【実例付き】株主総会の流れを解説 スムーズな株主総会開催のポイント

株主総会はおおまかに
(1)株主総会の招集の決定
(2)株主総会に向けた準備
(3)招集通知の発出
(4)議事録作成・保管
という流れになっています。スムーズに株主総会を開催できるようそれぞれのポイントを確認していきましょう。
株主総会招集は取締役会または取締役が決定する
そもそも株主総会は1年に1回は開催しなければならず、それは毎事業年の終了後一定の時期とされています。これを定時株主総会といいます。
日本の会社は3月決算が多く、6月に定時株主総会が開催されるケースが多いです。臨時に株主総会を招集したい時でも手続は変わりません。
取締役会設置会社では取締役会が、取締役会非設置会社の場合は各取締役が、株主総会の日時・場所・株主総会で決議する事項などを決定します。
日時があまりに離れている場合、あるいは場所が著しく遠い場合などは説明を要するので注意しましょう。株主総会で決議する事項は役員の選任や役員報酬など定期的に決議すべき事項があるため、事前に確認が必要です。
株主総会への準備 想定問答などを考えておく
株主総会では会社の事業についての質問がなされることがあります。来年度の予算が増えていたり、今期の決算で落ち込んだ場所があったりしたときには、それについての想定問答を考えておく必要があります。
この他にも近時の話題になっている働き方改革などについても質問が及ぶことが考えられます。質疑応答のリハーサルなど十分な準備を行う必要があります。
想定問答を考えるのは難しい面があるため、早めに対策に着手する必要があるでしょう。
招集通知は期限を厳守 2週間前に出さなければいけないことも
株主への招集通知は法律で決められた期限があり、これに違反すると株主総会を開催しても決議が取り消されてしまう可能性があります。そのため内容を考える時間や印刷にかかる時間などを考慮して計画的に進めなければいけません。
具体的には公開会社では2週間前、非公開会社で書面・電子投票を認めない場合は1週間前、非公開会社で書面・電子投票を認めず取締役会非設置会社で定款に期限の定めがある場合にはその期限までに、招集通知を発出しなければなりません。
議事録は作らなければいけない そのうえで10年間保管しなければならない
議事録の作成は法律で義務とされています。議事録の内容は開催日時・場所や議事の経過の要領を記載することとされています(会社法施行規則72条)。法律で求められている内容を事前に確認して、漏れのない議事録を作成しましょう。
議事録は作成後、10年間は本店に置いておかなければなりません。この議事録は株主や会社債権者から見せるよう要求されたときには見せなければなりません。支店を持っている場合には5年間支店にも議事録を置いておく必要があります。
これらに違反した場合、100万円以下の過料に処せられることがあるので注意しましょう。
株主総会の準備・運営は丁寧な手続を
上で見てきたように株主総会は細かな手続を多く積み上げなければなりません。1つでもミスをするだけでも株主総会のやり直しという事態になりかねません。
また、中小企業で主に利用される株主総会の決議を省略する方法もあります。後に争いとなって裁判に発展しないためにも、事前に弁護士に相談することをおすすめします。