債権者集会とは?一般的な流れや回数・出席時の服装まで詳しく解説 - 債務整理は弁護士に相談【ネクスパート法律事務所】

債権者集会とは?一般的な流れや回数・出席時の服装まで詳しく解説

債権者集会と聞くと、怖いイメージを持たれる方も少なくないでしょう。

債権者が集まって大勢の人の前で罵声を浴びせられ、怒号が飛び交うイメージはドラマや映画による影響ではないでしょうか。

実際の債権者集会は、イメージと異なり多くのケースが粛々と進められます。

この記事では、以下について詳しく説明します。

  • 債権者集会の概要と流れ
  • 債権者集会の注意点

債権者集会に怖いイメージを持たれている方はぜひご参考になさってください。

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債権者集会とは?

債権者集会は、債権者に対し、手続きの進捗状況を報告し、意見を聴取する集会です。

債権者集会は、破産を申し立てた裁判所で行われます。

ここでは、債権者集会について以下の内容を解説します。

  • 債権者集会の種類と内容
  • 債権者集会は債権者が全員出席する?
  • 債権者集会は必ず行われる?
  • 債権者集会を欠席するとどうなる?

債権者集会の種類と内容

債権者集会には、次の4つの種類があります。

  1. 財産状況報告集会
  2. 廃止意見聴取集会
  3. 計算報告集会
  4. 申立てにより招集された債権者集会

ひとつずつ見て行きましょう。

財産状況報告集会

破産手続きが開始して一番初めに開かれる集会です。債権者に対して、次の内容を報告します。

  • 申立人の破産原因や事情
  • 破産者の財産の有無
  • 破産者の財産の内訳

廃止意見聴取集会

破産手続きの廃止について、債権者から意見を聴くための集会です。

破産手続きの廃止とは、破産財団を処分・換価しても、債権者に配当できない場合に破産手続きを終了させることです。

破産財団は、破産管財人が管理・処分権限を保有する破産者の財産です。

計算報告集会

破産管財人の任務がすべて終了した場合、破産財団の収支報告のために開かれる集会です。

申立てにより招集された債権者集会

次のいずれかの者から申立てがあった場合、裁判所は債権者集会を招集します。

  • 破産管財人
  • 債権者委員会
  • 一定の割合以上の債権を有する破産債権者
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債権者集会は債権者が全員出席する?

債権者集会の出席者を見てみましょう。

債権者集会の出席者

債権者集会に出席できるのは、次の人です。

  • 裁判官
  • 破産管財人
  • 破産者
  • 債権者
  • 破産申立代理人(弁護士)

債権者には債権者集会への出席義務はない

債権者は債権者集会に出席する権利がありますが、義務はありません。個人の破産事件では、債権者は出席しないことがほとんどです。配当の見込みがない場合、わざわざお金と時間を使って裁判所に行く理由がないからです。

債権者集会は必ず行われる?

債権者集会は必ず行われるのでしょうか?

同時廃止事件の場合、債権者集会は行われない

債権者集会が開かれるのは管財事件のみです。同時廃止事件では債権者集会は開催されません。

破産手続きは、次の2つに分けられます。

  1. 同時廃止事件
  2. 管財事件

同時廃止事件と管財事件について、詳しくはこちらをご参照ください。

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債権者集会を欠席するとどうなる?

破産者が債権者集会を欠席するとどうなるでしょうか。

無断欠席は免責不許可事由に該当する

債権者集会を正当な理由なく無断欠席すると、裁判所に義務を果たさなかったと判断され、免責不許可事由に該当する可能性が高くなります。

破産法において、破産者には次の3つ義務が課せられています。

  • 説明義務
  • 財産開示義務
  • 債権調査期日への出頭および意見陳述義務

病気や事故で欠席する場合は診断書や証明書の提出を

やむを得ない事情(病気や事故)や正当な理由がある場合は、欠席できる場合もあります。ただし、この場合も無断欠席は厳禁です。

病気や事故でやむなく欠席する場合は、必ず申立代理人に相談し、診断書や証明書を準備しましょう。

債権者集会は、個人的な理由で債権者集会を欠席したり、期日を変更したりすることはできません。

債権者集会の流れ

ここでは債権者集会について、次の説明をします。

  • 債権者集会の流れ
  • 債権者集会の回数
  • 1回あたりの所要時間

債権者集会の流れ

債権者集会は、主に以下の流れで進みます。

  • 破産管財人による財産状況の説明
  • 破産手続廃止に関する意見聴取(異時廃止の場合)
  • 質疑応答
  • 計算・配当に関する報告

それぞれ簡単に説明します。

破産管財人による財産状況の説明

破産管財人が債権者に対して、破産者が破産申立に至った理由や財産の状況・内訳を報告します。

破産手続廃止に関する意見聴取(異時廃止の場合)

破産手続きの廃止について債権者の意見を聴きます。

破産者の財産を調査した結果、破産手続きを継続するために必要な財産がない場合、破産手続きが廃止されます(異時廃止と呼ばれます)。

質疑応答

破産管財人の説明に対し、債権者は質問できます。債権者から質問を受けた場合、破産管財人または破産者が返答します。弁護士が申立代理人に就いている場合は、原則として債権者の質問に弁護士が返答します。

計算・配当に関する報告

破産管財人が、各債権者へ配当される金額を計算し、その結果を債権者に報告します。配当が完了した場合は、破産管財人が任務完了を報告します。

債権者集会の回数

債権者集会の回数に基準はありません。2回、3回にわたることもあれば、1回にまとめて行うこともあります。

債権者集会1回あたりの所要時間

1回あたりの所要時間は通常5分程度です。長くても10分程度で終了します。

債権者集会に出席するときの注意点

ここでは、破産者が債権者集会に出席するときの注意事項を説明します。

債権者集会は時間厳守!

破産者は、債権者集会に出席する義務があります。債権者集会は短時間に何件も並行して開催されます。前の破産事件の当事者が遅刻すると、後の事件の債権者集会も遅れてしまいます。

弁護士が申立代理人に就いている場合でも、破産者は債権者集会に必ず出席しなければいけません。裁判所に指定された日時に時間厳守で出席してください。

債権者集会に出席するときの服装や持ち物

債権者集会に出席するときの服装

債権者集会に出席するときの服装に指定はありません。ただし、ラフすぎる格好、派手な色味、高級品を身に着けることは控えましょう。

シャツにスラックスまたはスカート(ワンピースも可)を着て行くとよいでしょう。

服装に迷ったら、破産手続きを依頼した弁護士に相談しましょう。

債権者集会に出席するときの持ち物

持ち物は、次のものを用意するとよいでしょう。

  • 身分証明書(本人確認書類)
  • 携帯電話
  • 筆記用具
  • 印鑑
  • 書類を入れる鞄

別途、弁護士や破産管財人から指定があれば、それに従いましょう。

まとめ

債権者集会で、債権者から糾弾されることはほとんどありません。

実際には粛々と事務手続きが進められ、5分程度で終了します。

債権者集会は非公開で行われますので、出席する破産事件の当事者以外に見られることもありません。

今回ご説明した債権者集会を含め、破産手続きは一般の方のイメージよりはるかに事務的に進行する手続きです。借金問題に悩んでいる方は、弁護士に相談してみましょう。

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