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弁護士法人ネクスパート法律事務所

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【フリーランス必見】その働き方、新法が守ります!ハラスメント、育児介護、中途解除から身を守るための知識

2024年11月1日に施行された「フリーランス保護新法」は、報酬の支払ルールといった「取引の適正化」だけでなく、フリーランスの「就業環境の整備」についても、発注事業者に新たな義務を課しています。
これは、下請法にはなかった本法の大きな特徴です。

本記事では、フリーランスとして安心して働くために知っておきたい「就業環境の整備に関する4つの重要な義務に焦点を当て、フリーランスが自身の権利を理解し、トラブルから身を守るための知識を弁護士が分かりやすく解説します。

目次

フリーランス保護新法がもたらす「就業環境の整備」とは?

これまでフリーランスは、発注事業者からハラスメントを受けたり、育児や介護との両立が困難であったり、突然契約を打ち切られたりするなど、不安定な立場に置かれることが少なくありませんでした。

そこでフリーランス保護新法は、フリーランスが安定的に業務に従事できる環境を整えるため、発注事業者に対して、就業環境の整備に関する具体的な義務を定めました。

これにより、フリーランスが不当な不利益を被ることなく、その能力を十分に発揮できる社会を目指しています。

【従業員がいる事業者対象】就業環境を整える2つの基本義務

ここでは、従業員を雇用している「特定業務委託事業者」に課される、就業環境整備に関する基本的な義務について解説します。

ハラスメント対策に係る体制整備義務

特定業務委託事業者は、ハラスメントによってフリーランスの就業環境が害されることのないよう、必要な体制を整備する義務を負います。

    対象となるハラスメントは次のとおりです。

    • セクシュアルハラスメント
      性的な言動で不利益を与えたり、就業環境を害したりすること。
    • パワーハラスメント
      取引上の優越的な関係を背景に、業務の適正な範囲を超えた言動で就業環境を害すること。
    • 妊娠・出産等に関するハラスメント(マタハラ)
      妊娠・出産等を理由とする嫌がらせなど。

    事業者は、具体的に次の措置を講じる必要があります。

    • 方針の明確化と周知・啓発
      ハラスメントは許さないという方針を明確にし、社内やフリーランスに周知します。
    • 相談体制の整備
      相談窓口を設置し、フリーランスに周知します。
    • 事後の迅速かつ適切な対応
      ハラスメントが発生した場合、事実関係を迅速・正確に確認し、被害者への配慮や再発防止措置を講じます。

    フリーランスがハラスメントの相談をしたことを理由に、発注事業者が契約を解除するなどの不利益な取扱いをすることは禁止されています。

    募集情報の的確な表示義務

    特定業務委託事業者が、広告やウェブサイトなどでフリーランスを募集する際には、虚偽の表示や誤解を生じさせる表示をしてはならず、情報を正確かつ最新の内容に保つ義務があります。

      例えば、次のような表示は違反となる可能性があります。

      • 意図的に実際の報酬額より高い金額を提示する。
      • 募集を終了したにもかかわらず、情報を削除せずに掲載し続ける。
      • 業務内容や報酬など、重要な事項を記載しない。

      これにより、フリーランスが誤った情報に基づいて契約を締結してしまうといったトラブルを防ぎます。

      【6か月以上の取引で追加】フリーランスの安定した就業を支える2つの義務

      ここでは、契約期間が「6か月以上」の業務委託を行う「特定業務委託事業者」に、さらに追加で課される2つの義務を解説します。契約の更新によって結果的に6か月以上となる場合も対象です。

      育児・介護との両立への配慮義務

      特定業務委託事業者は、フリーランスから育児や介護との両立に関する申し出があった場合、必要な配慮をしなければなりません

      配慮のプロセスは次のとおりです。

      1. 申出内容の把握
        フリーランスからの申出内容を正確に把握します。
      2. 取り得る選択肢の検討
        納期変更やオンラインでの業務への切り替えなど、対応可能な配慮を検討します。
      3. 伝達・実施
        配慮の内容を伝え、実施します。もし配慮が難しい場合は、その理由を説明する必要があります。

      この申し出をしたことや、配慮を受けたことのみを理由として、契約を解除したり、報酬を減額したりといった不利益な取扱いをすることは許されません

      中途解除等の事前予告・理由開示義務

      特定業務委託事業者は、6か月以上継続している業務委託契約を中途で解除したり、契約を更新しなかったりする場合、原則として、その30日前までに予告しなければなりません。

      また、予告期間中にフリーランスから理由の開示を求められた場合、事業者は遅滞なく理由を開示する義務があります。これにより、フリーランスは予期せぬ契約終了に備え、次の仕事を探すための時間を確保できます。 ただし、フリーランス側に重大な責任がある場合など、一部例外的に予告が不要となるケースもあります。

      もし発注者との間でトラブルになったら?

      発注事業者がこれらの義務を遵守せず、トラブルに発展してしまった場合、フリーランスは泣き寝入りする必要はありません。

      国が設置する相談・申出窓口を利用できます。

      行政機関への申出
      厚生労働省(各都道府県労働局)に対し、法律違反の事実を申し出て、適切な措置を求めることができます。
      申出を受けた行政機関は、調査を行い、事業者への指導や助言、勧告、さらには命令を行うことがあります。

      フリーランス・トラブル110番
      弁護士が無料で相談に応じてくれる窓口です。
      法的なアドバイスを受けられるほか、希望すれば、弁護士が間に入って和解のあっせんを行う制度もあります。

      まとめ:安心して働くために、新法を最大限活用しましょう

      フリーランス保護新法に定められた「就業環境の整備」に関する義務は、フリーランスがより安定的かつ安全に働けるようにするための強力な後ろ盾となります。

      発注事業者がこれらの義務に違反した場合、行政指導や勧告の対象となるだけでなく、命令違反には50万円以下の罰金が科される可能性もあります。

      ご自身の働き方が新法の保護対象となるか、あるいは発注事業者との取引で「おかしいな」と感じることがあれば、それは法律違反にあたるかもしれません。

      当事務所では、フリーランスの方々が直面する法律問題について、専門的な知見からサポートを提供しております。少しでもご不安な点がございましたら、お一人で悩まず、お気軽に弁護士にご相談ください。

      弁護士に相談して早すぎることはありません

      豊富な実績と確かな実力で力になります

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