借金返済の6つのコツと5つのNG行為|効率的な借金返済を目指して
クレジットカードやローン・キャッシングを利用すると、お金を使っている感覚が薄くなったり、使い過ぎに気づけなかったりして、いつの間にか限度額いっぱいまで借りてしまうことも少なくありません。
毎月、借金を返済しているのに、思うように残高が減らずに悩んでいる方もいらっしゃるのではないでしょうか?
借金を少しでも早く返済したいなら、月々の収支や返済額を把握して実行可能な返済計画を検討することが重要です。
この記事では、借金返済のコツや借金返済が難しくなった場合の対処法について解説します。
目次
借金返済のコツ6つ|借金を早く返済するには
ここでは、借金を効率的に返済するための6つのコツを解説します。
借入状況・返済状況を正しく把握する
借入先が1社のみの場合は、借入額や返済状況を把握しやすいでしょう。しかし、2社、3社と増えていくと、どこからいくら借りて、いくら返せているかを把握しづらくなります。
まずは、借入状況や返済状況を正しく理解するために、一覧表を作成してみましょう。
借入先ごとに、以下の事項を書き出します。
- 借入残高
- 利息
- 毎月の返済額
借入残高や利息がわからない場合は、借入先に問い合わせましょう。
クレジットカード会社や消費者金融等のWebサイトの会員専用ページからでも確認できます。返済予定表を入手・閲覧できれば、現状のペースで返済を続けた場合の完済予定日も把握できます。
家計を見直して返済原資を確保する
借金返済にいくら回せるかを確認するためには、家計収支の正確な把握が必要です。
毎月収入がいくらあって、生活費に最低限いくら必要かを分析しましょう。
シフト状況や残業の有無によって、手取月収に変動がある場合は、毎月確実に得られる金額を収入の基礎とします。
支出は、以下の費目ごとに書き出します。
- 住居費(家賃・住宅ローン)
- 食費
- 日用品
- 水道光熱費
- 電話代
- 新聞代
- 保険料
- 駐車場代
- ガソリン代
- 医療費
- 教育費
- 交通費
- 被服費
- 娯楽費
- 交際費
自動車税、固定資産税など、月ごとには発生しない年払いの支出や、冠婚葬祭等の臨時的な支出も書き出して、月々に換算するといくら貯めておかなければならないかも把握しましょう。
支出を書きだしたら、収入に見合わない支出や無駄な出費がないか分析しましょう。確実に得られる収入月額と生活に必要不可欠な支出を把握し、借金返済に月々いくら回せるかを検討します。
毎月の返済額を増やす
家計を改善することで返済に回せるお金を従前よりも多く確保できるのであれば、返済計画を見直します。
常に限度額いっぱい利用しているわけでもないのに、返済しても借金が減らない状況にある場合は、返済額のほとんどが利息の支払いにあてられている可能性があります。このような場合は、月々の返済額を増額しなければ借金の元本を減らせません。
大手消費者金融のWebサイトでは、返済シミュレーションが提供されています。
月々の返済をいくらに増やせば、利息にいくら充当されるのか、いくら以上払えば元本が確実に減るのか、何年で完済できるのかをシミュレーションできます。
収入の範囲で確実に返済できる金額を設定し、計画的な返済計画を立てましょう。
繰上げ返済をする
ボーナスや臨時収入があれば、繰上げ返済を検討しましょう。
繰り上げ返済とは、借金の元本の一部または全部をまとめて返済することです。元本を減らすことで将来発生する利息を軽減できます。
元本に対して発生する利息は、返済期間が長くなるほど大きくなります。利息の高い借金から優先的に繰上げ返済すれば、返済総額を効率的に抑えられます。
ただし、金融機関によっては繰上げ返済時に数千円~数万円程度の手数料を請求されるケースもありますので、繰上げ返済をするときは、事前に借入先に確認しましょう。
リボ払いをやめる
リボ払いは、毎月の支払額を一定額に抑えられるのが特徴ですが、その分、返済期間が長期化し手数料が膨らみやすい傾向があります。
毎月一定額が口座から引き落とされるため、きちんと払えていると認識しがちですが、手数料が高いため、月々の支払い額を低く設定していると残高がなかなか減りません。
リボ払いをやめるには、クレジットカード会社に電話またはWebサイトの会員ページでリボ払い設定の解除を申し入れる必要があります。ただし、リボ払いをやめるとその時点の利用残高は一括で支払わなければなりません。
リボ払い残高を一括で返済できない場合は、毎月の返済額を増額するか、繰上げ返済をして、徐々に残高を減らしてから解除しましょう。
リボ払いの残高を減らせれば、その分発生する手数料を小さくできるので返済総額を抑えられます。
借金返済のNG行為5つ|その行為、実は借金を増やすかも…
ここでは、借金返済のNG行為5つを紹介します。
毎月の返済額を低く設定する
借入れやリボ払いでは、利用額に応じて月々の最低返済額が定められています。
月々の返済はなるべく安い方がいいと思い、最低弁済額を月々の返済額に設定する方もいらっしゃるでしょう。
しかし、返済額を低く設定すると、ほとんどが利息に充当され、返済額の元本がなかなか減らないため、返済期間が長期化します。
返済期間が長引くと、その分利息が増え、トータルの返済額も多くなります。
返済金額の設定時は、金融機関等がWebサイトで提供している返済シミュレーションを利用して、無理のない範囲で元本を効率的に減らせる金額を設定しましょう。
返済期日を守らない
返済期日を1日でも過ぎると、遅延損害金が発生します。
遅延損害金の利率は年14.6~29.2%と利息よりも高額に設定されているため、返済が遅れれば遅れるほど、借金が膨らみます。
返済期日を厳守すること、万一返済期日を徒過した場合はすぐに返済することを心がけましょう。
怪我や病気で一時的に減収した場合などは、返済期日を迎える前に債権者に連絡して、その時点で支払える最低限の額を返済することで、遅延損害金を免除してもらえることもあります。
返済が遅れる可能性がある場合は、期日前に債権者に連絡し、返済方法を相談することをおすすめします。
他社からの借金で返済する
返済期日までにお金を用意できないときに、他社から借入れて返済する行為は、借金を膨れ上がらせる危険な行為です。
今ある借金の返済ができないのに、新たに借金を増やすことは、経済的な破綻の先送りでしかありません。借金の額が雪だるま式に増え、月々の返済総額も増額します。
借金の総額が年収の3分の1を超えると新たな借入れも難しくなるため、近い将来、返済に行き詰まり、債権者から一括請求や差し押さえ等を受けるおそれがあります。
安易に借金を一本化する
借入件数が増えると、どこからいくら借りているのか、いつまでにいくら返済しなければいけないのかを把握するだけでも手間がかかります。
おまとめローンを利用して借入を一本化すれば、借入の全容把握が容易になり、返済計画を立てやすくなります。
しかし、おまとめローンには、以下のようなデメリットもあります。
- 借入希望額が高額になるため、審査が厳しくなる
- 基本的に追加融資は受けられない
- 借入希望額を満額借りられるとは限らない
- 金利がさほど変わらないこともある
おまとめローンを利用しても、毎月の返済額を低く設定すると返済期間が長引き、その分利息が増えるので、結果的に支払総額が多くなることもあります。
闇金を利用する
借金総額が年収の3分の1を超えると、消費者金融やクレジットカード会社から追加融資を受けられなくなります。
借入総額が3分の1未満でも、2〜3か月以上返済を滞納すると、信用情報機関に遅延情報が登録され、新たな借入やクレジットカードの作成が困難になります。
そんなとき、「ブラックOK」「審査不要」という甘い言葉に誘われても、絶対に闇金を利用してはいけません。
俗に「トイチ」「トサン」といわれる10日で1割、3割の高利で貸し付ける無登録業者は、法外な利息を長期間取り続けることを目的としてお金を貸しています。
ほんの数万円でも一度借りたら法外な利息を要求され、返済を一度でも怠ると執拗な取り立てや嫌がらせを受ける可能性があります。
借金返済に困らないためのポイント4つ|計画的に返済するために
ここでは、借金返済に困らないための4つのポイントを解説します。
お財布感覚でキャッシングを利用しない
キャッシングやローンを頻繁に利用すると、徐々に金銭感覚を失っていき、利用可能額を自分のお財布や預金口座のように感じてしまう傾向があります。
返済が順調で利用可能額が増枠されると、自分のお金が増えたような錯覚に陥ることもあります。
お金を借りているという感覚がなくなると、浪費癖が付いたり、使い過ぎに気付けなかったりして、いつの間にか借金が数百万円までに膨らんでしまった、ということも少なくありません。
金銭感覚を狂わせないためにも、本当に必要な時以外は借りない意識が必要です。
クレジットの利用限度額は低めに設定する
クレジットカードは、現金を持ち歩かずに済み、決済がスムーズでポイントも貯まるという利点がある反面、お金を使っているという意識が薄れやすくなります。
クレジットカードの利用限度額を低めに設定しておけば、限度額以上の利用ができなくなるので、使い過ぎを防げます。
リボ払いの利用を避ける
無計画なリボ払いの利用は避けるようにしましょう。
どうしても一括で払えない高額な商品を購入したいときやサービスを利用したいときには、分割払いを検討しましょう。2回払いであれば、手数料もかかりません。
ただし、分割回数が増えるほど手数料が高額になるため、分割回数をできるだけ減らすのも重要です。
ボーナス払いも手数料が無料なので、勤務先からボーナスが確実に支給される見込みがある場合は、ボーナス払いを利用するのも一つの手段です。
家計簿をつける
家計簿をつけると、収入と支出が可視化されます。お金の動きを把握することで、それまで気付かなかったお金の使い方や浪費癖などを見直すことにもつながります。
収支の改善点が見つかれば、その部分をどうすれば節約できるか具体的に検討できます。
家計を見直して、切り詰めた支出を返済に回せれば、借金を早期に返済できます。
借金返済ができないとどうなる?滞納リスク4つ
ここでは、借金の返済を滞納した場合のリスクについて解説します。
遅延損害金で借金が膨らむ
返済期日を1日でも過ぎると、遅延損害金が発生します。
一般に、遅延損害金は利息よりも高く設定されているため、滞納し続けると返済がさらに難しくなります。
遅延損害金の額は、以下の計算式で求められます。
滞納額×年率×滞納日数÷365日=遅延損害金 |
例えば、遅延損害金率が年20%、滞納額が20万円の場合の滞納日数に応じた遅延損害金は、以下のとおりとなります。
- 10日滞納:1,096円
- 30日滞納:3,288円
- 50日滞納:5,479円
返済が遅れれば遅れるほど、遅延損害金が増えるので注意しましょう。
取り立てが厳しくなる
借金の返済が滞ると、債権者から電話やメールで返済を促されます。
当初は穏便な雰囲気でも、滞納が長引くと一括請求や法的措置を予告する書面が届くなど、取り立てが次第に厳しくなります。
ブラックリストに載る
滞納期間が2~3か月を超えると、信用情報機関に事故情報が登録されます。
事故情報の登録期間中は、以下のような制限を受けます。
- 新規借入・クレジットカードの作成ができない
- 携帯電話やスマートフォンを分割購入できない
- 他者の債務を保証できない
- 信販系保証会社の利用必須の賃貸借契約を締結できない
裁判や差し押さえの可能性も
債権者からの一括請求や法的措置の予告を無視したり、督促状や催告書に記載された期限までに返済ができなかったりした場合は、債権者が支払督促や訴訟などの手続きに移行することがあります。
適切な対応をとらなければ、最終的に財産を差し押さえられる可能性もあります。
借金返済に困ったときは債務整理でスムーズに解決
借金の返済が困難になった場合は、債務整理を検討することをおすすめします。
ここでは、債務整理の種類や各手続きの特徴について解説します。
債務整理の手続きには、主に次の3つの方法があります。
- 任意整理
- 個人再生
- 自己破産
毎月の返済額を軽減したい|任意整理
任意整理とは、裁判所を通さず、債権者との話し合いにより返済方法を変更する手続きです。
将来利息や遅延損害金の免除により返済総額を軽減したり、返済期間を延長して毎月の返済額を軽減したりすることを目的とします。
毎月の負担を軽減できれば、借金を3~5年で完済できる見込みがある場合に利用を検討できます。
借金を大幅に減額したい|個人再生
個人再生とは、裁判所を通じて借金を概ね5分の1に減額し、減額後の借金を原則3年(最長5年)かけて返済する手続きです。
住宅ローンを除く借金の総額が5,000万円以下で、減額後の借金を3年以内(または5年以内)に完済できる安定した収入を得られる見込みがある方が利用を検討できます。
住宅資金特別条項を適用できる場合は、マイホームを手放さずに、住宅ローン以外の借金を整理できます。
借金の理由を問われないので、ギャンブルや浪費が原因でも利用できます。
借金返済を免除してほしい|自己破産
自己破産とは、債務者が支払不能の状態に陥った場合に、裁判所を通じて借金の返済義務を免除してもらう手続きです(非免責債権を除く)。
借金をゼロにする代わりに、一定以上の価値のある財産は手放さなければなりません。
借金返済ができない場合は弁護士への相談がおすすめ
ここでは、借金問題の解決を弁護士に相談・依頼するメリットや相談の流れについて解説します。
弁護士に相談するメリット
自分に合った解決方法が見つかる
債務整理の手続きの選択は、以下の事項を総合的に考慮して判断します。
- 借金の総額
- 収入・資産状況
- 債務者の職業
- 保証人の有無
弁護士に相談すれば、ご自身が置かれた状況に適した解決方法をアドバイスしてもらえます。
取り立てを停止できる
弁護士に債務整理を依頼すると、受任通知の送付により、債権者からの取り立てが止まります。弁護士が連絡窓口となり、債権の調査や交渉を代理してくれるので、心理的な負担も軽減できます。
返済も一旦停止できるので、生活の立て直しに注力できます。
煩雑な手続きを任せられる
債務整理では、様々な資料を収集したり、難しい法律用語を読み解きながら書面を作成したりしなければなりません。債権者や裁判所とのやり取りには、法的知識や交渉力も必要です。
弁護士に依頼すれば、必要書類の調達・作成から債権者・裁判所対応などの煩雑な手続きを、全て任せられるため、手間や時間を大幅に削減できます。
弁護士への相談・依頼の流れ
借金の返済が厳しくなったら、弁護士なるべく早く弁護士に相談しましょう。
債務整理を積極的に取り扱う法律事務所では、無料相談を実施している事務所もあります。
適切な債務整理方法を相談
事前に電話やメールで予約した日時に、法律事務所で初回相談を行います。
弁護士に、借入状況や収入・資産状況をスムーズに伝えらえるよう、あらかじめメモを作成しておくと良いでしょう。
委任契約の締結
弁護士から提案された解決方針や費用等の説明に納得し、依頼を決めた場合は、委任契約を締結します。
依頼を前提に相談する場合は、印鑑を持参するとスムーズです。
受任通知の送付
委任契約締結後、弁護士が各債権者に受任通知を送付します。
取り立てや返済をストップさせて債権を調査します。
各手続きの弁護士への依頼後の流れは、下記関連記事をご参照ください。
まとめ
ローンやクレジットを利用する際は、本当に必要な支出なのかどうかをよく考え、借り過ぎや使い過ぎのないように心がけましょう。
借入・返済状況を正しく把握し、家計を見直すことが借金問題の早期解決の糸口となります。
自力での返済が難しい場合は、弁護士に相談しましょう。
弁護士に依頼すれば、債務整理によりスムーズに借金問題を解決できます。