょう。早い段階で弁護士に相談すれば、適切な請求先を判断し、万全の状態で示談交渉に臨めます。

ご自身で対応するよりも心理的負担を軽減できるでしょう。

慰謝料の増額を望める

弁護士に示談交渉を依頼すれば、慰謝料を含む損害賠償額の増額も期待できます。

事故の加害者ないしレンタカー会社が加入する任意保険会社が提示する示談金の額は、自賠責基準と同程度に低いことが多いです。

提示された損害賠償額の増額を図るべく、あなたが自ら交渉しても、納得できる金額に引き上げることが難しかったり、保険会社から「大幅に譲歩しているので、これ以上は支払えない」などと突っぱねられたりすることもあるでしょう。

法律知識に長けた弁護士が示談交渉に介入すると、保険会社等の態度が軟化して主張を受け入れてもらいやすくなります。

弁護士は、示談交渉においても過去の判例をもとにした公平な基準(弁護士基準)で損害額を算定するため、慰謝料の増額も期待できます。

弁護士特約を使えば弁護士費用をカバーできる

レンタカー運転中に事故に遭ったときも、事故の相手がレンタカー利用者だったときでも、ご自身が加入している自動車保険に弁護士特約がついていれば、その特約を使って弁護士に依頼できる場合があります。

弁護士費用特約を使えれば、弁護士に依頼する費用は特約でカバされます。

保険会社にもよりますが、一般的に300万円までの弁護士費用を保険金で補償してもらえます。

まとめ

レンタカー利用中に事故に遭った場合、事故の相手がレンタカー利用者だった場合は、保険の適用範囲などによって通常の事故より手続きが複雑になることがあります。

沖縄でレンタカー運転中に事故に遭った場合や、観光客が運転するレンタカーと事故に遭った場合は、交通事故に詳しい弁護士に相談されることをおすすめします。

ネクスパート法律事務所、は東京・横浜・埼玉・千葉・愛知・群馬・仙台・福岡・那覇を拠点とする弁護士法人です。沖縄在住の方はもちろん、沖縄に旅行・出張中に慣れない土地で生じた交通事故にお困りの方を全力でサポートさせていただきます。

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