債務整理をすると結婚はできない?手続き後の生活への影響とは
債務整理をすると結婚はできないのでしょうか?
自己破産をすると戸籍に載るなんていう噂が回っていたことも過去にはありましたが、そんな事実はありません。
法律上、債務整理をしたから結婚ができないということはありません。
しかし、債務整理をしたことによって生活に影響が出ることはいくつかあります。
この記事では、「債務整理をすると結婚はできない?手続き後の生活への影響とは」について解説していきます。
結婚を考えている方は、ぜひこの記事を参考にしてみてください。
目次
債務整理をすると結婚はできない?
債務整理をしたり、これからしようとしている場合、結婚に不利になることがあるのでしょうか。
債務整理をしたことが戸籍や住民票に載ることはありませんし、債務整理によって法律上結婚の制限をされるということはありません。
債務整理をしたことで、婚約者や配偶者名義の財産が没収されたり、経済的な不利益が発生することもありません。
ただし、債務整理をしたことや、これからしようとしていることが婚約者に知られた場合には、婚約者やその家族の意向によっては、破談になってしまうことも十分に考えられます。
また、借金があることを隠して結婚した場合、のちにバレてしまった時に大きな問題になることは避けられません。
債務整理手続き後の生活への影響
債務整理をすると、借金が免除・減額してもらえたり、返済期限を延ばしてもらうなど生活再建のためのメリットがある一方でデメリットもあります。
債務整理手続き後の生活への影響はどのようなものでしょうか。
①債務整理(任意整理・個人再生・自己破産)に共通する影響
信用情報機関に事故情報が登録され、新しくクレジットカードを作ったりローンを組むことができなくなる
債務整理をすると信用情報機関に事故情報が登録されます。いわゆるブラックリストに載ると言われるものです。
信用情報機関に事故情報が登録されると5年から10年程度は新しくクレジットカードを作ったりローンを組むことができなくなります。
引っ越しをする際に借りられない物件がある
信用情報に事故情報が登録されると(ブラックリストに載ると)、新しく家を借りる際の審査にかかわってくる場合があります。
信販系の家賃保証会社は、審査の際に信用情報を照会すると言われています。
信販系の家賃保証会社を利用しなければならない物件に引っ越しをする際には、審査が通らない可能性が高いです。
信販系ではない家賃保証会社を利用できる物件か、あるいは親族が保証人になれば契約できる物件を探すなどする必要があります。
②個人再生または自己破産をした場合の影響
個人再生または自己破産をしたことが官報に掲載される
官報という国の機関紙に個人再生または自己破産をしたことが掲載されてしまいます。
しかし官報を必ず確認しているという人はあまりいないため、近所の人や友人に官報に掲載されたことによって知られてしまうリスクはあまりないと考えてよいでしょう。
ただし、官報を確認してダイレクトメールを送ってくる闇金業者などもあるので注意が必要です。
③自己破産をした場合の影響
自宅や車など価値のある財産は処分されてしまう
自己破産をすると、自宅や車など価値のある財産は処分されてしまいます。
自宅や車のほかにも、20万円を超える価値があるものは処分されてしまいます。
たとえば解約返戻金のある生命保険なども解約しなければなりません。
破産手続中の引っ越しや旅行は裁判所の許可を得なければできない
破産手続中に転勤になり引っ越しをしなければならない場合や旅行など長期で自宅から離れる場合には、事前に裁判所に許可をもらう必要があります。
職業の資格制限などがある場合、破産手続中その職業には就けない
一部、破産手続中には就けない職業があります。
弁護士・税理士・公認会計士などの士業や、生命保険募集人や警備員などが主な例です。
債務整理をした際に配偶者に生じる影響
では、債務整理をした際、配偶者にはどのような影響があるのでしょうか。
債務整理をする配偶者の借金の連帯保証人となっている場合、連帯保証人である配偶者に請求される
たとえば夫が自己破産をする場合、夫が借金をしていて、妻が連帯保証人になっていれば、夫が自己破産をしたらその借金の返済を免除してもらえるのは夫だけです。
夫が自己破産をしてもその借金自体がなくなるわけではなく、連帯保証人である妻に返済義務が移ります。
もし妻が返済できない場合には、妻も自己破産をするなど債務整理を検討する必要があるでしょう。
配偶者名義の家や車は処分されてしまう可能性がある
自己破産をする場合、自己破産をする人名義の家や車は処分されてしまいます。
家を処分されれば引っ越しをしなければなりませんし、車が処分されてしまえば車は使えなくなってしまいます。
ただし、自己破産をするときに処分されてしまう財産は、自己破産をする本人名義のものだけです。
もし夫が自己破産をする場合、妻名義の財産は処分されないので安心してください。
まとめ
債務整理をしたから結婚ができないということはありません。
借金があることを隠して結婚するか、すべて正直に話をしてから結婚するかなどは悩まれることかと思います。
債務整理の手続きを弁護士に依頼すれば、なるべく婚約者に知られず手続きするよう配慮することはできても、バレないとは限りません。
知られてしまう可能性のあるタイミングは、あらゆる場面にあります。
どちらにしても、借金問題の解決を先延ばしにすることはあまりおすすめできません。
個別の事情については弁護士に相談するとよいでしょう。