詐欺罪で逮捕|初犯の場合、処分はどうなる?【弁護士が回答】
詐欺罪初犯で逮捕されてしまった場合、どのくらいの量刑になるのでしょうか?初犯であれば執行猶予がつくのでしょうか? 略式起訴になることはあるのでしょうか?
この記事では、詐欺罪の初犯で逮捕されてしまった場合の処分等について解説します。

目次
詐欺罪初犯で逮捕!身柄事件になる?
ポイント
詐欺事件は重大犯罪なので、逮捕されると10年以下の懲役を科される可能性がある。 |


詐欺罪初犯でも起訴される?
ポイント
起訴されると刑事裁判を受けることになる。日本では起訴されると99%有罪になるといわれているため、不起訴を得ることが重要 |


詐欺罪初犯は略式起訴になる?
ポイント
略式起訴の場合、通常裁判よりも早く身柄が解放されるメリットがある。しかし、前科がつくので、できる限り不起訴を目指したい |


刑法第246条 人を欺いて財物を交付させた者は、10年以下の懲役に処する。
引用:e-Gov法令検索
詐欺罪初犯で逮捕された場合には、不起訴か執行猶予のどちらかを目指します。
詐欺罪初犯でも実刑になりますか?
詐欺罪初犯でも実刑になってしまうのでしょうか?


令和2年版犯罪白書によると、詐欺罪全体の実刑率は47%となっています。
詐欺事件の場合、被害額が高額である、犯行が組織的である、余罪が多数ある場合があり、この場合には初犯であっても実刑判決が下される可能性が高いです。
詐欺罪初犯でも懲役刑になる?
ポイント
懲役刑になると一定期間刑務所に入れられてしまう。執行猶予や減刑など、少しでも負担の少ない処分を目指したい。 |


詐欺罪の量刑は被害額や詐欺行為の悪質性の程度など個別の事情に左右されるため、詐欺罪初犯の相場を明言することは困難です。
詐欺罪で罰金刑が科されることはないので、起訴され、裁判で有罪となれば懲役刑が科されます。そのため、起訴された場合には執行猶予または減刑を目指します。
余罪がある場合
詐欺罪での逮捕が初めてでも余罪がある場合にはどうなるのでしょう?
オレオレ詐欺などは、余罪が多数あることが多く、しかも被害額が非常に高額であり、犯行が組織的であることが多い犯罪です。
その場合には初犯でも、執行猶予になる可能性は低いといえます。
余罪についても起訴され、同一の裁判で審理することになった場合には、裁判が長期化します。
本罪と余罪が併合罪となり、法定刑の上限が5割増しになります。懲役の上限も10年から15年になります。
複数の詐欺罪で起訴された場合には、1か月以上15年以下の範囲で相当とされる懲役刑が言い渡されます。
詐欺罪初犯で執行猶予を得るポイントは?
ポイント
執行猶予がつけば、猶予期間中に罪を犯さない限り懲役刑が執行されません。社会復帰を早めるためには執行猶予の獲得が重要です。 |


執行猶予は、言い渡された判決が3年以下の懲役(もしくは禁錮など)である場合に、1年以上5年以下の執行猶予期間を定めて、その間刑の執行を猶予する制度です。
言い渡される判決が、3年を超えると執行猶予は付きません。
詐欺罪初犯で執行猶予を得るポイントは、被害賠償がされ、被害者との示談が成立していることです。
被害者との間で示談が成立すると被害者の処罰感情が無くなったと判断されるため、執行猶予付き判決を得る可能性が高くなります。
詐欺罪初犯で逮捕|処分を軽くするためにできることは?
詐欺罪初犯で逮捕されてしまった場合に処分を軽くするためにできることについて解説します。
弁護士に対応を依頼する
詐欺罪初犯で逮捕された場合には、なるべく早い段階で弁護士に相談しましょう。詐欺罪は初犯であっても、起訴されて有罪になると懲役刑の実刑判決になることもあります。
詐欺で被害者からお金をだまし取ったのであれば、真摯に反省し、再犯防止策をしっかりとって、不起訴処分の獲得を目指しましょう。万が一不起訴処分が獲得できなかった場合には、執行猶予や減刑を目指しましょう。
いずれの場合であっても、刑事事件に精通している弁護士のサポートが不可欠です。
被害者と示談をする
処分を軽くするためには被害者の方との示談交渉を進めることが必要ですが、加害者の方が自分で被害者の方と示談交渉をすることは困難です。
なるべく早い段階で弁護士に依頼し、被害者の方との示談交渉を進めてもらうことをお勧めします。
まとめ
詐欺罪は初犯であっても実刑判決が下される可能性のある重い犯罪です。
この記事では、詐欺罪初犯で逮捕された場合に、どのような刑事処分が科される可能性があるのかについてお伝えしました。
少しでも軽い処罰で済むためにはなるべく早い段階で弁護士に依頼することをお勧めします。