事業承継とは?手続き・サポート制度・相談先などをご紹介

中小企業・小規模事業者の事業承継は、自分が年をとって現役を退く際に考えればよいと先延ばしにしがちです。

 

帝国データバンクの2020/9/14事業承継に関する企業の意識調査(2020年)によれば、企業の67%が事業承継を経営上の問題と認識しているにもかかわらず、「計画があり、進めている」企業は18.7%にとどまっています。

 

事業承継は後継者の決定や育成に時間がかかります。慌てて事業承継を行い、失敗に終わることのないよう、時間に余裕をもって計画的に進めていきましょう。

ここでは、事業承継を考えている経営者様に向けて、手続きやサポート体制について解説します。

 

 

事業承継とは

事業承継とは、現経営者から後継者へ事業を引継ぐことです。以下の3点をスムーズに引継ぐことで、承継後の経営が安定します。

  • 人の承継
  • 資産の承継
  • 知的資産の承継

 

「人の承継」の「人」とは、事業を引継ぐ後継者や従業員のことです。会社の経営理念やビジョン、経営方針を引継ぎ、事業をさらに発展させる後継者の育成が重要です。

 

「資産の承継」の「資産」とは、企業が持つ資産のことです。自社株式や経営権、事業用資産、資金、許認可などがあります。特に株式については、これまでの経営方針を継続するために、経営権を確保できるだけの株式を後継者へ移譲することが重要です。

 

「知的資産の承継」の「知的資産」とは、目には見えにくい経営資源の総称です。経営理念や特許、ノウハウ、人脈などです。特許や企業独自のノウハウは、経営を支える重要な要素のため、しっかりと引継ぎましょう。

事業を引継ぐ際にはさまざまな問題が存在するため、それらの問題に適切に対応することが重要です。事業承継に係る主な問題点と解決策については、下記の記事をご参照ください。

参考:中小企業の事業承継問題4つと解決策を解説

 

 

事業承継の手続き

事業承継を行う場合、最初に何をしたらよいのかを確認する必要があります。

手続きの流れについては、下記の記事をご参照ください。

参考:事業承継の手続について徹底解説

 

次に行うのが、事業承継計画書と事業承継計画表の作成です。

作成方法については、下記の記事をご参照ください。

参考:事業承継計画の作成方法

 

実際に手続きが進むと、さまざまな契約書類が必要になります。

承継方法別の契約書類については、下記の記事をご参照ください。

参考:事業承継に必要な契約書について、事業承継方法別に解説

 

事業承継には、M&Aという方法があります。

以前は大企業が行うものというイメージがありましたが、現在は事業承継に関する問題の解決方法として、活用する事例が増えています。

M&Aによる事業承継については、下記の記事をご参照ください。

参考:M&Aによる事業承継について解説

 

 

事業承継のサポート体制

事業承継は、経営者にとって最後の重要な仕事です。早めに検討するとともに、どのようなサポート体制があるのか把握しておくことが大切です。どのような支援サービスがあるのかを知っておくことで、事業承継を迅速かつ確実に行えます。

 

中小企業庁では、以下のような施策を実施しており、事業承継の前後にわたる、切れ目のない支援を充実させようとしています。

  • 事業承継ネットワークを通じた現経営者の「気づき」の機会の提供
  • 事業引継ぎセンターにおける売り手・買い手のマッチング等のM&A支援
  • 事業承継時の負担を軽減するための事業承継税制
  • 承継後の経営革新等を支援するための補助金の交付

 

経営承継円滑化法による支援

平成20年5月に成立した、「中小企業における経営承継の円滑化に関する法律(略称:経営承継円滑化法)」は、総合的支援策の基礎となっています。詳細については、下記の記事をご参照ください。

参考:事業承継に関する支援について解説

 

事業承継税制

経営承継円滑化法の中でも、事業承継税制は、相続税・贈与税の納税猶予制度を組み合わせて活用できます。相続だけではなく、生前贈与による株式の承継にともなう税負担を軽減できます。

詳細については、別の記事で解説する予定です。

 

事業承継・引継ぎ補助事業

「事業承継・引継ぎ補助金」は、事業承継やM&Aを契機とした経営革新等への挑戦や、M&Aによる経営資源の引継ぎを行おうとする中小企業者等を後押しするための補助金です。

引継ぎ補助事業の詳細については、下記の記事をご参照ください。

参考:事業承継・引継ぎ補助事業とは?後継者確保のための補助金制度を解説

 

事業承継特別保証制度

事業承継特別保証制度とは、事業承継時に経営者保証を不要とする新たな信用保証制度です。事業承継の大きな問題であった経営者保証の解決策の1つです。

利用するメリットや流れについては、下記の記事をご参照ください。

参考:事業承継特別保証制度・経営者保証とは?利用するメリット・流れを解説

 

事業承継についての相談先

事業承継について検討時に、最初に思うのが「どこに相談したら良いのかわからない」です。事業承継対策には、さまざまな方法があります。いずれも専門知識が必要なので、適切な相談先を選びましょう。

主な相談先とそれぞれの得意分野については、下記の記事をご参照ください。

参考:事業承継問題の相談先9つと、それぞれの得意分野を解説

 

その他の支援

第三者承継支援総合パッケージ

経済産業省では2019年12月に、後継者未定の中小企業について、黒字廃業の可能性がある中小企業を次世代の意欲ある経営者に承継・集約することを目的とした「第三者承継支援総合パッケージ」を、あらたな取り組みとしてまとめました。

 

「第三者承継支援総合パッケージ」の実施はこれからですが、官民の支援機関が一体となってサポートに取り組んでいます。

 

 

まとめ

事業承継をせずにいると、最終的には廃業を選択することになりかねません。廃業になると、設備や施設、在庫品等の処分にもコストがかかり、従業員も解雇しなければならず、取引先の事業にも大きなダメージを与えます。

 

現在の事業について継続性に不安があっても「見える化」「磨き上げ」を行うことで、事業承継が可能になり得ます。事業の全部または一部を第三者に承継もできます。

 

中小企業等が今後も事業を継続・発展させていくために、次世代へスムーズに事業承継を進めることが大切です。事業承継にお悩みの方は、事業承継を成功させるためにも、早めに支援機関や弁護士等の専門家に相談することをお勧めします。

この記事を書いた人

ネクスパート法律事務所