債権譲渡通知書が送られてきた!今後のリスクと対処法とは?
借金を滞納すると、債権譲渡通知が届くことがあります。
内容証明郵便で突然届いた債権譲渡通知書に、知らない会社の名前が記されていて驚くこともあるでしょう。
この記事では、次の点について説明します。
- 債権譲渡通知とは?
- 債権譲渡通知が届くのはどんな場合?
- 債権譲渡通知が届くとどうなる?どのような影響が出る?
- 債権回収会社?知らない会社だけど信用していい?
- 債権譲渡通知書が届いた場合の対処法
債権譲渡通知が届いて驚いていらっしゃる方は、ぜひ参考になさってください。

裁判まで行ってしまうと交渉での解決が難しくなるので、債権譲渡通知書が届いた方はお早めにご連絡ください。今後の対応方法を検討していきましょう。
目次
債権譲渡通知とは?
ここでは、債権譲渡通知を分かりやすく解説します。
債権譲渡とは?
債権譲渡とは、もとの債権者が有する債権の内容をそのまま第三者に譲り渡すことです。
債権譲渡では、債権を受け取る人と譲渡する人をそれぞれ次のようにいいます。
- 債権を受け取る人:譲受人
- 債権を譲渡する人:譲渡人
債権譲渡通知書は債権者の変更を通知する書面
債権譲渡通知は、債務者に対し、債権譲渡により債権者が変わったことを知らせる通知です。
債権者は、債権を譲渡したことを債務者に主張するためには、債権譲渡通知を送らなければなりません。
債権譲渡通知書が届くのはどんな場合?
ここでは、債権譲渡通知が届く理由を解説します。
借金の返済が滞っている場合
金融機関やクレジットカード会社に関連して債権譲渡が行われるのは、借金の返済が滞っているケースがほとんどです。
借金返済が滞り、自社で督促しても効果がない場合、金融機関やクレジットカード会社は不良債権を抱えます。この不良債権保有のリスクを回避するために、債権回収会社に債権を譲渡します。
債権譲渡通知書が届くとどうなる?どのような影響が出る?
ここでは、債権譲渡通知書が及ぼす影響を説明します。
債権回収会社からの催促・取立が始まる
債権譲渡通知書が届くと、譲受人である債権回収会社からの催促・取立が始まります。
債権譲渡通知書が届くケースでは、すでに長期間の延滞が発生しています。このため、債権回収会社から一括返済が求められることもあります。
裁判や差し押さえを受ける可能性がある
債権回収会社からの支払いに応じない場合、裁判を起こされ、最終的に預金口座や給与などの財産を差し押さえられる可能性があります。
債権回収会社は、借金の回収を専門に扱う会社です。法的手段をとってでも債権の回収を行います。
債権回収会社?知らない会社だけど信用していい?
知らない会社から急にお金を請求されても、信用していいか悩みます。しかし、債権譲渡通知の場合、無視して放置するわけにはいきません。
ここでは、次の2点を説明します。
- 債権回収会社とは?
- 債権譲渡通知書が本物かどうかの見分け方
債権回収会社とは?
債権回収会社は、債権管理回収業に関する特別措置法(通称サービサー法)により、法務大臣の許可を得て運営する会社です。法律に定められた方法で債権を回収します。
債権回収会社は、次の条件を満たす必要があります。
- 資本金が5億円以上
- 取締役に1名以上の弁護士がいる
- 暴力団等反社会的組織と関わりがないこと
以下の法務省のホームページで、許可を受けた債権回収会社を確認できます。
参考:債権管理回収業の営業を許可した株式会社一覧|法務省 (moj.go.jp)
許可を受けた債権回収会社と似たような名前で架空請求する悪質業者がいます。そのような業者には一切連絡しないよう注意しましょう。
債権譲渡通知書が本物かどうかの見分け方
送られてきた債権譲渡通知が信用できるものか、新たな債権者になった債権回収会社を信用していいのか、見分けるポイントをご紹介します。
もとの債権者から届いている
債権譲渡通知は、もとの債権者から送付されます。
債権譲渡通知の差出人がもとの債権者と異なる場合は架空請求の可能性があります。
内容証明郵便で届いている
債権譲渡通知は、確定日付(書類を作成した日付)が記載された書面で通知しなければなりません。一般的には内容証明郵便で送付されます。
普通郵便やハガキで届いた場合は、架空請求の可能性があるので注意しましょう。
債権譲渡登記制度を利用している場合もある
一般の債務者を対象とする債権回収の場面ではあまり利用されませんが、債権譲渡登記により債権譲渡の対抗要件を取得するケースがあります。
債権譲渡は債務者への通知又は債務者の承諾が対抗要件となりますが、債権譲渡登記制度の利用により対抗要件を具備できます。債権譲渡登記制度は、担保目的で利用されるのが一般的です。債権譲渡登記制度の利用は、譲受人が法人の場合に限定されています。
債権譲渡通知書が届いた場合の対処法
ここでは、債権譲渡通知書が届いた場合の対処法を解説します。
差し押さえられる前に債権者に連絡する
債権譲渡通知書を放置すると、裁判を起こされたり、預金口座や給与など財産が差し押さえられたりする可能性があります。
債権譲渡通知書を受け取ったら、内容を確認して速やかに債権者に連絡しましょう。
弁護士に相談する
債権譲渡がなされた時点で、既に長期滞納が生じています。法的手段に移行すると、交渉による解決が難しくなる場合があります。
債権譲渡通知書が届いたら、速やかに弁護士に相談しましょう。
弁護士に依頼すれば、次のようなメリットがあります。
- 状況に見合った債務整理の方法を提案してもらえる
- 家族や会社に借金の滞納がバレないよう配慮してもらえる
- 債権回収会社との交渉を任せられる
- 依頼すると受任通知が送付され債権回収会社からの督促がストップする
まとめ
債権譲渡について、押さえておきたいポイントは次のとおりです。
- 債権譲渡通知書は借金を滞納したときに届く
- 債権回収会社は債権回収(取立)のプロ
- 債権譲渡通知書を無視すると裁判・強制執行されるおそれがある
- 債権回収会社を装った詐欺・架空請求に注意
- 債務整理は有効な解決手段となる
債権譲渡通知書を受け取ったら、速やかに弁護士に相談することをおすすめします。