法人破産の必要書類を徹底解説!法人代表者の自己破産に必要な書類も

この記事を読んでいる方の中には、法人破産を検討されている経営者の方が多くいらっしゃると思います。

法人破産は、手続きが大変複雑であるため弁護士に依頼することが一般的です。しかし、何をどのようにすれば破産できるかわからない状態では、不安も多いことでしょう。

 

この記事では、法人破産で裁判所に提出する書類を解説します。

必要書類を理解し、法人破産への不安解消に役立ててください。

 

会社・法人破産の必要書類

会社・法人破産をするためには、裁判所に申立書や疎明資料を提出します。会社の財産や債務の状況により提出すべき書類は異なりますが、非常に多くの書類や資料を用意しなければなりません。

 

記入もしくは作成が必要な書類として「記入書類」と、収集が必要な書類として「収集書類」に分かれると言われたりもしますが、この記事では以下の2つに分類して紹介していきます。

 

  1. 法人破産申立書(申立書に添付する各書類)
  2. 疎明資料(申立書類に記載の内容を疎明するための資料)

 

法人破産の必要書類(法人破産申立書)

まずは申立書と、申立書に添付する各書類について説明します。

提出が必要な書類は以下のとおりです。

 

  • 破産手続開始申立書
  • 登記事項証明書
  • 取締役会議事録または同意書
  • 債権者一覧表
  • 債務者一覧表
  • 財産目録
  • 報告書
  • 陳述書
  • 委任状

 

これらの書類は、一部内容が重複する場合があったり、裁判所の運用によっては提出が不要な書類もあったりしますので、作成にあたっては弁護士に確認するとよいでしょう。

 

以下、ひとつずつ詳しく見ていきましょう。

 

破産手続開始申立書

会社・法人破産をする場合、裁判所に破産手続開始申立書を提出しなければなりません。

個人の自己破産とは違い、法人破産の申立書は各裁判所に定型の書式等がないことが多く、定められた事項を記載しなければなりません。自社で申立てを行う際は注意が必要です。

 

登記事項証明書

法人の登記事項証明書を提出します。

法人の本店所在地、代表者、法人が実在しているか等を確認するための書類です。法人破産の場合、破産手続開始申立書に添付するものとして法律で定められている書類のひとつです。

 

商業登記簿謄本と書いてある記事もありますが、現在は登記事項証明書となっています。

登記事務がコンピュータ化される以前は、登記事項を登記用紙に記載しており、その用紙を複写し証明していました。これが登記簿謄本です。

 

現在では日本全国の登記所(法務局)でコンピュータ化されており、登記事項証明書となっています。一部コンピュータ化への移行に適さない登記簿については登記簿謄本が発行される場合があります。

 

登記事項証明書には、全部事項証明書、一部事項証明書、代表者事項証明書等があります。法人破産手続きでは、全部事項証明書の履歴事項証明書(履歴事項全部証明書と言ったりもします)を提出することが一般的です。

 

登記事項証明書は申立前3か月以内に発行されたものでなければなりません。

取得の際は、法務局に直接行って請求するか、オンラインや郵送でも請求することが可能です。ただし、インターネット上で閲覧ができる登記情報提供サービスを利用して閲覧した情報のプリントアウトは、添付書類として認められませんので注意してください。

 

取締役会議事録または同意書

法人破産をする場合、法人の取締役の同意がなければなりません。

 

取締役会の決議は、議決に加わることができる取締役の過半数が出席し、その過半数をもって行います。もし定款で過半数よりも多い割合を定めている場合はその割合以上の賛成が必要です。取締役会設置会社でない場合には、すべての取締役のうち過半数の同意が必要となります。

 

取締役会決議が行われたことや、取締役の過半数の賛成があったことを証明するために取締役会議事録または取締役の同意書を提出します。

 

もし取締役会で要件を満たす割合の賛成が得られない場合には、一部の取締役のみで法人破産を申し立てることも可能です。その場合、準自己破産という取り扱いになります。

 

債権者一覧表

債権者一覧表は、破産を申し立てる法人の債権者を一覧にしたものです。こちらも、破産手続開始を申し立てる場合に申立書に添付しなければならないと法律で定められている書類です。なお、債権者が申立てを行う場合には、他の債権者の把握は難しいため提出は求められません。

 

債権者一覧表には、債権者名、住所、電話番号、債権の種類、債権額、借入時期、担保権・保証人の有無等を記載します。

以下のように債権の種類ごとに分けて作成することが一般的です。

  • 総括表
  • 労働債権
  • 公租公課
  • 金融機関
  • リース債権
  • 一般債権

 

債務者一覧表

債務者一覧表には、売掛金や未収金について、債務者の住所、連絡先、金額等を記載します。

 

財産目録

財産目録には、法人が有しているすべての財産について記載します。

法人破産をするにあたり、その要件となる支払不能または債務超過の状況になっているか否か、裁判所が判断するために必要です。

 

また、破産手続きが開始したら、法人のすべての財産は破産管財人が処分・換金します。そのため、すべての財産を記載し提出するのです。

 

現金・預貯金・不動産・自動車等だけでなく、原材料・在庫商品・機械・工具・什器備品・保証金・敷金・保険等も忘れてはいけません。固定資産台帳や償却資産台帳等も確認しながら作成します。

 

報告書

破産手続開始申立書には、実は最低限の情報しか記載しないことが多く、それだけでは裁判所がその法人について破産させてよいかの判断ができません。別途、報告書として申立人である法人の概要、現在の事業の状況、従業員の状況、株主、役員、事業所の現在の状況、破産手続開始申立てに至った事情等を記載して提出するのが一般的です。

 

ただし、破産手続開始申立書は、先述のとおり特に定型の書式を用意していない裁判所も多いため、申立書として上記内容を記載し提出する場合もあります。

 

陳述書

報告書に記載した破産手続開始申立てに至った事情などを補充するため、申立てに至った経緯を詳細に記載した法人代表者の陳述書を提出する場合もあります。

 

委任状

法人破産手続きを弁護士に依頼する場合、委任状が必要です。

破産手続開始申立てについて、申立代理人としてその弁護士に委任していることを証明するものです。

 

法人破産の必要書類(疎明資料)

上記書類のほかに、破産手続開始申立書や報告書に記載した内容を疎明する資料の提出も必要です。

 

法人の保有する財産等により異なる場合がありますが、一般的には以下の書類を提出します。実際に裁判所に提出するもの、裁判所には提出せず破産管財人に直接引き継ぐものなどがあります。

 

  • 預貯金通帳写し
  • 貸借対照表及び損益計算書
  • 清算貸借対照表
  • 税務申告書控えの写し
  • 不動産登記全部事項証明書
  • 不動産に関する査定書または競売の評価書
  • 固定資産評価証明書
  • 賃貸借契約書の写し
  • 車検証または登録事項証明書の写し
  • 車両に関する査定書
  • 生命保険証書の写し
  • 解約返戻金計算書
  • 有価証券写し
  • リース契約書写し
  • 訴訟関係書類
  • その他の財産に関する資料等

 

代表者個人が自己破産する場合の必要書類

ここまで、法人破産の必要書類を見てきました。ここからは、法人の代表者個人も自己破産する場合に必要な書類について解説します。

裁判所の運用や個人の債務状況によって異なりますが、必要書類は以下のとおりです。

 

破産手続開始・免責許可申立書

破産手続開始と免責許可を申し立てるための申立書です。個人の場合、法人とは異なり申立てをした個人が消滅するわけではありません。裁判所からの免責許可を得ることで、税金等一部を除く借入の返済を免除してもらうことになります。

 

債権者一覧表

法人破産の債権者一覧表と同様の機能を果たす書類です。債権者の住所、借入総額、借入時期、最後の返済日、取引の内容、使途などを記載します。

 

資産目録

現金、預貯金、不動産、自動車、生命保険等の有無やその価値などを記載し提出します。

 

法人破産の場合は破産手続きが終了すると法人は消滅するため、すべての資産が処分されます。しかし、個人の自己破産ではすべての資産が処分されるわけではありません。生活再建のために一定の財産は手元に残しておくことが可能です。

 

報告書(陳述書)

申立代理人弁護士が作成する報告書もしくは申立人本人が作成する陳述書を提出します。

こちらも法人破産の場合と同様、申立書には最低限の情報しか記載しないため、破産に至った事情などを詳しく説明する書類です。

 

家計状況

家計全体の状況を提出します。裁判所によって異なりますが、申立前直近2か月分の家計状況を提出するのが一般的です。

収入と支出は大まかな数字ではなく、実際の収支の金額を記載するので、領収証やレシートは捨てずに保管しておいた方がよいでしょう。

 

添付書類

その他、申立書に添付する書類として必要なのは以下のとおりです。

 

 

上記のほかにも、裁判所や破産管財人から指示された書類を提出する場合があります。

 

まとめ

法人破産や個人の自己破産で必要な書類を解説しました。

 

法人破産は手続きが非常に複雑な上、必要な書類の作成・収集は、法人の状況や保有する財産などによって異なります。そのため、大変そうだからと手続きを躊躇する経営者の方も少なくありません。

 

しかし、必要書類の大半はすでに法人が持っていることがほとんどです。手続きを弁護士に依頼すれば、作成が必要な書類は弁護士が作成しますし、書類の収集についても弁護士がアドバイスをするため、安心して手続きを進めることができるでしょう。

 

法人破産に関する不安があれば、なるべく早く弁護士に相談することをおすすめします。

この記事を書いた人

ネクスパート法律事務所