自己破産手続きの種類・期間・流れを解説 - 債務整理は弁護士に相談【ネクスパート法律事務所】

自己破産手続きの種類・期間・流れを解説

自己破産の手続きには複数の種類があり、費用や必要な期間が異なります。

今回は、自己破産の手続きに関して主に以下の点を中心に解説します。

  • 自己破産手続きの種類について
  • 手続きにかかる費用はどれくらいか
  • 手続きの流れと期間の詳しい内容

自己破産を進めようとしている方は、ぜひ参考にしてください。

自己破産手続きは3つの種類がある

それぞれどういった手続きなのか解説します。

同時廃止

同時廃止事件とは、破産管財人を選任せず、手続きの開始と同時に破産事件が廃止する手続きのことです。

管財事件の場合、破産管財人を選任し財産の調査・管理・処分を行わなければなりません。破産管財人に支払う予納金が必要になるため、費用もそれなりにかかります。

しかし同時廃止の場合、破産手続き開始と同時に手続きが終了となり費用もほとんど必要ありません。

管財事件

管財事件とは、自己破産手続きを進めるにあたって破産管財人を選任し、財産や借金に関する調査・管理・処分を行う手続きのことです。

次のようなケースに該当する場合、管財事件になります。

  • 所有している財産・資産が多い
  • 社会的影響のある企業の代表者である
  • ギャンブルなどの浪費による借金が多い

財産・資産を豊富に所有している人が管財事件の対象になるので、他の手続きと異なり財産の調査・処分や債権者への分配に時間がかかります。もっとも管財事件として扱われるのは、所有している財産額の多い企業の取締役などが対象となるケースが多いです。

個人の自己破産では、管財事件に指定されるケースはほとんどありません。

少額管財

少額管財とは、財産が少ない人が自己破産をするために定められた制度です。管財事件とは異なり予納金が安く、一般の人でも利用しやすい手続きです。

少額管財は、主に次のようなケースが該当します。

  • 予納金を納められるだけの現金・貯金がある(33万円以上の現金)
  • 借金返済できるだけの高額な資産がある(20万円以上の不動産や車などが該当)
  • ギャンブルなどの浪費による借金

管財事件と異なり少額管財は、財産や借金に関する調査・管理・処分の時間がかかりません。そのため手続きにかかる期間は、最長でも半年程度が目安です。

【各手続きの特徴と期間】

同時廃止 管財事件 少額管財
特徴 ・手続き開始と同時に破産手続きが廃止となる

・管財事件と比較すると費用がかからない

・高額の費用が必要となる

・手続きに時間がかかる

・財産や現金をあまり所有していない一般の人が利用する手続き
期間 約3ヶ月 約半年~1年 約2ヶ月から半年

自己破産手続きの費用

自己破産手続きの費用は、手続きの種類によって必要となる金額が変わります。ここでは、それぞれの手続きに応じて必要な費用を解説します。

少額管財

少額管財事件の場合、裁判所へ支払わなければならない費用は以下のとおりです。

  • 収入印紙代(申立手数料)1,500円※事案により申立手数料は異なります
  • 郵便切手代 数千円※申立てする裁判所や事例(債権者数など)によって、郵便切手代は上記とは異なります
  • 官報公告代(予納金)1万円前後※事案により官報公告費用が異なります
  • 引継予納金 最低20万円 ※基本的に20万円となっているが、困難な管財業務が必要とされる場合は事案に応じて20万円を超える引継予納金が必要

同時廃止

同時廃止事件の場合、事務手続きなどに次の費用が必要です。

  • 収入印紙代(申立手数料)1,500円
  • 郵便切手代 数千円
  • 官報公告代(予納金)1万円前後

参考:破産(同時廃止)申立に際しての注意事項など|裁判所

その他住民票など、手続きに際して必要な書類の発行に関して手数料が必要になります。

管財事件

管財事件の場合、同時廃止事件の際に必要な費用に加えて、破産管財人に自己破産手続きをするために必要な予納金を支払わなければなりません。

予納金は裁判所によって異なりますが、東京地方裁判所が設けているおおよその金額は以下のとおりです。

負債総額 予納金
5,000万円未満 70万円
5,000万以上1億円未満 100万円
1億以上5億円未満 200万円
5億以上10億円未満 300万円
10億以上50億円未満 400万円
50億以上100億円未満 500万円
100億以上250億円未満 700万円
250億以上500円未満 800万円
500億以上1,000億円未満 1,000万円
1,000億円以上 1,000万円以上

参考:破産・個人再生事件の手続き費用一覧|東京三弁護士会多摩支部

それぞれの手続きで裁判所に支払わなければならない費用と弁護士費用を、以下に表としてまとめました。

裁判所費用 弁護士費用 合計額
同時廃止 1~2万円 40~60万円 合計約40万~
管財事件 50万円〜

(裁判所によって金額は異なる)

30~100万円 約80万円~
少額管財 約20万円前後 40~60万円 約60万円~
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自己破産手続きの流れと期間

ここでは自己破産手続きの大まかな流れと必要な期間について解説します。

弁護士に相談する

まずは弁護士に相談・依頼をしましょう。

自己破産の手続きは専門知識や複雑な手続きが必要となるため、法律の知識がなければスムーズに行うことはできません。

債務整理に強い弁護士に相談すれば、自己破産を含む他の手続きによって借金問題を解決できるケースもあります。

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弁護士による受任通知で取立てが止まる

依頼を受けた弁護士は、金融機関や消費者金融に対して受任通知を送付します。

貸金業法では、受任通知を受けた債権者は債務者に対して取り立て・催促を行うことを禁じています。

参考:貸金業法|e-Gov

したがってこの段階で債務者は、借金の取り立てや催促に怯えることなく生活を立て直すことだけに集中できます。

必要書類の作成を行うなどの準備

自己破産の申し立てを行う際には、裁判所に提出する必要書類を作成しなければなりません。申し立てに必要な書類は、裁判所の公式ホームページで確認することが可能です。

提出書類の書式は裁判所ごとに異なるので、各裁判所のホームページなどで確認する必要があります。

参考:申し立て等で使う書式例|裁判所(高知地方裁判所の書式)

裁判官面接と手続きの開始決定

重要な書類を作成し揃えたら、裁判所へ申し立てを行います。

提出した書類に不備がなければ、自己破産手続きの開始となります。書類の不備があった場合は、都度追加の提出や説明が求められます。

同時廃止事件の場合、裁判所は破産手続き開始決定と同時に廃止決定も行います。

破産管財人の財産処分と債権者集会(管財事件・少額管財)

管財事件・少額管財の場合、手続き開始後に破産管財人による財産の処分と債権者集会が行われます。

また管財人が選定された場合、自己破産手続きの間のみ以下のような制限を受ける場合があります。

  • 保険募集員、警備員、弁護士、税理士、後見人など一定の職業になれない
  • 裁判所の許可なく転居や長期の旅行ができない
  • 郵便物が破産管財人に転送される
  • 破産管財人に対して財産や資産の説明義務を負う

参考: 自己破産の申し立てを考えている方へ|裁判所

破産管財人による調査が終わったら、裁判所と債権者に向けて財産の状況や手続きの進行状況に関する説明を行います。

免責

債権者集会が終わったら、裁判所が破産管財人に対して、免責の相当性や免責不許可事由の有無に関しての調査結果を報告させます。

裁判所は破産者に対しても意見を述べる機会を設けますが、特に何もない場合はありませんと答えても問題ありません。

破産管財人の報告・意見をもとに、裁判所は自己破産免責許可・不許可の判断を行います。

免責許可が認められた場合、自己破産を申請した人の氏名と住所を官報に掲載されます。2週間以内に債権者から異議がなければ、免責確定です。

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自己破産手続きの必要書類

裁判所によって、自己破産手続きに必要な書類は異なります。申し立てをする際には、必ず依頼した弁護士や管轄となる裁判所の指示に従ってください。

一般的な自己破産の申し立てにおける必要な書類は次の通りです。

  • 申立書
  • 住民票
  • 債権者一覧表
  • 退職金に関する規定
  • 課税証明書や非課税証明書
  • 有価証券・ゴルフ会員権に関する資料
  • 現在加入しているすべての保険の保険証書
  • 購入金額が20万円以上の財産に関する資料
  • 不動産の登記簿及び査定書または貸借契約書
  • 売却したものが20万円以上の財産に関する資料
  • 給与明細・源泉徴収票・確定申告書など収入に関する書類一式

参考:申し立て等で使う書式例|裁判所(高知地方裁判所の書式)

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まとめ

自己破産の手続きは複雑で専門的な知識が必要です。弁護士を介さず個人で行うことも可能ですが、手続きにかかる時間が長引くと借金から解放されるのが遅くなってしまいます。

一刻も早く生活を立て直したいとお考えの方は、手続きにかかる時間を少なくするためにも弁護士に相談しましょう。

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