契約書を訂正する方法とは?訂正方法と注意点を解説

契約書はパソコンで作成するのが一般的です。契約書に訂正点を発見した場合、契約書を取り交わす前であればパソコンで該当箇所を訂正するだけで済みます。

 

では、契約書を取り交わした後で訂正点を発見した場合には、どのように訂正したら良いのでしょうか。

 

この記事では、契約書の訂正方法と注意点について解説します。

 

契約書の訂正方法

ここでは、契約書の訂正方法を次の4点に分けて解説します。

 

  • 訂正印と捨印とは
  • 訂正印による訂正
  • 捨印による訂正
  • 変更契約書を締結する

 

訂正印と捨印とは

訂正印は、文書の一部を訂正する際に「誰が・どのように」訂正したのかを証明する印鑑です。訂正印があることで、他者に勝手に訂正されたものではないことを示します。

 

捨印は、契約書の余白にあらかじめ押しておくことで、契約の相手方や代理人など本人以外が訂正できるようにする印鑑です。訂正印は訂正箇所ごとに押印が必要ですが、捨印は通常、契約書の上部などの余白に1か所押印するだけで済みます。

 

訂正印による訂正

訂正印による訂正の流れは、以下のとおりです。

 

  • 訂正箇所に二重線を引く
  • 正しい文字を記入する
  • 訂正印を押す
  • 訂正の内容を記入する

 

訂正箇所に二重線を引く

訂正前の内容が見えるように、下図のとおり訂正箇所に二重線を引きます。修正液や修正テープは元の文字が見えなくなるため、使用できません。

正しい文字を記入する

二重線の上に正しい文字を記入します。

文字の追加のみの場合は、追記箇所に「V」と記入し、上に追加する文字を記入します。

 

訂正印を押す

訂正箇所の近くに訂正印を押します。

訂正の内容を記入する

何文字削除・追加したのか等、訂正内容を訂正印の近くに記入します。

 

捨印による訂正

捨印による訂正の流れは、以下のとおりです。

 

  • 訂正箇所に二重線を引く
  • 正しい文字を記入する
  • 捨印付近に訂正の内容を記入する

 

訂正箇所に二重線を引く

訂正箇所に二重線を引きます。

 

正しい文字を記入する

二重線の上に正しい文字を記入します。文字の追加のみの場合は、追記箇所に「V」と記入し、上に追加する文字を記入します。

ここまでは訂正印による訂正と同様です。

 

捨印付近に訂正の内容を記入する

捨印の近くに訂正の内容を記入します。

 

変更契約書を締結する

契約内容を変更・追加する場合は、訂正印や捨印による訂正ではなく、変更契約書を取り交わしましょう。「覚書」や「念書」とも言います。変更契約書に記載すべき内容は下記のとおりです。

 

  • どの契約書を変更するのか
  • 元の契約書の変更箇所
  • どのように変更するのか
  • 変更後の内容の効力発生日

 

 

契約書を訂正する際の注意点

ここでは、契約書を訂正する際の注意点について解説します。

 

  1. 捨印が悪用される可能性がある
  2. 簡単な訂正しかできない
  3. 訂正印と捨印は記名・押印時と同じ印鑑を使用
  4. 複数名の記名・押印がある場合は、全員分の訂正印・捨印が必要

 

捨印が悪用される可能性がある

契約書を訂正する場合には当事者間の合意が必要です。しかし、捨印がある場合には片方の当事者によって勝手に訂正される危険性があります。特に個人間で契約書を取り交わす場合には注意が必要です。

契約書を取り交わしたら、必ずコピーを取っておきましょう。万が一勝手に契約書を訂正された際に、証拠となります。

 

簡単な訂正しかできない

訂正印や捨印による訂正は、簡単な誤字脱字などに限られます。契約内容の訂正はできません。契約内容を訂正する場合は、上述の変更契約書を取り交わしましょう。

 

訂正印と捨印は記名・押印時と同じ印鑑を使用

訂正印と捨印に使用する印鑑は、記名・押印時と同じ印鑑を使用するのが一般的です。特に訂正印は、「誰が・どのように」訂正したのかを証明する印鑑です。契約当事者が訂正を行ったことを証明するために、記名・押印時と同じ印鑑を使用しましょう。

 

複数名の記名・押印がある場合は、全員分の訂正印・捨印が必要

複数名が契約書に記名・押印している場合は、記名・押印者全員が訂正印・捨印を押しましょう。契約当事者の誰かが勝手に訂正したものではないことを証明できます。

 

まとめ

契約書の訂正方法について解説しました。

軽微なミスであれば、契約書を再作成せずに訂正印や捨印による訂正が可能です。どちらの方法を採用するかは、契約当事者で話し合いましょう。

 

契約書の誤字脱字等のミスは、どんなに注意しても起こり得ますが、最善は訂正点が無い契約書の作成です。契約書を取り交わす前に入念に内容を確認しましょう。

この記事を書いた人

ネクスパート法律事務所