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弁護士法人ネクスパート法律事務所

弁護士法人ネクスパート法律事務所は、中小企業の法務に強い法律事務所です。

会社法や労働法に強い弁護士が、「取締役の責任追及」「会社の支配権争い」「法務・財務デューデリジェンス」といった経営者の課題を解決します。

初回相談は無料で、急なトラブルにも積極的に対応致します。 ぜひお気軽にご相談下さい。

【受注者向け】親事業者から不当な要求!下請事業者が取るべき対抗措置と相談窓口

親事業者から「理由なく代金を減額された」「一方的に返品された」「無償でやり直しを命じられた」など、理不尽な要求を受け、対応に苦慮されている事業者様は少なくありません。

これらの行為は、優越的な地位を利用した不当要求であり、下請法に違反する可能性があります。

本記事では、親事業者から不当な要求を受けた場合に、自社を守るための具体的な対抗措置、証拠の残し方、そして泣き寝入りしないための強力な相談窓口である「公正取引委員会」と「下請かけこみ寺」について、それぞれの特徴と利用方法を詳しく解説します。

目次

不当要求への初期対応と対抗措置

親事業者から不当な要求をされた場合、その場で安易に承諾してはいけません。「今回だけなら…」という安易な妥協が、将来にわたる不利益な取引慣行を生む第一歩になりかねません。

  • 毅然とした態度で協議する: まずは要求の根拠や理由について、客観的なデータや資料に基づいた説明を求め、協議の場を設けましょう。
  • 書面でのやり取りを徹底する: 電話や口頭での要求に対しては、「認識の齟齬を避けるため、お手数ですが書面でご依頼いただけますでしょうか」と伝え、やり取りを記録に残すことを強く意識してください。

「言った言わない」を防ぐ!有効な証拠の残し方

万が一、交渉がこじれたり、公的機関へ相談したりする場合に備え、客観的な証拠を残しておくことが極めて重要です。以下の資料は、必ず整理・保管しておきましょう。

  • 書面: 発注書(3条書面)、納品書、請求書、契約書、FAX、手紙など
  • 電子データ: メールやビジネスチャットのやり取り
  • 議事録: 会議や打ち合わせの日時、出席者、発言内容、決定事項を記録したもの
  • 写真・動画: 不当に返品された商品の状態、やり直しを命じられた箇所の作業前後の状況など
  • 音声データ: 重要な協議や電話での会話の録音

これらの証拠は、後の交渉や申告において、あなたの主張を裏付けるための強力な武器となります。

公正取引委員会への申告という選択肢

公正取引委員会は、下請法を所管し、違反行為を取り締まる行政機関です。親事業者への直接的な指導や勧告を求める場合に、最も強力な選択肢となります。

申告のメリット

最大のメリットは、違反行為が認定された場合、親事業者に対して是正措置を求める「勧告」が出される点です。勧告内容は企業名と共に公表されるため、親事業者にとって社会的信用の失墜という大きな打撃となり、違反行為の是正に強い効果が期待できます。

申告方法

申告は、書面またはウェブサイト上の申告フォームから、誰でも無料で行うことができます。

  • 書面の提出: 違反の事実を具体的に記載した書面を作成し、証拠資料を添付して、公正取引委員会の本庁または地方事務所・支所に郵送または持参します。
  • オンライン申告: 公正取引委員会のウェブサイトにある申告フォームに必要事項を入力して送信します。証拠資料も添付できます。

申告書には、「いつ、誰が、誰に対し、何をしたのか」を具体的に記載することが重要です。

申告後の流れと注意点

申告が受理されると、公正取引委員会は調査を開始するかどうかを判断します。調査が必要と判断されれば、親事業者への報告徴収や立入検査が行われます。

  • 匿名での情報提供も可能: 事業者名や担当者名を明らかにせずに情報提供することもできます。ただし、事実確認が難しくなるため、実名での申告に比べて調査開始のハードルは高くなる傾向があります。
  • 報復措置の禁止: 下請事業者が公正取引委員会に申告したことを理由に、親事業者が取引を停止したり、発注量を減らしたりする「報復措置」は、下請法で明確に禁止されています。

中小企業庁「下請かけこみ寺」への相談

「いきなり公正取引委員会に申告するのはハードルが高い」と感じる方には、中小企業庁が全国48ヶ所に設置している「下請かけこみ寺」への相談をおすすめします。企業間取引の悩みに寄り添う、身近な相談窓口です。

相談のメリット

相談は無料で、匿名でも可能です。企業間取引に詳しい専門の相談員が親身に対応し、問題解決に向けたアドバイスを提供してくれます。まずは専門家に話を聞いてもらい、状況を整理したい場合に最適な窓口です。

「裁判外紛争解決手続(ADR)」による解決

下請かけこみ寺の大きな特徴が、「裁判外紛争解決手続(ADR)」を利用できる点です。これは、裁判によらない紛争解決手続きのことで、当事者の間に中立・公正な立場から弁護士などの専門家(調停人)が入り、話し合いによる円満な解決(和解)を目指します。

  • 迅速・低コスト: 訴訟に比べて手続きが簡易で、迅速な解決が期待できます。費用も原則無料です。
  • 非公開: 手続きは非公開で行われるため、取引関係への影響を最小限に抑えながら解決を図ることが可能です。

利用の流れ

まずは電話やウェブサイトから最寄りの下請かけこみ寺に連絡し、相談の予約をします。相談員との面談を経て、当事者間での解決が困難な場合には、相手方の同意を得た上でADRの手続きに移行することができます。

弁護士への相談が、最善の解決策となる理由

公正取引委員会や下請かけこみ寺は非常に有効な公的機関ですが、これらは行政的なアプローチや話し合いによる解決が主となります。個別の金銭請求(損害賠償など)や、より複雑な法律問題の解決には、弁護士への相談が不可欠です。

  • 代理人としての交渉: あなたの代理人として、法的な根拠に基づき親事業者と直接交渉します。専門家が介入することで、相手方が真摯に対応する可能性が高まり、精神的な負担も大幅に軽減されます。
  • 損害回復の実現: 不当な減額や無償のやり直しによって生じた損害について、交渉や訴訟を通じて具体的な金銭の回収を目指します。
  • 法的手続きの実行: 交渉で解決しない場合、訴訟や仮処分といった法的手続きを迅速かつ適切に進めることができます。
  • 将来の紛争予防: 今回のトラブル解決だけでなく、今後の契約書の見直しや取引基本契約の締結など、将来の紛争を予防するための具体的な法的アドバイスを提供します。

親事業者との力関係から泣き寝入りをしてしまう必要はありません。不当な要求には、法に基づき、毅然と立ち向かうことが可能です。

当事務所では、下請法に関するトラブルについて、豊富な経験と実績を持つ弁護士が親身に対応いたします。
状況に応じた最適な解決策をご提案しますので、一人で悩まず、まずはお気軽にお問い合わせください。

まとめ

親事業者からの不当な要求に対しては、まずは冷静に事実関係を確認し、有効な証拠を確保することが第一歩です。その上で、当事者間での解決が難しい場合は、ためらわずに専門機関へご相談ください。「公正取引委員会」は違反行為の是正を求める強力な手段であり、「下請かけこみ寺」は円満な解決を目指す身近な相談窓口です。

そして、あなたの権利を最大限実現し、将来のビジネスを守るためには、弁護士という選択肢が最も有効な場合があります。適切な窓口を頼り、正当な権利を守りましょう。

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