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弁護士法人ネクスパート法律事務所

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事業承継計画の作成方法|必要な準備と手順を解説

事業承継をスムーズに進めるためには、中長期の経営計画に、事業承継の時期、具体的な対策を盛り込んだ事業承継計画表の作成が重要です。

現経営者と後継者、経営陣が中心となり、事業承継計画表を作成します。

事業承継計画表を作成するメリットは…

  • 当事者間での認識のすり合わせができる
  • 自社が抱える問題の全体像が明らかになる
  • 問題に対して、いつ、どのような対策をとれば良いのかが明確になる

この記事では、事業承継計画表の作成について解説します。

中小機構のページに、ひな形が掲載されていますので、そちらを参考にして作成していくのが良いでしょう。

目次

事業承継計画表を作成するために必要な準備

一定の条件を満たした場合、「事業承継税制(特例措置)」を利用できます。

そのために必要な準備は、主に以下の3つです。

1.状況を正確に把握する

2.計画を開始する時期を決定する

3.事業承継の方法を決定する

状況を正確に把握する

計画を立てるためには、まず、現在の状況を正確に把握することが大切です。

下記の点に注意しながら、状況を確認しましょう。

  • 経営の資産状況
  • 経営リスクの状況
  • 経営者が所有する資産や、負債、個人保証の状況
  • 後継者の状況
  • 相続発生時に予想される問題点と解決方法の状況

計画を開始する時期を決定する

事業承継計画を作成するタイミングとしては、決算直後が良いとされています。

決算直後は、進捗の確認と計画の見直しをする時期でもあるので、直近の業績や方向性を踏まえて、計画を作成できます。

事業承継の方法を決定する

承継の方法には、親族への承継や、従業員や第三者への承継などがあり、それぞれ注意点が異なります。

現状の把握ができれば、問題点があきらかになり、どのような承継方法が良いのか見えてきますので、専門家に相談しながら、事業承継の方法を決定しましょう。

事業承継計画表を作成するための手順

ひな形が用意されているとはいえ、具体的に内容を盛り込んでいくのは、大変な作業です。

事業承継にかかる時間は、後継者の育成も含めると5年~10年はかかると予想されており、事業承継計画表は、その5年~10年間分の計画をまとめたものになります。

以下が、事業承継計画表を作成するための4つの手順です。

1.計画表の構成を確認する

2.経営理念を明確化する

3.事業の中長期目標を決める

4.対策と実施時期を決める

計画表の構成を確認する

見出しの下の「基本方針」には、下記について記載します。

  • 誰から誰に承継するのか
  • 準備着手から何年目に承継するのか
  • 依頼する専門家がいる場合は、どの専門家に依頼予定か

その下には、各項目について、どのような施策を行うのか、5年~10年分について記載します。

事業の計画 売上高と経常利益の推移(数値目標)
会社 事業承継にともなう社内の制度や定款の変更などについて
現経営者

役職、株式などの推移について

社内や取引先、金融機関に後継者をどのように告知するか

後継者にどのように権限を移していくか

後継者

役職、株式などの推移について

後継者教育の過程について

補足 表中の補足事項

経営理念を明確化する

経営理念とは、経営に対する考え方、価値観、行動指針のことです。経営理念を明確化することで、後継者や従業員にあらためて目標を共有できます。

必ずしも新たな経営理念にする必要はなく、これまでと同じものでも構いません。

ただし、時代の流れとともに変化するものでもあります。

事業承継は、経営理念を再確認するのによいタイミングともいえます。

事業の中長期目標を決める

中長期目標は、あいまいなものではなく、具体的な方向性と数値目標を立てましょう。

できれば、自社だけでなく、業界がどのように変化していくのかを予測し、それに対する問題点や対応策を立てましょう。

対策と実施時期を決める

状況が把握できたら、問題への対策と承継の実施時期を決めましょう。

関係者の理解を得る

関係者への公表のタイミングは、次の順番が一般的です。

家族会議→社内への公表→金融機関・取引先

関係者が後継者に求めるものは、経営に対する能力や知識、コミュニケーション能力を持っていることなどが挙げられます。後継者として認めてもらうためには、このような条件を満たしたタイミングで公表することが理想ですが、あまり先延ばしにならないように注意しましょう。

後継者の教育

経営者としての教育は、後継者が社内か社外かで内容が大きく変わります。今一度教育方法を検討しましょう。

社内後継者であれば、これまでの事業については把握しているでしょう。社内ローテーションで各分野を一通り短期間で経験させた後、事業全体に対しての理解を深めつつ、経営陣としての自覚を育てる方法が一般的です。

社外後継者であれば、経営についてのスキルは高い可能性がありますが、従業員との関係性や事業については把握していないでしょう。業界の慣習や事業特有の事情についての教育に時間を割くことになるでしょう。

株式などの財産分与

株式や財産は、具体的に何年までに何%くらいずつ分配するのが良いかなど、細かく決めておきましょう。その際、後継者への事業用資産の集中と、後継者以外の相続人への配慮についても検討する必要があります。

後継者へ事業用資産を集中させる方法として、平成18年5月1日に施行された「会社法」の各種制度を利用できますので、各専門家に相談しながら、決めましょう。

まとめ

事業承継は、経営者にとって最後の大きな仕事となります。経営や資産、知的資産の承継をスムーズに進めるための準備として、事業承継計画を立てることが大切です。

事業承継計画表を作成することによって、自社の問題点や承継時に問題になりそうなリスクについて、対策を整えていくことができます。

事業承継を成功させるには、重要な手順になりますので、早めに各専門家に相談することをお勧めいたします。

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