慰謝料請求の交渉中に、相手の弁護士から突然、辞任の連絡が来るケースも少なくありません。
「なぜ辞任したのか?」「今後どのように進めていけばよいのか?」
相手の弁護士の辞任により、今後のことを不安に思う方もいるかもしれません。
この記事では、主に次のことについて解説しています。
- 相手の弁護士が辞任した理由
- 相手の弁護士が辞任した後のケース別対応方法
- 相手の弁護士が辞任したことであなたに及ぶ影響
ぜひ参考にしてください。
目次
相手の弁護士が辞任!考えられる理由は?
相手の弁護士が辞任した理由として、次の4つが挙げられます。
- 信頼関係が失われた
- 長期間に渡り連絡が取れない
- 弁護士費用の不払いが生じた
- 弁護士本人に健康上の問題がある
以下、詳しく見ていきましょう。
信頼関係が失われた
信頼関係が失われた場合です。
弁護活動において、依頼者との信頼関係は重要です。
弁護士が信頼関係を築けないと判断した場合には、辞任する可能性があります。
信頼関係が失われる行動として、次のようなケースが挙げられます。
- 法的観点を無視した主張・要望を続ける
- 嘘を付く
- 直接相手方本人に対し連絡を取る
- 証拠等指示した書類の提出がされない
- 解決方針が二転三転する
一概には言えませんが、上記のような行動が繰り返し行われたため、辞任した可能性が考えられます。
長期間に渡り連絡が取れない
長期間に渡り連絡が取れない場合です。
弁護士は依頼者の代理人として動くため、依頼者と連絡が取れないと、交渉を進められません。
長期間に渡り依頼者と連絡が取れないために辞任した可能性があります。
弁護士費用の不払いが生じた
弁護士費用の不払いが生じた場合です。
着手金の支払いがなされない・今後も支払われる見込みがないとして辞任した可能性が考えられます。
ただし、通常は、費用の支払い後に受任通知が送られるため、このケースはあまり考えられないでしょう。
弁護士本人に健康上の問題がある
弁護士本人に健康上の問題がある場合です。
弁護士本人が病気等によりやむを得ず辞任するケースもあります。
相手の弁護士が辞任した後のケース別対応方法
相手の弁護士が辞任した後のあなたの対応方法について、次の2パターンに分けて見ていきましょう。
- 新しい弁護士に依頼する場合
- 相手本人が対応する場合
①新しい弁護士に依頼する場合
相手が新しい弁護士に依頼する予定の場合は、新しい弁護士からの受任通知を待ちましょう。
新しい弁護士からの受任通知が来たら、その弁護士とやり取りを開始します。
相手が「新しい弁護士に依頼する。」と言ってから、しばらく経っても何らの連絡もない場合には、弁護士に依頼していない可能性もあるので、相手本人に連絡を取ることをおすすめします。
②相手本人が対応する場合
相手が新しく弁護士に依頼する予定がない場合は、今後は相手本人と直接やり取りをする必要があります。
本人同士の示談交渉は、電話やメール、書面等で話し合いを進めるほか、直接会って話し合いをする方法もあります。
相手の弁護士が辞任したことであなたに及ぶ影響
相手の弁護士が辞任したことで、あなたに対して次のような影響が及ぶ可能性があります。
- 示談交渉が一からやり直しになる可能性
- 以前よりも不利な条件を提示される可能性
- 本人同士の交渉だと難航する可能性
- 相手本人と連絡が取れない可能性
- 裁判中の辞任の場合は裁判が一時的にストップする可能性
以下、詳しく見ていきましょう。
示談交渉が一からやり直しになる可能性
示談交渉が一からやり直しになる可能性があります。
前の弁護士との間で、ある程度金額や条件面の折り合いがついていた場合でも、方針変更等を理由に一からの話し合いになる可能性があります。
新しい弁護士との交渉の場合には、再度同じ主張や証拠の提出を求められる場合もあるでしょう。
以前よりも不利な条件を提示される可能性
以前よりも不利な条件を提示される可能性があります。
前の弁護士と依頼者とが示談の条件等で意見が合わず辞任したケースでは、前の弁護士が提示した条件は変えてくるでしょう。前の弁護士と新しい弁護士とで適切な慰謝料や妥当な示談条件の考えが異なる可能性もあります。
以前の話し合いよりも不利な条件を提示される可能性があるでしょう。
本人同士の交渉だと難航する可能性
本人同士の交渉だと難航する可能性があります。
一般的に、本人同士の交渉は感情的になる傾向にあります。
弁護士によって、これまで塞き止められていた相手本人の感情が直接あなたに向けられ、あなたが冷静になろうと努力しても、難しい場面が出てくるかもしれません。
前の弁護士との交渉では、弁護士がある程度あなたの気持ちをくみ取ってくれたり、折り合いのつく条件を模索してくれたりしていた可能性もあります。
本人同士の交渉になることで、話し合いが長引く可能性があるでしょう。
相手本人と連絡が取れない可能性
相手本人と連絡が取れない可能性があります。
弁護士の辞任理由が長期間に渡る音信普通のケースでは、あなたも相手本人と連絡が取れない可能性が高いです。
相手本人と連絡が取れなければ、今後慰謝料請求を進められない可能性があります。
裁判中の辞任の場合は裁判が一時的にストップする可能性
裁判中の辞任の場合は裁判が一時的にストップする可能性があります。
裁判中に相手の弁護士が辞任した場合、相手の申し出により、期日変更がされる場合があります。
裁判官により判断が異なりますが、新しい弁護士を探すのに時間が掛かっているケースでは、次回期日が取り消される場合もあります。相手が新しい弁護士を探すまで待つ形になるでしょう。
裁判官によっては、数か月待つケースもあります。
裁判中に相手の弁護士が辞任すると、裁判期間が延びる可能性が高いでしょう。
相手の弁護士が辞任=あなたに有利になるとは限らない
相手の弁護士が辞任したからあなたに有利になるとは限りません。
相手の弁護士が辞任したのは、勝てる見込みがないからだと考える方もいらっしゃるでしょう。
しかし、弁護士が勝てる見込みがないから辞任するケースはあまりありません。弁護士は、勝ち負けではなく、依頼者の納得する範囲での解決を模索するからです。
相手の弁護士が辞任したから、自分が勝てるのだと安易に考えることはおすすめしません。むしろ、相手の弁護士が辞任したことで、交渉が難航する可能性もあるでしょう。
今まで交渉がスムーズに進んでいたのは、相手が弁護士をつけていたからの可能性も否めません。話し合うべき条件や妥当な落とし所を、相手に弁護士が、過去の判例等を用いながら丁寧に説明してくれていた場合もあるでしょう。
しかし、相手の弁護士が辞任した以上、相手が新しく弁護士に依頼しない限り、話し合うべき条件の検討や過去の判例調べ等、法的な側面も含めて全て本人同士で検討しなければいけません。
相手本人に話し合いに応じる姿勢がなければ、スムーズな慰謝料獲得は難しいでしょう。
したがって、相手の弁護士が辞任しても有利になるとは限らないでしょう。
相手の弁護士が辞任したことで不安を感じたら弁護士にご相談を!
相手の弁護士が辞任したことで、交渉が難航するケースも多々あります。
- 相手本人との交渉が上手く進められない
- 以前よりも不利な条件を提示され適切な和解条件がわからない
このような場合には、一度あなたも弁護士に相談することをおすすめします。
弁護士が辞任する理由は様々ですが、相手本人の不誠実な対応が原因の可能性もあります。そのような相手に対し、ご自身一人で対応するのは難しい場合があります。
弁護士に依頼すれば、毅然とした態度であなたの納得いく解決に導いてくれるでしょう。
連絡を無視する・話し合いに応じない相手であれば、裁判への移行も検討します。
裁判をご自身で行うのは精神的にも労力的にも負担がありますが、弁護士に依頼すれば、裁判手続きの準備や期日への出席も任せられます。
相手の弁護士が辞任したことで不安がある方は、ぜひ一度弁護士に相談することをおすすめします。
まとめ
相手の弁護士が辞任した理由は様々ですが、一般的には、次の理由が挙げられます。
- 信頼関係が失われた
- 長期間に渡り連絡が取れない
- 弁護士費用の不払いが生じた
- 弁護士本人に健康上の問題がある
相手の弁護士が辞任すると、交渉が難航する可能性もあります。
適切な慰謝料を獲得したい・早期に解決したい場合には、一度弁護士に相談することをおすすめします。
ネクスパート法律事務所では、不貞問題に強い弁護士が多数在籍しています。
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