任意整理を弁護士に依頼するメリット・流れ・費用を解説
任意整理をする際は、債権者と交渉して合意を得なければいけないので、自力で手続きをするには限界があります。
任意整理を進めたい方は、弁護士への相談を検討してみてください。
この記事では、任意整理を弁護士に相談する上で知っておきたいことをご紹介します。
- 任意整理を弁護士に相談するメリット
- 弁護士の選び方
- 相談の流れ
- 弁護士に相談する人のよくある疑問
- 任意整理の解決事例
任意整理を弁護士に相談するメリット
ここでは、任意整理を弁護士に相談するメリットを解説します。
取立て・督促が止まる
借金問題を任意整理で解決する最大のメリットは、取り立て・催促が止まる点です。
任意整理の依頼を受けた弁護士は、債権者に対して受任した旨の通知を送ります。
貸金業法21条9項では、任意整理手続きが始まった旨の通知を受けた債権者に対し債務への取り立て・催促を禁じています。
参考:貸金業法21条9項
緊急で取り立て・催促を止める必要がある場合、弁護士にFAXや電話をしてもらうこと最短即日での対応も可能です。債権者によっては、任意整理手続き開始の通知を受けた後も取り立て・催促をしてきますが、債務者はこれに従う必要はありません。
取り立て・催促に怯える生活から解放されます。
ただし、貸金業法3条の登録をしないで貸金業を営む業者の取り立ては止まらない可能性があります。
有利な条件で和解できる
任意整理は、主に次のような手続きです。
- 利息の引き直し計算を行い、払いすぎたお金があればその分の金額負債残高を減らす
- 利息の引き直し計算をして残った負債に関しては、将来発生する利息をゼロにして元本だけを分割払いすることを債務者と交渉する
債権者と和解できれば、借金額を減らし無理のない返済が可能です。
複雑な手続きは全て代理してくれる
任意整理をする際は、債権者との交渉以外の対応も必要です。
手続きや必要書類について詳しく知りたい方は以下の記事をご参照ください。
弁護士に依頼をすると、任意整理をするために必要な手続きを全て任せられます。
任意整理以外の方法も検討できる
個人再生や自己破産を選んだ方が、ご希望に沿うことがあり得ます。
借金額や収入に応じて、適切な手段を選びたいところです。
任意整理の特徴は、裁判所を通すことなく借金額を減額できる点です。
ただ、返済が難しい場合は自己破産を選んだ方がいいかもしれません。
弁護士に相談すると、どの手続きを選ぶと良いか検討できます。
以下に任意整理と他の手続きの違いについてまとめたので、どの手続きを選べば良いのか考える際の参考にしてください。
任意整理 | 個人再生 | 自己破産 | |
借金の減額 | 原則利息 | 1/5程度まで減額可能 | 全額免除 |
手続きが複雑か | 弁護士に依頼すれば簡単 | 必要書類の作成裁判所への出廷の必要あり | 必要書類の作成や裁判所への出廷が必要 |
デメリット | ブラックリストに載る | ・ブラックリストに載る
・債権者を選べない ・ローン支払い中の財産は手放す必要あり ・官報に掲載される |
・ブラックリストに載る
・債権者を選べない ・家や車などの財産を手放す必要あり ・官報に掲載される ・資格や職業が制限される |
周りにバレるか | 債権者にはバレる | バレる可能性が低い | バレる可能性が低い |
手続きに必要な期間 | 1~3ヶ月 | 6ヶ月〜1年 | 3~6ヶ月 |
任意整理を相談する弁護士の選び方
ここでは任意整理を相談する弁護士の選び方について解説します。
任意整理の経験・実績は豊富か
弁護士を選ぶ前提として、任意整理の経験・実績は必須です。
HPを参考にして、任意整理の解決実績が豊富な弁護士に依頼しましょう。
説明がわかりやすいか
わかりやすく説明してくれる弁護士を選びましょう。
実績のある弁護士であれば、相談者からヒアリングした内容をうまく噛み砕き、その後の手続きや費用に関してわかりやすく説明してくれます。
説明が分かりにくい弁護士に依頼してしまうと、手続きに不安を感じてしまったり、余計な時間がかかったりします。
料金体系がわかりやすいか
任意整理の相談をする際には、料金体系が分かりやすい弁護士に依頼しましょう。
依頼前に、費用の見積もりをしてもらうと安心です。
一括で支払うのが難しい場合、分割払いに対応している事務所を選ぶこともできます。
過去にトラブルがない弁護士か
信頼できる弁護士かどうか判断するために、過去にトラブルを起こしていないか確認しましょう。
弁護士の懲戒情報は「弁護士懲戒処分検索センター」で調べられます。
ただし過去に懲戒処分があったとしても、必ずしも問題がある弁護士というわけではありません。
依頼者のことを思って仕事に取り組んだ結果、結果として懲戒処分となったケースもあります。
懲戒処分に関しては、詳細も確認しましょう。
(参考サイト:弁護士懲戒処分検索センター)
相性のよい弁護士か
相性も重要です。
任意整理の手続きを進める際には、ある程度の期間弁護士と連絡を取り合わなければいけません。相性の良い弁護士であれば、手続き期間でも不安を感じることなく過ごせます。
一般的な事務所は初回相談を無料で行っているので、相性の良い弁護士か確認しましょう。
夜間や土日も相談できるか
お仕事によっては平日や日中に相談できない人も多いため、夜間や土日に対応している弁護士事務所も多いです。
通いやすい立地か
任意整理の手続きでは、何度か弁護士と相談しなければならないケースもあります。
通いやすい立地の弁護士事務所に依頼しましょう。
任意整理を弁護士に相談する流れ
ここでは任意整理を弁護士に相談する流れについて解説します。
お問い合わせ
まずは電話もしくはメールにてご連絡ください。
専門スタッフまたは弁護士がヒアリングを行います。電話・メールともに24時間受付中です。
初回面談
お客様のご都合に合わせて、弁護士との面談日をご指定ください。
事前予約をいただければ夜間や土日での相談に対応できる場合もあります。
依頼検討
初回面談では債務状況やご要望をお伺いし、ご相談者様に最適の解決策をご提案します。
実際にご依頼いただく場合の手続きや費用も説明させていただくので安心してください。
任意整理を弁護士に相談する人のよくある疑問
任意整理について、よくある疑問と回答を紹介します。
弁護士に依頼したら赤字になるのではないか
任意整理を弁護士に依頼した場合でも、赤字になることはありません。
任意整理にかかる費用の相場と内訳は、主に以下の通りです。
- 相談料:無料~1万円前後
- 着手金:2~5万円前後
- 報酬金:減額した金額の10%前後
任意整理の場合、過払利息がない限り借金が減額することはほとんどないので、報酬金が発生しないケースも多いです。
お金がなくても依頼できるのか
任意整理の弁護士費用を払えない場合、分割払いに対応している弁護士事務所を検討しましょう。
生活保護者の場合、弁護士費用を免除する制度を利用できるので、こういった制度を活用するのも1つです。
任意整理をしたあとクレジットカードは使えるのか
任意整理後は、一定期間クレジットカードを利用できなくなります。
クレジットカードを所有している人が任意整理を行なった場合、主に次のようなことが起こります。
- 任意整理するクレジットカードは即日使えなくなる
- 任意整理しないクレジットカードも後日使えなくなる
- 家族カードも使えなくなる
- 信用情報機関にブラックリストとして登録される
本人のクレジットカードだけではなく、家族カードも使えなくなります。
任意整理の解決事例
実際に当事務所が解決した任意整理に関する事例を紹介します。
依頼者 | 株式会社 |
借金額 | 1,200万円以上 |
借金の理由 | 買掛金 |
借入先 | 取引先法人 |
ご依頼の背景
買掛金の支払いが滞り会社を潰すしかないが、毎月の返済金額が少しでも減れば、事業を継続できるため、取引先と返済額の減額交渉をしてほしいと相談がありました。また事業を継続するために返済金額はできるだけ低く、少しでも支払いをしなくてよい期間を作ってほしいという要望もありました。
弁護士の見通し
依頼者は過去に支払い方法の変更をしていたため、さらに分割回数を増やす変更をするのは難しいのではと考えていました。
しかし依頼者と債権者は長年取引していた関係であったため、柔軟に応じてくれる可能性はあると考え交渉に臨みました。
当事務所のサポート
まず受任通知を送り、支払いを一時停止することで会社の立て直しをしてもらいました。支払い停止の通知を受け取った債権者から次々にクレームが来ましたが、弁護士が間に入ることで依頼者は会社の経営に専念することができました 。
債権者からのクレームに対しては、主に次のように説明しました。
- 会社の資金繰りが厳しい状況にあること
- コロナによる不況の影響があったこと
- 支払い停止について理解をしてほしいこと
破産してしまうと支払いすることができなくなる旨を説明し、一時的に支払を停止した方が債権者にとってはメリットがあることも伝え、粘り強く交渉しました。
結果
交渉の結果、ご相談前は毎月の返済額が140万円だったところを、21万円まで減額することで合意が成立しました。
まとめ
任意整理を弁護士に相談する人のほとんどが、弁護士と関わったことがないという人ばかりです。
お金に関する相談をするのは勇気が必要ですが、できるだけ迅速に解決するためにも弁護士へ相談しましょう。