更新日:2026年2月26日 (木)

公開日:2024年9月5日 (木)

浮気相手から慰謝料を取る方法を徹底解説|証拠・手順・相場完全ガイド

浮気相手から慰謝料を取る方法を徹底解説|証拠・手順・相場完全ガイド 浮気相手から慰謝料を取る方法を徹底解説|証拠・手順・相場完全ガイド

サマリー

「浮気相手から慰謝料を取る方法が知りたい。」
「自力で請求できるのか、何を準備すればいいのかわからない…。」
こうした悩みを抱えている方は多いです。
この記事では、あなたが浮気相手から慰謝料を取るための方法を適切な手順に沿って解説します。
さらに、慰謝料を確実に取るために知っておきたい以下の情報についても解説します。

1.慰謝料請求のために必要な準備
2.慰謝料相場と金額が変動する要因
3.慰謝料を請求できないケース など

この記事を読むことで、自分の状況で浮気相手から慰謝料を取れるのかが判断でき、その後の交渉や訴訟に向けた具体的な行動プランまでわかります。

ぜひ参考にしてください。

【慰謝料請求で重要な3つのポイント|①証拠②迅速な行動③弁護士の活用】
浮気相手への慰謝料請求を成功させるために重要なのは、不貞行為(性交渉を伴う浮気)を立証する強力な証拠を揃えることです。
証拠が不十分だと、交渉が不利になり、訴訟でも敗訴するリスクが高まります。
浮気相手から慰謝料を取る方法は、①直接交渉、②内容証明郵便、③訴訟の3つがあります。相手が非を認めない場合や法的な手続きをスムーズに進めたい場合は、弁護士に相談することが、最終的な解決(慰謝料の確実な回収)への最短ルートとなる可能性が高いです。

浮気相手から慰謝料を取る方法は3つ|直接交渉・内容証明郵便・訴訟

浮気相手から慰謝料を取る方法は、次の3つです。

 

  1. 直接話し合う|迅速で費用がかからない
  2. 内容証明郵便を送る|心理的圧力をかける
  3. 訴訟を提起する|相手が応じない場合の最終手段

 

これら3つの方法は、法的強制力の有無や費用、解決までの期間などの面で異なる特徴を持ちます。

 

どの方法を選択するかは、個人の感情ではなく、手持ちの証拠の強さ相手の支払い能力、被害者が望む解決スピードなどによって、戦略的に選択する必要があります。

 

例えば、証拠が強力で、相手がすぐに謝罪・支払いの意思を示している場合は、①直接交渉が迅速な解決に向けた有力な手段の一つです。

しかし、相手が事実を完全に否認したり、示談に応じなかったりする場合は、③訴訟提起を検討する必要があります。

以下は、3つの方法を比較した表です。

請求方法 強制力 費用目安 解決までのスピード メリット デメリット
直接話し合う なし 比較的早い ・手間や費用があまりかからない
・迅速に解決できる可能性がある
・浮気相手と顔を合わせることに負担を感じる
・感情的になりやすい
・紛争を蒸し返されるリスクがある
内容証明郵便 なし 比較的早い ・証拠として残せる
・心理的圧力になる
・強制力がない
・無視された場合は次の手段(訴訟)が必要
訴訟提起 あり
(勝訴すれば強制執行可能)
遅い
(数か月~数年程度)
・勝訴すれば強制執行可能
・証拠が揃えば慰謝料獲得の可能性が高い
・時間と手間がかかる
・証拠が必須
・法的知識が必要
・和解に至らない場合は長期化のリスクがある

浮気相手から慰謝料を取る方法①|直接交渉で費用を抑えて迅速解決

まずは、直接話し合う方法です。

相手が誠意を持って応じる場合は、直接交渉が最もシンプルです。

 

電話やメール、LINE、普通郵便など何らかの方法で相手に連絡を取り、話し合いの場を設けて慰謝料の支払いを求めます。

交渉がまとまれば、後日のトラブルを防ぐために必ず示談書(合意書)を作成して完了です。

メリット

直接話し合う場合のメリットは、次の3つです。

  • 手間や費用がかからない
  • 相手が素直に応じる場合はスピーディーな解決が期待できる
  • 裁判所の基準に縛られず柔軟な解決(慰謝料額や誓約内容など)ができる

デメリット

直接話し合う場合のデメリットは、次の3つです。

  • 相手と直接話をすることに精神的負担を感じる
  • 当事者同士のため感情的になりやすい(交渉決裂しやすい)
  • 後日、「示談書を無理やり書かされた。」「脅されて仕方なく浮気を認めた。」などと紛争を蒸し返されるリスクがある
【ポイント:交渉内容は必ずメモや録音などの記録に残すこと!

後日、「言った・言わない」などのトラブルを避けるために、交渉内容は必ず記録として残しましょう。
さらに、話し合いがまとまった場合には、必ず示談書を作成しましょう。
示談書は、単に支払金額を記すだけでなく、将来的なトラブルや新たな請求リスクを排除するための重要な法的文書です。
以下では、浮気相手に対する慰謝料請求の際の示談書に盛り込む条項の一例をご紹介します。
①不貞行為の事実認定と謝罪
相手が不貞行為の事実を認める内容を含めることで、後日事実を否認するのを防ぐ証拠となります。
②慰謝料の金額・支払方法・期日
具体的な支払義務を定めます。
振込による支払いの場合には、振込手数料をどちらが負担するかも決めることをおすすめします。
③接触禁止条項
今後一切、配偶者と連絡を取らない・会わない旨を明記します(ただし、職場の同僚同士など業務上やむを得ない接触は除きます。)。
④違約金条項
接触禁止の約束を破った場合のペナルティを定めることで、再発防止につながりやすくなります。
⑤求償権の放棄
浮気相手から配偶者に対する求償権を放棄させる合意を明記します。
配偶者との婚姻生活を継続する場合には、この求償権が行使されると問題が家庭内に戻ってくるため、重要な条項の一つです。
求償権の放棄について、詳しくは「求償権放棄とは?放棄させるメリット・デメリットをわかりやすく解説」の記事をご参照ください。
⑥清算条項
本示談書に定めた事項以外に、お互いに債権債務がないことを確認し、将来の追加請求を防ぎます。
示談書について、詳しくは「不倫の示談書の書き方と自分で作成する際の注意点【テンプレート付】」の記事をご参照ください。

浮気相手から慰謝料を取る方法②|内容証明郵便で心理的圧力をかける

内容証明郵便を送る方法です。

慰謝料の請求意思や金額、支払期限などを明記した書面を作成し、内容証明郵便として相手に送付します。

期限までに相手からの応答がない場合や、交渉が決裂した場合は、最終的に別途訴訟を提起する必要があります。

内容証明郵便には、いつ・誰に対して・どのような内容の書面を送ったかを郵便局が証明してくれる点に特徴があります。

相手が電話やメール、LINEによる交渉を無視する場合や法的な記録を残したい場合に有効です。

さらに、浮気相手への慰謝料請求を弁護士に依頼し、弁護士名義で内容証明郵便を送付することで、相手への心理的圧力が増す傾向があります。

メリット

内容証明郵便を送る場合のメリットは、次の3つです。

  • 慰謝料請求の意思表示を証拠として残せる
  • 電話やメールなどよりも何らかのアクションを起こしてくる可能性が高い(心理的圧力になる)
  • 裁判所の基準に縛られず柔軟な解決(慰謝料額や誓約内容など)ができる

デメリット

内容証明郵便を送る場合のデメリットは、次の2つです。

  • 内容証明郵便自体に法的強制力はない
  • 無視された場合は次の手段(訴訟)が必要になる

不倫慰謝料の内容証明郵便の一般的な記載例【テンプレート】

不倫慰謝料の内容証明郵便は、次のような形で作成されるのが一般的です。

【ポイント:内容証明郵便の記載内容は簡潔に!
内容証明郵便には、簡潔かつ事実のみを記載しましょう。
具体的には、不貞行為の事実、請求の根拠、請求金額、支払期限などを明確に記す必要があります。
感情的な文面は避け、あくまで法的な請求書として送付することが重要です。

浮気相手から慰謝料を取る方法③|訴訟で確実に回収する

訴訟を提起する方法です。

相手が全く応じない場合や、請求額で合意に至らない場合には、訴訟を提起する方法が最終手段となります。

メリット

訴訟を提起する場合のメリットは、次の2つです。

  • 証拠が揃っていれば慰謝料請求が認められる可能性が高い
  • 勝訴すれば判決に基づき相手の給料や預貯金などの差し押さえ(強制執行)が可能です。もっとも、強制執行には相手の財産や勤務先の特定が必要であり、必ず全額を回収できるとは限りません。

デメリット

訴訟を提起する場合のデメリットは、次の4つです。

  • 解決までに半年~1年以上かかる場合もある
  • 客観的で厳格な証拠が必要
  • 必要書類の準備や裁判への出廷の手間がかかる
  • 法的な知識が必要

【ポイント:訴訟はどう進む?
訴訟を提起すると、以下のプロセスを経て解決に至ります。
①訴状の提出
裁判所に不貞行為の事実、請求の根拠、請求金額などを記載した訴状を提出します。
②答弁書の提出
相手から訴状に対する反論(答弁書)が提出されます。
③口頭弁論期日
裁判官の前で当事者双方の主張や証拠を提出し、審理が進められます。
④証拠調べ・尋問手続
証拠の取調べが行われ、必要に応じて当事者や証人に対する尋問が行われます。
⑤和解勧告
裁判所から和解の提案が行われることがあります。和解が成立した場合、裁判所が作成する和解調書は判決と同じ法的効力を持ちます。
和解による解決を目指す方も多くいます。
⑥判決
和解に至らない場合、裁判所による最終的な判断(判決)が下されます。
訴訟手続きは、証拠の整理や法的な主張の組み立て、期日への対応が必要となるため、解決までに半年から数年を要します。
訴訟の詳しい流れや訴状の書き方について、詳しくは「不貞慰謝料請求の訴状の書き方|初めての人向け記入例と作成の注意点」の記事をご参照ください。

浮気相手から慰謝料を確実に取るために済ませるべき2つの準備

浮気相手に対する慰謝料請求を成功させるためには、①浮気相手の氏名・住所の特定②不貞行為の証拠の収集が不可欠です。

①浮気相手の氏名・住所の特定

慰謝料請求の書面送付や訴訟提起を行うためには、浮気相手の氏名(フルネーム)と住所が最低

限必要です。

何らかの書面を送るためには、相手の住所が判明している必要があります。直接交渉の場合でも、少なくとも連絡先が判明している必要があります。

訴訟を提起する場合、訴状には相手の名前(氏名)・住所を記載する必要がありますし(民事訴訟法133条)、訴状を郵送するためには住所が判明している必要があります。

浮気相手を自力で特定する4つの方法

自力で浮気相手を特定する方法としては、次の4つが挙げられます。

  • ネットで浮気相手の名前を検索する
  • SNSで浮気相手のアカウントを探す
  • 配偶者のスマートフォンを調べる
  • 配偶者に直接聞く

浮気相手に関する何らかの情報を持っている場合には、自力での特定ができる可能性もあります。しかし、一から情報を集めるのは難しいうえに、配偶者にバレて、証拠隠滅をされるリスクもあります。

さらに、過度な行動が違法行為に該当するおそれもあります。

弁護士に慰謝料請求を依頼することで浮気相手の特定ができる場合も

弁護士に慰謝料請求を依頼することで、浮気相手の特定ができる場合があります。
弁護士は、受任している事件の処理に必要な範囲で、弁護士会照会制度(23条照会とも呼ばれます)を利用できます。
弁護士会照会制度は、弁護士法第23条の2に基づき、弁護士会が、官公庁や企業などの団体に対して必要事項を調査・照会する制度です。
例えば、相手の電話番号やキャリアメールのアドレス車のナンバーから、本人の氏名・登録時の住所を特定できる場合があります。そのほかにも、宿泊施設に対して、宿泊者の氏名・同宿者の氏名・チェックインの日時・チェックアウトの日時などを照会したりすることで、これらの情報を取得できる場合もあります。
このように、弁護士会照会制度を利用して、手元にある情報から相手の特定ができる可能性があります。
※弁護士会照会制度は、弁護士が受任する事件を処理するに当たって必要な事項を、弁護士会を通じて公私の団体に照会する制度であるため、具体的な事件を依頼せずに(例えば、慰謝料請求の手続きを依頼せずに)、浮気相手の氏名と住所を特定するための情報照会のみを依頼することはできません。
浮気相手のLINEしかわからない方は、こちらの記事も合わせてご参照ください。「LINE(ライン)しかわからない浮気相手を特定する方法やリスクを紹介

②不貞行為の証拠の収集

浮気相手から慰謝料を取るには、証拠が重要です。

証拠が不十分だと慰謝料請求は難航し、訴訟に至ったとしても敗訴するリスクが高まります。裁判所が不貞行為(性行為・肉体関係)を認定できるかどうかが鍵となります。

証拠集めは、相手に感づかれる前に、冷静かつ違法とならない方法で行う必要があります。配偶者を問い詰めることで証拠を隠滅される可能性が高くなるため、確定的な証拠を得るまでは冷静に行動することが重要です。

不貞行為の証拠一例

ラブホテルや自宅への出入り写真・動画、宿泊や飲食の領収書、クレジットカード明細なども証拠となります。

一つの証拠だけでは不十分でも、証拠を複数集めることで不貞行為を立証しやすくなります。

【不貞行為の証拠の有効性チェックリスト】

証拠の種類 有効性
(不貞行為の直接的証明力)
補足
探偵の調査報告書
(ホテル出入り写真付)
高い 裁判所への提出に耐えうる証拠として機能
ラブホテル、旅館の領収書・明細 中〜高い クレジットカード明細や日付、利用者の特定と組み合わせる
肉体関係を推認させるLINE・メール履歴 中〜高い 「愛している」「会いたい」だけでは不十分。性交渉があったことを示す具体的な内容が必要
自宅やホテルでのツーショット写真
(裸/パジャマ姿)
高い 日付や場所が特定できることが望ましい
浮気を認める自白の音声・書面 高い 示談書に事実認定を明記すれば強力な証拠となる
愛情を示すだけのLINE・メール 低い 他の証拠との組み合わせ次第

不貞行為の証拠になるものについて、詳しくは「浮気の証拠になるもの13選と自力で証拠を集めるポイント・注意点 」の記事をご参照ください。

  • デジタル証拠(LINE・メール)の確保
    LINEやメールのやり取りは有効な証拠となりえますが、その内容と保存方法には注意が必要です。
    「愛している。早く会いたい。」などの精神的な交流を示すメッセージだけでは、不貞行為を立証する証拠としては弱い場合があります。
    裁判官に不貞行為を認定してもらうためには、「昨日のエッチは楽しかったね。」など、肉体関係があったことを強く推認させる内容が必要です。
    さらに、証拠としての価値を認めてもらうためには、保存の仕方にもポイントがあります。
    スクリーンショットを撮る際は、日付・日時・送信者がわかるように撮影し、前後のやり取りも撮影することで、文脈を明確にします。
    なお、配偶者のスマートフォンを本人の同意なく操作したり、勝手にロックを解除して内容を閲覧したりする行為は、プライバシー侵害や不正アクセス禁止法違反に当たるなど、違法行為として損害賠償請求や刑事罰の対象となる可能性があります。
    したがって、証拠収集の際は、必ず法的に許容される範囲に留める必要があります。
    LINEについてより詳しい内容は、「怪しいLINE発見!不貞行為の証拠として有効なLINEを徹底解説」および「LINEのスクショに証拠能力はある?証拠に残すポイントと注意点」の記事をご参照ください。

浮気相手から慰謝料を取れない5つのケース

そもそも浮気相手に慰謝料請求できるケースかどうかの確認が必要です。

浮気相手への慰謝料請求が認められないケースとして、主に次の5つが挙げられます。

  1. 不貞行為がない
  2. 浮気相手が既婚の事実を知らなかった
  3. 夫婦関係が既に破綻していた
  4. 慰謝料請求の時効が成立している
  5. 配偶者から十分な慰謝料を受け取っている

以下、詳しく解説します。

①不貞行為がない

配偶者と浮気相手との間に不貞行為がない場合は、原則として慰謝料請求が認められません。

不貞行為とは、配偶者のある者が、自由な意思に基づいて、配偶者以外の者と性的関係を結ぶことです(最高裁昭和48年11月15日判決)。

つまり、慰謝料請求が認められるためには、性的関係(肉体関係)の有無が重要なポイントになります。

手を繋ぐ行為、キスやハグをする行為には、通常、肉体関係が伴わないため、不貞行為には該当せず、原則として慰謝料請求が認められません。

ただし、その行為の態様が男女の交際として明らかに逸脱した場合かつ、夫婦の平穏な婚姻生活を脅かす場合には慰謝料請求が認められる余地があります。

不貞行為に該当する具体的行為について、詳しくは「【不貞行為とは】判例の定義や具体的な7つの事例を簡単に解説!」の記事をご参照ください。

②浮気相手が既婚の事実を知らなかった

慰謝料請求が認められるためには、浮気相手に【故意】(配偶者が既婚であることを知っていた)または【過失】(注意すれば既婚であることを知れた)が必要です。

浮気相手が、配偶者が既婚者であることを全く知らず、かつ知るべき状況(例:指輪をしていない、配偶者から独身だと騙されていたなど)になかった場合、慰謝料請求は認められません。

ただし、社会通念上、既婚であることを容易に推測できる状況であったと判断されれば、過失が認められる可能性は高くなります。

③夫婦関係が既に破綻していた

不貞行為が始まる前に、既に夫婦関係が修復不可能なほど完全に破綻していた場合には、慰謝料請求は認められません。

例えば、離婚を前提とした長期間の別居などが挙げられます。

慰謝料請求が認められるのは、不貞行為によって夫婦の平穏な婚姻生活を送る権利が侵害されたからであるのに対し、夫婦関係が既に破綻していた場合には、侵害される権利そのものが既にないと考えられるからです。

ただし、実務上、婚姻関係が破綻していたと判断されることはあまり多くありません。

裁判所も、婚姻関係が破綻していたかの判断には慎重であり、客観的な証拠に基づいて判断します。

婚姻関係破綻について、詳しくは「婚姻関係が破綻していない証拠は?別居の場合は慰謝料請求できない?」の記事をご参照ください。

④慰謝料請求の時効が成立している

 

慰謝料請求権の時効が成立した場合には、原則、慰謝料請求が認められません。

慰謝料請求の時効は次の2つに分けられます。

  • 損害及び加害者を知った時から3年
  • 不法行為があった時から20年

以下、詳しく解説します。

損害及び加害者を知った時から3年

損害及び加害者を知った時から3年です。

 

損害を知った時とは、被害者が不貞行為があったことを知った時です。

加害者を知った時とは、被害者が加害者の氏名及び住所を知った時です。

不法行為があった時から20年

不法行為があった時から20年です。

不法行為があった時とは、不貞行為があった時です。

この20年については、3年とは要件が異なり、被害者が不貞行為があったことを知らなくても、時効の更新や完成猶予がない限り慰謝料請求の権利が消滅します

したがって、慰謝料請求を考えている場合には、時効があることに注意しましょう。

時効が迫っている、または時効に関して不安がある場合は、早めに弁護士に相談することをおすすめします。

時効の判断に関しては、法律の正確な知識が必要になるため、ご自身で自己判断するのは避けましょう。

慰謝料の時効および時効の起算点については、「不貞行為の慰謝料請求はいつまで?起算点や時効が近い時の対処法 」の記事をご参照ください。

⑤配偶者から十分な慰謝料を受け取っている

慰謝料は、配偶者と浮気相手の双方に請求できますが、既に配偶者から慰謝料として十分な額を受け取っている場合には、さらに浮気相手に慰謝料請求はできません。

例えば、慰謝料の適正額が200万円のケースを考えてみましょう。

配偶者から100万円を受け取った場合、残りの100万円を浮気相手に請求できます。

 

しかし、配偶者から既に200万円を受け取った場合、適正額の200万円を全額受け取ったことになり、浮気相手にさらに100万円の請求はできません。

これは、不倫慰謝料の二重取りに該当します。

ただし、慰謝料の適正額には、あらかじめ明確に定まった基準があるわけではありません。

示談交渉の場合には、慰謝料の金額は当事者同士の合意によって決定されます。つまり、当事者双方がその金額での支払いに納得すれば、結果として裁判で認められるであろう適正額を上回る慰謝料を受け取れる可能性もあります。

不倫慰謝料の二重取りについて、詳しくは「不倫慰謝料は二人に請求できる?二重取りと言われない請求方法は?」の記事をご参照ください。

 

不倫慰謝料の相場と金額が変動する要因

不倫慰謝料の相場は、50~300万円程度です。

 

不倫慰謝料相場
離婚しない場合 50~100万円程度
別居した場合 150~200万円程度
離婚した場合 200~300万円程度

 

これは法律で一律に定められたものではありませんが、裁判所の実務でこの範囲に収まる傾向が見られます。

 

慰謝料は、基本的に被害者(請求する側)が受けた精神的苦痛の大きさと、夫婦の関係に与えた影響に応じて高くなります。

 

そのため、夫婦関係が破綻しなかった(離婚しなかった)ケースよりも、離婚に至ったケースの方が、相場が高くなる傾向にあります。

 

上記の相場はあくまで目安であり、最終的な慰謝料額は、以下の個別の事情によって増減する可能性があります。

 

【増額要因】

  • 婚姻期間の長さ:婚姻期間が長い(例:15年以上)ほど、これまで夫婦が築きあげてきた関係に与える影響が大きいと判断されやすく、慰謝料額も高くなる傾向があります。
  • 不貞期間の長さ・回数:不貞期間が1年以上と長い場合や、回数が多い場合(例:10回以上)は、増額要因となる傾向があります。
  • 未成年の子の有無:夫婦の間に未成年の子がいる場合、家庭環境への影響が大きく、慰謝料も増加傾向となります。
  • 不貞行為の悪質性:被害者の出産と同時期に浮気相手も出産していたケースや浮気発覚後も交際を継続したケースなど、悪質性が高い場合には、相場を超える高額な慰謝料が認められる場合があります。
  • 相手の反省の有無:不貞行為が発覚した後に、浮気相手から謝罪がなく、反省の姿勢が見られない場合には慰謝料が増額される傾向があります。

 

不倫慰謝料の相場について、詳しくは「15の判例から見る不倫慰謝料の相場と増額のための3つのポイント」の記事をご参照ください。

 

浮気相手から慰謝料を確実に取るために弁護士をつける3つのメリット

慰謝料請求は自力でも可能ですが、弁護士に依頼することで、慰謝料回収の確実性や請求額の最大化、精神的な負担の軽減といった多くのメリットが期待できます。

 

特に、相手が慰謝料の支払いを拒否したり、弁護士を立ててきたりした場合には、弁護士への依頼を検討することをおすすめします。

 

浮気相手の氏名・住所が特定できる可能性

弁護士に依頼することで、浮気相手の氏名・住所が特定できる可能性があります。

 

慰謝料請求を進めるには、浮気相手の氏名と住所の特定が必要です。

 

浮気相手の情報がLINEのIDやニックネームしかない場合には、自力で浮気相手の情報を集める必要があります。

 

弁護士に依頼すれば、弁護士会を通じた弁護士会照会制度を利用し、携帯電話会社などから、相手の氏名や住所などの情報を法的に調査し、特定できる可能性があります。(照会先は正当な理由があれば回答を拒否できるため、必ず回答が得られるとは限りません。)。

 

証拠収集についてアドバイスをもらえる

弁護士に依頼することで、証拠収集についてアドバイスをもらえます。

 

慰謝料請求の成否は証拠の質にかかっています。

 

弁護士は、裁判で有効と認められる証拠の種類や、証拠の集め方について、法的な観点から具体的なアドバイスを提供できます。

 

特に、証拠を集め始める前の段階で弁護士に相談することで、効果的かつ効率的な証拠収集につながりやすく、さらに証拠の保全もしやすくなるでしょう。

 

交渉を有利に進められる

弁護士に依頼することで、交渉を有利に進められます。

 

弁護士は依頼者の利益を考え、法的な根拠に基づき交渉を代行します。これにより、相手からの不当な減額要求を防ぎ、慰謝料の増額事由を整理して主張できます。

 

弁護士が介入することで、相手との直接交渉が不要になるため、精神的な負担が軽減されます。

 

浮気相手から慰謝料を取るために弁護士に依頼する場合の費用は?

慰謝料請求を依頼する場合の弁護士費用の相場は下表のとおりです。

 

費用 慰謝料請求のみ
相談料 30分 5,500円〜1万円程度
着手金 交渉の場合:10〜20万円程度
裁判の場合:20〜30万円程度
報酬金 獲得した慰謝料額の10〜20%程度
実費または事務手数料 数万円程度
日当 1時間あたり1〜3万円程度

 

弁護士に頼みたいけれど費用が気になる…。
費用倒れにならないのか不安…。

 

多くの人が悩む部分かと思います。

 

一般的に獲得慰謝料額が150万円を超えると、費用対効果が得られやすくなります(ただし、あくまで一つの目安であり、法律事務所によって異なります)。

 

費用面で不安がある方は、無料相談を活用し、具体的な費用額を教えてもらうのがよいでしょう。

 

詳しくは、「不倫慰謝料請求を弁護士に依頼するとかかる費用の種類と相場を紹介」の記事をご参照ください。

 

浮気相手から慰謝料を取る方法に関するよくある質問(FAQ)

浮気相手から慰謝料を取る方法に関するよくある質問についてまとめました。

 

弁護士なし(自力)で浮気相手から慰謝料を取る方法はありますか?

弁護士なし(自力)で慰謝料請求すること自体は可能です。

しかし、自力請求には、適正額よりも低い金額で和解に応じる可能性など、多くのリスクが伴います。

特に、相手が弁護士を立ててきた場合には、法的な根拠を示して慰謝料の減額を要求してきたり、請求権の存在自体を否認してきたりする可能性も高く、交渉力の差で不利になるリスクは避けられないでしょう

適正な慰謝料の獲得終局的なトラブル解決を求める場合には、弁護士に依頼することをおすすめします。

自力での慰謝料請求について、詳しくは「弁護士を立てず自力での慰謝料請求を成功させる3つのポイントを解説」の記事をご参照ください。

浮気相手に慰謝料請求を無視されたら?

慰謝料請求を無視された場合、最終的には訴訟を提起するかを検討します。

訴訟を提起することで、相手が何らかのアクションを起こしてくる可能性が高いでしょう。

判決または和解により解決した場合には、相手が判決や和解で決められた慰謝料を支払わなくても、強制執行が可能になります。

 

慰謝料請求を無視された場合の対処法について、詳しくは「慰謝料請求を無視されたら?ケース別対処方法を徹底解説!」の記事をご参照ください。

 

恋人同士(未婚カップル)でも浮気相手に慰謝料請求できる?

原則として、法律上の婚姻関係がない恋人同士(未婚カップル)の浮気に対しては、慰謝料請求は認められません。

なぜなら、不貞行為による慰謝料請求は、法律で保護された婚姻共同生活の平和を害したことに対する損害賠償だからです。

ただし、婚約が成立している場合事実婚(内縁関係)が成立している場合は、婚姻に準じる関係として法的保護を受けられるため、例外的に慰謝料請求が認められるケースがあります。

 

浮気相手が複数いたら全員に対して慰謝料請求できる?

浮気相手が複数いる場合には、全員に対して慰謝料請求が可能です。

誰に対して慰謝料請求するのかは、あなたが決められます。

例えば、配偶者に浮気相手が2人いた場合には、どちらか1人に対して慰謝料請求してもよいですし、全員に対して慰謝料請求してもよいです。

詳しくは、「配偶者に複数の不倫相手がいた!全員に対して慰謝料請求できる?」の記事をご参照ください。

 

離婚した後に浮気相手に慰謝料請求できる?

離婚した後でも、時効が成立していなければ、慰謝料請求ができます。

ただし、不貞行為が離婚の直接の原因でない場合には、慰謝料請求が認められない可能性や慰謝料請求が認められても低額になる可能性があります。

 

公正証書は作成すべき?

合意した後、相手が支払いをしないリスクに備えるには、強制執行認諾文言付きの公正証書を作成することをおすすめします。

公正証書があれば、裁判を起こすことなく、強制執行が可能になります。

その他、不倫慰謝料の請求に関するよくある質問については、「不倫問題と弁護士|相談・依頼に関する疑問を68のQ&Aでスッキリ解消」の記事をご参照ください。

 

まとめ

浮気相手から慰謝料を取る方法は、①直接交渉、②内容証明郵便、③訴訟の3つに分けられます。

どの方法を選ぶにしても、確実に慰謝料を回収し、法的なリスクを排除するためには、戦略的な準備と知識が不可欠です。

相手が素直に応じる場合は自力での交渉も可能ですが、無視や否認をされたり、相手が弁護士を立ててきたりした場合は、一度弁護士に相談することをおすすめします。

ネクスパート法律事務所では、不倫問題に強い弁護士多数在籍しています。
初回の相談は30分無料ですので、お気軽にご相談ください。

コラム監修者

SHIZU ISHIDA

SHIZU ISHIDA

所属:東京オフィス

広島県広島市出身。青山学院大学心理学科、東海大学法科大学院卒業後、新司法試験に合格し最高裁判所司法研修所を修了。弁護士として法曹界に入り、刑事、民事、法人案件等幅広い分野の専門知識を習得。弁護士登録10年目にしてネクスパート法律事務所に入所し、現在は主に離婚事件に注力している。

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