「最近、パートナーの様子がおかしい」「もしかして浮気している?」といった疑念を抱いた瞬間から、あなたの平穏な日常は一変してしまったのではないでしょうか。夜も眠れないほどの不安やパートナーの裏切りに対する怒り、そして「どうすればいいのだろう」という焦りなどを感じ、一人で悩み続けていることとお察しします。
感情を抑えきれずパートナーを問い詰めたくなったり、闇雲に証拠を探したりしたくなる気持ちもわかりますが、まずは一度立ち止まって整理することが大切です。どこからが浮気かは日常感覚では人によって異なりますが、慰謝料請求や離婚などの法的手続きでは、主観ではなく一定の判断枠組み(不貞行為の有無など)に基づいて検討されます。そのため、法的な知識がないまま動いてしまうと、状況によってはかえって不利になったり、本来得られたはずの慰謝料請求の機会を逃したりするおそれがあります。
この記事では、浮気とは何かを解説したうえで、パートナーとの関係性ごとの慰謝料請求の可否や発覚後の対応、証拠の集め方を含む調査方法などを体系的に説明します。
失いかけた平穏を取り戻し、納得のいく未来へ踏み出すきっかけとなれば幸いです。
目次
浮気とは?
浮気とは、一般的に既婚・未婚にかかわらずパートナー以外の人と交際することをいいます。
浮気と似たような意味を持つ言葉として【不倫】がありますが、不倫は一般的に既婚者が配偶者以外の人と交際することをいいます。もっとも、その区別は曖昧で、明確に線引きされているわけではありません。そのため、人によってその解釈は異なります。
一方で、浮気や不倫と、慰謝料請求で問題となる不貞行為は、その定義が明確に異なります。
浮気は個人の価値観やマナーの問題として広く捉えられるのに対し、不貞行為は、一般に既婚者が配偶者以外の相手と肉体関係を持つことを指し、婚姻共同生活の平穏などの権利・利益を侵害する行為として慰謝料の場面で問題となるためです。

例えば、パートナーが自分以外の異性と頻繁にLINEをしたり食事に行ったりすることは多くの人が浮気と感じるでしょうが、この事実だけでは慰謝料請求の対象とはならないことが多いです。一方で、肉体関係を強く推認させるLINEのやり取りやラブホテルへの出入りといった客観的事実がある場合は不貞行為とみなされて慰謝料請求が認められる可能性があります。
法的手段を検討する際は、自身の主観的な浮気の基準ではなく、法律が定める不貞行為に該当するかどうかを冷静に見極める必要があります。
浮気と不倫の違いについては「浮気と不倫の違いとは?慰謝料請求が頭をよぎったら知って欲しいこと」で詳しく解説していますので、ぜひご参照ください。
どこからが慰謝料に関わる浮気?パートナーとの関係別で詳しく解説
同じ浮気でも、パートナーとの関係性によって法的な位置づけや守られるべき権利や利益の範囲は異なります。
この章では、どこからが浮気と判断されやすいのか、以下の3つのパートナーとの関係別に詳しく解説します。
- 結婚している夫婦
- 内縁・事実婚のカップル
- 同性カップル
どこからが浮気になるかの線引きは人によって異なるため、パートナーと落とし所を話し合うのが理想です。しかし、トラブルになって法的責任を追求する場合は、あなたがどう感じたかだけでなく、客観的に見て不貞行為があったと言えるか、法的に保護される関係性にあったかが争点となります。
また、浮気相手に法的な責任を問うためには、浮気相手があなたの存在を知っていた、または注意すれば知り得たかどうかも重要なポイントになります。
ご自身が置かれている状況ではどこからが浮気となり得るのか、確認してみてください。
結婚している夫婦
結婚している夫婦の場合、浮気のボーダーラインは配偶者以外との肉体関係を持ったかどうかです。
民法には「貞操義務」という言葉が明記されているわけではありませんが、夫婦は一般に、配偶者以外の相手と肉体関係を持たない義務(貞操義務)を負うと解されています。そのため、配偶者以外の人と肉体関係を持つことは、平穏な婚姻生活を送る権利や利益を侵害する行為とみなされます。
日常感覚としては隠れて異性と頻繁に連絡する、二人で食事に行く、キスやハグをするといった行為も浮気と捉えられやすいですが、その行為自体が不貞行為と判断されるケースは少ないのが実情です。もっとも、事情によっては夫婦関係を壊す重大な行為として、離婚協議や慰謝料交渉の材料(婚姻関係への影響)となることはあります。
一方で、二人きりでの旅行、ラブホテルや浮気相手の自宅など密室での長時間滞在は、不貞行為があったと推認される可能性があります。
ポイントは行為の派手さではなく、第三者が見て肉体関係を持ったと想像するのが自然かどうかです。
結婚している夫婦においては、肉体関係の存在、あるいはそれを強く推認させる事実の存在がある場合に浮気と考えるのが一般的でしょう。
内縁・事実婚のカップル(慰謝料請求)
婚姻届を出していない内縁・事実婚のカップルであっても、一定の要件を満たす場合には、浮気のボーダーラインは結婚している夫婦とほぼ同様に扱われます。
内縁・事実婚は婚姻に準ずる関係として法律婚に準じた法的保護を受けられることがあり、貞操義務についても法律婚の夫婦と同様だと考えられているためです。
そもそも内縁・事実婚とは、婚姻届は出していないものの、夫婦として生活する意思(婚姻意思)があり、共同生活の実態がある関係を指します。
具体的には同居や生活費の分担の有無、対外的に夫婦として紹介しているかなどの事情を総合的に考慮して判断されます。そのため、内縁・事実婚の関係を主張する場合は、自分たちが単なる同棲ではなく内縁・事実婚関係にあること(婚姻の意思と共同生活の実態)を客観的に証明する必要があります。
内縁・事実婚の場合は、結婚している夫婦同様、肉体関係の存在、あるいはそれを強く推認させる事実の存在がある場合に浮気と考えるのが一般的でしょう。
同性カップル
日本では現時点で同性カップルの婚姻制度が整備されていないため、法律婚や内縁・事実婚のカップルとはその扱いは異なります。とはいえ、近年の判例では、同性カップルであっても婚姻に準ずる関係として法律上保護されるべき利益があると考える傾向が見られます。同性カップルの浮気のボーダーラインは、二人の関係性がどれだけ婚姻に準ずる実態を持つかに左右されるといえます。
同居期間、家賃や生活費の分担、家族や職場への紹介、将来の生活設計などを具体的に示し、浮気による影響が単なる恋愛感情の問題にとどまらないことを説明できるかが鍵となるでしょう。
浮気で慰謝料請求できるケースとは?請求の可否と慰謝料相場
「浮気をされた」と主張すれば、慰謝料請求が当然に認められるわけではありません。パートナーとの関係性や行為態様、証拠の有無、婚姻関係への影響などによっては請求できないこともあります。
この章では、パートナーとの関係別で、慰謝料請求の可否や認められる慰謝料の相場について解説します。
慰謝料請求が認められるのは、原則として不貞行為もしくは民法上の不法行為がある場合です。そのため、パートナーの行為が不貞行為もしくは民法上の不法行為に該当するかどうかが重要なポイントです。
また、浮気発覚後の婚姻関係(またはそれに準ずる関係)への影響がどれほど深刻かによって慰謝料額は変動します。裁判や交渉では、単に怒りや悲しみを訴えるより、浮気の期間や頻度、パートナーとの関係性への影響などを具体的に示したほうが評価されやすい傾向があります。
以下で、詳しく解説します。
結婚している夫婦
結婚している夫婦の場合、不貞行為の事実があれば原則として慰謝料請求が可能です。
法律上の婚姻関係という明確なステータスがあるため、権利の侵害があったことを裁判所に認めさせやすいためです。
慰謝料の相場は50~300万円で、不貞行為発覚後の夫婦関係によって金額に差が生じます。

もっとも、これはあくまで目安の金額です。慰謝料の金額は浮気の期間や回数、夫婦の婚姻期間、子どもの有無、浮気相手の妊娠や出産の有無などの事情を総合的に考慮して決めるため、適切な金額を算出することが大切です。
なお、不貞行為発覚前からすでに夫婦関係が破綻していた場合など、請求が認められないケースもあります。
慰謝料請求が難しいケースについては「不倫の慰謝料請求できる4つの条件と慰謝料請求が難しい4つのケース」で詳しく解説しています。
内縁・事実婚のカップル
内縁・事実婚のカップルであっても、婚姻に準ずる関係として夫婦同様の実態が認められれば、慰謝料請求が可能となるケースがあります。
婚姻届を出していなくても、平穏に共同生活を送る利益が侵害されたと評価される可能性があるためです。
ただし、内縁・事実婚関係(婚姻意思と共同生活の実態)が成立していることを、長期間の同居事実や生活費の共有実態などによって証明しなければならないため、立証のハードルは法律婚よりも高くなります。
内縁・事実婚の場合の慰謝料相場は法律婚よりもやや低い傾向にありますが、生活実態が法律婚と変わらない場合には法律婚と同程度の慰謝料が認められることもあります。
内縁・事実婚の慰謝料請求については「事実婚でも浮気相手に慰謝料請求できる?条件・相場・裁判例を解説」で詳しく解説しています。
同性カップル
同性カップルでも慰謝料請求が認められる可能性があります。
同性カップルでも不貞行為を理由とした慰謝料請求が認められた判例が出現したためです。
同性婚の関係にあったパートナー(Y1)と後にそのパートナーと婚姻した男性(Y2)に対し、二人が不貞行為を行った結果、原告(X)とパートナーの同性の事実婚(内縁関係)が破綻したとして、共同不法行為に基づいて慰謝料などの支払いを求めた判例を紹介します(宇都宮地裁真岡支部令和元年9月18日判決)。

XとY1は双方とも女性で、レズビアンを対象にしたクラブのイベントで知り合い交際を開始しました。交際から1年後に同居を開始、4年後には両者の家族にお互いをパートナーとして紹介しています。その後、XとY1はアメリカのニューヨークで婚姻登録証明書を取得、アメリカと日本で結婚式を執り行っています。
裁判所は、以下の事実から、同性のカップルであっても、その実態に応じて一定の法的保護を与える必要性は高いということができるとし、同性のカップルであっても、その実態を見て内縁関係と同視できる生活関係にあると認められるものについては、それぞれに内縁関係に準じた法的保護に値する利益が認められ、不法行為上の保護を受け得ると解するのが相当と判断しました。
- 価値観や生活形態が多様化し、婚姻を男女間に限る必然性があるとは断じ難い状況である
- 同性のカップル間の婚姻を法律上も認める制度を採用する国が存在する
- 同性のカップル間の関係を公的に認証する制度を採用する国がかなりの数に上っている
- 日本国内においてもこのような制度を採用する地方自治体が現れてきている
裁判所は、XとY1について、同性であることによる法律上および生殖上の障害を除けば、ほぼ男女間の内縁関係と変わりない実態を備えていると判断しました。そのうえで、不貞行為の成立を認め、Y1およびY2に対し慰謝料100万円の支払いを命じました。
同性カップルの慰謝料請求は、保護に値する関係性があったこと及びその関係性が具体的に侵害されたことを示せるかどうかがポイントです。
なお、同性カップルの浮気問題は判例が積み重なっている最中で、慰謝料の相場は定まっていないのが現状です。そのため、最新の判例動向を踏まえたうえで、個別事情に応じた戦略を立てることが重要です。
浮気が発覚したらすべきこと・してはいけないこと
パートナーの裏切りを知った直後は、激しい動揺に襲われ、感情的に行動してしまいがちです。しかし、浮気発覚直後の行動は、証拠の確保や交渉の主導権、最終的な解決(慰謝料や離婚条件など)を大きく左右しかねません。冷静に行動することが不可欠です。
この章では浮気が発覚したらすべきこと、してはいけないことを詳しく紹介します。
浮気が発覚した直後は、怒りや不安から行動が過激になりやすい時期です。しかし、その瞬間の行動が証拠隠滅を招いたり、名誉毀損や脅迫といった別のトラブルを生んだりして、結果的に自分が不利になる可能性も否定できません。
ぜひご一読いただき、今後の対応の参考にしてください。
浮気が発覚したらすべきこと
浮気が発覚したらすぐにパートナーを問い詰めたくなる気持ちも分かりますが、感情を抑え、まずは証拠の保全と冷静な記録に徹してください。
一度パートナーを問い詰めてしまうと、証拠を隠滅されたり、浮気相手と口裏を合わせて言い逃れされたりして、責任追求が困難になるリスクがあるためです。
まずは、事実関係を時系列で整理します。後から思い出せるように、以下のようなことをメモ化しておくとよいでしょう。
- いつから様子が変わったか
- 外泊や出費の増加がいつからか
- 疑わしい出来事の日時と内容
- 相手の氏名や勤務先の手がかり
次に、証拠の確保とバックアップです。LINEのやり取りや写真、領収書、クレジット明細などは隠滅されるリスクがあるため、適法な範囲でコピーや保全を行い、改ざんを疑われない形で保存することをおすすめします。また、証拠は複数を組み合わせて一つのストーリーとして示せると強くなります。
そして、方針決定を早めに行います。関係修復を目指すのか、離婚を視野に入れるのか、請求対象はパートナーだけか浮気相手にも及ぶかで、集めるべき証拠と動き方が変わります。
また、早い段階で弁護士に相談し、手元の証拠で足りるか、今後の調査をどう進めるべきかアドバイスを受けることも検討しましょう。
確実な証拠という武器を揃えることが、有利な解決に向けた最も重要なステップとなります。
浮気調査の方法は5章で、有力な証拠となり得るものについては6章で詳しく解説します。
浮気が発覚したらしてはいけないこと
浮気が発覚したら感情的に行動してしまいがちですが、パートナーや浮気相手への暴力や暴言、浮気相手の職場やSNSでの暴露などはしてはいけません。
たとえ浮気が事実であっても、暴行罪や名誉毀損罪、業務妨害などに該当するおそれがあるためです。
違法な証拠取得も危険です。違法な手段で得た証拠は裁判で認められないばかりか、逆にあなたが刑事罰を問われたり、慰謝料を減額されたりする可能性も否定できません。
例えば、パートナーのスマホのパスコードを勝手に解除して覗き見る、監視アプリを無断でインストールするといった行為は不正アクセス、無断での位置情報追跡にあたるとして刑事罰に抵触する可能性があります。
また、感情的に問い詰めて無理やり自白させたとしても、「脅された」などと後から否定される要因となり得ます。
焦って不利な行動をとることは禁物です。法的に守られる立場を維持し続けることが肝要です。
やってはいけないことは「不倫・浮気の慰謝料請求でやってはいけない7つのこと!」で詳しく紹介していますので、ぜひご参照ください。
浮気調査はどうやってする?自力で行う方法とNG行為
パートナーの浮気が疑われる場合は浮気調査が必要になりますが、調査方法を間違えると逆にあなたが法的リスクを負うおそれがあります。
浮気調査は、適法性と証拠能力の両方を意識して進める必要があります。
例えば「見た」「聞いた」だけでは争いになった際に証明できないため、日時・場所・人物などを客観的に特定できる形で残すことが重要です。
また、調査の目的を決めることも重要です。慰謝料請求をしたいのか、離婚条件を有利にしたいのか、再発防止の誓約を取りたいのかなどの目的によって、必要な証拠のレベルと量は変わります。
この章では、以下の3つの項目に分けて、浮気調査の方法やNG行為について詳しく解説します。
- 自力でできる合法的な浮気調査の具体例
- やってはいけない違法リスクの高いNG行為
- プロによる調査の重要性
ぜひ参考にしてください。
自力でできる合法的な浮気調査の具体例
自力での浮気調査は、自宅や夫婦共有の持ち物など、自身の管理権限が及ぶ範囲で行うのが基本です。
プライバシー侵害に該当する可能性が低く、社会的に許容される範囲内の確認であれば、違法性を問われるリスクが低いためです。
具体的に、以下のような方法が挙げられます。
- 財布やゴミ箱の中に怪しいものがないか確認する
- 夫婦共有の車のカーナビ履歴やドライブレコーダーを確認する
- 自宅の共有スペースに録音機を設置する
パートナーの行動パターンを記録するのもよいでしょう。
帰宅時間や外泊日、休日の外出先、連絡が取れない時間帯などを日時付きで残しておけば、後で写真や明細と結びつけることで継続的な行動として立証できる可能性があります。
クレジットカード明細や交通系ICの利用履歴、ホテル代やプレゼントの支払いなどがわかるものも保管しておきましょう。
これら合法的な証拠をコツコツ積み重ねることで、浮気の事実を認めさせる強力な足がかりとなるでしょう。
やってはいけない違法リスクの高いNG行為
パートナーのスマホを許可なくロック解除して閲覧したり、パートナーの個人的な所有物に細工したりする行為は、刑事罰に問われる可能性があるためやめましょう。
個人の通信の秘密やプライバシーは法律で保護されており、それを侵害する行為は不正アクセス禁止法などに抵触するおそれがあるためです。
具体的に、以下のような行為が挙げられます。
- パートナーのスマホのパスコードを勝手に解除して中身を見る
- パートナーのスマホに監視アプリを無断でインストールする
- 別居中のパートナーの家や持ち物にGPSを仕掛ける
違法な手段で入手した証拠は、裁判で証拠として採用されないだけでなく、逆に損害賠償を請求される逆転の火種になりかねません。
違法リスクの高い方法で浮気調査をするのはやめましょう。
プロによる調査の重要性
自力での浮気調査に限界を感じたら、探偵への調査依頼を検討してもいいかもしれません。
探偵に調査を依頼すれば、探偵業法に基づいて適法な範囲で高度な尾行や張り込みを行い、素人では入手が難しい証拠(ラブホテルに出入りする写真や動画など)を入手できる可能性があるためです。
素人が尾行や張り込みを行うと、見つかって証拠が取れなくなるリスクがあります。一度パートナーに警戒されると行動パターンを変えられる可能性あり、決定的な場面が押さえにくくなるかもしれません。浮気調査のプロである探偵に依頼すれば、タイミング設計や複数人での対応など、怪しまれずに事実を押さえるノウハウを駆使して、有力な証拠を入手できる可能性が高まります。
また、探偵による調査報告書は日時・場所・行動記録が時系列で整理されているため、裁判となった場合も有力な証拠となりやすいです。
ただし、探偵の浮気調査にかかる費用は、決して安くはありません。探偵業法に違反する方法で調査して行政処分を受けている事務所もみられます。正式に依頼する前に、ホームページや無料相談などを活用して、複数の探偵事務所を比較・検討することが大切です。
探偵の浮気調査費用や選び方は「探偵の浮気調査の費用相場と安くするための4つのポイントを徹底解説」で詳しく解説していますので、ぜひご参照ください。
言い逃れを防ぐ!浮気の有力な証拠となり得るもの
慰謝料請求において最も重要なのは、「肉体関係はなかった」などと言い逃れできない客観的な証拠を確保することです。
この章では、浮気の有力な証拠となり得るものとして、以下の4つを紹介します。
- ラブホテルへの出入りを示す写真・動画
- 肉体関係を認める自白・謝罪文
- 肉体関係を強く推認させるLINE・メールのやり取り
- 宿泊履歴や支払い実態が分かる領収書・明細
注意したいのは、スクリーンショットや伝聞だけに頼ると、改ざんや誤解の反論を受けやすいことです。取得方法や保存方法まで含めて説明できる状態にしておくと、交渉力が上がるでしょう。
また、浮気相手を特定できるかも重要なポイントです。浮気相手に慰謝料請求するには、氏名や住所などの情報が必要です。証拠の中に浮気相手の同一性を裏付ける情報が含まれているかも確認するとよいでしょう。
ラブホテルへの出入りを示す写真・動画
ラブホテルへの出入りを示す写真や動画は、不貞行為を立証する上で有力な証拠となり得ます。
パートナー以外の人とラブホテルに一定時間滞在したという事実は、肉体関係があったことを客観的に強く推認させるためです。
重要なのは、出入りするのがパートナー・浮気相手だと分かること、日時と場所が特定できること、入退店が一連の流れとして確認できることです。
単に出入りする瞬間だけでなく、入室から退室まで数時間が経過していることが分かるものや、複数回分の記録があれば、言い逃れされにくくなるでしょう。
肉体関係を認める自白・謝罪文
パートナーや浮気相手が肉体関係を持ったことを認めた録音データや自筆の謝罪文も、不貞行為を立証する上で有力な証拠となり得ます。
当事者が自発的に肉体関係を持ったことを認めている事実は、肉体関係の存在を裏付ける直接的な証拠となるためです。
自白を録音する場合は、いつ、誰と、どこで、何回肉体関係を持ったかなど内容が具体的であればあるほど、「言わされただけ」「意味が違う」といったトラブルを防ぎやすくなります。
謝罪文を作成する場合も同様に、事実関係を詳細に記載しましょう。日付、署名押印、作成経緯を明確にし、可能であれば作成時のやり取りも記録しておくと安全です。曖昧な文言とならないよう注意しましょう。
なお、強要や脅迫によって得た自白や謝罪文は証拠として認められない可能性があります。
冷静に、事実確認としての位置づけで取り、後日の争いを防ぐ工夫をすることが重要です。
肉体関係を強く推認させるLINE・メールのやり取り
肉体関係を強く推認させるLINEやメールのやり取りも、不貞行為を立証する上で有力な証拠となり得ます。
肉体関係があったことを前提とした性行為の感想や特定の場所での性的行為を示唆する発言、裸の写真などのやり取りは、不貞行為を推認させる有力な材料となるためです。
例えば、「昨日のホテルはよかった」「またしようね」といった肉体関係を想像させるやり取りや2人でベッドにいることがわかる写真などは評価されやすいです。
単に「好き」「愛している」などと言い合っているだけでは不十分だと判断されるケースが多いため、前後の文脈も含めて保存することが重要です。
また、保存はスクリーンショットだけに頼らず、端末やバックアップなど原本性を意識するとよいでしょう。そうすることで、パートナーや浮気相手から改ざんを疑われた場合も取得方法を説明しやすくなります。
なお、メッセージだけでは証拠としては弱いことも多いため、日時の行動記録、領収書、写真などと結びつけて現実の行動と一致していることを示すとよいでしょう。
宿泊履歴や支払い実態が分かる領収書・明細
宿泊履歴や支払い実態が分かる領収書や明細も、不貞行為を立証する証拠となり得ます。
ラブホテルや旅館の領収書、クレジットカードの利用明細などの金銭的な記録があれば、パートナーの行動を客観的に証明し得るためです。
例えば、ラブホテルの名前が記載されたレシートや、浮気相手との旅行と思われる航空券、プレゼントを購入したと思われるクレジットカードの利用明細などが挙げられます。
もっとも、金銭的な記録はそれだけでは不貞行為の直接証拠にはなりにくいです。出張や仕事の会食という説明がつく可能性がある記録の場合は、行動記録やメッセージと組み合わせて説明力を高める必要があります。
浮気の証拠になるものについては「浮気の証拠になるもの13選と自力で証拠を集めるポイント・注意点」で詳しく解説していますので、ぜひご参照ください。
慰謝料請求の方法と流れ
慰謝料請求は、以下のような方法と流れで行うのが一般的です。
- STEP1|客観的な証拠の収集と整理
- STEP2|内容証明郵便の送付と示談交渉
- STEP3|合意書の作成または調停・訴訟への移行
慰謝料は勢いで請求しても十分な金額を獲得できることは少なく、証拠と手続の積み上げで結果が左右されるケースが多いです。特にパートナーや浮気相手が否認するケースでは、準備と順序が重要な鍵を握ります。
また、慰謝料請求の目的は金銭だけではありません。接触禁止や再発時の違約金など、再発防止も重要な目的です。
以下で詳しく解説しますので、ぜひ参考にしてください。
STEP1|客観的な証拠の収集と整理
まずは、不貞行為の事実を証明できる証拠を揃えることから始まります。
証拠が不十分なまま請求を行うと、言い逃れされたり、根拠がない請求だと見なされたりするリスクがあるためです。
前章で紹介した証拠となり得るものや、探偵の調査報告書などを準備しましょう。証拠の収集と並行して浮気相手の特定に必要な情報(氏名、住所、勤務先の手がかりなど)もこの段階で確保しておくと後がスムーズです。
また、期限の問題にも注意が必要です。慰謝料請求権には消滅時効が定められており、以下のいずれか早い時点が経過すると、慰謝料請求権は消滅します。
- 不貞行為の事実及び浮気相手の氏名・住所を知った時から3年
- 不貞行為の時から20年

上記のとおり、3年または20年を経過すると慰謝料請求ができなくなります。
迷っている間に時間が経過してしまい慰謝料請求ができなくなったとならないよう、なるべく早期に着手することをおすすめします。
消滅時効については「不貞行為の慰謝料請求はいつまで?起算点や時効が近い時の対処法」で詳しく解説しています。
STEP2|内容証明郵便の送付と示談交渉
浮気の証拠が揃ったら、内容証明郵便で請求の意思を伝え話し合いをするのが一般的です。
内容証明郵便とは、いつ、いかなる内容の文書を誰から誰宛に差し出されたかということを、差出人が作成した謄本によって日本郵便株式会社が証明する制度です。
内容証明郵便を利用することで「言った・言わない」の争いを防ぎやすくなりますし、請求した事実の証拠にもなります。普段あまり目にすることのない郵便が届くことで、浮気相手に本気度と心理的プレッシャーも与えられるでしょう。
書面には不貞行為の事実や慰謝料の請求額、支払期限などを記載します。浮気相手から何らかのアクションがあれば、言い分を聞きつつ、金額や接触禁止などの条件を詰めていきます。裁判を避け迅速に解決したい場合は、この段階での粘り強く交渉することが重要です。
請求書面の書き方については「不貞慰謝料の請求書の書き方|記載すべき項目と押さえるべきポイント」で詳しく解説しています。
STEP3|合意書の作成または調停・訴訟への移行
交渉がまとまったら合意書を作成しましょう。
口約束で終えると、支払いが止まったときや再接触が起きたときに、新たなトラブルが発生するおそれがあるためです。
合意書に入れるべき代表的な条項は、慰謝料の金額や支払期限、分割の有無、遅延損害金、守秘義務、接触禁止、違約金などです。特に接触禁止や違約金は、再発防止の実効性を左右するため、実態に合わせて無理のない形で定めることが重要です。
話し合いが平行線もしくは決裂した場合は、裁判所に調停を申し立てるか、あるいは直接訴訟を提起して裁判官の判断を仰ぐことになるでしょう。
調停や訴訟をするとなると解決までに時間がかかりますから、ご自身の希望(スピード重視か金額重視か)に合わせて、最適な着地点を選択することが大切です。
示談書の書き方については「不倫の示談書の書き方と自分で作成する際の注意点【テンプレート付】」で詳しく解説しています。
慰謝料請求するなら弁護士への依頼をすすめる理由
慰謝料請求するなら弁護士へ依頼することをおすすめします。
弁護士への依頼をすすめる主な理由は、以下の4つです。
- 交渉力の差で獲得できる慰謝料額が変わる
- 浮気相手の特定に役立つ弁護士会照会を利用できる
- 精神的な負担を大幅に軽減できる
- 内縁・事実婚や同性カップルの関係性の立証もサポートしてもらえる
慰謝料請求はご自身でもできますが、怒りや不安から不用意な発言をして減額材料を与えたり、パートナーや浮気相手に証拠隠滅の時間を与えたりしがちです。弁護士が入ることで、主張と証拠の整合性を保ったまま交渉を進めやすくなります。
また、内縁・事実婚や同性カップルなど関係性の立証が必要な事案では、何をどう証拠化するかで見通しが変わります。法律と実務の両面から勝ち筋に沿って整理ができることは、弁護士に依頼する大きなメリットです。
以下で、詳しく紹介します。
交渉力の差で獲得できる慰謝料額が変わる
弁護士が代理人となることで、ご自身で交渉するよりも適正かつ高額な慰謝料を獲得できる可能性が高まります。
弁護士は膨大な過去の判例を熟知しており、相手方の理不尽な言い逃れを論理的に封じ込めることができるからです。
具体的に、相手方が既に夫婦関係は破綻していたと主張してきた場合でも、弁護士は家族の記録などから婚姻関係が維持されていたことを再反論し、相場の上限に近い請求を維持してもらえるでしょう。
また、単に高額な慰謝料を求めるのではなく、回収可能性や相手方の反応を踏まえた落としどころ設計も重要なポイントです。分割や支払い期限、違約金などを組み合わせ、現実に回収できる合意を取り付けやすくなるでしょう。
本人が交渉すると、怒りに任せた要求や、その場しのぎの妥協が起きやすくなります。弁護士が代理人として窓口に立つことで、不用意な発言で不利にならず、交渉の筋道を保ちやすくなることもメリットです。
浮気相手の特定に役立つ弁護士会照会を利用できる
浮気相手の氏名や住所が分からない場合でも、弁護士であれば職権を用いて調査できる可能があります。
弁護士は受任している事件について、通信会社や金融機関などに対して情報開示を求める弁護士会照会(23条照会)という法律上の制度を利用できるためです。
例えば、浮気相手の電話番号しか分からない場合でも、弁護士が通信会社に照会をかけることで、契約者の氏名や住所を突き止められるかもしれません。
もっとも、弁護士会紹介に対しては回答すべき法的義務があることが判例および政府解釈によって示されているものの、必ずしも回答してもらえるとは限りません。とはいえ、本人では入手できない情報にアプローチできる可能性はありますから、浮気相手の情報が不足しているからと諦める必要はありません。
精神的な負担を大幅に軽減できる
弁護士に依頼することで、パートナーや浮気相手と直接やり取りする必要がなくなるため、精神的な負担を大幅に軽減できます。
弁護士は依頼者の窓口となり、すべての通知の受け取りや交渉を代行するため、感情的な対立から距離を置けるためです。
精神的に追い詰められると、証拠の扱いを誤ったり、条件面で不利な合意をしてしまったりしがちです。相手の挑発や言い逃れに日々振り回される状況が減り、冷静な判断を保ちやすくなるでしょう。
必要書類の作成や手続きの段取りも任せられるため、仕事や子育てなど日常生活への影響を最小限に抑えながら請求を進めやすくなる点もメリットです。
内縁・事実婚や同性カップルの関係性の立証もサポートしてもらえる
内縁・事実婚や同姓カップルの場合、慰謝料請求の前提となる関係性の証明も弁護士に戦略的に構築してもらえます。
内縁・事実婚といったパートナーとの関係性の証明責任は請求する側にあり、裁判所に認められるための証拠の組み合わせには高度な専門的知見が必要です。
弁護士に依頼すれば、住民票の記載だけでなく家計の共有実態や保険の受取人設定、親族間の付き合いなど、どの証拠が婚姻関係に準ずると評価されるかを、最新の判例傾向に基づいてアドバイスしてもらえます。
証明が難しいとされるケースこそ、弁護士を味方につけることで慰謝料を獲得できる確率を最大化できます。
まとめ
浮気の線引きは日常感覚では曖昧でも、慰謝料請求の場面では不貞行為の有無が結論を左右します。焦って動かず、証拠保全と方針整理を優先し、必要に応じて専門家の支援を得ることが解決への近道です。
パートナーとの関係性が法律婚か、内縁・事実婚か、同性カップルかによって、立証すべきポイントや争点は変わります。外から見えにくい関係ほど、関係性の実態を示す資料が重要になります。
パートナーの浮気に気づいたら、一人で抱え込まずに弁護士に相談し、適切なステップを踏むことをおすすめします。パートナーとどのような関係性であっても、不貞行為はあなたの人生と尊厳を傷つける不法行為であり、正当な賠償を受ける権利があるからです。
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