むち打ちのリハビリはどう進める?頻度や内容をわかりやすく解説

交通事故に遭った多くの被害者がむち打ち症を経験します。

首や肩の痛み、めまいやしびれ等の症状に長く悩まされる方も少なくありません。

適切なリハビリを行うことで回復が見込める反面、「どのくらいの頻度で通えばよいのか?」「どんなリハビリを受ければいいのか?」「治療費は誰が払うのか?」などの不安を抱える方も多いでしょう。

今回は、交通事故の被害者の立場から、むち打ち症のリハビリに関する基本知識、通院の頻度や内容、そして法律的な注意点について、詳しく解説します。

交通事故とむち打ち症

むち打ち症(頚椎捻挫)は、交通事故、特に追突事故によって首に強い衝撃が加わることで発症することが多い外傷です。

医学的には外傷性頚部症候群と呼ばれることもあります。

主な症状は以下のとおりです。

  • 首や肩の痛み
  • 頭痛
  • めまい
  • 手足のしびれ
  • 倦怠感や集中力の低下

事故直後は症状が軽くても、数日たってから強い痛みや不調を訴えるケースもあるため、早期の診断と対応が重要です。

むち打ちのリハビリはなぜ必要?

以下では、むち打ちのリハビリが必要な理由などについて解説します。

自然治癒が難しいケースも

むち打ち症の多くは、数週間から数か月で自然に回復するとされていますが、一定数の方が慢性化する傾向があります。

痛みを我慢して動かさないままにすると、筋肉や神経の回復が遅れ、症状が悪化することもあります。

このように自然治癒が難しいケースでは、回復のためにリハビリが必要です。

後遺障害を防ぐために

適切なリハビリを行うことは、後遺症を防ぎ、損害賠償請求における後遺障害等級認定の際にも重要な要素となります。

特に症状固定(これ以上の改善が見込めないと医師が判断する状態)に至るまでの治療経過が、賠償額に影響することもあります。

したがって、後遺障害を防ぐためにも、早期からの適切なリハビリが重要です。

むち打ちのリハビリの頻度はどれくらい?

交通事故でむち打ちになった場合、リハビリの頻度はどの程度が適切でしょうか。

最初の1か月は週3〜4回が目安

リハビリの頻度は、症状の程度や医師の指示によって異なりますが、一般的には次のような目安が参考になります。

  • 初期(事故後〜1か月):週3〜4回
  • 中期(1〜3か月):週2〜3回
  • 後期(3か月〜):週1〜2回、または症状が落ち着くまで

特に発症から最初の数週間は、症状の改善度合いがその後を左右するため、通院頻度を保つことが大切です。

仕事との両立が難しいときは?

通院頻度が高いと、仕事や家庭との両立が難しくなる方もいます。

この場合、午前半休をとる、夜間診療の整形外科を探す、職場に通院理由を説明する等の工夫が求められます。

交通事故に起因する治療は、加害者側の自賠責保険や任意保険会社が治療費を負担するケースが多いため、遠慮せずに必要な通院を続けましょう。

むち打ちのリハビリ内容とは?

リハビリと一口に言っても、その内容は医療機関や症状によって様々です。

交通事故のむち打ち症で、主に行われるリハビリの内容を紹介します。

理学療法

理学療法では、痛みや可動域制限の改善を目指して、症状に応じた物理的アプローチが行われます。

  • 温熱療法(ホットパック)
  • 電気療法(干渉波、低周波)
  • 牽引療法(首の牽引)
  • マッサージ
  • 可動域訓練(関節の動きの回復)

運動療法

症状がある程度落ち着いた段階では、筋力回復や姿勢改善を目的とした運動療法が導入されることもあります。

医師の指示に基づく整骨院・接骨院での施術

整形外科と並行して整骨院に通院する方もいますが、保険会社によっては整骨院での治療費を支払わないとされることもあるため、事前に医師や保険会社に確認することが必要です。

弁護士が伝えたいむち打ちリハビリの注意点

以下では、むち打ちでリハビリを受ける際の注意点について解説します。

症状の推移を具体的に記録・報告する

リハビリを続けるうえで重要なのは、症状の推移を具体的に記録することです。

具体的には以下のようなものが挙げられます。

  • 毎日の痛みの強さ(例:朝は10段階中7、夜は5)
  • しびれの有無と部位
  • めまい・吐き気などの随伴症状

これらを記録することで、主治医や保険会社に症状の継続性を証明しやすくなり、将来的な後遺障害認定や慰謝料請求にも役立ちます。

治療の中断は避けるべき

仕事や生活の都合で治療を中断すると、「もう治った」と判断され、保険会社が治療費の打ち切りを通告してくることがあります。

できる限り継続的に通院することが大切です。

慰謝料や後遺障害等級に影響する可能性も

交通事故の慰謝料や後遺障害認定では、治療の経過通院頻度も判断材料となります。

リハビリをおろそかにすると、損害賠償請求において不利になるおそれがあります。

さいごに|交通事故後の対応で困ったら弁護士に相談を

交通事故の被害者として、リハビリや保険会社とのやりとりに疲れきってしまう方も少なくありません。

特に、以下のような場面では、交通事故に詳しい弁護士に相談することをおすすめします。

  • 保険会社から治療費の打ち切りを通告された
  • 後遺障害等級に納得がいかない
  • 慰謝料の金額が低すぎる
  • 通院やリハビリについて交渉が必要

弁護士に依頼することで、リハビリに集中しながら、法的な手続きや損害賠償請求を有利に進められます。

交通事故によるむち打ち症は、軽視すべきでない重大な後遺障害につながる可能性があります。適切なリハビリを受けることで、症状の改善だけでなく、法的にも有利な立場を築くことができます。

ネクスパート法律事務所は、交通事故に基づく損害賠償に精通しております。

むち打ち症のリハビリについて、「どのくらい通えばよいか?」「リハビリの内容は?」「保険会社とどう交渉するべき?」等の悩みがある場合は、ぜひお早めに当事務所にご相談ください。

安心して治療に専念できる環境を整えられるようサポートいたします。

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