個人再生の成功率は約90%!失敗例から学ぶ傾向と対策を徹底解説 - 債務整理は弁護士に相談【ネクスパート法律事務所】

個人再生の成功率は約90%!失敗例から学ぶ傾向と対策を徹底解説

裁判所の調査によると、令和2年度の個人再生の成功率は90%を超えており、個人再生を申立てた人の多くが成功していると言えます。

しかし、100%の確率で成功するわけではないため、どのような理由で失敗するのかも把握しておかなければなりません。

この記事では、個人再生の成功率や失敗例について、以下のとおり解説します。

  • 個人再生の成功率
  • 個人再生に失敗する4つのパターン
  • 失敗例から学ぶ対策
  • 個人再生を弁護士に依頼するメリット

個人再生をご検討中の方は、ぜひご参考になさってください。

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個人再生の成功率と4つの失敗例

ここでは、個人再生の成功率と4つの失敗例について解説します。

個人再生の成功率は約90%

裁判所の司法統計情報によると、令和2年度の個人再生の成功率は、小規模個人再生・給与所得者等再生ともに90%を超えています。

小規模個人再生 給与所得者等再生
総数 11,948 764
再生手続き廃止 337 13
再生手続き不認可 26
再生計画取消し
再生手続き終結 11,172 698
棄却又は却下 20 9
取下げ 370 39
その他 23 5

高い成功率ですが、全体の約3.6%が失敗しているのも事実です。

個人再生が失敗するケースには、次の4つのケースがあります。

  • 失敗例①|申立てが認められない【申立ての棄却】
  • 失敗例②|手続きが途中で打ち切られる【手続きの廃止】
  • 失敗例③|再生計画が不認可となる【再生計画の不認可】
  • 失敗例④|再生計画の認可が取り消される【再生計画の取消】

失敗例①|申立てが認められない【申立ての棄却】

1つ目は、個人再生の申立てが認められず個人再生に失敗するケースです。

申立てが棄却されるのは、以下のいずれかの事由該当する場合です。

  • 個人再生の利用条件を満たしていない
  • 手続き費用を納めていない
  • すでに破産手続きが係属しており破産させた方が債権者の一般の利益に適合する
  • 再生計画案の作成・可決の見込み・再生計画の見込みがないことが明らかである
  • 不当な目的で個人再生が申立てられた
  • 申立てが誠実になされていない

失敗例②|手続きが途中で打ち切られる【手続きの廃止】

2つ目は、手続きが途中で打ち切られて個人再生に失敗するケースです。

手続が廃止されるのは、以下のいずれかの事由該当する場合です。

  • 再生手続開始決定後に個人再生の利用条件を満たさないことが明らかとなった
  • 裁判所の命令に違反した
  • 裁判所の許可を得ずに民事再生法で禁止された行為を行った
  • 財産目録への不記載・不正記載を行った
  • 再生計画案を提出期限までに提出しなかった
  • 再生計画を作成できる見込みがないと裁判所に判断された
  • 裁判所に再生計画案を否決された

失敗例③|再生計画が不認可となる【再生計画の不認可】

3つ目は、再生計画が不認可となり個人再生に失敗するケースです。

再生計画が不認可となるのは、以下のいずれかの事由該当する場合です。

  • 提出書類に補正が不可能な不備があった
  • 計画弁済総額が最低弁済額基準に違反している
  • 再生計画が遂行される見込みがない
  • 再生計画の決議が再生債権者の一般の利益に反する
  • 債権額要件(5,000万円要件)に違反している
  • 小規模個人再生で債権者の書面決議で否決された

失敗例④|再生計画の認可が取り消される【再生計画の取消】

4つ目は、再生計画の認可が取り消され個人再生に失敗するケースです。

再生計画が取り消されるのは、以下のいずれかの事由該当する場合です。

  • 再生計画が不正の方法により成立した
  • 再生債務者が再生計画の履行を怠った
  • 再生債務者が裁判所の許可なく禁止された行為を行った
  • 再生計画認可決定確定後、最低弁済額基準に違反していることが明らかになった

個人再生の失敗例の詳細については、下記関連記事をご参照ください。

個人再生の成功率を上げるために失敗例から学ぶ傾向と対策

ここでは、個人再生の成功率を上げるための対策を解説します。

申立ての棄却を回避するための対策

申立ての棄却を回避するために注意すべき点は、以下のとおりです。

  • 利用条件を正しく理解する
  • 手続費用が用意できてから申立てる

利用条件を正しく理解する

個人再生の申立てが認められ、再生手続きが開始されるためには、以下の条件を満たさなければなりません。

小規模個人再生 給与所得者等再生
申立

要件

共通 支払不能のおそれがあること
特有 事業の継続に著しい支障をきたすことなく、弁済期にある債務の弁済ができないこと

 

開始

要件

共通 ①将来において継続的にまたは反復して収入を得る見込みがあること

②基準債権額が5,000万円を超えないこと

③通常の民事再生手続きの法定棄却事由がないこと

特有 ①給与等の定期的な収入があり、かつ、その収入の変動幅が小さいと見込まれること

②過去7年間に免責又は再生計画の認可決定・ハードシップ免責を受けていないこと

個人再生を申立てる前に、ご自身がこれらの条件を満たしているかどうか、しっかり確認しましょう。

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手続費用が用意できてから申立てる

個人再生を申立てると、再生債務者は費用を予納する義務を負います。費用を予納しない場合は、申立ては棄却されます。

個人再生の申立てには、以下の費用が必要です。

  • 申立手数料(収入印紙):1万円
  • 予納郵券(連絡用郵便切手):3,000円~4,000円程度
  • 官報公告費用:約14,000円

個人再生委員が選任される場合は、上記に加え、個人再生委員の報酬として15~25万円程度を支払わなければなりません。

東京地方裁判所の場合は、原則として全ての事案に個人再生委員が選任されますので、費用の準備ができてから申立てましょう。

  • 本人申立ての場合:25万円
  • 弁護士申立ての場合:15万円

個人再生が選任されない場合は、この報酬を納める必要はありません。

手続きの廃止を回避するための対策

手続の廃止を回避するために注意すべき点は、以下のとおりです。

  • 再生計画案の提出期限を厳守する
  • 確実な返済計画案を作成する
  • 家計に余裕を持たせる

再生計画案の提出期限を厳守する

再生債務者は、再生届出期間満了後、再生計画案を作成して、裁判所が定める期間内に提出しなければなりません。

提出期間内に再生計画案を提出しなければ、手続きが廃止されます。

提出期限は、再生手続開始決定時に裁判所が定めます。裁判所から補正の指示が入る可能性もありますので、提出期限の1週間前には提出できるように準備しましょう。

確実な返済計画案を作成する

再生計画案は、法律に適合するように正確に作成しなければなりません。

提出期限までに提出しても、再生計画案が決議に付するに足りないものであるときには、手続きが廃止されます。

再生計画案を作成するためには、再生債権を正確に把握しなりません。不備のない再生計画案を作成するためには、専門家のサポートが不可欠です。

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家計に余裕を持たせる

多くの裁判所では、再生債務者に予定している再生計画に基づく1か月あたりの弁済額に相当する金員を積み立てさせて、再生計画の履行可能性を審査します。

再生債務者は、再生計画案の提出時に、積立状況等に関する報告書や積立状況を裏付ける積立専用口座の通帳の写しを提出します。裁判所が、これらの書類や家計収支表を確認し、履行可能性が認められないと判断した場合は、再生手続きが廃止されるおそれがあります。

債権調査の結果、負債総額が増額し、最低弁済額が上昇したことにより、申立当初予定していた積立額以上の額を弁済しなければならないことが判明することもあります。

そのため、予定している弁済額を積み立ててもなお、翌月に繰り越せるお金が残るように収支のバランスを整えましょう。家計に一定の余裕があれば、裁判所に履行可能性を認められ易くなるでしょう。

再生計画の不認可を回避するための対策

再生計画の不認可を回避するために注意すべき点は、以下のとおりです。

  • 債権者への事前調整・説得に尽力する
  • 最低弁済額を正しく把握する
  • 本番通りに積立てトレーニングをする

債権者への事前調整・説得に尽力する

小規模個人再生の場合、再生計画案が認可されるためには、債権者の過半数の消極的同意が必要です。

特定の債権者や大口債権者の反対が予想される場合には、申立前に債権者への事前説明や説得に尽力しなければなりません。債権者の反対の意が強固な場合には、小規模個人再生を断念し、債権者の同意が不要な給与所得者等再生での申立てを検討する必要があります。

最低弁済額を正しく把握する

再生計画において弁済すべき額(計画弁済総額)が、最低弁済額基準に違反している場合は、再生計画が不認可となります。

計画弁済総額は、以下の中で最も高い金額を上回らなければなりません。

  • 手続内で確定した債権額から算出される法定の最低弁済額
  • 清算価値保証原則から算出される最低弁済額
  • 可処分所得額(給与所得者等再生の場合)

手続内で確定した借金額を把握し、法律で定められた基準に則って清算価値や可処分所得を算出して、正確な最低弁済額を把握しましょう。

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本番どおりに積立てトレーニングをする

多くの裁判所では、再生計画の履行可能性を審査するため、積立てトレーニング(履行テストや積立状況報告)が実施されています。

積立てが不十分であったり、履行可能性に疑義があったりすると、再生計画が不認可になるおそれがあります。

積立てトレーニングを行う際には、以下の点に注意しましょう。

  • 必ず毎月
  • 決められた期日までに
  • 個人再生委員に指定された口座(もしくは自ら開設した積立専用口座)に
  • 再生計画案に基づく1か月あたりの弁済額以上の額を積み立て
  • 途中で出金しないこと
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再生計画の取り消しを回避するための対策

再生計画の取り消しを回避するために注意すべき点は、以下のとおりです。

  • 最後まで再生計画通りに返済を続ける
  • 減収により返済が困難になったら、再生計画の変更を検討する
  • 失業や病気で返済が継続できなくなったら、ハードシップ免責を得られるか検討する

最後まで再生計画どおりに返済を続ける

再生計画案の認可決定が確定したら、再生計画に基づく返済が始まります。

途中で返済を怠れば、再生債権者の申立てにより再生計画が取り消される可能性があります。最後まで再生計画どおりの返済を続けましょう。

減収により返済が困難になったら、再生計画の変更を検討する

再生計画の履行が困難になった場合、再生債務者は再生計画の変更を申立てられます。再生計画の変更が認められれば、再生計画所定の返済期限を延長できます(最長2年)。返済期間の延長により1回当たりの返済額を減額することで、返済を継続できる可能性があります。

再生計画の変更は、再生計画の認可決定後、やむを得ない事由で履行が困難となったときに認められます。やむを得ない事由とは、再生計画案の作成段階では予測できず、再生債務者がコントロールできない事情であることが必要です。

具体的には、以下のような場合です。

  • 勤務先の業績不振により給与を引き下げられた
  • 勤務先の倒産によって転職を余儀なくされ、収入も減少した

なお、自己都合で勤務先を退職した場合や、浪費により再生計画の履行が困難になった場合は、再生計画の変更は認められません。

失業や病気で返済が継続できなくなったら、ハードシップ免責を得られるか検討する

勤務先の倒産等による失業や、病気や事故などの療養のため、長期にわたり収入を得られなくなった場合などには、ハードシップ免責を受けられるか検討しましょう。

再生債務者は、再生計画の履行段階で返済を継続できなくなった場合において、以下の要件を満たす場合には、残余の債務を免責するハードシップ免責を申立てられます。

  • 再生債務者に責任がない事由により再生計画を遂行することが極めて困難になった
  • 再生計画で変更された後の基準債権等に対して4分の3以上の返済がある
  • 免責することが再生債権者の一般の利益に反しない
  • 再生計画の変更が極めて困難である

ハードシップ免責の決定が確定すると、再生債務者は、既に返済した部分を除き、再生債権者に対する債務の全部について、その返済を免れます。

個人再生を弁護士に依頼すれば成功率アップが期待できる?

ここでは、個人再生を弁護士に依頼するメリットについて解説します。

不備なく書類を準備してもらえる

弁護士に依頼すれば、申立書類はもちろん、手続進行中に提出が必要な書類の作成を任せられます。

個人再生の手続きは、債務整理の中で最も複雑な手続きと言われており、裁判所への提出書類も多岐にわたります。

弁護士に書類を作成してもらうことで、ご本人の負担が軽減されることに加え、作成時のミスや漏れも防止できます。

再生計画案を適切に作成してもらえる

裁判所に再生計画案が認可されなければ、個人再生で借金を減額できません。再生計画案の作成は、個人再生を成功させる要となります。

再生計画案の作成には、法律知識が不可欠です。手続きの過程や最低弁済額の把握に誤りがあると、再生計画が不認可になるおそれがあります。

専門知識のない一般の方が再生計画案を自力で作成すると、不備やミスが発生し、裁判所に認可してもらえない可能性があります。

弁護士に依頼すれば、再生債権や最低弁済額を正しく把握した上で、適正な再生計画案を作成してもらえます。

債権者との事前調整・説得を任せられる

小規模個人再生を利用する場合、再生計画案について、債権者の過半数の消極的同意を得なければなりません。

申立前の段階で、債権者の反対が見込まれる場合には、事前調整や説得が必要です。

弁護士に依頼すれば、債権者との事前調整や説得なども全て任せられます。

個人再生による解決の必要性や、協力が得られず破産を余儀なくされる場合のリスク(配当率の低下等)を説明し、同意が得られるよう交渉してもらえます。

返済が困難になった場合もその後の手続きを依頼できる

再生計画に基づく返済が困難になった場合、個々の事情に応じて、以下のいずれかの手続きを取らなければならないことがあります。

  • 再生計画の変更の申立て
  • ハードシップ免責の申立て
  • 自己破産の申立て

そのような場合も、弁護士に別途手続きを依頼すれば、必要なサポートが受けられます。

まとめ

個人再生の成功率は、約90%です。成功率が高いとはいえ、失敗するケースがあるのも事実です。

個人再生は、債務整理の中で最も複雑な手続であり、裁判所も弁護士に依頼することを推奨しています。実際に、個人再生を申立てた人の約87%が弁護士に依頼しています。

個人再生の成功率を上げるには、専門家のサポートを得ることが不可欠でしょう。個人再生を検討されている方は、ぜひ一度ネクスパート法律事務所へご相談ください。

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