更新日:2026年8月9日 (日)

公開日:2020年8月3日 (月)

自己破産の準備から免責決定までにかかる期間はどれくらい?同時廃止・管財事件ごとの手続きの流れと実務上の目安を解説

自己破産の準備から免責決定までにかかる期間はどれくらい?同時廃止・管財事件ごとの手続きの流れと実務上の目安を解説 自己破産の準備から免責決定までにかかる期間はどれくらい?同時廃止・管財事件ごとの手続きの流れと実務上の目安を解説

サマリー

自己破産の手続きにかかる期間は、個人の財産状況や免責不許可事由の有無、申立てを行う地方裁判所の運用によって大きく異なり、一概に一例のみを挙げて「どれくらいかかる」と断定することはできません。

自己破産の手続きには大きく分けて同時廃止事件と管財事件の2種類があり、裁判所の審理によってどちらに該当するかで、全体の流れや免責確定までに要する期間が大きく変わります。

この記事では、自己破産の手続き完了までにかかる期間の目安を、同時廃止・管財事件の種類やステップ(スケジュール)ごとに、実務上の注意点を交えて詳しく解説します。

自己破産の手続き期間は一般的に最短約3か月から!手続きの種類や事案によって大きく変動する理由

自己破産の手続きは、弁護士に依頼して書類準備を開始してから、裁判所の審理を経て免責許可(借金の免除)が決定・確定するまで、実務上スムーズに進んだ場合で最短約3~4か月程度が目安とされています。
ただし、これは「同時廃止事件」と呼ばれる、破産者に債権者へ配当すべきめぼしい資産(処分対象となる破産財団を構成する財産)がなく、浪費やギャンブル等の免責不許可事由の調査も不要と判断された場合の、最も手続きが簡略化されたケースに限定されます。
一方で、一定以上の財産を所有している場合や、浪費やギャンブルなど借金の経緯(免責不許可事由の有無)に詳細な調査が必要な管財事件に該当すると、裁判所から破産管財人が選任されて財産の換価処分や債権者集会が行われるため手続きが複雑化し、期間も半年から1年以上かかる傾向があります。

【同時廃止・管財事件】種類別にみる自己破産の手続き完了までにかかる期間の目安

自己破産の手続きが完了するまでの期間は、裁判所による運用の結果、主に同時廃止事件と管財事件のどちらの基準で手続きが進行するかによって大きく左右されます。

所有している財産の価値(処分対象資産)や破産に至った原因(免責不許可事由の有無)などを踏まえ、各地方裁判所の基準や裁量によって判断されるため、個別事情に応じて自分のケースがどちらに該当しそうか、あらかじめ弁護士などの専門家に相談して見通しを立てることが実務上極めて重要です。

同時廃止事件の場合|裁判所への申立てから免責許可決定の確定まで約3~6か月(準備期間を除く)

同時廃止事件は、債権者へ配当・弁済できるような価値のある財産(実務上の目安として、現金以外の個別資産の評価額が20万円以上など。基準は各裁判所により異なります)を所有していないと認められる場合に行われる簡易的な手続きです。
裁判所への申立て後、審理を経て破産手続の開始決定が下されると同時に、破産手続きを終了(廃止)する旨の決定(同時廃止決定)が出されるため、管財事件と比較してプロセスが簡易化されています。
弁護士への相談・依頼から書類収集を行い、免責許可決定が下されて官報公告を経て確定するまでの総期間は、一般的に約3か月から6か月程度が実務上の目安となります。

管財事件の場合|裁判所への申立てから免責許可決定の確定まで約6か月~1年以上(少額管財を含む目安)

管財事件は、不動産や査定額が高価な自動車など、債権者へ配当・換価すべき一定以上の財産がある場合や、借金の原因がギャンブル・浪費・投資などの免責不許可事由に該当する疑いがあり、裁判所による詳細な調査・監督が必要な場合に適用されます。
裁判所から職権等で選任された破産管財人(通常は地元の弁護士)が、破産者の財産状況の調査、資産の管理・換価(現金化)を進めるため、手続きの工程が多く複雑化します。
必要となる期間は事案の複雑さによって異なり、実務上の運用として比較的迅速に進む少額管財(※弁護士代理人事件を対象とした一部裁判所の運用)であっても約6か月から1年程度、利害関係人が多い複雑な案件や資産確認に時間を要する通常管財事件では1年以上かかる傾向があります。
関連記事:自己破産の免責不許可事由とは?該当しても免責される裁量免責とは?

【ステップ別スケジュール】自己破産の手続きの流れと各段階で要する期間の内訳

自己破産の手続きは、法律事務所での弁護士への相談・受任から始まり、裁判所での厳格な審理の段階を経て、最終的な目標である免責許可決定に到達します。

ここでは、申立てから解決までの全体的な流れと、各ステップの進捗に要するスケジュール期間の内訳を分かりやすく解説します。
手続きを滞りなくスムーズに進めるためには、各段階でどのような調査や書面の提出が行われるかをあらかじめ把握し、的確に対応しておくことが大切です。

ステップ1|弁護士への相談・受任から裁判所への申立て準備(期間目安:約1~3か月程度)

自己破産による生活再建を検討する場合、まずは専門家である弁護士へ相談し、方針が決まったら正式に依頼(委任契約の締結)を行います。
弁護士への依頼後は、現在の収支状況や資産状況を裁判所に正しく報告(疎明)し、立証責任を果たすための多種多様な必要書類の準備を進めます。
個人の破産申立ての場合、直近の給料明細書や源泉徴収票、所有するすべての銀行口座の通帳コピー(過去1~2年分など)、家計の収支表(家計簿)など、多岐にわたる生活状況の客観的資料を収集する必要があります。
これが法人破産や個人事業主(自営業者)の自己破産となると、売掛金の回収状況や事業用資産の有無、未払賃金、取引先との債権債務関係の精査などが加わり、準備手続きはさらに複雑化・長期化する傾向にあります。
また、依頼者の経済状況に配慮して弁護士費用の分割払い(積立)を行い、その完了を待ってから裁判所へ申し立てる運用をとるケースも多いため、この分割期間によっては準備段階だけで数ヶ月から半年以上を要することもあり、一般的な準備期間の目安としては約1~3か月以上と個別の事情により変動します。
経済的に困窮している場合は、弁護士費用の立て替え制度がある法テラス(日本司法支援センター)の利用も選択肢の一つとなりますが、法テラスの利用には資力審査等が行われるため、審査期間の分だけ申立てまでの期間が伸びる傾向があります。
なお、弁護士への正式依頼後すぐに弁護士から各債権者へ受任通知(介入通知)が送付されることで、貸金業法等の規定に基づき、債権者からの直接の返済督促や取り立て行為は実務上即座に停止します。
関連記事:自己破産の必要書類まとめ|注意点やよくある質問も紹介

ステップ2|管轄裁判所への申立てから破産手続開始決定まで(期間目安:約1か月前後)

申立準備書類および自己破産申立書がすべて揃った段階で、債務者の住所地を管轄する地方裁判所へ自己破産の申立て(破産手続開始および免責許可の申立て)を行います。
申立てを受けた裁判所(担当裁判官)は、提出された書面や証拠を厳格に審査し、債務者が客観的に支払不能の状態にあるか、また法律上の申立要件をクリアしているかを確認します。
提出書類や内容に重大な不備・疑問点がなければ、通常は申立てから約数週間から1か月程度で、裁判所から破産手続開始決定が出されます。
なお、事案や裁判所の運用によっては、裁判官が申立人(本人)および代理人弁護士と直接面談して事情を聴取する破産審尋の手続きが設けられることもあります。

ステップ3|破産手続開始決定から各手続きの進行、免責許可決定まで(期間目安:同時廃止は約2~3か月、管財事件は約3か月~1年以上)

破産手続開始決定が下された後、同時廃止事件に該当する場合はその時点で破産手続き自体は同時に終了(廃止)となり、その後、国が発行する官報への公告を経て、約2か月後に裁判所で免責審尋などの期日が執り行われ、裁判官の心証形成に問題がなければ免責許可決定が下されます。
一方で管財事件に該当する場合は、開始決定後に破産管財人との面接、管財人による厳格な財産調査や換価処分、定期的な債権者集会(報告期日)の開催、債権者への配当手続きなどが順次進められます。
破産管財人による業務が完了し、免責不許可事由がないこと、あるいは免責不許可事由があっても反省の情などから裁判所の裁量による免責(裁量免責)が相当であると判断されれば、最終的に裁判所から免責許可決定が下され、これが確定することで法律上の支払い義務(債務)が免除されます。

自己破産後に生活へのデメリットや影響が残る5つの項目と持続期間

自己破産の手続きが完了し、裁判所から免責許可決定が出て確定すると、法律上の借金の返済義務(免責対象となる債務の支払い責任)は免除されます。
これに伴い、手続き中に受けていた強制執行(給与差し押さえ等)の制限や効力は実務上失効(解除)されることになります。
しかし、免責許可決定の確定によって生活再建が始まる一方で、破産手続の事実に基づき、その後も一定期間は私生活や経済活動においていくつかの制限・影響が残ります。
なお、実務上、自己破産をしたことや免責を受けたことを理由に、生活保護の受給申請が拒否されたり、受給資格を失ったりすることは一切ありません。

信用情報機関(ブラックリスト)に事故情報が登録される期間の目安(約5~10年)

自己破産の手続きをとると、個人の信用取引を管理する信用情報機関に、破産手続き開始や免責確定の事実が事故情報として登録されます。
これが、一般的にいわゆる「ブラックリストに載る」と表現される経済的なペナルティ状態です。
事故情報の登録期間は加盟する信用情報機関によって異なり、主に信販会社や消費者金融が加盟するCICやJICCでは免責許可決定から約5年間、銀行や信用金庫が加盟する全国銀行個人信用情報センター(KSC)では約7年間とされています。
所定の期間が経過すれば事故情報は自動的に削除されるため、個人の信用情報は正常な状態へと回復していきます。
関連記事:ブラックリストとは?信用情報の重要性を徹底解説

国が発行する官報に氏名・住所が掲載されるタイミングとその影響範囲

自己破産の手続きを行うと、裁判所から破産手続開始決定が出された際と、免責許可決定が下されて確定した際の合計2回、国が発行する唯一の機関紙である官報に破産者の氏名、住所、手続きの事件番号などが掲載されます。
官報は法律上どなたでも閲覧・購入が可能な媒体ですが、一般の会社員や知人、近隣住民が日常的に紙面やインターネット版官報を確認するケースは実務上ほとんどありません。
ただし、官報に掲載された情報を違法な闇金(ヤミ金融)業者などが機械的に収集し、融資の勧誘チラシやダイレクトメールを送付してくる可能性は否定できないため、実務上十分な注意が必要です。
関連記事:自己破産すると官報に載る?周囲にバレる?生活への影響を徹底解説!

特別の職業や国家資格が制限される期間と復権による解除の仕組み

自己破産の申立てを行い破産手続開始決定が出されてから手続きが終了するまでの間、弁護士・税理士・行政書士などの士業、警備業法に基づく警備員、保険業法に基づく生命保険募集人といった、他人の財産や秘密を扱う特定の職業や資格への就業・登録が法律上制限されます。
この資格制限(職種制限)の影響は破産手続き中の一定期間(数か月から半年程度)に限られ、裁判所から免責許可決定が出て確定すれば、法律上当然に当然復権(権利の回復)が認められ、すべての制限が即座に解除されます。
したがって、一生特定の仕事や資格を剥奪されて復職できなくなるわけではありませんのでご安心ください。
自己破産によって一時的に影響を受ける具体的な職種や資格制限の全リストについては、以下の関連記事でも詳しく解説しています
関連記事:自己破産における制限職種一覧|資格制限を受ける期間も解説

各種ローン契約の締結や新規クレジットカード作成・審査が制限される期間

前述の通り、信用情報機関に破産手続等の事故情報が登録されている期間内は、銀行や信販会社などの金融機関が与信審査の際に必ずこれらを確認するため、審査を通過することが極めて困難になります。
そのため、住宅ローンや自動車(マイカー)ローン、教育ローンといった各種割賦契約の締結、ならびに新規クレジットカードの作成・発行は、実務上原則として認められない傾向にあります。
この経済的な制限は、各信用情報機関の事故情報が抹消され、信用情報が回復するまでの5~10年程度(加盟機関による)持続することになります。

他人の融資や奨学金などの保証人(連帯保証人)になれない期間

自分自身が新規のローン契約を結べないのと同様に、信用情報機関に事故情報が残っている期間は、家族や第三者の借入れ、あるいは子どもの奨学金等の保証人(連帯保証人)を引き受けることも原則としてできません。
保証人や連帯保証人に就任する際にも、主債務者(本人)と同様に金融機関や保証会社による厳格な審査が行われるため、自己破産後約5~10年間は、審査において返済能力の証明や信用承認を得ることが実務上極めて難しい状態が続きます。

自己破産の審理・手続き期間が予定よりも長引いてしまう(長期化する)3つの原因

自己破産の破産手続は、債務者の資産状況や負債総額、債権者数などの個別の事情によって、実務上の標準的なスケジュールより長引くケースが存在します。

特に、直近まで個人事業主(自営業)として営業していたり、破産直前に不動産や自動車などの財産の名義変更を行っていたりする場合、財産隠し(不当な財産処分)の有無を判定するために手続きが複雑化し、長期化しやすくなります。
ここでは、自己破産の申立てから免責確定までの期間が不必要に延長してしまう代表的な3つの原因について詳しく解説します。

ケース1|申立人側における必要書類の準備や裁判所への提出が遅れた場合

自己破産を裁判所に申し立てる実務においては、現在の支払不能状態を客観的に証明(疎明)し、免責の正当性を主張するために、極めて多数の法的・経済的書類の提出を求められます。
例えば、直近の給料明細書、過去数年分の預貯金通帳の全ページコピー、生命保険の解約返戻金計算書、退職金支給見込額証明書などの収集がこれに該当します。
これらの書類の準備や、弁護士・裁判所からの追加提出指示(追完指示)に対する対応が遅れてしまうと、当然ながら破産手続開始決定の審理そのものがストップするため、全体の解決期間が大幅に長引いてしまいます。

ケース2|財産隠しや偏頗弁済などの免責不許可事由の疑いが生じた場合

意図的に不動産や預貯金などの資産を隠匿したり、特定の親族や知人の債権者にだけ優先して返済を行ったりする行為(偏頗弁済)は、破産法上の免責不許可事由に該当する可能性が極めて高くなります。
こうした不適切な行為や疑念が生じた場合、裁判所の裁量や職権、あるいは選任された破産管財人による厳格かつ詳細な財産・経緯調査が不可欠となるため、手続きは必ず管財事件として扱われることになります。
破産管財人による事実関係の精査や債権者集会での報告には多大な日数を要するため、手続き期間が数か月から1年以上へと大幅に長期化するだけでなく、最悪の場合、裁判所から免責許可が得られず借金がそのまま残ってしまう重大なリーガルリスクを伴います。
したがって、初期の段階から弁護士に対して所有しているすべての財産や債務の状況を正確かつ正直に申告することが実務上極めて重要です。

ケース3|申立て当初は同時廃止を希望したものの裁判所の審理で管財事件へ移行(管財移行)した場合

申立て段階では配当可能な資産がないと自己判断し、同時廃止事件としての進行を希望して申し立てたとしても、裁判所による書面審査や調査の過程で処分・換価すべき財産の存在が発覚したり、免責不許可事由について管財人による調査(裁量免責のための調査を含む)が必要であると判断されたりする場合があります。
その場合、地方裁判所の運用に基づき、手続きは進行の途中で管財事件へと切り替わります(管財移行)。
管財移行が決定すると、そこから新たに破産管財人が選任されて資産調査等のステップが最初から組み直されるため、手続きの内容が複雑化し、完了までの総期間は当初想定していた同時廃止の見込みよりも大幅に延長・長期化することになります。

【迅速な生活再建】自己破産の手続き期間を不必要に長引かせずできるだけ短縮する3つのポイント

自己破産の手続きは債務者にとって精神的・時間的な負担が大きいため、実務上の適切なプロセスの範囲内で、できる限り早期に免責許可を得て完了させたいと考えるのは当然の要望と言えます。
手続きを不必要に長期化させず、最短かつ円滑に免責まで進めるためには、申立人側が実務上の重要なポイントを押さえておく必要があります。

ポイント1|債務整理(自己破産)の実務経験が豊富な弁護士へ早期に相談・依頼する

借金問題や多重債務で悩んだ場合、一人で悩みを抱え込まずに速やかに弁護士へ相談することが、結果として全体の申立期間を最短に抑えるための最善の第一歩となります。
専門家である弁護士に代理人を依頼することで、個別の事案に応じた複雑な手続きの流れや、裁判所ごとに異なる必要書類の収集方法について、実務に基づいた的確なアドバイスやサポートを直接受けられます。
早期段階での法律相談は、債権者からの取り立て停止による精神的なゆとりをもたらすだけでなく、申立書類のクオリティを高めて裁判所の心証形成を良くし、手続き全体の円滑な進行へと直結します。

ポイント2|裁判所および代理人弁護士に対して資産や借金の経緯など全ての情報を正直に開示する

所有しているすべての財産状況や過去の借入れの経緯(浪費やギャンブル等)については、自分自身にとって不利益・不利に働くと予想される情報であっても、すべて最初から正直に弁護士へ開示することが実務上極めて重要です。
万が一、意図的な財産の隠匿や、弁護士・裁判所への虚偽の陳述(説明)を行ったことが発覚した場合、裁判所の信頼や適切な心証形成を損なうだけでなく、重大な免責不許可事由として確実に管財事件へ移行(管財移行)し、手続き期間が泥沼化する主原因となります。
実務上、破産申立人の誠実な説明・調査協力姿勢は、裁判官や破産管財人の良好な心証を形成し、免責許可決定(あるいは裁量免責)をスムーズに得るための重要な要素となります。
不都合な情報こそ初期段階で共有し、弁護士と共に対策を講じるという意識を持つことが、期間短縮への何よりの近道です。

ポイント3|裁判所の指示や弁護士の求めに応じ必要書類を不備なく迅速に収集・提出する

自己破産の申立て手続きにおいては、個人の収支や資産を証明するために、裁判所および各自治体・金融機関が発行する極めて多くの客観的証明書類の提出が義務付けられています。
代理人弁護士から準備を依頼された各種証明書や資料は、提示された提出期限を厳守し、不足や不備のない状態でスピーディーに揃えることが重要です。公的書類には発行から3か月以内といった実務上の有効期限があるため、提出が遅れると再取得の手間が発生し期間が延びる原因となります。
書類の収集作業が滞ったり、提出した内容に記載漏れや不備があって裁判所から再提出(追完)を求められたりすると、その日数分だけ破産手続の開始や審理スケジュールが後ろ倒しになり、結果として全体の解決期間が長期化することになります。
個別具体的な状況によって必要な対策や期間の見通しは異なるため、まずは債務整理の実務に精通した弁護士等の専門家へ直接相談し、個々のケースに合わせた最適なスケジュールを確認することをおすすめします。

自己破産の手続き期間や生活への影響に関するよくある質問(FAQ)

自己破産の手続き期間や、免責が確定するまでのスケジュールに関しては、多くの方が疑問や不安を抱くポイントがあります。
ここでは、自己破産手続の正式な完了タイミングや、解決後の日常生活への影響について、実務上特によく寄せられる質問とその回答をまとめました。
なお、過去に自己破産をしており、2回目や3回目といった複数回の免責申立てを行う場合は、前回の免責確定から7年以内の再申立てが法律上の免責不許可事由に抵触することなどから、裁判所の裁量による免責(裁量免責)の判断や破産管財人の調査が極めて厳格化し、手続きが複雑化・長期化する可能性が高くなります。

自己破産の手続きが正式(法的)に完了し、借金が免除されるのはいつの時点ですか?

自己破産の手続きが法的に完了し、支払い義務の免除が確定するのは、裁判所が下した免責許可決定が法律上正式に確定した時点です。
具体的には、裁判所から免責許可決定が出された後、国が発行する官報にその旨が掲載(官報公告)され、その公告の翌日から起算して2週間(債権者からの即時抗告期間)が経過することによって法律上正式に免責許可が確定します。
この免責許可の確定をもって、対象となる借金の支払い義務(法律上の資格制限等を含む)が正式に免除され、自己破産の一連の手続きはすべて無事に完了(終結)となります。

自己破産をした後、何年くらい経過すれば再びローンを組んだりカードを作ったりできるようになりますか?

実務上の一般的な目安としては、加盟する各信用情報機関から破産手続等の事故情報(ブラックリスト)が抹消される、免責確定から約5~10年後が経過した時期となります。
所定の5年ないし10年という保有期間が経過し、個人の信用情報が白紙(正常)に戻ることで、金融機関による新たなローン契約やクレジットカードの与信審査を通過できる可能性が実務上出てきます。
ただし、過去に自己破産の手続きで免責対象(債権者)とした金融機関や、そのグループ会社・系列会社においては、信用情報機関とは別に独自のデータベースで破産情報を半永久的に管理しているケース(いわゆる社内ブラック)が多く、期間経過後であっても再度の借入れや審査通過は極めて難しい傾向があります。
なお、同じ債務整理であっても個人再生を申し立てた場合とは、信用情報機関における情報の登録基準や保有期間の運用が実務上異なる場合がある点にも注意が必要です。

自己破産の手続き期間中(審理中)に、引越し(住居の移転)や長期の旅行をすることは可能ですか?

同時廃止事件として手続きが進行している場合は、破産法上の移動制限(居住地を離れる制限)は適用されないため、引越しや国内外の旅行を行うこと自体に直接的な法的制限はありません。
しかし、管財事件に該当する場合は、破産法第37条の規定に基づき、破産手続開始決定から手続きが終結するまでの期間中、裁判所の許可を得なければその居住地を離れる(引越しや長期の旅行・出張等を行う)ことができないという明確な法的制限が課されます。
同時廃止・管財事件のいずれの運用であっても、破産手続の期間中は裁判所からの出頭要求や代理人弁護士からの追加書類の提出指示など、迅速かつ重要な連絡を取り合う必要があるため、引越しや長期の旅行・移動を計画される際は、必ず事前に担当弁護士へ相談し、適切なアドバイスを受けてください。

まとめ|自己破産にかかる期間は手続きの種類で異なる!スムーズな解決には弁護士への早期相談が重要

自己破産の準備から完了(免責確定)までに要する期間は、資産のない簡易な同時廃止事件で一般的に最短約3~6か月程度、資産処分や詳細な調査を行う管財事件では約6か月から1年以上と、個人の財産状況や免責不許可事由の有無、裁判所の裁量によって大きく異なります。
手続きの長期化を防ぎ、できるだけ迅速かつスムーズに生活再建を進めるためには、債務整理の実務経験が豊富な弁護士へ早期に相談・依頼し、必要書類を不備なく迅速に収集すること、そして自身の財産状況や破産に至る経緯をすべて正直に開示して裁判所の良好な心証形成を得ることが極めて重要です。
自己破産の進め方や最終的な免責許可の判断は各地方裁判所の運用や個別事情によって異なるため、まずは専門家である弁護士に直接相談し、ご自身の現在の状況に最適な手続きの流れと期間の見通しを立てることから始めてみてください。
多額の借金問題や毎月の返済に追われて困っているなら、ぜひネクスパート法律事務所にご相談ください。破産法をはじめとする法的実務や債務整理に経験豊富な弁護士が、お客様の現在の財産状況や経緯を丁寧にヒアリング(生活状況の確認)し、最短での生活再建に向けた適切な解決方法(同時廃止・管財事件の判定と見通し)を的確にアドバイスいたします。
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コラム監修者

RUI SATO

RUI SATO

所属:代表(東京オフィス)

明治大学付属中野高校卒業、明治大学法学部・法科大学院修了。2012年弁護士登録(東京弁護士会)、2016年ネクスパート法律事務所を創設。一般民事・企業法務に加え、ブロックチェーン分野にも注力し、海外法人設立支援業務などにも取り組む。AIを活用した弁護士業務の改善・事業開発に取り組み、一般社団法人 イノベーション法務支援機構代表理事就任。公正取引委員会・中小企業庁講師、日弁連代議員、東京弁護士会常議員等を歴任。

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