多重債務の相談先8つ|相談をスムーズに進めるためのポイントも解説
お金の悩みは身近な人にはなかなか打ち明けられませんが、一人で悩んでいても多重債務問題は解決しません。
適切な相談先に相談すれば、多重債務問題の解決の糸口を見つけられるかもしれません。
複数の金融機関から借金をしていて、返済が苦しくなったときは、誰に相談すればいいのでしょうか?
この記事では、多重債務問題の相談先や無料相談を活用するコツなどについて解説します。
多重債務の相談先8つ
ここでは、多重債務問題を相談できる専門家や公的機関等を8つ紹介します。
弁護士
弁護士は、法律事務全般を取り扱う法律家です。多重債務問題についても法律的な観点からの専門的なアドバイスが行えます。
弁護士に相談できること
弁護士には、主に以下の事項を相談できます。
- 借金の返済が苦しくなってきたが、債務整理すべきか自分で判断できない
- 債務整理を検討しているが、どの手続きを選べばよいか分からない
- 債務整理の各手続きの概要やメリット・デメリットを知りたい
- 多重債務で住宅ローンの返済が難しいが、家を残して借金を整理したい
- 消費者金融への返済のために高利貸し(闇金)からお金を借りてしまった
- 債権者から訴訟を起こされた、財産を差し押さえられた
- 債務整理をしたら、どの程度借金が減額されるのか知りたい
- 多重債務に陥っていることを周囲に知られずに解決したい
- 債務整理によって生活にどのような変化が生じるのか知りたい
弁護士への相談がおすすめのケース
債務整理を検討しているなど、多重債務問題の解決に向けて具体的なアクションを起こしたい人におすすめの相談先です。
無料相談を積極的に利用して多重債務問題をどのように解決すれば良いか、弁護士からアドバイスを受けましょう。
司法書士
司法書士の基本的な業務は、不動産登記や供託、法的機関に提出する書類の作成代行などです。多重債務問題については、以下の範囲で対応できます。
- 自己破産・個人再生の申立書類の作成代行・資料収集サポート
- 債権者1社あたり元金140万円以下の任意整理交渉(認定司法書士のみ対応可)
司法書士に相談できること
司法書士及び認定司法書士には、主に以下の事項を相談できます。
- 債務整理を依頼すると費用がいくらかかるのか知りたい
- 債務整理の各手続きの概要やメリット・デメリットを知りたい
- 自己破産や個人再生の申立書類を自分で作成できる自信がない
- 債務整理によって生活にどのような変化が生じるのか知りたい
司法書士への相談がおすすめのケース
司法書士事務所は、以下に該当する方におすすめの相談先です。
- 1社につき元本140万円以下の借金の任意整理を検討している
- 自己破産や個人再生を自分でしたいが申立書類の作成等に不安を感じている
各地の弁護士会法律相談センター
各地の弁護士会は、法律に関する総合相談所として法律相談センターを運営しています。弁護士会館をはじめ、全国約300か所で法律相談や弁護士の紹介業務が実施されています。
相談料は法律相談センターによって異なりますが、無料相談や電話相談に対応しているセンターもあります。
法律相談センターに相談できること
法律相談センターでの相談時間は、概ね30分です。時間が限られているため、個別具体的なアドバイスが受けられるとは限りませんが、以下のような事項を相談できます。
- 多重債務問題の一般的な解決方法や手続きの流れを知りたい
- 弁護士に多重債務問題の解決を依頼した方がよいかどうか
- 弁護士に債務整理を依頼するとどのくらいの費用がかかるか
法律相談センターへの相談がおすすめのケース
法律相談センターは、これまで一度も弁護士などに相談したことがない方や自分で弁護士を探せない方におすすめの相談先です。
貸金業相談・紛争解決センター(日本貸金業協会)
日本貸金業協会は、貸金業務に関連する借入れや返済の相談、貸金業者の業務に対する苦情や紛争解決窓口として、貸金業相談・紛争解決センターを運営しています。
借金の原因や相談者の状況に応じて、以下のような対応を行っています。
- 多重債務問題の解決方法についての助言・情報提供
- 再発防止を目的としたカウンセリング・家計管理の実行支援
- 他の相談機関の紹介
- 貸金業者の業務に関する苦情に関わる内容の調査
- 貸金業者への業務の改善・解決要請
貸金業相談・紛争解決センターに相談できること
日本貸金業協会では、主に以下の事項を相談できます。
- 借金の返済が苦しいがどうしたらよいかわからない
- 闇金からお金を借りてしまって取り立てに悩んでいる
- 浪費やギャンブル等の依存症で自分や家族の生活に支障を生じさせるおそれがある
- 約定どおりの返済を続けられるように家計収支の改善を図りたい
- 紛争解決手続き(ADR)を利用したい
貸金業相談・紛争解決センターへの相談がおすすめのケース
日本貸金業会は、多重債務問題の解決だけでなく、借金の原因となる悪習慣(ギャンブルや浪費等)を克服したい人におすすめの相談先です。
日本クレジットカウンセリング協会
日本クレジットカウンセリング協会は、クレジットカードや消費者ローンを複数利用している方に対して、消費者保護の立場から公正・中立なカウンセリングを行っている公益財団法人です。
協会では、家計再建のためのカウンセリング、協会による任意整理などが無料で提供されています。
日本クレジットカウンセリング協会に相談できること
日本クレジットカウンセリング協会には、主に以下の事項を相談できます。
- 複数のクレジットカードやキャッシング利用でできた借金の解決方法を知りたい
- 協会による無料の任意整理が利用できるかどうか知りたい
- 個人再生や自己破産でしか解決できない場合は弁護士を紹介して欲しい
- 家計を立て直すためのカウンセリングを受けたい
日本クレジットカウンセリング協会への相談がおすすめのケース
日本クレジットカウンセリング協会は、家計カウンセリングを受けながら無料で多重債務問題を解決できる方法を探りたい方におすすめの相談先です。
消費者生活センター
消費生活センター(国民生活センター)では、多重債務や闇金からの借入れに関する相談を含む消費生活全般に関する相談を、専門の相談員が無料で受け付けています。
消費者生活センターに相談できること
消費者生活センターでは、主に以下の事項を相談できます。
- 多重債務問題をどのような専門家・機関に相談すれば良いか
- 多重債務などの借金問題の一般的な解決方法を知りたい
- 闇金から借金してしまい、取り立てに対する対応に悩んでいる
- 悪質商法に引っかかり、多額の借金を抱えてしまった
- 利用している消費者金融が闇金かどうか知りたい
消費者生活センターへの相談がおすすめのケース
消費者生活センターは、具体的な解決策を知りたい方ではなく、簡単な相談やアドバイスを求める方におすすめの相談先です。
日本司法支援センター(法テラス)
法テラスとは、国が設立した法的トラブル解決のための総合案内所です。法律相談や適切な相談機関の情報提供等を行っています。
収入や資産などの一定条件を満たせば、無料法律相談や弁護士費用の立て替え制度を利用できます。
法テラスに相談できること
法テラスには、主に以下のような事項を相談できます。
- 多重債務問題の一般的な解決方法を知りたい
- 多重債務問題をどの専門家・機関に相談するのが適切なのか知りたい
- 多重債務問題の解決を弁護士や司法書士に依頼したいが費用を払えない
- なるべく安い費用で債務整理したい
法テラスへの相談がおすすめのケース
法テラスは、多重債務問題についてどこに相談すればよいかわからない方や収入や資産がなく専門家への依頼にお困りの方におすすめの相談先です。
地方自治体の法律相談
各地方自治体では、地域に居住している方が利用できる無料法律相談が定期的に実施されています。相談時間は30分程度なので、個別具体的なアドバイスは望めませんが、お住まいの地域で気軽に弁護士に相談できます。
地方自治体の法律相談に相談できること
地方自治体が主催する無料法律相談では、主に以下の事項を相談できます。
- 借金問題の解決方法にはどのような手続きがあるか
- 借金問題の解決を弁護士に依頼すべき状況はどんなときか
- 債務整理の各手続きのメリット・デメリットを知りたい
- 弁護士に債務整理を依頼した場合の費用相場を知りたい
地方自治体の法律相談への相談がおすすめのケース
地方自治体が主催する無料法律相談は、お住まいの地域で無料相談を受けたい方や多重債務問題の一般的な疑問を弁護士に無料で相談したい方におすすめの相談先です。
無料法律相談の実施日や予約方法等の詳細は、お住まいの地域の自治体にお問合せください。
多重債務の相談をスムーズに進めるためにすると良いこと
ここでは、相談をスムーズに進めるために必要な準備を紹介します。
借金に関する情報をまとめる
相談前に以下の点をメモにまとめておくと、スムーズに相談を進められます。
- 借入先の名称
- 現在の借入残高
- 借入れを開始した時期
- 最後に返済した日
- 毎月の返済額
- 滞納の有無・債権者からの督促の有無
- 保証人の有無
- 訴訟や強制執行の有無
収支や家計の状況を整理する
現在の収入や家計状況を整理してメモにまとめておきましょう。
最低限必要な生活費(月額)や収入の範囲で無理なく返済できる金額(月額)も割り出すとよいでしょう。
聞きたいことをメモする
限られた時間の中で効率的にアドバイスを受けるために、事前に相談内容や質問事項等を整理して、要点をまとめたメモを持参しましょう。
念のため身分証明書や認印を持参する
弁護士への依頼を前提に相談する場合は、身分証明書や認印を持参すると委任契約をスムーズに進められます。
多重債務の相談時に聞かれること
ここでは、多重債務問題の相談時に聞かれる一般的な事項を紹介します。
現在の収入
相談者の現在の収入や職歴、退職・転職の予定の有無などを聴き取ります。
これは、返済を前提とする手続き(任意整理・個人再生)を解決の選択肢に含められるかどうかを確認するためです。
借入れ・返済の状況
相談者の借金の状況を正しく理解するために以下の事項を質問します。
- 借入件数
- 借入総額
- 借入先の名称
- 各借入先の借入残高
- 月々の返済総額
- 保証人の有無
- 所有権留保特約の有無
- 支払督促・訴訟や強制執行の有無
家計の状況
相談者の家族構成や家計の状況を聴き取ります。
借入先が増えた理由・返済が難しくなった理由
どのような原因で借金を作ったのか、返済が難しくなったのはどのような理由かを聴き取ります。原因・理由に応じて、相談者の生活再建のために必要なアドバイスを行います。
換価価値のある財産の有無
お金に換えれば借金の返済にあてられる程度の財産があるかどうかを確認します。
具体的には、主に以下の内容を聴き取ります。
- 預貯金・現金の残高
- 株式・投資信託等の有価証券の有無
- 所有不動産の有無
- 所有車両の有無
- 退職金債権の有無
- 生命保険契約の有無
多重債務を弁護士に相談するメリット
ここでは、多重債務問題を弁護士に相談するメリットを解説します。
自分に適した解決方法を提案してもらえる
債務整理には、主に以下の3つの手続きがあります。
- 任意整理
- 個人再生
- 自己破産
どの手続きが適しているかは、借金の総額や収入・資産の状況によって異なります。
弁護士に相談すれば、ご自身の状況に合わせたベストな解決方法を提案してもらえます。
最短即日で債務整理を依頼できる
相談した弁護士に依頼することを決断すれば、最短で相談当日に債務整理を依頼できます。
債務整理を依頼すれば取り立てが止まる
弁護士に債務整理を依頼すれば、受任通知の送付により、債権者からの取り立てや督促を止められます。
返済も一旦停止できるので、返済に追われない日常を取り戻せて、仕事や生活再建に専念できます。
家族や友人にバレずに解決できる可能性がある
弁護士への依頼後は、弁護士が債権者や裁判所からの連絡の窓口になってくれます。
債権者や裁判所からの電話や郵便により家族や友人にバレるリスクを軽減できます。
交渉や煩雑な事務手続きを任せられる
債務整理では、様々の書類の収集・作成が必要です。
弁護士に依頼すれば、自分でするよりも迅速かつ正確に書類を収集・作成できるので、記載ミスや書類漏れにより手続きが停滞するリスクも軽減できます。
事務手続きだけでなく債権者との交渉や裁判所とのやり取りも任せられます。個人再生や自己破産では、裁判官との面接などにも同行してもらえるため、時間的な負担だけでなく精神的な負担も軽減できます。
まとめ
お金の悩みを誰かに相談することは勇気のいることかもしれません。
しかし、多重債務問題を一人で解決するのは困難です。一歩を踏み出すことで、解決の道筋が見えて事態が好転することもあります。
ネクスパート事務所では、無料法律相談や弁護士費用の分割払いに対応しております。
多重債務にお悩みの方は、ぜひ一度当事務所にご相談下さい。
※なお、当事務所では法テラスの民事法律扶助制度の利用を希望される方からのご相談は現在受け付けておりません。