借金を踏み倒したい人が知っておきたい3つのこと - 債務整理は弁護士に相談【ネクスパート法律事務所】

借金を踏み倒したい人が知っておきたい3つのこと

「借金を踏み倒すことはできないか」

「借金が時効で消えたらいいな」

借金の返済が苦しくなると、このような考えが頭をよぎるかもしれません。

借金の踏み倒しは不可能ではありませんが、借金滞納で生じるリスクを更に増加させます。

この記事では、次の点を踏まえ、借金問題の解決方法を1つずつ検討していきましょう。

  • 借金の踏み倒しは現実的?
  • 借金の踏み倒しによるリスク
  • 借金を踏み倒さずに解決する方法

借金に悩んでいる方は、ぜひ最後までご覧ください。

相談無料。取立てストップ。借金問題は弁護士の力で解決・減額できます! お困りの方は今すぐご連絡ください。

0120-949-229
メール相談フォームはこちら

借金の踏み倒しは現実的?

借金を踏み倒すのは現実的に可能なのでしょうか?

「闇金には返済義務がないから返済しない!」はありなのか?

闇金からの借金は、法律上返済義務がありません。しかし、闇金からの借金を踏み倒すことは以下のとおり現実的ではありません。

闇金とは

闇金とは、次に該当する者を差します。

  • 貸金業登録をせず貸金業を営む者
  • 出資法の上限を超える高利での融資を行う者

闇金からの借入金は返済不要

次のとおり、闇金からの借入金には返済義務がありません。

不法原因給付

民法708条は次のとおり規定しています。

不法な原因のために給付をした者は、その給付したものの返還を請求することができない
引用:民法708条

闇金の貸付は、不法原因給付に該当します。そのため、闇金は貸付金の元本の返還を請求できず、借主には返済義務はありません。

最高裁判所平成20年6月10日判決は、闇金の貸付について、次のように判示しました。

  • 闇金の貸付は利息のみならず元本の返済義務もない
  • 闇金に支払った元本・利息の全額を損害として請求することができる

ヤミ金融業者に係る最高裁判決の概要について:金融庁 (fsa.go.jp)

闇金を踏み倒そうとした場合のリスク

闇金からの借入金は返済不要という法的根拠があることをいいことに、返済するつもりがないのに闇金から借り入れすることは詐欺罪に該当する可能性もありますので絶対にやめましょう。少なくとも、返済不要であることを知りながら借入をした場合については、上記の根拠による保護をうけられない可能性が高くなります。

闇金は反社会的勢力を背景とするものが少なくなく、貸付金の回収のためには手段を選ばない傾向にありますので、ご自身での交渉には危険が伴います。

夜逃げをした後はどうなるのか?

闇金から逃げるために夜逃げしても、闇金は住民票を調査し執拗に追いかけてきます。

夜逃げをするとどのようなリスクがあるでしょうか。

住民票を移動しないリスク

住民票を移さなければ次のとおり生活に様々なリスクが生じます。

  • 住民基本台帳法違反により5万円以下の罰金が科せられることがある
  • 現住所で身分証明書及びパスポートの発行・国民健康保険の加入・選挙の参加ができない
  • 税申告や免許更新時に旧住所の所轄署にいく必要がある
  • 公的サービスが受けられない
  • 携帯電話の新規契約ができない
家族への影響

夜逃げのリスクは次のとおり家族にも及びます。

  • 次のとおり、家族に負担をかけ生活にも様々な支障をきたします。
  • 子供が転校を余儀なくされる
  • 配偶者が退職を余儀なくされる
  • 親戚や友人に会えなくなる
  • 転職や再就職が困難となる
  • 一定の場所に住めなくなる

時効を待つのは現実的か?

借金を踏み倒すために時効を待つのは現実的ではありません。

時効を待って借金を踏み倒すためには、次の2点を満たす必要があります。

  • 最終取引日から5年又は10年経過している
  • 時効の更新や完成猶予となる事由がない

時効を待つのが難しい理由は、上記2点を満たすのが難しいからです。

詳しく説明します。

借金が時効になる2つの要件

借金の時効成立要件は次のとおりです。

  • 時効期間の満了
  • 時効期間の援用
①時効期間の満了

借金の時効期間は5年又は10年です。

時効期間の満了とは、借金を一切返済しない状態を継続して時効期間を経過することです。

民法の改正により、消滅時効の期間は2020年3月31日までと2020年4月1日からでは取り扱いが異なります。時効期間に関する詳細は下記関連記事をご参照ください。

関連記事
ある権利を一定期間行使しなければ、その権利を行使できなくする制度があります。 ある権利をずっと未来まで行使できるとなれば、実生活に多大な影響が及ぶからです。 一定期間の経過により権利を行使できなくなることを「消滅時効にかかる」といいます。 ...
②消滅時効の援用

消滅時効の援用とは、債権者に時効の成立を主張することです。消滅時効とは、債権者が権利を行使できる状態であるにもかかわらず権利を一定期間行使しなかった場合、権利を失うことを定めた制度です。

関連記事
借金も時効で消滅しますが、年月が経過しただけで時効が成立するわけではありません。時効を成立させるためには、時効援用の意思表示が必要です。 この記事では、消滅時効援用通知書ついて、次の点を解説します。 消滅時効援用通知書のテンプレート・記載例...

借金を時効により消滅させる場合は、上記2点を満たす必要があります。

時効の更新(中断)と完成猶予(停止)

借金の時効について注意すべき点は、時効の更新と完成猶予です。改正前の民法では、時効の中断時効の停止と呼ばれていました。ここでは、改正民法に基づき説明します。

①時効の更新

時効の更新とは、次の事由により、時効の進行がリセットされ時効期間がゼロから進むことです。

  • 債務者の承認
  • 支払督促
  • 強制執行、担保権の実行
  • 確定判決による権利の確定

すなわち、次の一つでも当てはまると、時効がリセットされてしまいます。

  • 返済の意思を示した
  • 催告書が送られてきた
  • 差し押さえされた
  • 裁判を起こされ、かつ、判決が確定した
②時効の完成猶予

時効の完成猶予とは、時効期間の満了日が先延ばしになることです。

時効の完成が猶予される事由は次のとおりです。

  • 裁判上の請求
  • 仮差し押さえ、仮処分
  • 裁判外の催告
  • 協議を行う旨の書面による合意
  • 天災等

それぞれの時効の完成が猶予される期間を説明します。

⑴裁判上の請求

訴えの提起により時効の完成が猶予されます。判決確定後に時効期間が更新され、その後10年間時効が完成しません。

裁判が訴えの却下や取下げにより終了した場合は、却下・取下げの時から6ヶ月間時効の完成が猶予されます。

⑵仮差し押さえ、仮処分

手続きが終了したときから6か月間時効の完成が猶予されます。

⑶裁判外の催告

裁判外の催告とは、債権者からの口頭又は書面による直接の催告(請求)です。一般に、内容証明郵便で送付されます。この場合、6か月間時効の完成が猶予されます。

⑷協議を行う旨の書面による合意

当事者で協議を行う旨の合意を書面でした場合、原則1年間時効の完成が猶予されます。

猶予される期間は当事者の合意により短縮することもできます。

債務者が協議を拒絶した場合は、その旨を書面で通知した時から6ヶ月を経過するまで猶予されます。

⑸天災等

天災等により、裁判上の請求や強制執行等の手続きができないときは、天災等が消滅したときから3か月を経過するまでは時効の完成が猶予されます。

借金の踏み倒しによるリスク

借金を踏み倒した場合に生じるリスクを紹介します。

関連記事
借金の返済ができず数カ月滞納が続くと、債権者から一括請求されます。 借金を一定期間滞納すると、借金を分割払いできなくなります(期限の利益の喪失)。借入やクレジットカードでは、滞納期間や滞納金額が一定以上になると期限の利益を喪失する契約になっ...

遅延損害金の発生

契約で定められた期限までに返済をしないと、遅延損害金が発生します。

貸金業者は、遅延損害金の利率を年14〜20%(上限26.28%)に設定するのが一般的です。滞納期間が長くなればその分遅延損害金も膨らみます。

ブラックリストに載る

借金を2ヶ月分以上滞納すると、債権者は信用情報機関に事故情報(遅延情報)を登録します。いわゆるブラックリストに載ることです。

ブラックリストに載ると、新たな借入やカード発行が困難になります。既存のカードの利用代金を支払っている場合でも、限度額の減額や利用を停止される可能性があります。

関連記事
任意整理や自己破産を検討していて、インターネットで調べていると、信用情報機関に事故情報が載るというような記事を見かけることがあると思います。 いわゆるブラックリストに載ると言われるものです。 この記事では、その信用情報機関とは何か、また、3...
関連記事
よく「債務整理をするとブラックリストに載ってしまい、借入ができなくなる」と言われています。 しかし実際に「ブラックリスト」というものが存在するわけではありません。 債務整理をした内容により「個人信用情報」としてその事実は登録され、「信用情報...

裁判や差し押さえを受ける

借金の滞納を継続すると、債権者が法的手続きに移ることがあります。給与や預金が差し押さえられると、生活に様々な影響を及ぼします。

関連記事
「ある日突然、裁判所から通知が届き、給与が差し押さえられてしまった!」 何の前触れもなく給与を差し押さえられるイメージを持っている方もいらっしゃいます。 しかし、実際は、差し押さえまでの間にいくつかのステップがあります。給与差し押さえの流れ...

連帯保証人に迷惑をかける

債務者が返済を滞納すると、債権者は保証人に対し残金の一括払いを請求します。保証人が支払えない場合、保証人の財産が差し押さえられるおそれもあります。

関連記事
任意整理を検討する方の中には、保証人への影響を懸念している方も少なくありません。 任意整理は、裁判所を通さず、債権者と債務者の交渉により返済方法を変更する手続きです。交渉の相手方を自由に選べる点で、個人再生や自己破産より保証人への影響が少な...

家族や会社に借金がバレる

家族や会社に借金がバレるきっかけには、以下のようなものがあります。

  • 債権者からの督促
  • 裁判所からの通知
  • 口座の凍結
  • その他滞納により生じる事由

借金を踏み倒したら詐欺罪になる?

借金には返済の義務があります(闇金の貸付を除く)。返済義務は民法上の責任であるため、踏み倒しても原則刑罰はありません。

ただし、次のようなケースでは、その事実が裁判で立証されると懲役10年以下の詐欺罪に該当する可能性があります。

  • 返すつもりがないのに借りた
  • 与信を得るために、収入を過大に、または、借入額を過小に申告して借りた

返すつもりもなくお金もないのに借金をして意図的に踏み倒す行為は、自己破産する場合も問題となります。

借金を踏み倒さずに解決する方法

債務整理をすれば合法的に借金を解決することができます。種類ごとに説明します。

関連記事
債務整理(さいむせいり)とは、借金問題を解決するための手続きです。債権者と債務者が以下のような点を話し合います。 債務の減額もしくは免除 支払い期間・月額の調整 債務整理をすると、借金が軽減・免除されるので、取り立てや返済に苦しむ生活から解...

債務整理を検討する

①任意整理

任意整理は、利息をカットし返済額を減額する手続きです。債権者と交渉をして返済の条件を決めます。

元金は減額されないため、借金額が大きい人には向きませんが、債権者の合意さえ得られれば最小限のリスクで借金を減額できます。

関連記事
任意整理とは、従前の返済方法を変更し、3~5年をかけて借金を分割返済する手続きです。 債権者と直接交渉をし、返済の方法を決めていきます。 この記事では、任意整理できる条件を具体例とともに解説します。 任意整理ができない場合の解決方法も併せて...
関連記事
消費者金融からの借入やクレジットカードでのキャッシングが膨らみ返済が難しくなってしまったら、抜本的な解決が必要です。 借金問題の解決方法には裁判所が関係する「法的整理」と、借主側と貸主で任意で話し合って解決する「任意整理」の2種類があります...

②特定調停

特定調停は、簡易裁判所の調停委員会が債務者と債権者との間に立って、返済方法を調整する制度です。調停を成立させるためには、債権者の理解と協力が不可欠です。

関連記事
任意整理と特定調停は、借主(債務者)と貸主(債権者)が返済について話し合う点で共通しています。しかし、それぞれ違う特徴もあります。 この記事では、次の点をわかりやすく解説します。 任意整理・特定調停とは 任意整理と特定調停の違い 任意整理と...

③自己破産

自己破産は、裁判所の手続きにより、すべての借金(非免責債権を除く)返済義務を免除してもらう制度です。ただし、一定の財産以外は処分されることがあります。

関連記事
自己破産は借金の返済義務を免除する制度です。しかし、利用にはいくつかの条件があり、自己破産をすれば必ず借金を免除してもらえるわけではありません。 この記事では、主に次の点を解説します。 自己破産手続き開始に必要な条件 自己破産で免責を受ける...
関連記事
自己破産は、次の2つの手続きから成り立っています。 破産手続:破産者の財産をお金に換えて債権者に公平に分配する手続き 免責手続:法律上の支払義務を免除して破産者の経済的な更生を助ける手続き 自己破産で借金の支払義務の免除されるためには、免責...
関連記事
自己破産をすると、その後の人生にどのような影響があるのでしょうか? この記事では、自己破産後の生活に影響することとしないことを解説します。 自己破産後のリスクを具体的に把握するためにご参考ください。 目次1 自己破産後に起きること1.1 ブ...

④個人再生

個人再生は、裁判所を利用して借金を減額する手続きです。

減額率は任意整理に比して高く、概ね5分の1に圧縮した借金を原則3年間(最長5年間)で支払います。

マイホームを残したい方も利用できます。

関連記事
個人再生は、民事再生法に基づく手続きで、個人(個人事業主を含む)だけが利用できます。個人再生には、小規模個人再生と給与所得者等再生の2つの手続きがあります。 個人再生の利用条件(要件)は、次の3つに分かれます。 申立要件 開始要件 認可要件...
関連記事
借金問題を解決する方法の中に、個人再生と呼ばれるものがあります。 裁判所が手続きに関わる法的整理のひとつですが、任意整理と違い元金そのもののカットや将来の利息のカットが可能で、債務の削減効果は大きい手続きです。 破産と違い住宅ローン付きの自...

借金を踏み倒す前に弁護士に相談する

もし夜逃げを考えるほど悩んでいるのであれば、一刻も早く弁護士にご相談ください。

弁護士に相談することで最適な解決方法が見え、借金踏み倒しによる様々なリスクを回避できます。ご自身で時効期間がいつ満了するか分からない場合も、弁護士に相談すれば消滅時効の援用の可否を含めたアドバイスを得られるでしょう。

関連記事
お金の悩みは身近な人にはなかなか打ち明けられませんが、一人で悩んでいても多重債務問題は解決しません。 適切な相談先に相談すれば、多重債務問題の解決の糸口を見つけられるかもしれません。 複数の金融機関から借金をしていて、返済が苦しくなったとき...
関連記事
多重債務とは、複数の金融機関から借金をしていることを指します。 複数の金融機関から借入れを重ねると、返済の管理が難しくなるため、返済のための借金をする状況に陥る傾向があります。 自転車操業のような悪循環が続くと、時間が経過するほど借金が膨ら...
関連記事
債務整理の費用を一括で払えない場合は、弁護士費用の分割払いに応じている法律事務所を探すのがおすすめです。 弁護士に依頼すれば、以下のようなメリットがあります。 受任通知の送付により取り立てや督促が止まり、返済も一旦ストップできる 手続きを開...

まとめ

借金を根本的に解決し、安定した生活を確保するためには、借金から逃げることよりも債務整理を検討しましょう。

借金を踏み倒すと、ご自身のみならずご家族の生活にも多大な影響を及ぼします。

弁護士に依頼することで、経済的な負担はもちろん心理的な負担も軽減できます。

相談無料。取立てストップ。借金問題は弁護士の力で解決・減額できます! お困りの方は今すぐご連絡ください。

0120-949-229
メール相談フォームはこちら