会社・法人破産をする際の手続きの流れを解説!会社の倒産とは?

法人破産をするといっても、実際には何をするのでしょうか?法人破産の手続きは大変複雑な手続きで、必要な作業も多岐にわたるため、申立てを弁護士に依頼することが一般的です。

この記事では、弁護士に依頼して法人破産する場合どのようなことをするのか、その手続きの流れについて解説します。

 

法人破産手続きの流れ(裁判所への申立までの流れ)

まずは裁判所に申立てを行うまでの流れをみていきましょう。

 

弁護士に依頼してから裁判所へ申立てを行うまで、一般的には3か月から6か月程度となります。ただし、法人破産はスピードが重要な場合も多く、会社の負債や資金の状況などから事業を停止する日程、申立てをする日をあらかじめ定めてそれに向けて準備を進めていくことが多くあります。その場合には、1か月~2か月程度で申立てを行うこともあります。

 

会社の状況等により順番が前後したり、同時並行で進むことなどもありますが、おおまかな流れは以下のとおりです。

 

弁護士に相談・依頼

「売上が落ち込んできて資金繰りがうまくいかず、従業員の給与を支払えないかもしれない」

「仕入れ先への支払い期日までにどうしてもお金が準備できない」

というようなギリギリのタイミングになる前に相談することをおすすめしますが、実際には、もうどうにもならないというところまで金策に走る経営者さんは多くいらっしゃいます。

法人破産をさせるということは大きな決断ですので、不安や疑問も多くお持ちのことと思います。ぜひ弁護士に相談し不安や疑問を取り除いてください。

弁護士に相談の上、やはり法人破産しかないと決断され、弁護士の方針に納得したら依頼をしましょう。

 

受任通知の発送

法人破産を弁護士に依頼をすると、弁護士から各債権者に対して受任通知を発送します。これは、債権者に対して破産する予定であること、弁護士が窓口になることなどを伝えるものです。受任通知が債権者に届くと、その後は支払いの請求や催促などはストップし、会社に対する連絡も弁護士に入ることになります。法人破産をする際の大きな不安のひとつである債権者の対応は弁護士が行うので、安心して残務処理や法人破産手続きに必要な作業をしていただくことができます。

 

会社の財産や債務、権利義務関係の調査

会社の財産、債務や債権について弁護士が調査を行います。債権者から届け出のあった債権についてはもちろん、決算書や帳簿から買掛金や未払金等から会社の債務を確認します。

さらに、売掛金など未回収も債権はないか確認し、会社のすべての財産の調査を行います。

また、契約書などを確認し、会社のすべての権利義務関係を把握の上必要な手続きを行います。

 

従業員の解雇

法人破産をすると、法人は消滅することになります。従業員がいる場合には、従業員を解雇することが一般的です。従業員にとっても、勤務している会社がなくなってしまうことは大変ショックなことで、今後どうなるのか不安も大きいため、従業員にも十分に説明する必要があります。

 

テナントの明け渡し

事業所が賃貸であれば明け渡しをしなければなりません。その他、もし什器やオフィス機器等リース契約をしている場合にはその契約の解除等、様々な手続きをする必要があります。

商品在庫や材料が多く残っている場合にはその保管や移動等についても検討することになります。

 

財産の保全

会社の財産は、申立後、破産管財人が処分して債権者に配当することになります。そのため、従業員や債権者等が勝手に財産を処分してしまわないためにも、財産の保全を行います。

会社印や代表者印、通帳などは弁護士が管理し、勝手に処分されないようにします。

 

申立書作成

裁判所に提出する申立書の作成をします。

申立書は弁護士が作成しますが、作成に必要な情報の提供は会社に依頼します。

申立書とともに、債権者一覧表、債務者一覧表、財産目録、陳述書(報告書)等も作成するため、法人の協力が必要です。

 

書類の収集

申立書と一緒に裁判所に提出する書類の収集も行います。

会社の状況等によって異なりますが、主に必要となる書類は以下のとおりです。

  • 登記事項証明書
  • 取締役会議事録または同意書
  • 直近2期分の貸借対照表及び損益計算書
  • 清算貸借対照表
  • 税金申告書控えの写し
  • 3か月以内に取得した不動産登記全部事項証明書
  • 賃貸借契約書の写し
  • 車検証・登録事項証明書の写し
  • 生命保険証書・解約返戻金計算書の写し
  • 訴訟関係の写し

ほか、弁護士が必要と判断した書類などが必要になります。

 

法人破産手続きの流れ(裁判所への申立後からの流れ)

申立書と必要書類が揃ったら、弁護士が裁判所に申立てを行います。

裁判所へ申立てをしてから手続きが終了するまでも、会社の財産やその処分状況等にもより異なりますが、概ね3か月~6か月程度であることが一般的です。

 

裁判所へ申立て

裁判所への申立ては弁護士が行います。

このとき、法人の代表者が裁判所に行く必要はありません。

 

破産手続開始決定

裁判所が申立書・添付資料を確認し、要件を満たしていれば破産手続き開始決定が出ます。法人破産の場合には通常破産管財人が選任されます。破産管財人が、会社の財産の処分をし債権者に配当するなどの破産手続きを行います。

 

破産管財人との面談

破産管財人と打ち合わせをします。

法人破産の手続きを依頼した弁護士も同席するので、心配する必要はありません。ただし、破産管財人が行う調査には協力しなければなりませんので、聞かれたことには誠実に回答し、書類の提出などを求められれば迅速に応じなければなりません。

 

債権者集会

破産手続開始決定から概ね3か月程度の裁判所が定めた日に債権者集会が開かれます。

破産管財人が行った調査の結果や会社の財産の処分の状況を報告するなどします。債権者が集まり、債権者にも説明を行うことも目的ではあるものの、債権者が出席することは多くありません。ほとんどの場合、裁判官、破産管財人、破産を申し立てた法人の代表者、法人の申立代理人弁護士のみが出席します。

管財業務が完了していない場合には、次の債権者集会の期日が決められ、複数回行われることもあります。

 

債権者への配当

破産管財人は、会社の財産を処分・換価し、債権者に配当します。

 

破産手続終結決定

配当が終わると(配当がなかった場合も)手続きは終了します。

 

法人破産手続きの流れ(代表者個人も自己破産している場合)

もし法人と同時に法人の代表者個人も自己破産の申立てをしている場合は、以下の手続きもあります。

 

免責審尋

裁判所が免責してもよいか(借金の返済を免除してよいか)判断するために開かれるもので、債権者集会と似た手続きです。

 

免責許可決定

免責許可決定が出て、確定すれば債務の返済義務は免除されます。税金や養育費など一部免除されない非免責債権もあります。

 

破産と倒産について

法人破産と会社の倒産は同じ意味として捉えがちですが、厳密に言うとそれは異なります。会社の倒産手続きの中の1つに法人破産があると考えるとわかりやすいです。

会社の倒産手続きには、清算型手続と再建型手続きがあります。

 

清算型手続

清算型手続には破産と特別清算があります。

破産

法人破産はこの記事でここまで説明してきた流れで進む手続きです。法人を消滅させ、破産手続きで配当できなかった負債についても消滅します。

特別清算

特別清算は法人破産と似た手続きですが、法人破産に比べ簡易的に、また低額で会社を清算できるというメリットがあります。ただし、手続きを利用できる対象が限られている点、債権者の同意が必要などすべての法人が利用できるわけではない点に注意が必要です。

 

再建型手続

再建型手続は、会社の事業を継続するための手続きです。

民事再生・会社更生

民事再生・会社更生は、再生計画案を提出し、債権者による決議を経て裁判所が認可決定をし、計画通りの返済をしていく手続きです。

 

私的手続

私的整理は、債権者と交渉することにより、債務の免除を受けたり、返済期間や方法の変更をしてもらうなど、個人の任意整理と似た手続きです。

実際にはあまり利用されることのない手続きです。

 

まとめ

会社の経営が傾いてきて立て直しが難しい場合でも、法人破産にはなかなか踏み出せるものではないと思います。これまで経営してきた会社を破産させるかどうか迷うのは当然のことでしょう。

しかし、法人破産をするのにも裁判所に支払う費用や弁護士費用が必要になります。また、従業員への給与の支払いや、少しでも債権者に配当ができるよう、もう全く資金が残っていないという状況になる前に、なるべく早い段階で弁護士に相談することをおすすめします。

 

こちらでご紹介したのはあくまで一般的な法人破産の手続き流れです。会社の規模や債務の状況、まだ業務が動いているか否か、従業員の有無等によって、必要な手続きが異なったり、流れが前後したりする場合もあります。個別の事情については、弁護士に相談するとよいでしょう。

この記事を書いた人

ネクスパート法律事務所