更新日:2024年7月17日 (水)

公開日:2024年7月17日 (水)

相続手続きを自分で進めるための6つのステップを解説

相続手続きを自分で進めるための6つのステップを解説 相続手続きを自分で進めるための6つのステップを解説

サマリー

相続が発生した場合、さまざまな手続きをしなければなりません。
弁護士に相続手続きを任せられますが、自分で手続きを進めたいと考える方もいらっしゃるでしょう。
この記事では、相続手続きを自分で進めたい人に向けて、以下の点を解説します。

・相続手続きを自分で進めるためのステップ
・相続手続きを弁護士に依頼したほうがよいケース

相続手続きを自分で進めるための6つのステップは?

相続手続きは、基本的に以下の順序で進めます。

①遺言書の有無を確認する

被相続人が遺言書を残していないか、確認をしましょう。
遺言書がある場合は、原則として、遺言書の内容に沿って相続手続きを進めます。
自筆遺言証書が見つかった場合、裁判所での検認手続きが必要ですので、その場で開封してはいけません。
ただし、公正証書遺言や自筆証書保管制度を利用した場合は、検認手続きは不要です。

 

 

 

②相続人を特定する

被相続人の出生から死亡までの戸籍を集めて、相続人を特定しましょう。
戸籍は、まず被相続人の戸籍全部事項証明書または除籍全部事項証明書を取得します。ここまでで被相続人の出生から死亡までの身分関係を確定できない場合は、記載事項をさかのぼり、前の除籍謄本や改正原戸籍謄本を順次取得します。
取得した戸籍から誰が相続人になるのかを確認したら、各相続人の生存を確認するために、相続人全員の戸籍全部事項証明書を取得します。
2024年3月の戸籍法一部改正により、本籍地以外の市区町村窓口で取得が可能になりました。配偶者、直系尊属、直系卑属であれば請求できますので、最寄りの役所の窓口に確認しましょう。

③相続財産を調査する

被相続人の財産を調査しましょう。
主な財産の調査方法は、以下のとおりです。

財産の種類 調査方法
預貯金 被相続人の所持品等から所有していた口座を特定し、該当する金融機関に照会する。
不動産 登記識別情報(登記済権利証)や名寄帳を確認する。
株式等の有価証券 契約している証券会社等に照会する。
車・宝石・絵画等の動産 被相続人の居宅や貸金庫、貸倉庫などを確認する。

財産の全容を把握したら、各財産の評価額も確認しましょう。

④遺産分割協議を行う

被相続人が遺言書を遺していない場合、相続人全員で遺産分割協議を行います。
被相続人の財産を誰が引き継ぐか、話し合いをします。
遺産分割協議は必ず相続人全員で行わなければならず、一人でも欠けた場合は無効になります。日頃から仲が悪い相続人を無視して遺産分割協議を行ってはいけません。
相続人全員による協議で財産の分け方が決まったら、その内容を遺産分割協議書として書面に残しましょう。

⑤各種名義変更を行う

被相続人の財産を引き継いだ人は、名義変更の手続きを行いましょう。
特に不動産を譲り受けた人は、相続によって所有権の取得を知った日から3年以内、もしくは遺産分割協議が成立してから3年以内に相続登記の申請を行わなければいけません。正当な理由なく申請を怠った場合、10万円以下の過料の対象になります。

⑥相続税の申告を行う

遺産総額が基礎控除額を越えていたら、相続税の申告を行います。
相続税の申告は相続の開始があったことを知った日の翌日から10か月以内に行わなければいけません。期限を過ぎると延滞税がかかる可能性があるので気を付けましょう。
なお、基礎控除額は以下の計算式で求めます。
3,000万円+(600万円×法定相続人の数)

相続手続きを弁護士に依頼したほうがよいケースは?

相続手続きは自分でもできますが、弁護士に依頼したほうがよいケースがあります。
以下のいずれかに該当する場合は、弁護士への依頼をおすすめします。

相続人の特定が難しい場合

相続人の特定が難しい場合は、弁護士に依頼したほうがよいでしょう。
特に以下のケースでは、相続人の特定後も手続きが複雑化しやすいため、弁護士のサポートを得て進めると安心です。

ケース 特定が難しい理由
長年音信不通の相続人がいる場合 連絡を取る方法がない可能性があるため
海外に住んでいる相続人がいる場合 通常とは異なる手続きが必要なため
被相続人に子どもがいない場合 兄弟姉妹が相続人になるケースがあり、人数が多くなる可能性があるため

相続財産の種類や金額が多い場合

相続財産の種類や金額が多い場合、弁護士に依頼したほうがよいでしょう。
相続財産をすべて把握するだけでも時間と労力がかかるからです。
財産の見落としは後々のトラブルや申告漏れにつながるおそれがあるため、すべての財産を把握するのが難しいと感じたら弁護士に相談しましょう。

相続人同士でトラブルに発展しそうな場合

相続人同士でトラブルに発展しそうな場合は、弁護士に依頼をしたほうがよいでしょう。
例えば、被相続人が複数回婚姻しており、前の配偶者との間に子どもがいるケースが考えられます。前の配偶者の子どもは相続人になるため、排除して手続きは進められません。
お互いによい感情を抱いていない場合は、直接の交渉は避けて弁護士を代理人にして手続きを進めたほうがよいでしょう。

遺言書の有効性に疑いがある場合

遺言書の有効性に疑いがある場合、弁護士に依頼をしたほうがよいでしょう。
主に以下のケースが考えられます。

  • 遺言書作成時に被相続人が認知症を患っていた可能性がある場合
  • 詐欺・脅迫によって被相続人が無理やり遺言書を作成したと疑われる場合
  • 法的に有効な遺言書かどうか判断に迷う場合

被相続人が生前に特定の相続人に贈与していた場合

被相続人が生前に特定の相続人に贈与していた場合、弁護士に依頼をしたほうがよいでしょう。
生前贈与によって遺留分侵害の可能性があるからです。遺留分侵害がある場合は、弁護士ならしかるべき方法で侵害している人から取り戻すためのアドバイスが可能です。

特定の相続人が財産を使い込んでいる疑いがある場合

特定の相続人が財産を使い込んでいる疑いがある場合、弁護士に依頼をしたほうがよいでしょう。
財産を使い込んだ相続人から取り戻すために、使い込んだ金額等を調査しなければならないからです。
場合によっては、法的措置を取らざるを得ない状況になるかもしれないため、弁護士のアドバイスは不可欠です。

被相続人の財産形成や維持に特別な貢献をした場合

被相続人の財産形成や維持に特別な貢献をした場合は、弁護士に依頼をしたほうがよいでしょう。
例えば、仕事を辞めて被相続人の介護を行った場合、寄与分を請求できる可能性があるからです。寄与分が認められると、他の相続人よりも多く財産を受け取るので、他の相続人との話し合いが難航するケースがあります。
弁護士が代理人として対応し、なぜ寄与分を請求するか明確な説明をすれば、納得してもらえる可能性があります。

手続き全体を任せてスムーズに進めたい場合相続手続き全体を任せてスムーズに進めたい場合は、弁護士に依頼したほうがよいでしょう。

相続手続きは戸籍集めをはじめとして、思っている以上に時間がかかります。相続税の申告や不動産の名義変更など、期限内に終えないければならない手続きもあります。
弁護士に依頼をすれば、こうしたストレスから解放されます。

相続手続きを自分で進めるのは難しいと感じたらすぐに弁護士に相談を

相続手続きを自分で進める方法を紹介してきましたが、少しでも「難しそうだな…。」と感じたのなら、弁護士に相談をしてください。
戸籍の収集や被相続人の財産調査は、慣れていない方にとっては苦痛な作業です。
相続人同士のトラブルが予想される場合は、弁護士のアドバイスを得ながら進めたほうがよいでしょう。もともと相続人と仲が悪い場合は、早い段階で弁護士に依頼をしたほうが精神的ストレスから解放されます。
自分で無理をして進めた結果、遺産分割のやり直しをしなければならないのは残念なことです。少しでも不安がある場合は、ためらわずに弁護士に相談をしましょう。

まとめ

相続手続きは、思っている以上にやらなければならないことがあります。時間と労力がかかり、それに加えて相続人同士の諍いが起きたら精神的苦痛は相当なものです。できる範囲のことを自分で行い、難しいと感じたら無理をしないようにしましょう。
ネクスパート法律事務所には、相続全般について数多く手掛けている弁護士が在籍しています。相続手続きに関しては、相続人の調査から相続登記の申請まですべてお任せいただけるパックもご用意しています。
初回相談は30分無料ですので、お気軽にお問合せください。

コラム監修者

Shunsuke Teragaki

Shunsuke Teragaki

所属:代表(東京オフィス)

広島県広島市出身。修道高校、慶應義塾大学商学部、青山学院大学法科大学院を卒業後、新司法試験に合格し最高裁判所司法研修所を修了。弁護士として法曹界に入り、個人・法人問わず幅広い分野の相談・交渉に取り組む。ネクスパート法律事務所の代表弁護士として、依頼者に最適な見通しと戦略的な解決策を示すことを信条とし、丁寧かつ粘り強い対応で信頼を築いている。

弁護士詳細を見る

関連記事を見る

空き家買取とは?仲介との違いや相場・売却の流れを解説

2026.09.08

NEW

不動産相続

遺産相続・生前対策

空き家買取とは?仲介との違いや相場・売却の流れを解説

空き家の固定資産税はいくら?6倍になる条件と対策を解説

2026.09.08

NEW

不動産相続

遺産相続・生前対策

空き家の固定資産税はいくら?6倍になる条件と対策を解説

特別代理人とは?必要なケースや選任手続きの流れを解説

2026.09.08

NEW

遺産相続・生前対策

特別代理人とは?必要なケースや選任手続きの流れを解説

相続税の無申告加算税とは?税率やペナルティ・対処法を解説

2026.09.08

NEW

遺産相続・生前対策

相続税の無申告加算税とは?税率やペナルティ・対処法を解説

代償分割とは?メリットや代償金の決め方・相続税の注意点を解説

2026.09.08

NEW

遺産相続・生前対策

代償分割とは?メリットや代償金の決め方・相続税の注意点を解説

PREV
NEXT