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弁護士法人ネクスパート法律事務所

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英文契約コラム5:英文契約本文の構造

前回のコラムでは、英文契約書の構成である①契約の導入、②契約の前文、④契約の結文を解説しましたが、本コラムからは、契約のメインパートである③契約の本文について説明します。

https://nexpert-law.com/business/columns/1680/

英文契約書の種類は、対象となる取引毎に多様な類型が存在します。例えば、情報を提供する場合に相手方に守秘義務を負わせる場合にはNDA(Non-Disclosure Agreement)が締結されますし、海外ビジネスにおいて販売店を選任する場合は、Distribution Agreementが締結されます。対象取引毎に契約書の特徴が存在し、レビューの観点は異なりますが、いずれの契約書にも含まれている共通項目というものが存在します。いずれの契約書にも含まれている共通項目は以下のように整理することができます。

目次

契約書の共通項目

  1. 定義/Definitions
  2. 取引に関する当事者の合意
  3. 表明保証/Representations and Warranties
  4. 契約期間及び解約/Term and Termination
  5. クロージング及び前提条件/Closing/Conditions Precedent
  6. 特別な義務・禁止事項 (競業避止義務等)
  7. 補償 /Indemnification
  8. その他条項 /Miscellaneous

各項目毎にレビューの視点が存在するため、英文契約をレビューするにあたっては、検討している条項が上記項目のいずれに該当するのか、その際どのような視点で確認を行えば良いのか念頭に置きながらレビューを実施することが推奨されます。

本コラムでは、「定義」「取引に関する当事者の合意」について解説します。

定義条項(Definition Clause)

定義条項として、例えば以下の文例が使われます。

In this Agreement, unless the context otherwise requires, the following words and expressions shall have the following meanings:
(1)“Invoice” shall mean, in respect of a particular Purchase Order (as defined below), the statement for payment, as referred to in Article 6, sent by Manufacturer to in connection with Products supplied under that Order. (2)“Product” shall mean the products which are listed in EXHIBIT 1 and are manufactured by Manufacturer according to the Product Specifications (as defined below) provided by Purchaser.
…… 

定義条項は、契約書で使われる用語を定義付けるための条項です。

日本語では大文字・小文字の区別がありませんが、英語ではその区別があるため、頭文字を大文字にすることで特定の単語に特別な意味を持たせることとなります。そのため、「Product」と「product」では法律上同じ意味にならないので留意する必要があります。

定義条項は正面から交渉対象となることは少ないですが、定義条項の中身によって契約のもつ意味が変わる場合もあるため、軽視することはできません。

本来定義条項には当事者の義務を含むことはないので「shall」や「will」といった単語は使われることはありませんが、相手方が用意したフォーマットの場合、当事者の義務が定義条項に隠されている場合があります。

相手方手配のフォーマットの場合には、より注意して定義条項の内容を精査する必要があります。

https://nexpert-law.com/business/columns/1678/

取引に関する当事者の合意条項

取引に関する当事者の合意条項として、委託製造契約については、例えば以下の文例が使われます。

Manufacturer shall manufacture the Products in strict accordance with the Product Specifications and Manufacturer shall thereafter sell those Products solely to Purchaser. Manufacturer shall not sub-contract any part of the manufacture of the Products to a third party without the prior written consent of Purchaser, in which case Manufacturer shall ensure that all Products manufactured by such third party are manufactured in strict accordance with the Product Specifications.
…… 

取引に関する当事者の合意条項は、契約類型はもちろん契約の対象となる取引毎に契約内容が異なることになります。想定している取引と異なるところがないか確認することが重要となります。主なチェックポイントは以下のような形となります。

  1. 相手方に実施を望む事項が過不足なく網羅されているか
  2. 相手方に実施を望む事項が義務の形式で規定されているか(must/shall/be obliged to/will)
  3. 相手方に実施を望む事項が、相手方の同意を必要とする形にする、悪意に限定するなどして骨抜きにされていないか
  4. 支払いのトリガーとなる条件が明確に規定されているか
  5. 想定外の自社の義務が規定されていないか
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