浮気した旦那から離婚したいと言われたとき、妻はどうすればいいでしょうか。浮気した旦那に落胆しつつもすぐに離婚を受け入れるのは難しいかもしれません。必ずしも離婚に応じる必要はありませんが、離婚を頑なに拒否するだけでは対応が不十分です。ここでは、浮気した旦那から離婚したいと言われた際、妻が離婚したくない場合にするべきことと、離婚に応じる場合に取るべき対応についてご紹介します。

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浮気した旦那から離婚したいと言われたときに考えること

まだ夫に対して愛情があったり、収入面で離婚後の生活が不安だったりすると離婚は避けたいと思うかもしれません。夫から離婚したいと言われたときは、気持ちの整理をつけるために次の2つについて考えてみましょう。

離婚するかしないか

後述しますが、離婚の原因を作った側からの離婚の申し出は裁判上、原則認められていません。つまり、浮気された側が離婚したくなければ拒否してもいいのです。離婚に応じるか応じないかの決定権は浮気された妻側にあるので、かねてより旦那に対して不満を持っていたところ、これを機に離婚することもできます。

慰謝料を請求するのか

浮気相手が夫が既婚者であることを認識していた場合、浮気相手に対しても慰謝料を請求できます。浮気相手を特定し、旦那と浮気したことがわかる証拠を用意して慰謝料請求をしましょう。慰謝料請求をすることで事の重大さに気づき、浮気相手との関係を早く断ち切る効果も期待できます。

なお、浮気された妻は旦那に対しても慰謝料を請求できます。離婚してもしなくても慰謝料を請求できますが、一般的に離婚した方が慰謝料の金額が増える傾向にあります。

浮気相手だけに慰謝料請求する方法と慰謝料の相場

浮気した旦那と離婚したくない場合の対処法

浮気した旦那から離婚したいと言われたとき、妻が知っておくべき知識ととるべき行動をご紹介します。

有責配偶者からの離婚請求は原則認められない

法律上、夫婦が離婚する原因を作った方の配偶者を「有責配偶者」といいます。裁判例では、有責配偶者からの離婚請求は原則として認めていません。ただし、例外として「夫婦関係がすでに破綻していた場合」や「浮気と離婚の因果関係がない場合」は離婚が認められることがあります。有責配偶者からの離婚請求が認められる条件は以下の3つです。

①浮気する前から夫婦関係が破綻していた

旦那が浮気する前からすでに夫婦関係が冷え切っていたケースです。夫婦関係が破綻してから夫が浮気するようになった場合、浮気が離婚の直接的な原因ではないため、有責配偶者からの離婚請求が認められることがあります。

②夫婦どちらにも同程度の責任がある

夫婦関係が破綻した原因を作ったのが浮気した旦那だけでなく、妻側にもある場合、夫からの離婚請求が認められる可能性があります。例えば、妻側に浪費癖があり家族を困窮させた、あるいは夫に対して暴力を振るったりモラハラ発言があったりした事例がこれにあたります。

③別居期間が相当に長期間に及び、かつ未成熟の子どもがいない場合

「相応に長期間」がどの程度の期間か、同居期間とも比較する必要があるので、具体的な事例によって異なります。裁判例を見ると別居期間8年で離婚を認めたケースと認めなかったケースがあるので10年くらいが目安と言えるでしょう。

未成熟の子どもの有無については、離婚によって子どもの経済的状況が悪化し、子の福祉を害するおそれがある場合に離婚が認められないことがあります。ただ、未成熟の子どもがいることが離婚請求を認める直接的な理由にはなりにくいかもしれません。

このように、婚姻生活を続けていても夫婦関係が改善する見込みがなく、実質的に夫婦関係が破綻した状態である場合に離婚が認められています。これは戸籍上の婚姻関係を続けていても本人や周囲の人に対しても利益がないという判断によるものです。上記の例外がなければ有責配偶者からの離婚請求は原則認められないので、離婚したくなければ応じなくても構いません。

有責配偶者とは|有責配偶者になる原因と離婚できるケース

離婚届を勝手に出されないよう不受理申し出をする

本来、離婚届は夫婦ともに離婚に合意した時に提出するものですが、早く離婚したい夫が勝手に離婚届を提出してしまうことがあります。これを防ぐために「離婚届不受理申出書」を利用しましょう。離婚届不受理申出書が提出されているうちは、旦那が勝手に離婚届を提出されても離婚が成立することはありません。なお、離婚が決まった場合は離婚届不受理申出書を提出した本人が取り下げてから離婚届を提出しましょう。

参考:不受理申出 – 新宿区

別居は避ける

離婚を切り出されたものの拒否され、家に居づらくなった夫が出て行ってしまうことがあります。しかし、離婚したくなければ別居は避けた方がいいです。なぜなら先述した通り、別居期間が長期にわたると裁判では離婚を認めてしまうためです。旦那の気持ちが妻から離れてしまうことにもなるので、妻は旦那が自宅に戻りたくなるような環境を整えると良いでしょう。

浮気相手との関係を早く断ち切る

離婚せず再構築を選ぶ場合、夫婦関係を修復する必要があります。妻側だけの努力だけでは関係修復は難しく、夫には浮気相手と別れてもらわなければなりません。浮気相手と別れてほしいとき、旦那に対して浮気を責めたり強気な態度で接したりするのはやめた方がいいでしょう。

「やっぱり浮気相手がいい」と夫の気持ちが浮気相手に傾いてしまうためです。あくまで妻である自分に向き合ってもらうために、浮気相手との関係を断ち切ってもらいましょう。

妻の浮気が発覚したときに取るべき3つの行動と離婚の流れ

浮気した旦那と離婚する場合の対処法

浮気した旦那に離婚したいと言われ、妻側も離婚を希望する場合、離婚に向けて準備をします。離婚の際に準備しておくべきことをご紹介します。

慰謝料請求するために証拠を集める

旦那の浮気で慰謝料を請求する場合、浮気相手と性的な関係があったことを証明できる証拠を準備しましょう。「LINEで頻繁に連絡していた」「キスしているところを見た」だけでは浮気の証拠としては弱く、ホテルに出入りする写真や動画が必要です。

ただ、こうした証拠を自力で用意するのは至難の業です。そのため、多少お金がかかりますが興信所や弁護士などの専門家に相談するなどして確固たる証拠を用意することをおすすめします。

浮気・不倫の慰謝料請求で有効な証拠|LINEやメールだけでも請求できる?

希望する離婚条件を考える

本来なら認められない有責配偶者からの離婚を認める以上、できるだけこちらに有利に進めたいものです。慰謝料や財産分与、居住地や子どもの養育費、面会交流など、希望する条件をある程度まとめてから離婚の話し合いをしましょう。

離婚の慰謝料相場|年収との関係や請求できないケースとは

離婚条件がまとまったら公正証書に残す

離婚の話し合いにより、夫婦で合意した条件を「離婚協議書」として書面にまとめます。ただし、離婚協議書は法的な効力が弱いため、最終的には離婚協議書を公正証書として残しておくことをおすすめします。

公正証書にすれば、万が一養育費などの支払いが滞ったときに強制執行で相手の財産を差し押さえできます。私的な文書に法的効果を持たせることができる点でもメリットが大きいので、必ず公正証書に残しておきましょう。

離婚協議書とは|離婚協議書の書き方や記載すべき内容
離婚協議書を公正証書にする方法と作成費用

浮気した旦那から離婚したいと言われたら弁護士に相談

こうした状況に置かれた妻は、浮気した旦那の気持ちをどう取り戻すのか、自分はどうしたらいいのかと精神的につらくなるものです。冷静な判断ができなくなり、結論が出せないという方は弁護士に相談することも視野に入れましょう。

「離婚もしないのに弁護士なんて」と思われるかもしれませんが、慰謝料の請求や旦那との話し合いで折り合いがつかないときなど、夫婦間のトラブルが起きた時は離婚に強い弁護士が頼りになります。妻が離婚をしたくなくても夫から離婚したいと言われたときは離婚に詳しい弁護士に相談することをおすすめします。

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まとめ

浮気した旦那から離婚したいと言われた時に妻がとるべき対応についてご紹介しました。一度気持ちの離れた旦那と復縁をするのは相当な時間がかかりますし、精神的な負担は相当に大きなものです。「これからどうしたらいいのかわからない」という方は、離婚に詳しい弁護士に相談しましょう。数多くの離婚問題を解決した弁護士が、お客様の事情を踏まえて適切なアドバイスをさせていただきます。