企業法務弁護士とは?企業法務弁護士に相談・依頼できる分野を解説

企業法務弁護士とは企業に関する法律事務を担当する弁護士のことです。

この記事では、顧問弁護士と企業内弁護士の違い、役割、相談できることを紹介します。

企業法務弁護士の導入を検討中の企業の方は、ぜひ参考になさってください。

企業法務弁護士とは?

企業法務弁護士とは、「企業を相手とした法律業務」を担う弁護士です。企業法務弁護士は、主に企業に所属している「企業内弁護士」と法律事務所に所属している「顧問弁護士」の二種類があります。

企業法務弁護士の役割

企業法務弁護士は、主に予防法務、リーガルアドバイス、法的紛争を担当します。

法的紛争が起こった際には、法務担当者が解決への大まかな方向性を決め、企業法務弁護士が専門家的立場から「法的に適切な」見解を示すことが求められます。

企業内弁護士と顧問弁護士の違い

ここでは、企業内弁護士と顧問弁護士の違いをご紹介します。

企業内弁護士

企業内弁護士は企業に所属している弁護士です。訴訟問題のみならず、社内規則や予防法務の整備も行います。

法務部門の業務の流れは…

①法的問題の把握
②解決方針の策定
③案件処理
④案件の終結
⑤日常業務へのフィードバック

上記のうち、一般的に顧問弁護士に依頼するのは「③案件処理」ですが、企業内弁護士は、その前後の「案件の入口(①②)」と「案件の出口(④⑤)」の管理についても対応できます。

【企業内弁護士を採用するタイミング】

企業内弁護士を採用するタイミングとしては、次の3つが考えられます。

  1. 企業のグローバル化によって、外国の法律などとの兼ね合いを検討する機会が増えた
  2. コンプライアンス意識の高まりによって、社内での迅速な対応が不可欠になった
  3. 規制緩和や法改正の活発化に即時対応しなくてはならない機会が増えた

企業内弁護士を採用することで、スピード感のある対応が可能になります。

顧問弁護士

顧問弁護士は、企業と顧問契約を結び、法律事務所に所属しながら、企業法務を担当します。顧問弁護士は、クライアント企業にとっての「外部アドバイザー」だからこそ、一定の距離を置くスタンスに特有の強みがあります。法的トラブルが起こった際には、当事者となる企業内弁護士とは変わって客観的な視点からのアドバイスを得られます。

【顧問弁護士をつけるタイミング】

なるべく早いタイミングで顧問弁護士をつけるのが良いでしょう。

早いうちに顧問弁護士をつけることで予防法務の整備や、法的問題が起こった際にスムーズに解決できます。また、顧問契約を結ぶといつでも弁護士への相談が可能です。「なんとなく心配だ」と思ったときに、気軽に相談できます。

企業法務弁護士に相談・依頼できること

ここでは、企業法務弁護士に相談・依頼できることを解説します。

M&A

企業法務弁護士の業務内容として「M&A」があります。

M&Aとは「企業の合併や買収(merger and acquisition)」を指します。

一口に「M&A」と言っても「株式譲渡」「株式移転」「合併」などさまざまであり、企業の利益が発生する手段を選ぶ必要があります。

M&Aを行うにあたり、買収先の価値や経営状況などを調査することが企業法務弁護士のミッションとなります。

その他スケジュール管理、交渉項目の整備など無事成立させるためには多くの仕事があり、専門知識を要します。

知的財産

知的財産とは、企業が独自に作り上げたモノ(アイデアや技術、サービスなど)を指します。

知的財産は他社や競合に無断で利用されないよう、守らなければなりません。

そのために必要となるのが知的財産に関する業務です。特許権・意匠権・商標権・著作権など多彩な内容に及びます。

業務内容として、例えば、企業の持つ権利を侵害された場合の訴訟などの業務です。

特許権に関しては理系の知識が要求されるなど高度な専門性が必要です。

銀行・金融

銀行やノンバンク・リース会社等が企業として運営していくにあたり必要となる分野です。

金融規制法(金融商品取引法、銀行法、保険業法等)や金融庁その他の行政庁の策定する監督指針、ガイドラインなど金融法務に関する幅広い知識が必要です。

キャピタルマーケット

法人が有価証券を国内外の市場に発行することで行う資金調達、株式公開買い付けやSO(ストックオプション)などにまつわる業務です。

企業が成長していくうえで非常に重要な業務ですが、どの業務もコンプライアンスに十分に配慮して進めなければならず、高い専門性が必要な分野です。

危機管理・不祥事対応

企業において重大な事件や不祥事が発生した場合、迅速かつ的確な対応をとって影響を最小限にしなければなりません。

第三者委員会設置やマスコミ対応などがその一例です。

不動産取引

不動産の売買や賃貸といった基本的な取引から大規模施設の開発や不動産投資など業務は多岐にわたります。

特に法律関係が複雑に絡んだようなケースでは専門知識を有する弁護士が必要となることが多いです。

債権回収

督促状や内容証明を何度も送付しているのにも関わらず、債権回収ができずに埒が明かない場合も企業法務弁護士の出番です。たとえば売掛金が回収できないと、企業経営に大きなダメージとなります。債権回収に失敗した場合倒産のリスクもあるでしょう。

そんな時に企業法務弁護士は、代理人として訴訟の提起や強制執行など法的手続きをします。

人事・労務問題

従業員が残業をしすぎて過労により病気になった、セクハラ・パワハラ問題など、会社では従業員の問題も多々あります。

このようなトラブルに対しても紛争解決や訴訟対応などを行うことも企業法務弁護士の仕事です。

倒産手続き

企業が倒産するときは、民事再生・会社更生手続といった再建型倒産手続と、法人破産・特別清算などの清算型倒産手続のどちらかを選択します。

倒産手続きは法律によりいつまでに何をしなくてはいけないか定められており、企業内の人員で対応するのは困難です。企業倒産における知識と経験があり、迅速かつ正確に対応できる弁護士に相談するとよいでしょう。

コーポレートガバナンス

企業の価値を長期的に向上させるには、コーポレートガバナンスが重要です。

企業ぐるみの不正・不祥事を防ぎ、株主やその他の利害関係者の利益を最大化するため、社外取締役・社外監査役などを設置し、経営を監視する仕組みを作ります。

金融庁と東京証券取引所がコーポレートガバナンス・コードを公表しており、上場企業においてはコーポレートガバナンス体制を構築し、取り組みを東京証券取引所に報告しなければなりません。

弁護士が株主総会や取締役会等の運営・管理もサポートし、企業価値を高めます。

コンプライアンス

企業が経営を続けていく中で、各種法令を遵守することは必須です。

業種によって遵守すべき法律は異なり、いくつもの法律にまたがる場合もあります。各種法律・法令を熟知している弁護士が法的アドバイスを行います。

契約書の作成・リーガルチェック

契約書の作成や、相手企業等が作成した契約書のリーガルチェックも企業法務弁護士の重要な仕事のひとつです。

企業間で仕事をする上で契約書は欠かせず、また日常的な業務でもあります。自社に不利な契約になっていないか、のちにトラブルになりそうな条項はないか、様々な契約に精通した弁護士にチェックを任せることで安心して業務を進められます。

顧客からのクレーム対応

最近では顧客からのクレーム対応も大きな問題となっています。クレームには初期対応が重要で、対応を誤るとインターネット上に誹謗中傷を書き込まれるなど事態が悪化することも少なくありません。

現場の従業員がクレームを受けた際に対応マニュアルの策定や、企業で手に負えないクレーマーの対応などは企業法務弁護士に任せた方がよいでしょう。

取引先とのトラブル対応

取引先とのトラブルも日々発生することのひとつです。

日頃の付き合いから話し合いなどで解決することもありますが、法的な解決が必要な場合には弁護士が間に入ることで穏便に解決できる場合もあります。また、弁護士が対応することで早期解決が図れるため、企業イメージの低下を最小限に抑えることが可能です。

インターネット上の誹謗中傷対策

インターネット上の誹謗中傷は、年々増えており企業を悩ませる問題のひとつです。

当事務所では企業の誹謗中傷対策に力を入れており、専門の対策チームもございます。インターネット上に誹謗中傷を書かれないよう予防対策をすることはもちろん、書かれてしまったあとの削除要請まで弁護士が迅速に対応します。

企業法務に強い弁護士とは?

企業法務に強い弁護士とはどのような弁護士でしょうか?

企業法務弁護士の業務は上記のとおり多岐にわたり、あらゆる分野の専門知識が問われます。ネクスパート法律事務所では、30名以上の弁護士が在籍し、みなが様々な知識を持ち共有しています。

たとえば、医療関係の顧問先を多く持つ弁護士、誹謗中傷対策に強い弁護士、企業倒産の経験が豊富な弁護士、人事・労務に強い弁護士などが在籍しており、連携してサポートすることが可能です。

企業法務でお悩みの方は、ぜひ一度ネクスパート法律事務所にご相談ください。

まとめ

弁護士に企業法務を依頼する際は、自社の経営フェーズに合った弁護士を選ぶと良いでしょう。

この記事を書いた人

ネクスパート法律事務所