受任通知の効果|デメリットと注意点も詳しく解説 - 債務整理は弁護士に相談【ネクスパート法律事務所】

受任通知の効果|デメリットと注意点も詳しく解説

受任通知とは、弁護士が依頼者の代理人に就任したことを相手方に知らせる通知のことです。

債務整理の場合、貸金業者や債権回収会社からの督促や取立てをストップさせる効果があります。

この記事では、以下を詳しく説明します。

  • 受任通知とは?
  • 受任通知送付のメリット
  • 受任通知送付のデメリット
  • 受任通知送付時の注意点

弁護士に債務整理の依頼を検討されている方は、ぜひご確認ください。

佐藤弁護士
佐藤弁護士
受任通知を送付すると、取り立てが止まります。

ただし、口座凍結や保証人への請求などいくつか注意点がございます(詳細本文)。借金返済や取り立てでお悩みの方は一度ご状況をお聞かせください。今後の対応を考えていきましょう。

受任通知とは

受任通知は、債務者の代理人として債務整理手続きを進める旨、弁護士・司法書士が債権者に知らせる通知のことです。介入通知と呼ばれることもあります。

受任通知の役割

受任通知は、貸金業者や債権回収会社からの直接の取立てを停止させる効果があります。

貸金業者・債権回収会社は、受任通知受領後、正当な理由なく債務者に対して直接の連絡や取立てができなくなります。

受任通知の根拠法令と効果が及ぶ範囲

受任通知には何故そのような効果があるのでしょうか?それは、法律で定められているからで、貸金業者や債権回収会社が違反した場合は罰則や行政処分を受ける場合があります。

受任通知の根拠法令

受任通知の根拠になっている法律は次の2つです。

  • 貸金業法
  • サービサー法

これらの法律で、以下のとおり直接の取立て行為を禁止しています。

⑴貸金業法

貸金業法第21条第1項9号は次のとおり規定しています。

債務者等が、貸付けの契約に基づく債権に係る債務の処理を弁護士若しくは弁護士法人若しくは司法書士若しくは司法書士法人(以下この号において「弁護士等」という。)に委託し、又はその処理のため必要な裁判所における民事事件に関する手続をとり、弁護士等又は裁判所から書面によりその旨の通知があつた場合において、正当な理由がないのに、債務者等に対し、電話をかけ、電報を送達し、若しくはファクシミリ装置を用いて送信し、又は訪問する方法により、当該債務を弁済することを要求し、これに対し債務者等から直接要求しないよう求められたにもかかわらず、更にこれらの方法で当該債務を弁済することを要求すること。

⑵ 債権管理回収業に関する特別措置法(以下、サービサー法といいます。)

サービサー法第18号第8項は次とおり規定しています。

債権回収会社は、債務者等が特定金銭債権に係る債務の処理を弁護士又は弁護士法人に委託し、又はその処理のため必要な裁判所における民事事件に関する手続をとった場合において、その旨の通知があったときは、正当な理由がないのに、債務者等に対し、訪問し又は電話をかけて、当該債務を弁済することを要求してはならない。

法的効果が及ぶ範囲

受任通知の法的効果は、貸金業法はサービサー法の適用を受ける債権者に及びます。

具体的には、以下の債権者です。

  • 貸金業者(消費者金融やクレジットカード会社)
  • 債権回収会社

貸金業法とサービサー法の適用を受けない債権者は、この法律上の義務を負いません。したがって、次の債権者に対する受任通知は任意のお願いに留まります。

  • 銀行
  • 信用金庫
  • 信用組合
  • 個人や企業
  • 携帯電話会社

受任通知発送のタイミングによって請求書が入れ違いで届くことがありますが、金融機関や企業のほとんどは直接の取立てを停止してくれます

債権者が直接連絡してきた場合は、弁護士に報告して対処してもらいましょう。

受任通知の記載事項

受任通知には何が記載してあるのでしょうか?

一般的な受任通知には、次の事項が記載されています。

  • 債務整理の依頼を受けたこと
  • 取引履歴の開示依頼
  • 直接の取立て停止要請
  • 債務承認をするものではないこと

受任通知の記載例

受任通知の一般的な記載例を紹介します。

令和〇年〇月〇日

債権者各位

〇〇県〇〇市〇〇区〇〇町〇丁目〇番〇号

△△△法律事務所

電 話 〇〇-〇〇〇〇-〇〇〇〇

FAX 〇〇-〇〇〇〇-〇〇〇〇

債務者△△△△代理人

弁護士 〇  〇  〇  〇   印

受任通知

拝啓

当職は、下記債務者の代理人として、同人の債務整理について受任することになりましたので、ご通知申し上げます。

債務者の表示 住所 〇〇県〇〇市〇〇区〇〇町〇番〇号

 氏名 △  △  △  △

 債務者の正確な債務状況を把握するため、同封の債権調査票に所定の事項をご記入の上、貴社と債務者との借用書又は契約書の写し等債権を明らかにする書面(貴社主張の金利による計算書のほか、利息制限法による計算書もお付けください。利息制限法による計算書の添付が容易ではない場合は、必ず取引履歴の添付をお願い致します。また借り換えを行っている場合には、当初契約分から現在まですべての取引履歴のご送付をお願い致します。)と共に、本書到達後1週間以内に当職あてご返送下さるようお願い申し上げます。

本人及びその家族は完全に疲弊しておりますので、債務者の窮状もご賢察いただいた上、いわゆる貸金業法及び金融庁事務ガイドラインに従い、本人には一切ご連絡なきようお願いするとともに、万一、信用棄損、威迫等の言動があった場合には、断固たる措置を取る所存ですので念のため申し添えます。

最後に、貴社には誠にご迷惑をおかけすることとなりますが、債務者の窮状をご賢察くださり、ご協力のほどお願いする次第です。

尚、本書により時効更新事由として債務承認をするものではありませんので、念のため申し添えます。

敬具

受任通知送付のメリット

受任通知送付のメリットは、直接取立ての停止以外にもあります。ここでは受任通知送付のメリットについて解説します。

精神的な負担が軽減される

借金でお悩みの方は、債権者からの連日の督促で精神的に追い込まれていることがあります。受任通知により直接の取立てが止まることで、精神的な負担が減り、平穏な生活を取り戻せます。

返済を停止できる

受任通知を送付すると、借金の返済を一旦停止できます。返済を停止することで、生活を立て直す実感も得られます。

なお、自己破産や個人再生を依頼した場合、特定の債権者にだけ弁済すると、後の手続きに影響します。受任通知送付後は弁護士の指示に従い返済を停止しましょう。

受任通知送付のデメリット

受任通知を送付すると、デメリットも生じます。ここでは受任通知送付のデメリットについて解説します。

口座が凍結される

受任通知を受け取った金融機関は、債権の回収のため口座を凍結します。口座が凍結されると、預金と借入金が相殺される場合があります。

任意整理では債権者を選べるので、凍結を避けたい口座の金融機関を対象外にすれば、凍結を回避できます。

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保証人が請求を受ける

主債務者が返済を停止すると、債権者は保証人に返済を求めます。

任意整理であれば、保証人がいる債務を任意整理の対象から外せます。保証人に請求されたら困る場合は、任意整理を検討するとよいかもしれません。

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ブラックリストに載る

信用情報機関に事故情報(金融事故)が登録されます。いわゆるブラックリストに載ることです。信用情報機関に金融事故の情報が記録されると、新たな借入やクレジットカードの発行が難しくなります。

通常2カ月以上の滞納が生じると金融事故の情報が登録されるため、受任通知送付前に既にブラックリストに載っている可能性もあります。

債務整理の種類によりますが、完済(又は免責)から5~10年は記録が残ります。

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裁判や差し押さえは止められない

受任通知は直接の取立てを禁止する効果はありますが、裁判上の請求は止められません。

受任通知送付時、既に裁判や強制執行が申し立てられた場合も、それを中止できません。自己破産や個人再生を利用する場合は、手続きが始まれば差し押さえの管轄裁判所に申し立てることで強制執行を止められます。

滞納税の督促を止められない

税金は自己破産をしても免責されません。税金を長期間滞納すると、財産を差し押さえられることがあります。

税金の滞納がある場合は、役所の窓口で分割又は支払猶予を相談しましょう。

受任通知送付時の注意点

ここでは、受任通知送付時の注意点を解説します。

受任通知を出すタイミング

受任通知は、通常、弁護士に債務整理を依頼した当日〜数日以内に発送します。受任通知送付のデメリットを踏まえ、送付するタイミングについては弁護士とよく相談しましょう。

受任通知送付までにすべきこと

受任通知を送る前に事前に準備すべきことは次のとおりです。

  • 借入先の銀行の預金を出金する
  • 給与・年金の振込口座や公共料金の振替口座を借入先の銀行以外にする
  • 保証人へ債務整理する旨を伝える
  • クレジットカードのポイントを交換する

ひとつずつ説明します。

借入先の銀行の預金を出金する

借入先の金融機関に受任通知を送付すると、金融機関は債務と預金残高を相殺し口座を凍結します。

そのため、受任通知を送る前に、借入先の銀行から現金を引き出して残高をゼロにします。

給与・年金の振込口座や公共料金の振替口座を借入先の銀行以外にする

①給与や年金の振込口座を変更する

受任通知後に給与振り込みがあったとき、法律上相殺は禁止されていますが、金融機関によっては相殺されるケースがあります。相殺されない場合でも、口座が凍結されて振り込まれた給与や年金を引き出せない可能性があります。

受任通知送付前に、振込口座の変更または支払方法の変更を依頼しましょう。

②公共料金その他各種料金の振替口座を変更する

光熱費・携帯電話料金・公共料金が借入先の金融機関から引き落とされている場合は、振替口座または支払方法を変更します。口座凍結により支払ができなくなりライフラインが絶たれないように注意しましょう。

保証人へ債務整理する旨を伝える

保証人がいる借金の借入先に受任通知を送付すると、債権者は保証人に対して一括弁済を求めます。

事前に保証人に連絡して、保証してもらっている借金を債務整理する旨伝えましょう。保証人には次のことを説明します。

  • 保証人が一括請求を受ける可能性があること
  • 払えない場合は保証人も債務整理を検討してもらう必要があること

クレジットカードのポイントを交換する

クレジットカードの種類によっては、買い物や支払いに応じてポイントが付与されます。

受任通知送付後、クレジットカードは解約されポイントも消滅します。あらかじめポイントを交換することをおすすめします。

ただし、ポイントを消費するためにクレジットカードで買い物をする(代金の一部にポイントを利用)のは控えましょう。債務整理を弁護士に依頼した後にクレジットカードを利用すると後の手続きの妨げになるおそれがあります。

受任通知の送付だけを弁護士に依頼することはできない

受任通知は、債務整理の手続きの一環として弁護士が債権者に送付するものです。「取立てが厳しいので受任通知だけ発送してほしい」と依頼できません。

受任通知は債務整理を目的として送付することで法律効果が生じます。取立ての停止だけを目的に受任通知を送っても、取立て停止の効果は生じません。

まとめ

受任通知の受領後、債権者は債務者に直接取立てできません。受任通知を取立てから開放されれば、経済的・精神的な負担が軽減されます。

弁護士に債務整理を依頼するメリットは、受任通知の送付だけではありません。

借金問題にお悩みの方は、早めに弁護士に相談されることをおすすめします。

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