暴行事件の示談を成立させるポイントと示談金相場を解説

暴行とは、人に向けて有形力を用いた以下のような行為が該当します。実際に体に触れるなどの接触がなくても、人に向けられた行為であれば成立します。

  • 殴る・蹴る
  • 刃物を振り回す
  • 石を被害者に向かって投げつける
  • どなる(暴言を吐く)
  • 水や唾などをかける
  • 着衣をひっぱる

 

この記事では、暴行事件の示談を成立させるポイントと示談金の相場について解説します。

 

示談を成立させるべき理由については以下記事をご参照ください。

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暴行事件の示談の傾向

(暴行)

第二百八条 暴行を加えた者が人を傷害するに至らなかったときは、二年以下の懲役若しくは三十万円以下の罰金又は拘留若しくは科料に処する。

参照:刑法

 

上記は、暴行のみについての刑罰です。

暴行を用いた強制わいせつや傷害の罪を犯した場合は刑罰が変わります。

 

暴行罪は、検挙率は高いものの起訴率は低いため、示談が成立しやすい傾向にあります。ここでは、暴行に関する示談成立にむけてのポイントと示談が難しくなるケースについて解説します。

 

暴行事件で和解を得るために重要なポイント

被害者に真摯に謝罪する

被害者に対して反省していることを明示するために、謝罪文を作成しましょう。

口頭だけの謝罪や、簡単なメモ程度の文章では「誠意がない」「反省しているとは思えない」と誤解され、示談がまとまらないおそれがあります。

 

真摯に反省しており今後は二度と罪を犯さない決心などを、被害者の心情に配慮しながら謝罪文を作成します。謝罪文は手書きで丁寧に記載し、署名捺印をします。

弁護士に依頼している場合は、作成した謝罪文を確認してもらうと良いでしょう。

 

早期に示談の申し入れをする

示談の申し入れはできるだけ早く行います。刑事事件は進むスピードが速いため、事件が進んでしまうと示談の効果が薄れる場合があるからです。

暴行事件の場合は傷害事件よりも被害額は少ないとされ、被害者にとっても、民事訴訟を起こさずに被害弁償や慰謝料を受け取れるので、刑事事件化する前の示談成立にはメリットがあります。

 

示談が難しければ同意書の作成をする

被害者との示談交渉で、被害者側から「示談はしたくない」「許したくない」と言われる場合があります。

 

本来であれば、示談書には宥恕文言を入れてもらうのが一番良いのですが、処罰感情が大きい場合は、賠償金は受け取っても“示談”という文言は入れたくないと言われるケースがあります。その場合は、受領同意書を取り交わしましょう。

賠償金を支払い、受け取ってもらったことが書面として残っていれば、被害弁償されている証明となり不起訴処分の可能性が高まります。

 

暴行の示談が難しくなるケース

暴行による示談が難しくなるケースは以下のとおりです。

  • 犯行の手口が悪質である
  • 被害者の連絡先がわからない
  • 被害者が示談を望まない
  • 暴行を伴う他の罪を犯した

 

犯行の手口が悪質である

長年にわたってDVなどの被害をうけている場合や、綿密に計画されたものである場合などは、被害者の処罰感情も強く示談が難しくなる可能性があります。また、その犯行の内容が悪質であると捜査機関が判断すれば、逮捕・起訴されて裁判になる可能性があります。

 

被害者の連絡先がわからない

通りすがりの暴行で、被害届が出ていない場合は、被害者の特定ができないので示談ができません。自首したとしても被害届が出ていなければ捜査機関も特定できない可能性があります。だからそのままにして良いという理由にはならず、弁護士に相談をして、贖罪寄付などの方法を検討しても良いでしょう。

 

捜査機関は、被害者の特定ができている場合でも、被害者の連絡先を加害者に教えることはありません。弁護士ならば被害者の了承があれば、加害者には被害者の情報を教えないという条件付きで連絡先を教えてもらえますが、弁護士にも教えたくないと言われたら示談交渉を進められません。

 

被害者が示談を望まない

示談は被害者が交渉に応じてくれなければできません。

捜査機関から弁護士が被害者の連絡先を教えてもらい示談交渉を始めても、被害者の処罰感情が大きく、示談は絶対にしないという強い意志がある場合は、無理強いはできません。

 

暴行を伴う他の罪を犯した

暴行を用いた強制わいせつや強盗の罪を犯した場合は、刑罰は重くなります。被害者の処罰感情も大きくなるので、示談が難しいケースがあります。

 

(強制わいせつ)

第百七十六条 十三歳以上の者に対し、暴行又は脅迫を用いてわいせつな行為をした者は、六月以上十年以下の懲役に処する。十三歳未満の者に対し、わいせつな行為をした者も、同様とする。

 

(強盗)

第二百三十六条 暴行又は脅迫を用いて他人の財物を強取した者は、強盗の罪とし、五年以上の有期懲役に処する。

2 前項の方法により、財産上不法の利益を得、又は他人にこれを得させた者も、同項と同様とする。

参照:刑法

 

示談成立までにかかる期間

被害者との示談交渉にかかる時間は、事件の内容と被害者の処罰感情によって変わります。当事者同士の交渉では感情的になり、長引く場合があります。

 

弁護士にご依頼いただくことで、示談の問題点を速やかに解決し、示談成立までの時間を短縮できます。複雑な事情があって交渉に時間がかかり、示談が成立する前に刑事事件化され逮捕されてしまった場合でも、引き続き示談交渉を行えます。

 

初めは示談に応じる気持ちがなかったとしても、時間の経過や加害者が逮捕された事実によって被害者の意識も変わってくる場合があります。示談交渉はあきらめずに行うことが大切です。

 

暴行の示談金について

暴行の示談金は、犯行の態様や被害状況によって異なります。ここでは暴行における示談金の相場と高額になるケースについてご案内いたします。

 

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暴行の示談金相場

暴行の示談金はどの程度の暴行を与えたかによって決まります。犯行が悪質ではなく傷害に該当しなければ傷を負っているわけではないので、10万円~30万円が相場になります。

 

示談金の額は、被害者からの要求だけで決まるものではなく、加害者の経済事情も考慮しながら双方の合意で決定します。

 

暴行の示談金が高額になるケース

暴行の内容が悪質である

暴行の内容が悪質であると判断された場合は、示談金が高額になる可能性があります。

悪質と判断されるのは、主に以下のケースです。

  • 計画的である
  • 複数人数での共犯事件である
  • 長年により暴行が繰り返されている(DVなど)
  • 刃物などの凶器を使っている

 

被害額は暴行の内容や被害状況によって決定しますが、その判断は経験のある弁護士でなければ難しいでしょう。

 

暴行を伴う他の罪を犯した

軽微な暴行だけであれば示談金はそれほど高額になることはありませんが、前項で記載したとおり、暴行を用いて他の罪を犯した場合は、刑罰が重くなる分示談金も高額になる可能性があります。

 

加害者が一方的に暴行を加えた(被害者に落ち度がない)

被害者に何ら原因や落ち度がなく、加害者が一方的に暴行を加えた場合は、被害者の処罰感情は大きく、到底許せるものではありません。そのため精神的慰謝料も含めて示談金が高額になる可能性があります。

 

被害者の被害程度が大きい

長年に渡ってDVなどが繰り返され、被害者がPTSD(Post Traumatic Stress Disorder :心的外傷後ストレス障害)と診断された場合や、精神的な病になった場合は、犯行は悪質であり被害程度が大きいとして示談金は高額になる可能性があります。

 

被害者の処罰感情が強い

通りすがりの見ず知らずの被害者に暴行を加えた場合などは、付近の住民に与える不安も大きくなります。示談をすると次の被害者がでる可能性が残るので処罰してもらった方が良いと考えられた場合は、示談金が高額になる可能性だけでなく、示談そのものが難しくなる可能性もあります。

 

暴行の示談書に記入するべきポイント

示談書には記載した方が良い条項がいくつかあります。ここでは窃盗における示談書に記載した方がよい主な条項についてご案内いたします。

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謝罪条項

加害者から被害者への謝罪を記載します。心から反省していることを示すために、最初に記載した方が良い条項です。

 

示談金の支払いに関する条項

示談金の金額と支払い方法を記載します。

すでに支払いが終了している場合は、被害者が受領した事実を記載します。領収書はかならず保管しておきましょう。

 

宥恕条項

被害者の同意がある場合は、必ず記載しておくべき条項です。「本件について宥恕する」「犯行を許し、刑事処罰をのぞまない」などの記載です。この条項があれば、被害者が許していることが考慮され、不起訴処分や刑事罰が減刑される可能性が高まります。

 

接触禁止条項

再度被害者と加害者が方法を接触することを禁止する条項です。示談成立後でも被害者には加害者に再度会ったらまた暴行されるのではないかという不安が残ります。それらの不安をなくすために記載します。

 

誓約条項

お互いに約束する内容を記載します。窃盗の場合は「二度と同じ過ちを起こさない」「被害届は提出しない」などの記載です。

 

清算条項

あとで被害弁償が終わっていないなどと言われないために、示談書で定めたもの以外の請求や債務がないことを記載します。

 

秘密保持条項

事件に関するすべてのことを、いかなる方法を問わず、第三者に口外しないことを記載します。

 

具体的な示談書の書き方については以下記事をご参照ください。

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暴行の示談の流れ

示談成立のための流れのうち、主なものを以下でご案内いたします。詳細については下記の記事をご参照ください。

 

示談の意思確認

最初に行うのが、被害者が示談に応じてくれるかどうかの意思確認です。

 

示談交渉

示談の意思が確認でき、応じてくれる場合は、速やかに交渉を行います。ここで時間がかかってしまうと、被害者の気持ちが変わる可能性があります。

 

示談成立

示談書の取り交わしを行い、示談金がある場合は示談金の振込の終了により、示談が成立します。

逮捕・起訴され勾留されていた場合は、その報告をもとに捜査機関から釈放されます。

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暴行の示談を弁護士に依頼した場合のサポート内容

ここでは、暴行事件の示談を弁護士に依頼した場合の主なサポート内容をご案内いたします。

 

被害者の連絡先を確認

被害者が加害者と直接連絡を取りたくないと話している場合は、弁護士にご依頼ください。弁護士であれば、被害者が了承すれば捜査機関を通じて連絡先を教えてもらえます。

被害者の多くは、加害者本人ではなく弁護士となら話をしても良いと了承してくれる可能性が高いです。

 

被害者との示談交渉

被害者と加害者で直接示談交渉をすると、感情的になり、なかなかまとまらない場合があります。示談に応じるための被害者からの条件が、妥当かどうかの判断もできません。

弁護士ならばそれまでの経験から、妥当な示談金の金額や条件を、被害者の情状を踏まえながら速やかにまとめられます。

 

正確な示談書の作成

示談の条件がまとまったら、正確な示談書を作成しなければなりません。口頭で合意した内容でも書面として残しておかなければ、あとで、まだ済んでいないといわれてしまうおそれがあります。弁護士ならば謝罪条項や宥恕条項、清算条項など双方が納得する正確な示談書の作成が行えます。

 

警察/検察への意見書などの提出

刑事事件化されている場合、示談がまとまり示談書の取り交わしが終わったら、弁護士から被害者との示談がまとまったことを捜査機関に報告書や意見書として提出します。捜査機関も示談が成立したとなれば寛大な処分になる可能性があります。

 

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暴行示談の成功事例

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まとめ

暴行と聞くと傷害より軽く考えてしまいがちですが、暴行罪に問われ、悪質な場合は逮捕・起訴される可能性があります。ただし、暴行事件を起こしたからといって、必ずしも刑事事件化されるわけではありません。刑事事件化を防ぐためにも、示談交渉が大切です。

 

暴行事件を起こして示談交渉をする際には、被害状況などを正確に判断しなければなりません。被害状況によって示談金の金額も変わってきます。それらを踏まえた示談交渉はご自身でされるには難しい面があります。

 

経験が豊富な弁護士にご依頼いただくことで、適切な金額で示談を成立させ、正確な示談書の作成が可能です。ネクスパート法律事務所では、ご相談を24時間受け付けておりますので、まずはお電話、メール、お問い合わせフォームよりご連絡ください。

 

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