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弁護士法人ネクスパート法律事務所

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試供品(サンプル)は景品表示法の総付景品規制の対象外? 「見本」として提供する際の留意点を解説

企業の販売促進施策において、商品購入者に対して試供品(サンプル)を「プレゼント」として提供するケースは多く見られます。このようなサンプル提供は、景品表示法上の「景品類」として規制の対象となるのか、それとも「見本・宣伝用物品」として規制の適用外とされるのか。判断に迷うことの多いポイントです。

本記事では、景品表示法における総付景品の定義と、「見本・試供品」がその規制を受けないための条件について、消費者庁の告示および運用基準を参照しつつ、企業実務に役立つ視点から解説します。

景品表示法における「総付景品」とは?

景品表示法では、事業者が自己の供給する商品やサービスの取引に付随して、消費者に提供する物品・金銭その他の経済上の利益を「景品類」と定義し、一定の条件下でその価額に上限を設けています。中でも「総付景品」とは、購入の有無に関わらず来店・利用などに対して一律に提供される景品類を指し、以下の制限があります。

  • 取引価額が1,000円未満の場合:景品価額は200円まで
  • 取引価額が1,000円以上の場合:景品価額は取引価額の10分の2まで

「見本・宣伝用物品」は総付景品に該当しない?

景品表示法の運用上、「見本その他宣伝用の物品又はサービスであって、正常な商慣習に照らして適当と認められるもの」は、景品類に該当する場合であっても、総付景品の規制の対象外とされています(※告示第2項第2号)。

▶︎ 告示本文:一般消費者に対する景品類の提供に関する事項の制限
この規定により、適切な範囲内での試供品提供は、景品表示法による金額規制の対象とならない可能性があります。

「見本・試供品」と評価されるための実務上の要件とは?

「見本その他宣伝用の物品又はサービスであって、正常な商慣習に照らして適当と認められるもの」は、見本等の内容、その提供の方法、その必要性の限度、関連業種における見本等の提供の実態等を勘案し、公正な競争秩序の観点から判断されます。
具体的には原則として以下を遵守する必要があります。

見本と認められるための要件・要素等

  • 商品の内容・特徴・風味・品質等を試食・使用等によって知らせ、購買を促すために提供するものであること
  • 提供の方法、提供数量(最小取引単位のもの)、業界の商慣習等からみて適正な限度内であること
  • 商品そのものを提供する場合は、「試用・試食用であることが明示されていること」
    例:化粧品のサンプル、食品売場の試食、1回分の洗剤、1日体験型サービス等

▶︎ 参考:告示運用基準(PDF)

購入者への提供が「見本」と言えるかは慎重に判断を

一方で、すでに商品を購入した消費者に対して「同一商品の小分けサンプル」を提供するようなケースでは、問題が生じる可能性があります。
たとえば、

「50粒入りのサプリメントを購入した方に、15粒入りの同じ製品のサンプルをプレゼント」という提供方法は、もはや商品の試用・試食の範疇ではないものと評価されるおそれがあります。

このような場合は、「見本・宣伝用物品」とは認められず、総付景品として景品表示法の規制対象になる可能性があるため、価額制限(通常は200円)に留意する必要等が生じます。

まとめ

試供品やサンプルの提供は、景表法における「見本その他宣伝用の物品」に該当する限り、総付景品規制の適用を受けません。ただし、実務上は次の点に注意が必要です。

試供品提供に関するチェックリスト

  • 試供品が商品内容を知ってもらうためのものであるか(プロモーション目的)
  • 商品の最小単位以下であるか
  • 明確に「試用目的」と表示されているか

判断に迷う場合は、「見本」の範囲を逸脱していないかを、商慣習や提供方法を総合的に考慮して確認する必要があります。

法令対応でブランド信頼性を守るために

景品表示法違反は、行政処分のみならず、企業イメージの低下にも直結するリスクの高い領域です。「サンプルだから大丈夫」という判断は禁物であり、販売促進施策を実施する際には、景表法に精通した弁護士や専門家のチェックを受けることが推奨されます。
弊所では、景品表示法に関するプロモーションチェック、表示監修、広告レビュー等の法務支援を幅広く行っております。新商品の企画・販促前に、ぜひお気軽にご相談ください。

弁護士に相談して早すぎることはありません

豊富な実績と確かな実力で力になります

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弁護士 尾又比呂人 (第一東京弁護士会所属)

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