【目的別】会社設立に関する相談先まとめ

「個人事業主として仕事をしてきて、顧客も増え、事業も順調に拡大している。今後は従業員も雇いたい。そろそろ会社を設立しよう」

あるいは

「自分の才能を生かして、1から会社を設立したい」など。

 

会社を設立する理由には様々なものがありますが、会社を設立するためにはいろいろな書類を準備し、あちらこちらに提出しなければなりません。

 

この記事では、会社設立時の相談先を以下の2つに大別してご紹介します。

  1. 手続きを自分で行う際の相談先
  2. 手続きを外部に依頼する際の相談先

 

目的にあった相談先を探す上でのご参考にしてください。

 

会社設立の手続きを自分で行う際の相談先

自分で会社設立手続をする際の無料相談先をご紹介します。

 

法務局への電話相談

法務局は、会社設立登記をする場所なので、設立登記に関してのエキスパートです。設立登記に関してわからないことがあれば、電話で聞くのも良いでしょう。

 

法務局に電話で相談する場合のデメリットは、結構混んでいるため、なかなか繋がらないことです。

 

法務局での個別面談

無料の電話相談では答えるのが難しい相談の場合や、管轄法務局の判断が必要な相談の場合には、直接窓口に相談に来るようにアドバイスされます。

 

個別面談は予約制なので、無料相談電話でそのまま予約を取ります。

 

なお、登記に必要な書類を持参して、直接確認してもらいながら相談し、その場で押印することもできますので、少しでも不安な時には個別面談をしてもらうのがよいでしょう。

 

公証役場(株式会社)

株式会社の場合、管轄の公証役場で定款の認証を受けなければなりません。株式会社の定款についての質問は、管轄の公証役場に電話で聞くことができます。

 

商工会議所・商工会

地域の商工会議所や商工会でも、定期的に創業支援の相談会が開かれていますが、たいてい事前予約が必要です。

 

なお、相談内容によって相談相手が異なるため、相談日も異なります。各地域の商工会議所等に確認して予約しましょう。

 

東京開業ワンストップセンター

東京都内で開業を検討している場合には、東京都産業労働局が主催する東京開業ワンストップセンターに相談することができます。

 

東京開業ワンストップセンターは国と東京都が共同で運営しているため、何度でも無料で相談できます。

 

法人設立や事業開始に必要な定款認証や設立登記、設立後の社会保険等の相談ができ、手続も1カ所で行うことができますので、大いに活用しましょう。

 

自分で会社を設立する場合のメリット・デメリット

会社の設立は自分ですることができますが、自分で会社を設立するメリットとデメリットを踏まえたうえで、自分で設立するか、専門家に任せるか、自分に合った方法で設立しましょう。

 

自分の力だけで会社を設立する3つのメリット

1.専門家への依頼費用が節約できる

2.自分のペースで準備出来る

3.専門家を探す手間が省ける

 

まずはなんといっても、専門家への依頼費用がかからないことが大きなメリットです。

 

会社を設立するためには、色々な書類を準備しなければなりませんが、書類を集めたり準備したりする時間的余裕がある場合には、自分に合ったペースで書類を集めて会社を設立することができるのもメリットの1つです。

 

会社の設立準備等を専門家に依頼する場合には、例えば定款のリーガルチェックをしてもらうなら弁護士、定款認証なら行政書士、登記なら司法書士、助成金や税金関係なら税理士や社労士など、それぞれの分野の専門家を探さなければなりません。

 

どの専門家に依頼すべきかを確認し、その後それぞれの専門家のなかで自分に合う人を探すのは、とても時間がかかりますので、その手間が省けるのもメリットの1つです。

 

自分の力だけで会社を設立する4つのデメリット

1.必要書類が多い

2.時間がかかる

3.専門家に依頼するより費用がかかることもある

4長い目でみると実は節約にならない場合がある

 

会社を設立するためには、様々な書類を準備しなければなりません。仕事をしながら必要な書類を自分で確認し、全て集めることはかなり大変で、時間もかかります。

 

会社設立の際に必要な書類の1つである定款は、「電子データ」で作成し「電子署名」をすれば収入印紙4万円を貼付する必要がありません。

 

電子署名をするためのソフトをすべて揃えるためには通常4万円以上かかるため、自分ですべて準備すると専門家に依頼するより費用がかかってしまいます。

 

会社設立後も、例えば税務会計処理であったり保険関係であったりと、相談したいことがでてきた場合に、個別に専門家を探して相談すると、専門家を探す時間もかかり、最初からサポートしてもらうよりもかえって高くつく可能性もあります。

 

自分で決めなければならない事項(会社の基本事項10項目)

会社の設立手続を専門家に任せる場合であっても、自分で決めなければならない基本事項が10個あります。

 

以下の10項目は専門家に依頼する前に必ず自分で決めておきましょう。

1.社名  2.資本金の額  3.事業目的  4.株主構成  5.役員

6.所在地  7.設立日  8.決算日  9.発行可能株式総数  10.役員任期

 

会社設立の手続きを外部に依頼する際の相談先

会社の設立を専門家に依頼する場合、流れに沿ってどこに相談するのがよいかを表にしました。

 

手続の流れ 届出先 相談先 強み
定款作成 弁護士 リーガルチェックをしてもらえ安心

顧問弁護士になってもらうと紛争が起こった時も安心

定款認証 公証役場 行政書士 定款認証と許認可申請手続ができる
許認可事業 各行政機関 行政書士
資金調達
資金繰り
税理士

社会保険労務士

節税対策・税務調査に強い
面倒な助成金・補助金について詳しい
助成金
補助金
設立登記 法務局 司法書士 設立登記を依頼する場合には司法書士が多いでしょう
税務届出 税務署
都道府県税事務所
市区町村役場
税理士 設立後の経理・税務関係も依頼出来る
社会保険
健康保険
厚生年金
雇用保険
年金事務所
健康保険組合
労働基準監督署
公共職業安定所
社会保険労務士 設立時加入申請後も社会保険関係・人事労務関係全般の相談ができる

 

 

ワンポイント解説

定款作成(リーガルチェック)

定款に必要な事項(絶対的記載事項)がきちんと記載されているか、または後々のトラブルを防ぐための条項(相対的記載事項あるいは任意的記載事項)がきちんと記載されているか等は、法律の専門家である弁護士に確認してもらうことをお勧めします。

 

定款認証(電子定款)

電子定款を作成すれば、紙の定款に貼付しなければならない収入印紙4万円が不要になります。

 

専門家であれば必要なソフトを持っていますので、専門家に依頼すると定款貼付印紙代が節約できます。

 

許認可事業

事業によっては許認可取得が必要な業種もあります。許認可を得ずに無許可で事業を行ってしまうと罰則が科せられます。

 

申請を忘れた、書類が足りないなどのミスをなくすためにも、専門家に依頼して確認してもらうことをお勧めします。

 

資金調達・補助金・助成金

会社を設立するときに、自己資金で全額を賄えることはそれほど多くありません。資金調達方法として金融機関からの融資も考えられますが、融資は返済しなければなりません。

 

返済義務のない補助金や助成金を受け取ることができればそれに越したことはありませんが、その申請には、様々な書類を準備しなければなりませんし、申請には期限があるものがあります。

 

事業をおこないながら補助金や助成金申請書類の準備をすることはとても大変なので、専門家に依頼することをお勧めします。

 

経理・税金

会社設立準備の打ち合わせで会食した、設立のために印鑑を購入した、定款認証の費用を使った、など、会社設立前から会社のために様々な費用を使います。

 

これらの費用を経費にできるか、経費になるならどのように計上するのか、など、経理上の様々な疑問がでてきます。

 

今後会社を続けていくうえでも、必ずやらねばならない税務会計処理のことを考慮に入れた場合、設立当初から税理士等の専門家に依頼したほうがお得になることも考えられます。

 

設立登記

設立登記は自分でできますが、必要書類等を揃える必要があります。設立登記だけを依頼したいと思っている場合には、司法書士に相談しましょう。

 

会社設立後の届出も見据えて相談を

会社は設立登記をすればそれで完了ではありません。今後何年間もすべて自分できるのかを考えた場合、対処が困難な分野は設立当初から専門家の協力を仰ぐとよいでしょう。

 

税務届出等

税金対策は、会社を設立する理由の一つにもなります。

 

節税をする際は、脱税にならないようにすることが重要です。

 

法人税や消費税等については、できる限りの節税を考えたいところです。

しかし、法人の経理処理は非常に複雑です。煩雑な経理処理や税金対策について自分で調べて対応していくことは大変難しいと思われます。

 

確定申告等を専門家に依頼することを考えている場合には、設立当初から自分に合った専門家を探して依頼した方が、付き合いが長い分会社のことを理解して親身になってくれるでしょう。

必要になった時に慌てて探すよりいいかもしれません。

 

社会保険・雇用保険加入手続等

社会保険や雇用保険等の手続きは避けて通れません。申告には期限がありますし、添付しなければならない資料も多くあります。

 

設立前から準備しておかないと、期限に間に合わなくなることも考えられます。

 

助成金を申請したい場合には人事労務関係の専門家に依頼した方が、申請できる助成金を探す手間も省け、申請書類を作成する手間も省けます。

 

設立後の人事労務関係のことも考慮に入れると最初から専門家に依頼したほうがよいでしょう。

 

ホームページ作成

ホームページの作成も自分でできますが、作成して終わりではありません。都度更新し、新しい情報を社会に向かって発信しなければなりません。

 

自分の会社を世間の人に知ってもらう重要な媒体ですので、作成当初から専門家に依頼し、定期的なメンテナンスも依頼するのがよいでしょう。

 

まとめ

会社の設立は自分でもできますが、すべて自分でやることによる節約効果は、長い目で見ると、実はそれほど大きくありません。

 

専門家に相談・依頼することにより、仕事に没頭できる、社会的信用が上がるなど、得られるメリットは大きいでしょう。

 

会社設立後も引き続き相談したい、あるいは相談・依頼するかもしれない、と思うのであれば、相談・依頼したい分野の専門家の中から自分に合った専門家を探し、最初から相談・依頼することをお勧めします。

この記事を書いた人

ネクスパート法律事務所