サマリー
「配偶者の不倫相手にメールで慰謝料請求したい」と思ったものの、「メールで請求してもいいの?」「法的に問題はないの?」等の不安から、請求を躊躇していませんか?
この記事では、慰謝料請求はメールでもできるか、詳しく解説します。
メールで慰謝料請求するメリット・デメリットや、請求時に気をつけたいポイント等も紹介しますので、相手方に連絡する前にぜひご一読ください。
慰謝料請求はメールでもできる?
メールで慰謝料を請求すること自体は可能です。
不貞行為に基づく損害賠償の意思をメールで伝えても、法的な問題はありません。
慰謝料請求とは、損害賠償を求める意思を相手方に示す行為です。その手段として、メール・LINE・電話・書面・対面などの形式は問われません。
ただし、慰謝料請求に対して相手方が誠実に対応するかどうかは別問題です。メールでの請求だと軽くあしらわれたり、返事が来なかったりするかもしれません。
次章では、メールで慰謝料を請求する際にありがちなトラブルや注意点について解説します。
メールで慰謝料を請求するメリット・デメリット
メールで慰謝料を請求するメリット・デメリットを紹介します。メリットだけでなくデメリットも把握して、メールで請求するかどうか検討しましょう。
メールで慰謝料を請求するメリット
メールで慰謝料を請求するメリットとして、主に以下の3つが挙げられます。
- 手軽に送れる
書面を準備する必要がなく、コストもほとんどかからないため、手軽に送れます。
相手方の住所や勤務先が分からなくても、氏名とメールアドレスが分かれば請求できます。 - 証拠として残る
メールで請求すれば相手方とのやり取りを可視化できるため、慰謝料を請求した証拠を残せます。
相手方に慰謝料を請求した事実や送付日時、示談した内容等を客観的に証明しやすいでしょう。 - 相手方の反応を早く見られる
メールで請求すれば相手方もメールで返信しやすいでしょうから、すぐに何らかの返答を得られるかもしれません。
書面での請求に比べて、相手方の反応を早期に確認しやすいです。 - 軽くあしらわれるおそれがある
メールは気軽に使える連絡手段であるため、慰謝料請求をしても相手方に真剣に受け止めてもらえない可能性があります。
「放っておけば諦めるだろう」等と思われて、請求を無視されることも考えられます。 - お互いに感情的になりやすい
メールは気軽に送信できるため、感情的なやり取りが行われやすいです。
不用意な発言をして、被害者であるあなたが逆に不利な立場に立たされたり、売り言葉に買い言葉で言い争ううちに新たなトラブルが発生したりするかもしれません。 - 認識にずれが生じるおそれがある
メールで慰謝料請求を完結する場合、当事者双方がそれぞれ異なる解釈をしたまま合意するケースも見られます。
メールでやり取りしても、文面の解釈に差が生じて、後になって「そんなつもりではなかった」と争いが起こるかもしれません。 - 曖昧な表現は避けて必要事項を明確かつ簡潔に記載する
- 相場からかけ離れた慰謝料を請求しない
- 相手方とのやり取りを保存する
- 不貞行為の事実
- 不貞行為により精神的苦痛を受けたこと
- 慰謝料の金額
- 慰謝料の支払い方法
- 要求に従わない場合の措置
メールで慰謝料を請求するデメリット
メールで慰謝料を請求するデメリットとして、主に以下の3つが挙げられます。
メールで慰謝料を請求する際に気をつけたい3つのこと
メールで慰謝料を請求する際は、以下のことに気をつけましょう。
以下で、詳しく解説します。
曖昧な表現は避けて必要事項を明確かつ簡潔に記載する
曖昧な表現は避けて、必要事項を明確かつ簡潔に記載しましょう。
目的が分からない曖昧な表現を用いると、認識にずれが生じやすくなります。
慰謝料を請求する際は、以下の事項を明確かつ簡潔に記載すると良いでしょう。
記載すべき項目については、「不貞慰謝料の請求書の書き方|記載すべき項目と押さえるべきポイント」で詳しく解説しています。
相場からかけ離れた慰謝料を請求しない
相場からかけ離れた慰謝料を請求しないようにしましょう。
相場からかけ離れた慰謝料を請求すると、「とても支払えない」「このような請求に応じる必要はないだろう」等と思われて、交渉のテーブルにつくことを拒否されかねません。
不貞慰謝料の相場は50〜300万円と幅があり、不倫の回数や態様、不倫発覚後の夫婦関係等によって請求すべき慰謝料額は異なります。そのため、法的な観点から適切な慰謝料額を算出し、請求することが大切です。
法律的に妥当といえる金額を、根拠に基づいて請求することで、相手方からの反発や無用な論争を避けやすくなり、早期解決につながる可能性が高まります。
不貞慰謝料の相場については、「15の判例から見る不倫慰謝料の相場と増額のための3つのポイント」で詳しく解説しています。
相手方とのやり取りを保存する
相手方とのやり取りを保存することが大切です。
慰謝料を請求した事実やメールの送付日時を客観的に証明できるため、「請求されていない」等と知らないふりをされる事態を防ぎやすくなります。
相手方が慰謝料の支払いを認めたことが分かるメールがあれば、示談の成立を証明できる可能性もあります。
相手方とのやり取りは必ず保存しましょう。
メールでやり取りして示談が成立したら有効?
当事者双方が合意すれば、メールでも示談は成立します。後日の紛争を避けるため、示談できたら示談書等の書面にすることをお勧めします。
以下で、詳しく解説します。
双方が合意すればメールでも示談は成立する
当事者双方が合意すればメールでも示談は成立します。
示談は書面による必要はありません。メールだけでなく、口頭でも成立します。
ただし、後になって認識のずれ等によるトラブルが発生するリスクは否めません。
後日の紛争を避けるためには示談書等の書面化が望ましい
後日の紛争を避けるためには、示談書等の書面化が望ましいです。
示談内容を書面化する際にお互いの意思確認を行えば、認識のずれによるトラブルを防止しやすくなります。一通りの解釈しかできないように明確かつ簡潔に記載することで、その解釈をめぐるトラブルも回避できるでしょう。
示談が成立したら、示談内容を書面化することをお勧めします。
示談書の作成方法については、「不倫の示談書の書き方と自分で作成する注意点【テンプレート付】」で詳しく解説しています。
メールでの慰謝料請求を無視された場合の次のステップ
メールでの慰謝料請求を無視されても、諦める必要はありません。
次のステップへの移行を検討しましょう。
内容証明郵便で慰謝料を請求する
内容証明郵便で慰謝料を請求することを検討しましょう。
普段の生活では馴染みのない内容証明郵便を利用すれば、あなたの本気度が相手方に伝わりやすいです。
内容証明郵便とは、いつ・どのような内容の文書が・誰から誰宛に差し出されたのかを郵便局が証明する制度です。配達証明も利用すれば、配達した事実も証明してもらえます。
相手方に一定の心理的プレッシャーを与えられるため、レスポンスを得られる可能性が高まります。
相手方が請求に応じず訴訟に進んだ場合も、慰謝料請求の事実を証明する証拠として利用できます。
訴訟を提起する
訴訟を提起するのも方法のひとつです。
民事訴訟を提起すれば、裁判所に判断を委ねられるため、強制的に決着をつけられます。
民事訴訟とは、裁判官が法廷で当事者双方の言い分を聴いたり、提出された証拠を調べたりして、最終的に判決によって解決を図る手続きです。
裁判所から通知が届けば相手方にとって強いプレッシャーとなるでしょうから、応じる可能性は高いでしょう。
相手方が裁判所からの呼出しに応じない場合は、あなたの言い分を全面的に認める判決が出る可能性もあります。
メールや書面での請求を無視されたら、訴訟の提起も検討してみてください。
慰謝料請求の訴状の書き方については、「不貞慰謝料請求の訴状の書き方|初めての人向け記入例と作成の注意点」で詳しく解説しています。
メールでの請求に限界を感じたら弁護士に頼る選択肢も
メールでの請求に限界を感じたら、弁護士に頼る選択肢もあります。
メールでのやり取りは便利な反面、誤解や感情的な対立を生みやすいです。特に、慰謝料請求のように相手方との利害が絡む話になると、「伝え方が分からない」「返信が来ない」等の悩みを抱えることもあるでしょう。
そのような時は、弁護士への相談を検討するタイミングかもしれません。
以下で、弁護士に依頼するメリットを詳しく紹介します。
相手方に本気度が伝わる
相手方に本気度が伝わります。
弁護士に依頼すれば、相手方への連絡は弁護士が行います。弁護士が連絡することで、あなたの本気の怒りが相手方に伝わるでしょう。
「弁護士からの請求を無視すれば訴訟になるのではないか」との強いプレッシャーも与えられるため、これまでの態度が一変して、すんなり請求に応じるかもしれません。
弁護士に依頼することで本気度が伝わるため、相手方が話し合いに応じる可能性が高まります。
妥当な請求額を導き出してくれる
妥当な請求額を導き出してくれます。
慰謝料額を算出する際は、不倫の回数や態様、不倫発覚後の夫婦関係など、様々な事情を総合的に考慮する必要があります。
弁護士に依頼すれば、これらの事情に加え、過去の判例や実務上の相場も踏まえて、根拠のある請求額を導き出してくれます。
説得力のある金額を提示することで、相手方も安易に否定しにくくなり、交渉に応じる可能性が高まるでしょう。
結果として、スムーズな解決に繋がりやすくなります。
無視や逆ギレにも冷静に対応してくれる
弁護士に依頼すれば、相手方とのやり取りをすべて任せられます。
請求を無視された場合でも、相手方の態度や状況を見極めて適切な対応を検討してもらえます。相手方に逆ギレされ場合も、毅然とした対応を望めるでしょう。
弁護士に依頼することで、あなたの精神的・時間的な負担を最小限に抑えられます。
紛争の蒸し返しを防ぐための示談書を作成してもらえる
紛争の蒸し返しを防ぐための示談書を作成してもらえます。
相手方と合意できたら、示談書を作成するのが望ましいです。
示談書はご自身でも作成できますが、記載すべき事項が漏れたり、公序良俗に反する内容を盛り込んだりしたことで、新たなトラブルに発展することもあります。
弁護士に依頼すれば、法的に不備がない示談書を作成してもらえるため、認識の違いや記載内容等から生じる紛争を防ぎやすくなります。
弁護士に依頼することで、解決後の不安に抱えることなく、安心して示談を進められます。
まとめ
メールで慰謝料を請求すること自体に法的な問題はありませんが、慰謝料請求に対して相手方が誠実に対応するかどうかは別問題です。
メールでの請求を無視されたら、次のステップへの移行も検討しましょう。
慰謝料請求を弁護士に依頼したいと思ったら、ぜひネクスパート法律事務所にご相談ください。
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コラム監修者
SHIZU ISHIDA
所属:東京オフィス
広島県広島市出身。青山学院大学心理学科、東海大学法科大学院卒業後、新司法試験に合格し最高裁判所司法研修所を修了。弁護士として法曹界に入り、刑事、民事、法人案件等幅広い分野の専門知識を習得。弁護士登録10年目にしてネクスパート法律事務所に入所し、現在は主に離婚事件に注力している。